2000名以上の医師を抱える患者管理アプリ「OurHealthMate」が44万米ドルの資金を調達

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シンガポールとインドに拠点を置くスタートアップで、医師のための電子健康記録(EMR)システムと健康診断用のオンラインマーケットプレイスのOurHealthMateは、昨年のスタートアップアクセラレータJFDIではMyFitnessWalletと称するスタートアップの卵だった。

当時、同スタートアップの顧客は6つのクリニックだけだった。それが今やインド国内50以上の都市の2000名を超える医師と700の医療機関が登録しており、さらに毎週30の病院が新たに加わっている。この十分なトラクションのおかげで、同社はシードラウンドで44万米ドルの資金を確保することができた。このラウンドはBimal Shah氏が主導し、Benjamin Tsai氏、Ben Ball氏を始めとするエンジェル投資家が参加した。

OurHealthMateでは、医師だけでなく一般の人も使えるアプリとなっている。ウェブサイトを通じて家族に代わって健康診断を検索、予約、支払いが可能で、医師からのフィードバックを直接受けることもできる。

これは、自国にいる年老いた親の健康を気遣い、健康状態を把握しておく方法がないかと考えている国外暮らしのインド人にとって理想的なものだ。同社によると、2200万人の国外居住のインド人が、親の健康管理のために母国インドに100億米ドルの送金をしているという。しかし、お年寄りにとっては自ら医療機関を予約して通うことは難しいということもよくある。

全てのOurHealthMateユーザが有料ユーザというわけではない。同社のEMRシステムを使っている46のセンターのうち、料金を支払っているのは12のセンターだ。健康診断のパッケージ予約の紹介料でも収益を上げており、同ウェブサイトを通じて100世帯が申し込みをした。

チリからインドへ

このスタートアップは昨年JFDIに参加する前には、チリ政府が出資するアクセラレータStartup Chileに参加していた。そこで彼らは医師たちから健康管理には巨大な市場があると聞かされていた。

「つまり、患者に名刺を渡し協力してくれる医師たちが現れたのです。最終的には患者3000人分のデータベースを集めることができました。」

と共同設立者でCEOのAbhinav Krishna氏は語った。同氏はシリアルアントレプレナーで投資銀行向けの取引システムを作成したエンジニアでもある。

患者が自身の医療情報をオンラインで共有することや、企業向け製品と共に開発していた健康状態を記録するウェブやモバイルアプリを有料で使用することにさえも抵抗を感じていないことに、設立者たちは患者と話してみて気付いた。

しかし同社は8ヶ月かけてフィットネスアプリの試験を行ったが、開発中の製品数を削減することにした。Krishna氏は次のように述べた。

「私たちが重要視している点は以前よりはっきりしています。まずは、いくつかの半製品に様々な機能を持たせながら製品をローンチしました。ローンチすると、クライアントからフィードバックがあり、その都度製品は進化していきました。」

OurHealthMateの共同設立者には、他にCTOでコンピュータエンジニアリングの教授のAkash Kumar氏がいる。Krishna氏とKumar氏は元々インド出身で、10年以上前にシンガポールのエリート校として有名なRaffles Junior Collegeで知り合っている。

JFDIは、今年3つのアクセラレータプログラムを開催する予定だ。現在申し込み受付中

JFDIのプレゼン当日に行った同社のピッチ動画をチェックしてほしい。

【原文】

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