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立ち上げ10カ月で2つの米アクセラレータ卒業ーー完全オンライン起業で学んだこと

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2020年、怒涛の勢いでサンフランシスコ・シリコンバレーで活躍し、現地でノウハウを溜めているスタートアップがいる。山田俊輔氏が率いる「Remotehour」がそれだ。 1月にサービスを立ち上げて3月にはY Combinatorの元パートナーであるDaniel Gross氏によって設立されたアクセラレータ「Pioneer」に採択。10月にはUberやRobinhoodへ出資したエンジェル投資家、Ja…

2020年、怒涛の勢いでサンフランシスコ・シリコンバレーで活躍し、現地でノウハウを溜めているスタートアップがいる。山田俊輔氏が率いる「Remotehour」がそれだ。

1月にサービスを立ち上げて3月にはY Combinatorの元パートナーであるDaniel Gross氏によって設立されたアクセラレータ「Pioneer」に採択。10月にはUberやRobinhoodへ出資したエンジェル投資家、Jason Calacanis氏が運営するアクセラレータ「LAUNCH」を卒業。

Remotehourはオープンドアな動画チャットルームサービスで、ホストはZoomのようにライブ動画ルームを持つことができ、訪問ユーザーは発行されたURLをクリックするだけで話しかけることができる。Zoomとは違い、1on1で15分ほど話すシチュエーションを想定している。現在は投資家と起業家が動画を通じて短時間チャットするシーンで活用されている。

今回は直近に卒業したLAUNCHでの経験を中心に、どんな学びがあったのかをショートインタビュー形式で聞いたのでまとめていきたい。(太字の質問は全て筆者、回答は山田氏)

Remotehour

つい先日、Jasonがやっているアクセラレータ「LAUNCH」を卒業したとお聞きしました。どうでした?

山田:コロナ禍ということもあって、全てオンライン。プログラムのオンライン化に伴って世界中から起業家が参加できるきっかけになっていたようですね。オーストラリアから参加していたり、全部で7社が参加していました。で、個人的には冗談抜きにお腹が痛くなる日々が続きましたね(笑。

具体的には?

山田:毎週木曜日に10〜20名くらいの投資家にピッチをするんですが、これがなかなかきつかったです。

緊張しそうですね、、、

山田:特にプログラム当初は全く投資家に製品の説明が刺さらないし、英語の拙さに関してはSlack経由でJasonからこっぴどく怒られてたりしていました。

ピッチはどう工夫して乗り越えたんですか?

山田:まず機能寄りの説明をやめました。LAUNCHでは「フィーチャー(特徴)ドリブン」のプレゼンは敬遠されてしまいます。ストーリーベースで説明しないと伝わりません。スタートアップの参考デックにあるような、課題解決や機能を淡々と述べる形は解像度が低いと指摘されましたね。そのため、ユーザーの物語を作るように努めました。

なるほど

山田:ピッチ動画観ていただくとわかりますが38分頃)、ユーザーがRemotehourを使う前と後で具体的にどう変化をもたらせているのかを説明しています。

確かにどの参加企業もストーリー重視ですね。

山田:良くも悪くも僕たちはメーカー(エンジニア起業家)。どうしても機能重視で考えてしまうことがあります。Jasonはユーザーからのフィードバックを受けて高速で実装できるエンジニアを好みます。LAUNCHの前に入ったアクセラレータ「Pioneer」でもそうでした。ただ、ピッチとなると話は別です。機能てんこ盛りじゃ何も伝わりません。

たとえばどんな内容を削ったりしたんですか?

山田:最初はStripeと連携させて課金機能もあるよといった説明を入れてましたが全て省きました。アピールできるほどの高いトラクションがなければ、なおさらストーリテラーになることが大事ですね。

英語に関しては?

山田:特にピッチのQ&Aがきつかったです。プログラムの後半近くまで1人でこなしていたんです。けどJasonに「デモデイまでに英語を完璧にするか、通訳を入れるかどちらかにしろ」と言われまして。。。

それは辛い、、、

山田:正直恥ずかしい意識があったんですね、通訳を入れることに関して。一人前ではないな、と。一方、Jasonはその点はかなりオープンで、通訳を入れるのは個人の問題ではなく会社のリソースと割り切っています。手配するのも創業者の力量によるものだと。自分で用意するのも能力の一つだと言われて吹っ切れたところはあります。

ある種、合理的な考えですね

山田:最終的にデモデイではQ&Aの部分だけ通訳を入れたんですが、ちゃんと手配したところは評価してくれていたようです。リソースを上手く使うのも経営者の仕事の1つなので。

Jason Calacanis氏

現地にいながらオンラインでのやりとり。正直どうですか?

山田:確かに、起業に挑戦するとしても無理してシリコンバレーに来なくても良いかなとは時々感じます。実際Remotehourはチーム運営も資金調達も全てオンラインです。他のプログラム参加企業も海外から参加していますし。現地に必ずしもいる必要のない環境にはなりつつあります。それでもここにいる価値はありますね。

というと?

山田:現地にいること自体を評価してくれるんですよ。スタート地点が日本だとやっぱりガラパゴス的な印象を持たれやすい。言語の苦戦が良い例で、英語を使う環境にないのでもし英語力がないのに日本拠点ならその時点で嫌厭されてしまいます。

わざわざ現地に行く気概を認める文化はよく聞きますよね。

山田:Jasonとは対面では一度も会ったことないですが、その点は認めてくれていると感じますね。

投資家や起業家と対面で話しながら密な情報交換することもなくなったと思うんですが、この点はどうです?

