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10年起業家:全ては自責から始まる/土屋・福島氏対談

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(前回からのつづき)これまで2回に渡り、創業からおよそ10年を迎えた土屋尚史氏と福島良典氏の軌跡を振り返った。最終回となる今回はお二人との対談で、経営者に必要な課題解決、意思決定の変化を語っていいただく。(文中の太字の質問は筆者、敬称は略させていただいてます) 自分と向き合う ーー10年の振り返りありがとうございました。福島さんは2回目の起業になるわけですが、経営における前回からの気付き、学びを改…

土屋尚史氏

(前回からのつづき)これまで2回に渡り、創業からおよそ10年を迎えた土屋尚史氏と福島良典氏の軌跡を振り返った。最終回となる今回はお二人との対談で、経営者に必要な課題解決、意思決定の変化を語っていいただく。(文中の太字の質問は筆者、敬称は略させていただいてます)

自分と向き合う

ーー10年の振り返りありがとうございました。福島さんは2回目の起業になるわけですが、経営における前回からの気付き、学びを改めて

福島:前回から学んだことがひとつあって、僕ら、上場後に一度、完全に組織崩壊を経験してるんです。四半期ごとに数字を追ってそれにプレッシャーを与えるというマネージメントをしていたんですね。土屋さんと同じで、自分たちもまずそれがダメだってことを認めたんです。

その上で、改めてビジョンとかどういう人と働きたいのかとか、どういう世界を作りたいのかとか、そういうことをめちゃくちゃ頑張って社員に伝えたんです。それによって起こった変化で辞めていった人ももちろんいます。今さらそんなこと言われても、と。その時の強烈な経験は本当に今でも凄く覚えています。今振り返るともっとあの時こうしていれば、事前にこうしていればという思いがあって、そういった部分は今のLayerXに生かしたいなと常々思ってます。

ーー土屋さんもまずは自分と向き合うことから始めましたよね

土屋:経営上の課題が起こった時は、先ほどの話の中でもお伝えした通り、一旦、全てはまず、経営者の責任だと認めることからスタートなのかなと。けど、これって難しくてやっぱり認めたくない、認められないというケースは散見されます。

結局、何かが起こった時に社員のせいだとかビジネス環境が悪かったとか、外部環境のせいにしてしまいたくなるんです。でもこれを一旦、外部環境の変化に対応できなかった自分の責任というものを認めることができたらそこが出発点です。

ーー自責して一旦リセットする。その後は

土屋:本当に抽象的な言葉ではあるんですが、泥水を啜るってあるじゃないですか。本当に課題を少しずつ改善し、続けるしかないというか。結局自分たちも組織の問題から解決までに2年半かかったわけです。もしこれをやり方は分からないですが、例えば短期間にバッサリといってその時の社員の感情とかそういうものを殺してまでやる方法もあったかもしれません。

でもね、やっぱり解決って段階的で、問題が何かを見つけるフェーズ、社員の感情が閉ざされていて、それをゆっくりと溶かしていくフェーズ、そしてそこから膝を突き合わせて『やるしかない』って行動するフェーズがあるんです。組織の空気やマーケットの空気をしっかりと読んだ上で、アクセル踏んだり、メッセージを出したりする。

組織に問題を抱えた時、周囲からも随分と心配されました。けれど最終的には諦めさえしなかったら結局、解決はするんです。

ーー組織だけじゃなく、課題との向き合い方でカルチャーの重要性はここ数年、スタートアップの間にも浸透し始めてます

福島:数字の奴隷じゃないですが、売上が全ての傷を癒す、みたいな格言がベンチャー界隈に漂ってるじゃないですか。それは単に経営者が麻痺させてるだけです。大事なのはミッションや行動指針といったカルチャーであり、例えば採用にしてもスキルだけを見るのではなくカルチャーを見ようとか、その辺りは徹底的にやってますね。今のところ大きな失敗は起こっていないと思ってますし、根本的な意味でブレることはないだろうと思ってます。

土屋:数字に神が宿ると言ってた福島さんとは別人だね(笑。

福島:確かに。当時の理想はインスタグラムで、少人数組織のプロダクト・レッド・グロース(製品による自律成長)でしたからね(笑。ただ、数字はファクトベースでの意思決定の上にあるもので、技法とかスキルの話なんです。

それよりも結局お前らの組織どこに向かってんの?っていうのを数字が支えられないのは、数字が独り歩きして暴走した結果なんですよね。でも物事の出発点って定量じゃなくて定性的なものじゃないですか。やっぱりそれをなぜやりたいかというものに対して数値目標を置いたとしても、そこの数字を動かすのは感情の力なんですよ。

ーーところで、福島さんはLayerXとして改めて組織づくりされていますが、これまでの経験を活かして次はどのような組織を目指してますか

福島:そうですね、もう一つ高いレベルでいくと、いい組織ってある人がそのビジネスにおける市場価値を100として、その組織に入ることで150になる、そういう組織なんだと思うんです。だからウチで働く意味があるよね、という。そしてそこで働くことで150の走り方を学び、覚えた後はやはりその人は高い市場価値になるので、どこでも働けるようになる。

