20人の起業家へのインタビューが詰まった『未来をつくる起業家』の著者が見た日本の起業家の姿

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20名の日本のIT起業家へインタビューを行い、その内容をまとめた書籍『未来をつくる起業家』がクロスメディア・パブリッシングから出版された

インタビューされたのは、日本、もしくは日本出身で活躍している起業家たちだ。一人ひとりが起業に至った経緯、起業家として大切にしていることは何か、どのように会社づくりを行ってきたのか、といったエピソードが詰まっている。起業家、もしくは起業家になろうとしている人にオススメの書籍だ。書籍に登場するのは以下の20名の起業家たち。

  • 小林 清剛氏(創業者 & CEO Chanoma Inc.)
  • 木村 新司氏(Angel & co-CEO Gunosy)
  • 南 壮一郎氏(創業者 & CEO BizReach)
  • 村田 マリ氏(創業者 & CEO iemo)
  • 光本 勇介氏(創業者 & CEO ブラケット)
  • 柴田 陽氏(創業者 & CEO Spotlight)
  • Robert Laing氏 & Matthew Romaine氏(創業者 & CEO / 創業者 & CTO Gengo)
  • 福山 太郎氏(創業者 & CEO AnyPerk)
  • 井口 尊仁氏(創業者 & CEO DokiDoki)
  • 柿山 丈博氏(創業者 & CEO MONOCO)
  • 平野 未来氏(創業者 & CEO Cinnamon)
  • 倉富 佑也氏(創業者 & CEO Panda Graphics)
  • 秋好 陽介氏(創業者 & CEO Lancers )
  • 山本 敏行氏(創業者 & CEO ChatWork)
  • 須田 将啓氏(創業者 & CEO エニグモ)
  • 坂井 光氏(創業者 & CEO インタレストマーケティング)
  • 河端 伸一郎氏(創業者 & CEO Interspace)
  • 武藤 友木子氏(President Travelzoo Japan)
  • 林 郁氏 & 伊藤 穰一氏(共同創業者 デジタルガレージ)

著者は日本を拠点に活動している米国出身のヘッドハンター、ケイシー・ウォール氏。なぜ彼は日本の起業家にインタビューしようと考えたのか。『未来をつくる起業家』の出版に至った経緯について話を伺った。

スタートアップに関する情報が足りない

彼はエグゼクティブ人材に特化したリクルーティング会社ウォール・アンド・ケースを設立し、事業を行っている起業家だ。リクルーターとして数多くの日本の優秀な若者に会っていく中で、多くの若者が「起業家になりたい」と語りながらも、挑戦しないという状態に疑問を持ったことが始まりだった。

さらに、彼は起業家であると同時に、Red Brick Venturesという東京を拠点としたエンジェル投資やインキュベーションを行う会社を立ち上げた投資家でもある。

ウォール氏「投資家としてスタートアップへの出資をしていく中で、どれくらいの比率で株を持ったほうがいいのか、どうやってプロダクトをマーケットに浸透させていったらいいのか、日本のマーケットの特徴とはなんなのかなど、スタートアップに関する情報で、足りないことが山ほどありました」

この情報が少ない状態をなんとかできないか。自分の持っているネットワークを活かしながら、スタートアップの参考になる活動ができたら、と考えた彼は起業家へのインタビューをしていくことにしたという。

北米と日本の起業家の違い

北米出身でありながら、日本の起業家20人にインタビューを実施したウォール氏。同氏が経営するウォール・アンド・ケースは、サンフランシスコにもオフィスがあり、西海岸のこともよく見ているという。そんな彼の目に、日本の起業家はどのように写ったのだろうか。

ウォール氏「日本の起業家たちはプロダクトを愛していたり、強い責任感を持っていると感じました。今、サンフランシスコはお金を儲けることを目的にした起業家が多いと感じています。その背景にあるのは、マッキンゼーやゴールドマン・サックスといった企業で働いていた人々たちが、スタートアップが盛り上がっていることで参入してきているためです。

また、北米と日本の違いについて、ウォール氏はM&Aの少なさについても触れた。

ウォール氏「北米では会社を立ち上げてから半年や1年で会社をバイアウトするなんて話がたくさんあります。日本ではそれは起きていない。そのためか、日本の起業家は非常にクールだと感じました。私がインタビューした起業家たちもみな素晴らしく、彼らはみな起業家としての私のメンターのような存在です」

最近でこそM&Aの数も増え、金額も大きくなってきたが、ウォール氏が書籍の執筆に取り組み始めた2年前はまだまだだった。この先、日本でM&Aが増えていったとしても、ウォール氏が評価したミッションへの責任感やプロダクトへの愛といった部分がなくならないことを願いたい。

スタートアップを生み出すことに貢献したい

ウォール氏は、『未来をつくる起業家』を書いたことで、少しでもスタートアップを生み出すことに貢献できれば、と語る。

ウォール氏「スタートアップがもっと増えていってほしい、スタートアップを始めようとする人のきっかけになれば、と思って書きました。小さな役割ではありますが、スタートアップを生み出していくことに少しでも貢献できればと思います」

ウォール氏は、『未来をつくる起業家』に登場している起業家のひとりである光本勇介氏をゲストに迎えてイベントも開催。このイベントでは、書籍で描ききれなかった話題についても触れる予定だという。話を聞いていると、描ききれなかったこともかなりあるようなので、イベントでは色々な話が聴けるのではないだろうか。

イベントは、4月27日午後7時からApple Store銀座で開催される。スタートアップに興味がある人は、イベントをチェックしてみてはいかがだろうか。もちろん、書籍も要チェックだ。

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