山田:ノウハウは日本でも得られますよね、英語の記事とか読めば。情報は世界中どこにいてもアクセスできますよ。ただ、自分たちにとってはJasonから直接コメントもらったりする方が圧倒的に価値の高いやりとりなんです。

現地で挑戦する本質的なヒントがその辺にありそう

山田:結局はトライアンドエラーできる環境がすぐ側にあるかないか。1を聞いたら10を反映するくらいの気合は必要だと思ってます。ここで得られるフィードバックは貴重なものだと思ってるんで、あるミーティングで得られたものを、ちゃんと何かアウトプットとして出そうっていう気持ちは結構ありますね。

ネットに落ちてる二次情報に依存しない、実験できる「場の強み」を活かせている印象持ちました

山田:結局、誰かが書いた記事のノウハウを最後まで再現して自社の成功事例にまでやりきった人はどこにいるんだろうと思うんですよね。読み止まりじゃなくて、トライアンドエラーし続けることに意味があるかな、と。で、海外で挑戦するなら日本じゃなくて断然アメリカにいる方がトライしやすいし、フィードバックループも回しやすいのは確かです、たとえ環境がオンラインになったとしても。

そしてがっつり挑戦する姿勢を認めてもらうために現地にいると

山田:そうかもしれません!

Remotehour

1つ前のアクセラレータ「Pioneer」にも軽く触れてもらって良いですか?

山田:そうですね、Pionnerでもさっきお伝えしたアウトプットの意識を鍛えられました。具体的には「Talk to userの一歩手前」を意識させられましたね。

どんなものなんです?

山田:何かというとサービス登録にどうサービスを理解してもらっているのか、どう離脱してしまうのかを観察するんです。毎週金曜に参加者同士で互いのLPを観てフィードバックし合います。サービス内容がきっちりと伝わっているのかを検証しました。これはお金を払ってでも外部の人に観察してもらってフィードバックもらうほどの価値があると感じましたね。

ありがとうございます。2つのアクセラレータ卒業して、他に気付きとかありましたか?

山田:またJasonの話で恐縮ですが、彼は嘘がほんとに嫌いなんですね。

嘘?

山田:きつい数字が出ていて、たとえサービスが全然伸びていなくても、例えば週次レポートを通じて全てを伝え続けないと信用してもらえない。自慢できるような数字じゃないけど、彼がポートフォリオ企業の現状を把握できていないといけないんですね。

その点も、オンライン環境だからこその最低限のマナーかもですね

山田:何だろう、やっぱり真実をずっと言い続けなきゃいけない気持ちになりますよね。絶対この人に嘘だけはついちゃいけないな、と。

最後に、この1年を振り返って経営者としての意識変わりました?

山田:結構ネガティブに捉えられてしまうかもしれませんが、スタートアップはデフォルトで失敗していると強く感じるようになりましたね。

その真意は?

山田:99%ほどのスタートアップは死にますし、実際創業時から資金は減り続けますよね。失敗から始まるに等しい。だからどんなに有名なアクセラレータを卒業できようと、サービスが伸び始めようと、100%完全に喜べたことが一度もないんです。常に失敗の渦中にいることが事実だと思っているので、その上でどうやったら生き残れるのかをすごく意識するようにしていますね。

スタートアップはすべからく「デフォルトで死んでいる」、と。

山田:その点は変わらない真実だと感じるので、すごく怯えている部分はあります。多分この感覚はずっと続いていくんだろうなと。だからといって失敗する気はさらさらありませんよ。死にものぐるいで生存していく方法を日々探っていく意識がとても高くなりましたね。

5年ほど前に初めてお会いした時と比べ、段違いに意識が変わったのをひしひしと感じて学びが多くありました。お時間いただきありがとうございました!

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8割の会議削減も「議論特化型」スレッドサービス、Threads

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  スレッド上で各該当トピックの話をするSlack。Eメールの体験を大きく刷新する存在として人気を博しています。ただし職場のグループコミュニケーション、中でもディスカッションをしたい場合の最適なツールとは言いづらいと思います。 大まかな進捗報告や相談をしたい場合は、EメールやSlackのようなチャットサービスが活躍します。ただし、特定の話題や意思決定に関してディスカッションをする場合は、…

 

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Image Credit:Threads

スレッド上で各該当トピックの話をするSlack。Eメールの体験を大きく刷新する存在として人気を博しています。ただし職場のグループコミュニケーション、中でもディスカッションをしたい場合の最適なツールとは言いづらいと思います。

大まかな進捗報告や相談をしたい場合は、EメールやSlackのようなチャットサービスが活躍します。ただし、特定の話題や意思決定に関してディスカッションをする場合は、会議室を予約して対面で会ったり、Zoomで会議をする方が適当です。

一方こういった従来型の会議をする上でも問題は出てきます。グループ規模が大きくなってしまうと自分の出番がくるのを待ったり、多くの人が聞き役に回って重役の意見ばかり尊重する流れが生まれたりするといった問題の発生です。こういった場合、3名、多くても4名程度の小さなグループにして毎回議論をする制度対策も考えられますが、議論点の抜け漏れや視点の薄さという新たな課題にも直面します。一長一短なのです。

ディスカッションや会議運営はこうしたトレードオフの中、なかなか多くの企業・チームにとっての最適解とされるツールがありませんでした。そこで登場したのが「Threads」です。2019年、著名VC「Sequioa Capital」をリードに1,050万ドルを調達しています。

会議をなくすためのスレッドサービス

Screen Shot 2020-08-14 at 23.09.19
Image Credit:Threads

Threadsでは、“Space”と呼ばれるテーマチャンネルと、その配下に各メンバーがテキスト・写真・動画・GIFコンテンツを投稿できる“Thread”の2つが存在します。たとえばSpaceに「デザイン」と名付け、その中に様々なデザインに関するスレッドを立てて議論していく使い方になります。

