
米デザイン会社Artefactは、てんかんの患者向けの健康状況を自動で記録するというデバイス「Dialog」のコンセプトを発表した。
てんかんは、全身硬直やけいれんなどの症状が発突如あらわれる「てんかん発作」と呼ばれる症状が慢性の脳疾患。日本国内でも1,000人に5〜8人はてんかんと診断され、乳幼児から高齢者までどの年齢層でも発病する可能性があるという(厚生労働省調べ)。
てんかんの発作は突発的に起きうるため、発作時に医師が適切に観察できる機会は少なく、患者本人や周囲の記録が非常に重要になる。しかし、発作中は患者本人の意識がないことも多いため、記録をつけることがそもそも難しい。
Dialogは、こうしたてんかん患者が自身の健康状態を記録するためのデバイス。「Dialog」の本体は、薄いパッチ状が想定されており、患者の腕や腹部などに貼り付けて利用するイメージだ。
本体は専用のスマートフォンアプリと通信することで、発作や健康状況を記録。医師に共有され、患者の治療に生かされる予定だという。
この専用アプリでは、蓄積されたデータを利用して「発作が起きそう」といった状況を本人や周囲に知らせたり、デバイスを通じてレスキューや保護者への緊急連絡を行えるなど、てんかん患者を危険から守る機能を実装するとしている。
あくまでこの「ダイアログ」はコンセプトモデルであり、具体的な発売予定などが明らかにされているわけではない。また、パッチ状のデバイスでどのように発作や健康状況を記録できるのか不明な部分も多い。
だが、公式サイト上でのやりとりを見る限りでは、数年以内には形にすることを目指しているようだ。今後の開発状況に期待したい。
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