充電不要のBluetoothチップ「iFind」、Kickstarterでプロジェクト停止に

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以前にお伝えしたBluetooth搭載の紛失防止チップ「iFind」が、クラウドファンディングを行っていたKickstarter上で停止処分となった。

iFindは、Bluetoothでスマートフォンと接続し、スマートフォンとiFindとの距離が離れてBluetoothのペアリングが切断されると音が鳴ることで紛失を防止するチップ。サイズは3cm程度と非常に小さく、キーホルダー感覚で持ち歩くことができる。

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Bluetoothを利用した同様の製品はすでに存在するが、iFindが注目されていたのは非常に小型であることと、何よりも「充電が不要」ということ。市販の製品はBluetooth 4.0を利用することで消費電力を大幅に下げてはいるものの、ボタン電池などの電源は必要だった。これに対してiFindは電磁エネルギーを循環利用することで電池交換や充電が不要としており、技術の面でも注目を集めていた。

iFindではこの独自技術について特許出願中としており、技術の詳細については明かしていなかったが、本当に実現可能な技術かという疑問や質問はプロジェクトにもたびたび寄せられており、こうした声を受けてかプロジェクト自体も6月26日付で停止処分となった。

停止処分について具体的な理由は明かされていないが、iFindのプロジェクトは利用イメージこそあるものの、実際に動作する試作品が存在しなかったことから、独自技術の実現性が疑問視されたようだ。

iFindの独自技術が本当に存在したのか、それとも存在しない技術だったのかはわからないが、多くの人々に期待されたプロジェクトがこうして停止処分を受けてしまうという結果は非常に残念だ。

仮に実現可能な技術だったのだとすれば、Kickstarterでこれだけのニーズがあることが把握できただけに、Kickstarter以外の場所で再度製品を発表することもあるだろう。一方、存在しない技術による詐欺的行為であれば、また1つクラウドファンディングの悪しき例が生まれてしまったことになる。

iFindがこのまま消えてしまうのか、それとも新たな形で登場するのか、今後の動向は引き続き追っていきたい。

なお、サイズこそ大きくなってしまうが、ロジテックの「LBT-MPVRU01シリーズ」といった製品であれば前述の通りiFindと同様の機能を実現でき、約2年の連続待ち受けが可能と「ほぼ充電不要」で利用できる。

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