あらゆるユーザーが特定トピックに対してディスカッション参加できるUXが提供されています。非同期に特化していることから、Zoomのようにリアルタイムに議論に参加する必要はありません。「フラット、かつ会議をなくす、スケジュール設定が一切ないワークツール」がコンセプトです。

threads.png
Threadsのユースケース

特徴的な機能として、意思決定ボタンが挙げられます。

どの投稿内容をもとに議論を決着させようとしているのがが明確にわかる意思決定ボタンが各メンバーのコメント横に用意されており、押すとスレッド主がどの意見を参考に、どういった決定をしたのかがわかるようになっています。永遠と長く投稿が続くことがなくなります。

課金制度になっており、150件以上の投稿をする場合は、メンバー一人当たり10ドルをチャージするモデルです。

元々、Threadsの創業者は長くFacebookに勤めており、同社ワークツールの「Workplace」を長く使っていた経験があります。そこで、同期性ではなく、自分のペースに合わせてディスカッションができる非同期性が欲しいと感じ、Threads開発に至ったそうです。そこで、スケジュール要素を省いた製品コンセプトに至ります。

ここでポイントとなるのは「時差問題の解消」です。

特に昨今、必要に迫られているリモート組織ではそれぞれのメンバーから意見を集め、重めの意思決定をするのが難しい印象です。即座の返信を求めるのではなく、製品コンセプト自体が長期に渡るディスカッションを全員で共有・消化するコンセプトのThreadsは、万人向けのチャットサービスSlackなどより重宝されるかもしれません。

現在ではクレカスタートアップ「Brex」や、リモート企業として有名な「Buffer」で採用されていて、会議数を80%ほど減らせたという声もあるようです。Slackと競合するサービスは多数登場していますが、GoogleやMicrosoftなどのテック巨人以外はどこも苦戦している印象です。一方、Slackから派生・協同する形で、ビジネスディスカッションのような特化型ユースケースを追求するThreadsのようなサービスにはまだまだ活躍の場が残されているように感じます。

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タイのLINEデリバリアプリ「LINE MAN」運営が1億1,000万米ドルを調達、地元レストランレビューアプリ「Wongnai」と合併

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Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから。 メッセージアプリ「LINE」のタイにおけるオンデマンドアシスタントプラットフォーム「LINE MAN」は、グロースキャピタル企業 BRV Capital Management から1…

Tech in Asia では、有料購読サービスを提供。有料記事の閲読、全記事への回数無制限閲読、5万社を超える企業データベースへの無制限アクセス、カンファレンスへの限定割引などの特典があります。詳しくはこちらから


メッセージアプリ「LINE」のタイにおけるオンデマンドアシスタントプラットフォーム「LINE MAN」は、グロースキャピタル企業 BRV Capital Management から1億1,000万米ドルの投資を受けることに合意したと発表した。

LINE によると、同社傘下の海外事業体がこの規模の投資を確保したのは初めてだという。

Image credit: Line Man

今回の調達は、LINE MAN がタイのレストランレビュープラットフォーム「Wongnai Media」との合併を発表したことに伴うものだ。LINE の声明によると、今回の調達は新たに合併で生まれる事業体を強化し、タイでの展開を拡大することを目的としている。

2010年に設立された Wongnai は現在、月間1000万人以上のユーザを擁し、タイ最大のレストランデータベースを持ち、そのネットワーク上には40万以上の施設が登録されている。LINE は今回の合併により、タイを代表するデイリーアシスタントアプリとしての地位を強化することができると述べている。

<関連記事>

LINE MAN は、LINE が初めてタイのオンデマンドサービスに進出した2016年にローンチした。それ以来、10万店以上のレストランをプラットフォームに追加してきた。

このアプリでは、メッセンジャー機能やタクシー配車サービスに加えて、食品、食糧、コンビニ商品、小包の配達を提供している。現在、バンコク、ノンタブリ県、サムットプラークラン県、ナコーンプラートム県などで提供されています。

LINE タイの元最高戦略責任者である Jayden Kang 氏は、昨年の Korea Times とのインタビューで、同社は今後数年でさらに17の地域に進出することを目指していると述べ、LINE MAN は海外進出よりもタイ地元市場に焦点を当てていくと述べている。

BRV は、PayPal や Waze の初期ラウンドをリードしてきた、アジアのグロースキャピタル企業。声明によると、同社が LINE MAN への投資を決めたのは、LINE が現地ユーザの「日常アシスタント」になることに成功したからだとしている。

【via Tech in Asia】 @Techinasia

【原文】

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FBメッセンジャー指紋認証・顔認証でロックが可能に

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Facebookはついに、指紋認証によるロック機能をメッセンジャーにリリースしたと発表した。同機能はiOSへ既に導入されており、アンドロイドへは数か月以内に導入される予定だという。同社は1年以上前にWhatsAppへ指紋認証を既に導入していた。 指紋認証機能はApp Lockと呼ばれ、各デバイスのプライバシーセッティングに応じた形で機能が提供される。例えば、iPhone 5Sから8の間の機種であれ…

Capture
Facebook Messenger:Touch IDの設定が可能に

Facebookはついに、指紋認証によるロック機能をメッセンジャーにリリースしたと発表した。同機能はiOSへ既に導入されており、アンドロイドへは数か月以内に導入される予定だという。同社は1年以上前にWhatsAppへ指紋認証を既に導入していた。

指紋認証機能はApp Lockと呼ばれ、各デバイスのプライバシーセッティングに応じた形で機能が提供される。例えば、iPhone 5Sから8の間の機種であればTouchIDによる指紋認証だが、iPhone X以降の機種であればFace IDがベースとなる。また、App Lockは通常のパスコードにも対応している。

上図:Facebook MessengerがついにFace IDを含む生体認証に対応

また、App Lockはデバイス上のみでの認証機能なため個人情報がFacebook側に伝わることはないという。同機能を開始するには、メッセンジャー上に新しくできたプライバシーページにアクセスし、App Lockをオンにすることで利用可能だ。利用していない時間を基にApp Lockのアクティべートを調整でき、1分から15分、1時間以上のオプションがある。

上図:Facebook Messengerでのアプリロック設定方法

Facebookはまた、不特定多数からメッセージを受け付けない機能などプライバシーに特化した機能の実装を進めているとしている。また、未知なユーザーから送られる画像に対して自動的にぼやかしを入れる機能などの開発にも着手しているという。これは既に、インスタグラムやWhatsAppで利用可能な機能だ。こうした新機能が登場する一方、Facebookはかねてより開発を進めているとしていたメッセンジャー内のエンドツーエンドな暗号化については進展が見られない状況だ。

※本稿は提携するVentureBeat記事の抄訳です

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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Zoom利用に特化したタブレット端末「Zoom for Home」が登場

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Zoomは世界的なパンデミックの中、注目を集めた企業の一つであったことは間違いないだろう。同社の株価は今年初めと比較すると約4倍に跳ね上がっている。Zoomはさらなる収益増を目指し、「Zoom for Home」のブランド名の元、ソフトウェアと融合させたモニターを発表した。 一見、Zoom for Homeは一般消費者向けのように思えるが、実のところは専門的な在宅ワーカー向けのプロダクトであると言…

Capture
Zoom for Home

Zoomは世界的なパンデミックの中、注目を集めた企業の一つであったことは間違いないだろう。同社の株価は今年初めと比較すると約4倍に跳ね上がっている。Zoomはさらなる収益増を目指し、「Zoom for Home」のブランド名の元、ソフトウェアと融合させたモニターを発表した。

一見、Zoom for Homeは一般消費者向けのように思えるが、実のところは専門的な在宅ワーカー向けのプロダクトであると言える。同プロダクトは、タブレット型モニターにZoomソフトウェアが搭載されているもの。ミーティングの設定や電話会議、プロジェクトの管理などをシームレスに行える環境が整っている。

上記イメージ:Zoom for Home

Zoom for Homeのログインには、通常のZoomアカウントを用いることで利用できる。無料プランからエンタープライズプランまで、全てに対応している。Zoom for Homeの公式端末はDTEN ME 27インチの1台のみ。タッチスクリーンや3つの広角カメラを搭載する。DTEM OSが内蔵されたうえで、599ドルの売り出し価格となる。発送は8月から。

上記イメージ:DTEN MEは「Zoom for Home」対応端末

昨年リリースされたカンファレンスルーム向けハードウェアシリーズの「Zoom Room Appliances」とZoom for Homeは別々のブラントとなる。Zoom Room Applianceはアカウントフィーとは別に49ドルのライセンス料がかかることや、設定がITの専門家向けであることなどに違いがある。

※本稿は提携するVentureBeat記事の抄訳です

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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Facebookが「Messenger Rooms」公開、Zoomのような会議室(ルーム)を作成可能に

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ピックアップ:Introducing Messenger Rooms and More Ways to Connect When You’re Apart ニュースサマリー:Facebookは25日、新たなビデオ通話サービス「Messenger Rooms」を発表した。同サービスはモバイル・デスクトップの両者どちらからでも利用可能で、URL招待制を取る。Facebookにアカウントの有無は問わない…

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ピックアップ:Introducing Messenger Rooms and More Ways to Connect When You’re Apart

ニュースサマリー:Facebookは25日、新たなビデオ通話サービス「Messenger Rooms」を発表した。同サービスはモバイル・デスクトップの両者どちらからでも利用可能で、URL招待制を取る。Facebookにアカウントの有無は問わない。

新規にルームを作成する場合は「Create a Room」と表示される画面を押すと、リンクの生成が可能だ。また、既存のルームに参加する場合はニュースフィード上部(ストーリーズより上部)に表示されるアイコンをタップすることで参加できる。また、Messengerアプリを持っていれば、ウサギ耳のようなARエフェクトや、没入感のある360度の背景やムード照明など、AIを使ったおなじみの機能も利用できる。

同機能は、米国を始めとする少数の国に既にテストリリースされており、数週間以内にはグローバルリリースを迎えるとしている。また、近日中にはInstagram Direct、WhatsApp、Portalからもルームを作成できるようになる予定。

話題のポイント:ついにFacebookから、ビデオ通話のルーム機能がリリースされました。ZoomやMicrosoft Teamsなどで使われている会議室機能で、現段階では日本へのリリースはされていないようです。

さて、このタイミングでFacebookが新たにビデオ通話サービスのリリースへ踏み切った背景は何でしょうか。もちろん、究極的にはCOVID-19に向けたサービス拡充ですが、同新機能は実際にユーザーの需要が数値として見られたことによるリリースであることがわかります。

同社によれば、同社が保有するWhatsApp並びにMessengerを通した通話機能は毎日7億回以上利用されており、特にビデオ通話の利用が3月には倍増近く増加したそうです。そこでMessenger Roomsリリースにあたり、同社創業者のマーク・ザッカーバーグ氏は以下のような投稿をしています

I hope these new product updates will help bring people closer together and help us all feel more present with the people we care about during this period. (新機能Messenger Roomsが、この苦しい時期により多くの人たちが大切な人との距離を近く感じられことに少しでも協力できることを願っています)。

Messenger Roomsはあくまで友人や家族間におけるコミュニケーションツールとしての利用が想定されているのだと思います。つまり、現時点ではZoomやMicrosoft Teamsへの直接的な対抗ではなく、あくまでターゲット層は既存のFacebookユーザーとなります。利用シーンについても家族間通話やバーチャルデートなどが提示されてることからも明らかです。

同社ブログで述べられていたように、急激なビデオ通話の上昇、ユーザーの行動変容に基づく需要算定で明らかに「複数対応の高機能ビデオ通話」を同社がこのタイミングでリリースしたのは当然の流れだったのでしょう。

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振り返ってみると、Zoomはビジネス利用のデフォルトと化してきていましたが、友人間のフランクなビデオ通話までもZoomが利用されるのには違和感がありました。そうした利用者層のギャップをうまく埋めた、Facebookにしか出来ないといえるビデオ通話市場への参入でした。

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さらにFacebookは、自社プラットフォームにてビジネス向けチャット・コミュニケーションツール「Workplace」を運営しています。1つの機能では、非常にSlackと近い機能を提供しており、メッセンジャーをさらにビジネスライクに利用したい需要に応えたものです。

つまり、同社の発表通り初期ステップにおいてMessenger Roomsは一般ユーザー向けなのは需要の高まりからして必然ですが、いつでもビジネス向けの機能としてRoomsを提供する準備は整っているといえます。

すぐさま、Messenger RoomsがZoomやMicrosoft Teamsと対峙するストーリーは想像できませんが、いずれどこかのタイミングではバッティングするのでしょうね。

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AirPodsの「声」でいつでも繋がるTTYL、広がる音声グループチャットの可能性

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自粛生活を余儀なくされる中、オンライン・コミュニケーションサービスに注目が集まっています。なかでも注目しているのが音声コミュニケーションサービスです。 自宅で1日の大半を過ごしている中では洋服を繕ったり、化粧をする必要が出てきません。そのため、映像通話サービス「Zoom」「Skype」では顔出しをする必要が出てきてしまうこともあり、映像系は最適なサービスではないのでは、という声を聞くようになりまし…

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自粛生活を余儀なくされる中、オンライン・コミュニケーションサービスに注目が集まっています。なかでも注目しているのが音声コミュニケーションサービスです。

自宅で1日の大半を過ごしている中では洋服を繕ったり、化粧をする必要が出てきません。そのため、映像通話サービス「Zoom」「Skype」では顔出しをする必要が出てきてしまうこともあり、映像系は最適なサービスではないのでは、という声を聞くようになりました。

こうした背景を踏まえ、最近ではゲーマー向け通話・チャットアプリ「Discord」をハックする動きが日本で見られています。手軽にサーバーを作成できることから、社内のチームメンバーを招待して、ここで音声会議をするらしいです。会社のオフィスにいるような、その場で会議ができて、その場で誰かに相談できる場を求めているニーズが伺えます。

もともとDiscordは2Cサービスでしたが、うまくハックされて2Bに応用されています。同じような現象が起きて成長をするのではないかと思っているのが、今回ご紹介する「TTYL – Talk To You Later」です。

「TTYL」とは?

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TTYL」とは、AirPodsを通じて利用できる音声通話アプリです。2018年にロサンゼルスで創業し、累計調達額は200万ドル。累計7,000万ドルを調達してエグジットした多人数動画チャットアプリ「Houseparty」の音声版と呼べます。

ユーザーは自分の枠(ルーム)を作成し、友人を将来することでその場で会話を始めることができます。設定をオフにしない限りルームは常にオープンになっており、誰とでも会話できる環境が整っています。リアルタイムで音声配信されている枠にユーザーがジャンプインする体験です。

非常に興味深い点がAirPodsを装着して初めてアプリを利用できることです。ハンズフリー、かつ「ながら会話」の出来るユースケースに特化させようとしているんでしょうね。知り合い同士が集まって気軽に話す音声サービスを、利用機材を限定させることで実現させています。

4月下旬にはGoogle Budsの新型も投入されることから、高機能イヤホンの利用シーンは広がるでしょう。TTYLが目指すのはこうした音声IoTが普及した世界のチャットサービスであることが予想されます。

日本でも音声ライブ配信アプリ「SpoonRadio」「Stand.fm」「Dabel」が登場してきており、音声 + コミュニケーション領域が熱を帯び始めています。いずれのサービスも会話内容がコンテンツ化され、オープンになることを前提に作られていますが、TTYLとは同じ志向を持っていると考えられます。

デジタルネイティブ世代の接続ニーズ

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Photo by Julia M Cameron on Pexels.com

通信環境整備とAirPodsのような高機能音声デバイスの普及により、とにかく“耳”を通じてネット環境に繋がっていたい、誰かと繋がっていないと不安になってしまうと感じる人が増えてきた印象です。

常時接続の価値観は昨今、急速に理解されてきています。誰もが在宅を強いられている特殊な環境が発生しているため、「一過性の価値観だろう」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちは昔から同じような習慣を身近なところで目にしてきたはずです。

リビングルームでTV番組を付けっ放しにしながら家族と話したり、食事をする「ながら視聴」はご存知の通りですし、私のように自室で音楽を付けっ放しにしていないと気が落ち着かない人も多くいると思います。

こうした視聴習慣が、AirPodsを通じてインターネットサービスを楽しむ習慣にスライドし始めていると感じています。時代に沿って変化する、「デバイス最適化の波」が発生している考えてもよいでしょう。TVやラジオの付けっ放しから、AirPodsを通じたネット環境への常時接続への移行とも言えます。

TTYLの提供価値は、Z世代が抱える根強い「繋がりたいニーズ」です。また、何かをし「ながら」誰かと繋がるUXを作り上げることで、手軽さというニーズにも応えています。

ユースケースの市場移動

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Photo by Edward Jenner on Pexels.com

ここからはアイデアを昇華させます。冒頭でご紹介したように、ゲーマー向けに提供されていたDiscordの体験シーンが2Bへと応用されています。ユースケースの市場移動が発生している状況下で、同じ流れがTTYLのようなサービスに起こると考えています。

例えば在宅ワークを半ば強制的に導入せざるを得ない環境で、バーチャルオフィス需要も加速しています。a16zが出資する、750万ドルを調達した「Tandem」や、日本の「Teracy」などのオンラインオフィスサービスが勢いづいています。

B市場向けオンライン・コミュニケーションサービスは活気に満ちている印象です。ただ、音声特化サービスはないこともあり、TTYLが参入すれば一定数の需要を掴めるだろうと感じます。また収益化の確かさも2Cよりもあるはずです。

Discordの場合、すでにゲーマーユーザーが基盤として強くなっていますが、TTYLは2Cで爆発的な成長は未だ遂げていません。Sequioa Capitalが出資する1,050万ドルを調達した「Threads」が成長しているように、ビジネス雑談・戦略を気軽に議論できる場の価値はある程度証明されています。こうした業務に関するトピックを音声で話せるユースケースは受け入れられると考えています。

2C向けサービスとして、デジタル世代の習慣とニーズを的確に掴んでいるのがTTYLです。このまま成長すれば、いずれHousepartyのように跳ねる瞬間が訪れると感じますが、収益面とユーザーグロースを両立させるには2B市場での進出が最善なのではと感じています。

今後、日本でも音声サービスが多数登場してくると思いますが、TTYLを代表とした動きは、コミュニケーションサービスの未来を占う上で注目すべきでしょう。

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17カ国で一気にトップ、“誰かとおしゃべりしたいニーズ”で急浮上した「Houseparty」その成長要因とは

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在宅生活を充実させるサービスの躍進が止まりません。なかでも目まぐるしい成長を遂げているサービスにグループ動画アプリ「Houseparty」が挙げられます。 Housepartyは、友達最大8名とライブ動画配信感覚でおしゃべりできるアプリ。ZoomやGoogle Hangouts Meetのような急成長中のビデオ会議サービスに代わる、よりカジュアルな会話ツールの選択肢と考えられています。 今年2月の…

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Image Credit:Houseparty

在宅生活を充実させるサービスの躍進が止まりません。なかでも目まぐるしい成長を遂げているサービスにグループ動画アプリ「Houseparty」が挙げられます。

Housepartyは、友達最大8名とライブ動画配信感覚でおしゃべりできるアプリ。ZoomやGoogle Hangouts Meetのような急成長中のビデオ会議サービスに代わる、よりカジュアルな会話ツールの選択肢と考えられています。

今年2月の週間ダウンロード数は13万でしたが、3月15日週には200万ほどにまで数字を伸ばしているとのことです。イギリス、スペイン、イタリアを含む17カ国のApp Storeで1位にランクされています

「Digiday」によれば、現在の社会情勢になる前、2017年初頭にDAU250万人、その年の2月のMAU1030万人だったとのことです。2019年1月時点でこちらの数字が過去一番のピークだったとのことなので、長くブランクがあったことが予想されます。ただ、現在は一時的にそれ以上のDAU・MAUに到達していることでしょう。

さて、Housepartyは2015年にリリースされたライブ動画配信アプリ「Meerkat」の開発企業が立ち上げたサービスです。同アプリは競合「Periscope」と激しい競争を繰り広げましたが、Twitter連携を外されたことを発端に失速してしまいました。失敗をもとに2017年に立ち上がったのがHousepartyです。

2018年、Facebookによる買収が囁かれたこともありましたが、当時、Cambridge Analyticaのユーザーデータ流用懸念の問題にさらされ、この件は流れたと聞きます。最終的には2019年6月、大人気ゲーム「Fortnite」を開発するEpic Gamesによって買収されました。

紆余曲折を経たHousepartyですが、ここにきて成長を遂げている理由はなんでしょうか。たしかに、世界的に在宅生活を強いられたことで発生した、オンライン人口の増加に起因しているとも言えますが、それだけではないと考えます。4つほど理由を探ります。

会話重視の開発戦略

Conversation (8 People)
Image Credit:Houseparty

Housepartyの前身であるMeerkatはライブ動画配信アプリです。ツイキャスのように「配信主 vs 視聴者」のユーザー関係が作り上げられていました。言い換えれば「1 vs 多数」の構図です。競合のPeriscopeやFacebook Liveも同様の仕様。

そんな中、Meerkatのチームは、リアルタイムに知り合いユーザー同士が集まり、交流が始まることにチャンスがあることを発見。友人同士が対等に繋がれる「1 vs 1」「1 vs 少数」の配信プラットフォームのアイデアに行き着きます。

友人間の少人数配信プラットフォームの最大の弱点はコンテンツを外部発信できない点にあります。友人同士が会話をする場所であるため、配信コンテンツを外部活用することができない非パブリックな場です。そのため、友人同士が繋がれるFacebookですら、ビジネスモデル確立のために「配信主 vs 視聴者(なかでもゲーム視聴)」に基づく配信プラットフォームをサービス仕様の軸にしています。

コンテンツ拡散できないデメリットは存在するものの、Meerkatチームは受け身でコンテンツを楽しむのではなく、少人数会話を重視したプラットフォームに仕様を変えました。これは全く毛色の違うユーザーコミュニティ構築を意味します。提供価値も変わってきます。

現在の社会は何週間も友人と直接会うことができない、大きな不安に突如として直面しています。実際、彼らは誰かとおしゃべりしたいニーズを急速に高めました。そこでHousepartyは「ソーシャル・ディスタンス問題」を解決するサービスとして真っ先に選ばれたのです。

蜂の巣の作り方:選択と集中

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Photo by Kat Jayne on Pexels.com

仕様を友人間の会話に統一させることで、他社サービスとは違った色を出すことに決定しました。それではどのようにしてプロダクトを成長させたのか。その答えは「Snapchat」の事例にあります。ここではSnapchatとTwitterの戦略を対比させて説明します。

Snapchatが重視したのが「ハイブ戦略(ミツバチの巣箱)」です。小さなグループが積み重なり、巨大コミュニティとなる考えを指します。ハイブの中は蜂の巣のように多層なコミュニティによって構築されています。小規模な友人間の繋がりを重視した考えです。

1つ1つのグループは完全に閉じており、Facebookのように友人と友人を繋げるような動線は確保されていない設計が前提となります。この点、ユーザーを大きく獲得するのではなく、確実に友人間ユーザーグループを囲い込み、リテンションを長くさせる「Must-to-have」のサービス価値を提供することが重要となります。

一方、インフルエンサー軸のTwitterはマスメディア戦略を採用。同社傘下であり、Housepartyの競合でもあるPeriscopeも同じ戦略です。この場合、インフルエンサーの発信する情報に飽きたら即座に離脱が発生してしまいます。日々発信される情報価値の高さが重要指標となります。

対して、ハイブ重視のSnapchatやHousepartyは友人・知り合いとのコミュニケーションが絶えるまで継続して利用されます。知り合いとのやり取りをするプラットフォームであるため、リテンションは比較的長く継続される傾向にあります。

「ながら世代2.0」の登場

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Photo by Helena Lopes on Pexels.com

複数ユーザーから成る友人グループを一挙に獲得しないとコミュニケーションサービスは成り立ちません。ここに難しさがあります。Housepartyの場合、もともとMeerkatで一定数のユーザー基盤を獲得していたことが功を奏し、ハイブ戦略で最も難しい最初のユーザー層獲得を乗り越えました。

ただ、それだけでは現在のように、若者向け社会インフラとして認識されつつある声も挙がりません。成長理由はなんでしょうか。1つ考えられるのが「ながら世代2.0」と考えます。

モバイル端末登場時の2010年手前、私たちは隙間時間に手軽にインターネット環境へ接続できる機会を得ました。たとえば電車の長い移動中、エレベーターに乗って何もしていない1、2分の時間ですら、さっとポケットからスマホを取り出してネットに接続する体験が一般化しました。俗に言う、「隙間時間」の活用です。同時に、TVを観ながら、会議に出席しながら情報やメッセージのやり取りをする「ながら世代1.0」の登場です。

ただ、これからは隙間時間の概念はなくなり、ながら世代の考えも一歩進むと考えます。起きている間はインターネットに繋がり、常にオンライン接続されているユーザー環境を指す「常時接続」の考えが優位になってくると考えます。これを指して「ながら世代2.0」と呼びます。

常時接続であるため、あらゆるタスクを「ながら」でこなします。家事をしながら、買い物をしながら、勉強しながらなど、ほとんどのシチュエーションで常にネット接続して、何かあれば即座にオンラインサービスを利用する環境下にあるのが「ながら世代2.0」です。この世代は1996年〜2012年に生まれた24歳以下のジュネレーションZに多い印象です。事実、Housepartyユーザーの60%がZ世代であったというデータがあります

事例を挙げます。知り合いから聞いた話ですが、年頃のお子さんはとりあえず友達とLINE動画をつけっぱにしているそうです。話題は必要ありません、とりあえずつけっぱにしておくのです。無音の時間も気にしないそうです。かく言う私も(ミレニアム世代ですが)、AirPodsを耳に着けながら、最近は朝起きてから夕方寝るまで、声だけでやり取りできるライブ配信アプリ「Dabel」に常時接続しています。リスナーとして参加していますが、配信に参加するように招待が来たら即座にスピーカーになっておしゃべりします。

常時接続を加速させた背景に、スマホ画面から離れられる環境が整った点が挙げられます。AirPodsやSmart Home端末の台頭により、常にインターネットコンテンツへアクセスできる特権を「ながら世代2.0」は得ました。スマホ画面を観ることなく、音声だけでコミュニケーションを取れる環境が整ったことが大きく世代躍進させている理由の1つであると考えます。

これからの時代の「ながら」を成立させるには、画面を見ないことが条件となるでしょう。Housepartyユーザーの中に、カメラを天井に向けて声だけでやり取りする人が一定数いると聞き、まさに音声環境による世代促進を裏付けていると感じます。

これからは広告ではなく、「コラボ体験」

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Photo by Buro Millennial on Pexels.com

海外ではFacebook Messenger、Whats App、Instagramのような友人間で動画コミュニケーションを取れる大手サービスは多数あります。「ながら世代2.0」が他のサービスを選んでも不思議ではありません。それでもなぜHousepartyが選ばれるのか。それは広告ではなく、「コラボ体験」を重視しているからです。

Housepartyは友人間コミュニケーションを好む層を獲得しています。このユーザー層にとって最も大切となるのが「ネタ」です。とりあえず誰かと繋がることが習慣になっており、無言の時間が怖くないとしても、友人と一緒に楽しめるネタがあるとより盛り上がります。

コラボ体験とは、会話に“参加すること”に焦点を当てたものではなく、会話を“創造・促進したりするもの”です。たとえば、特定のグループにのみ、これから公開される映画予告編を公開したり、レコーディングアーティストがプラットフォーム上で試聴会を開催したりする施策が挙げられます。

コンテンツ出稿主からすれば、他のサービスとは違い膨大な量のインプレッションを稼ぐことはできませんが、ターゲット属性グループに刺さるコンテンツをピンポイントで提供できるようになります。ユーザーからすれば、話題が自然な形で提供されるため、他のユーザーと一緒に楽しめる独特の体験を得られます。

Housepartyは外部サービスとの連携を高め、ユーザー同士が一緒に楽しめるゲームやミニアプリを提供するエクステンション機能拡大へと走れます。他方、先述したGAFA系列の競合サービスは、自社傘下サービスとの連携に閉じてしまい、広がりを見せられない可能性があります。ゆえに、多種多様なコラボ体験を提供できる常時接続世代向け動画コミュニケーションプラットフォームとしての市場を獲得できているのだと考えています。

ここまで4つの成長理由を説明してきました。

誰かと繋がっていたい人間本来の欲求は、「とりあえず動画を流しておきながら繋がっている」というように、若者ユーザー行動を変えつつあります。そして、収益モデルも広告から体験重視へと変更する必要が出てきました。

これからの新規サービス設計をされる方は、Housepartyの成長・開発戦略が大いに役立つと感じます。ユーザーコミュニケーションは大きな節目を迎えているかもしれません。

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新型コロナから生活を取り戻しつつある中国で確認された「消費のデジタル化」

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中国の決済大手Alipay(支付宝)のデータによると、Covid-19の感染者数グラフが横ばいになるにつれ、中国では生活が正常に戻りつつあり、結果として消費のデジタル化が進んでいることがわかった。 重要なポイント:Covid-19発生の中心地であった中国は、検索クエリ、オフライン小売、旅行、レストランから製造業に至るまでの幅広い分野で、Covid-19による甚大な経済的影響から回復の兆しを見せるこ…

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An Alipay facial payment machine in a local market in Suzhou on Feb 4, 2020. (Image credit: TechNode/ Shi Jiayi)

中国の決済大手Alipay(支付宝)のデータによると、Covid-19の感染者数グラフが横ばいになるにつれ、中国では生活が正常に戻りつつあり、結果として消費のデジタル化が進んでいることがわかった。

重要なポイント:Covid-19発生の中心地であった中国は、検索クエリ、オフライン小売、旅行、レストランから製造業に至るまでの幅広い分野で、Covid-19による甚大な経済的影響から回復の兆しを見せることになった。

ところでAlipayは今年3月にデジタルライフスタイルサービスへの進出を加速させ、いわゆる「スーパーアプリ」を提供するMeituan(美団)とのライバル関係を激化させている。

<参考記事>

詳細:Covid-19の発生を受け、中国の消費者をオンラインに押し上げ、業務をデジタル化しようとする企業が増えている。

  • 食料品店、泡茶店、映画館などの食品・娯楽企業では、ビジネスの回復度合が異なる
  • 中国工業情報部によると3月24日時点で、中小企業のほぼ72%が仕事を再開している
  • この報告書によると、中国全土の主要都市の住民は、市全体の封鎖が解除された後、健康と美容サービスに多くを費やしたようだ。歯科および化粧品などの理美容サービスのオンライン販売は、その前週の3月18日から27日と比較し、なんと3000%もの急激な回復を見せたという
  • 杭州、南京、および青島市を含む中国東部都市の地方自治体は、国内消費を刺激し必要性のある消費者及び企業を助けるため、AlipayやTencent(騰訊)の提供するWeChatのようなプラットホームを通じてクーポンを配布している

背景:Alipayがプラットフォーム上で提供する、デジタル化されたサービスへの需要は流行前から急速に拡大していた。2019年だけでも、Alipayアプリ内でのライフスタイルサービスの検索数は2018年と比較して300%増加したという。

また、Meituanは第4四半期の決算報告に向けたアナリストとのカファレンスコールの中で、ビジネスが回復していることを伝えている。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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WEB面接「HARUTAKA」運営がWiLなどから8億円を調達

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WEB面接サービス「HARUTAKA」を提供するZENKIGENは3月18日、WiL, LLC.をリード投資家として、デライト・ベンチャーズ、PKSHA SPARXアルゴリズム1号ファンド、パーソルキャリア、エスプール、 ツナググループ・ホールディングス、グロービス・キャピタル・パートナーズほかを引受先とする第三者割当増資の実施を公表している。 調達した資金は8億円。調達した資金でエンジニア・研究…

WEB面接サービス「HARUTAKA」を提供するZENKIGENは3月18日、WiL, LLC.をリード投資家として、デライト・ベンチャーズ、PKSHA SPARXアルゴリズム1号ファンド、パーソルキャリア、エスプール、 ツナググループ・ホールディングス、グロービス・キャピタル・パートナーズほかを引受先とする第三者割当増資の実施を公表している。

調達した資金は8億円。調達した資金でエンジニア・研究者の採用強化を進めるほか、HARUTAKAのサービスアップデート及び、アフェクティブ・コンピューティング領域の研究開発も加速させる。また、候補者と面接官の面接体験を改善するサービス「ZIGAN」の早期事業化も目指す。

HARUTAKAは、採用面接のオンライン化を通じて、採用業務の効率化、採用プロセスの歩留まり解消、利用企業にフィットする人物の発見に貢献する採用ソリューション。面接する応募者への質問事項設定や、オンデマンド(録画)・ライブの両方に対応しているほか、候補者の状況を一元管理したり、採用状況を分析できる機能を提供する。

via PR TIMES

 

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