こういう育成の部分ってあまりベンチャーは投資してこなかったところだと思うんです。LayerXではあと5年で3、400人を採用するつもりで、おそらくそういう勝負のビジネスなんですが、じゃあそういった人を中途市場で取ってこようとしてもその考え方自体がやはりナンセンスです。この会社には育成の仕組みがありますとかこういう研修が受けられます、ではなく、本当に働いていたら自然と力が身につく、そういうことですね。

サッカーと同じです。下部組織まで作ってあそこでプレーしたらあの人と一緒にやれるとか、あの方法が身につくとか。そういう意識で組織作りについてはもう一段上の世界で挑戦したいと思ってます。

それと僕もGunosyで最大、150人ぐらいまでしか見てないんですよね。4000人の会社を率いたことがないわけで、早くそのフェーズに行きたい。でね、やっぱり失敗するんですよ。多分。手酷い失敗をすると思うんですけど、その時にそれを受け止めて学びたいですね。

プロダクトを当てにいく

福島良典氏

ーところでお二人のお話伺って、やはり課題との向き合いが印象に残りました。よい起業家は課題発見が上手い、と言われますがどのようにして課題を見つけていますか?

福島:今までやってみたことのなかったことを色々試してみましたね。例えばコンサルタント。これまでやったことなかったですけど、色々試す中で、結局、自分が得意じゃないことをちゃんと理解できたというか。それが最近の気付きなんですよね。

インボイスのプロダクトもそうなんですが、明らかにお客さんの反応が違ってたんです。最初は本当に小さいですよ。反応してくれるのは10人とか100人とかなんですけど、明らかに何かが起こっている。起業した当時は気づけなかったことに今は明確に気付くことができる。

土屋:以前福島さんが今のLayerX インボイスがプロダクトにも全然なってなかった時期にグッドパッチの管理部にこういうものを考えているんだけどと持ち込んだんですよね。その時、僕も同席してみてたんだけど正直、あの時点では何が引っかかるのか分からなかった。それでも福島さんが直接やってきてインタビューしてるわけです。

最初の起業のスタートアップであればまだしも、シリアルの起業家が顧客の最前線に立って自分で営業してるっていうのはやはり凄いなと。ただあの時点では、導入するイメージが全く湧いてこなかったし、そもそもこれ、プロダクトになるの?って感じだったんだけど、結局、半年後ぐらいには現場が導入していましたね。

福島:強烈なアハ体験というか、私はやはりこれが理想じゃない?という体験やプロダクトを作ることが起業家として一番得意なんです。だから課題の見つけ方も多分そうなんです。課題って多分、教科書に書いてある課題なんですよ。例えば温室効果ガスが増えるから地球温暖化をなくそう、とか。本当に普通の話です。

ーー普遍的な問題から始める

福島:今の起業家の方ってやはりピッチコンテストとかで、君の会社は何が違うの?とかグーグルがやってきたらどうするの?とかそういう質問を浴びせ続けられてるので、何かトリッキーな課題を見つけないといけないような、そういう錯覚を持っていると思うんです。そんなものより、ごく普通の課題を狙って、決めたら徹底的にユーザーを観察してその背後に何が起こっているのかを見つける。

そうしたら大量にマーケティング施策を打つじゃないですけど、あの感覚をやっぱり私は覚えているので、伸びるんですよね。なんだかそこを見つけることが大事なんじゃないのかなと。その先にあるプロダクトのアハ体験というか、ユーザーが熱狂しているところも、最初はやっぱり10人とか100人の熱狂なわけで。

みなさん凄い数字に慣れちゃってるじゃないですか。フリマアプリの流通額が月間で数百億円超えましたとか、創業数年のスタートアップが数十億円を調達しました、とか。ああいう数字に慣れるとたった10人が熱狂していることに対して『凄いものを見つけました』とか『ウチの会社いけてます』っていう自信を持てないんじゃないかな、と思うわけです。

ーーなるほど、課題そのものよりもそれを抱える人々から解法を導く。土屋さんは?

土屋:福島さんと僕は割と経営の感覚というのかな、考え方が近いと思っていて、あるパターンの中から解法を持ってくる、というのはあると思ってます。福島さんって情報のインプット量や見てる範囲が広範囲だし、それなりに深いところまで考えてると思うんです。

結局、この範囲の中にある事象をカテゴリとして考えた時、最終的にはそれを総合的に俯瞰しながらここだ、という決め方をしてるんじゃないかなと。福島さんは勉強熱心だし、インターネット上の情報だけじゃなく生のユーザーの課題もそう、過去の凄い起業家の方々との経験がパターンになっていて、その認知力がズバ抜けてるんですよね。だからパターン化できる。それは特に思ってますね。

ーーちなみに観察ってどの程度までやるんですか

福島:めちゃくちゃ観察しますよ。例えばプロダクトを出すとするじゃないですか?『これいかがですか?』って聞いたら『いいですね』って答えるに決まってるんですよ。じゃなくて、いいって言ったけどあの人本当に翌日にアクセスしてるのかなとか、本当にいいって思ってたらまた使ってくれるはずなんです。おすすめしてくれるはずなんです。じゃあ、今、この瞬間に誰かにおすすめしてくれますか?って聞いて『いや、ちょっと』となれば全然刺さってない。いいですね、今から誰それに紹介しますよとなっていれば多分ヒットしてる。

その最初のところにいかに感度を高く持てるかどうかですね。自信を持てるかどうか。そこがあると回り出す。プロダクトを広げるとどうしても全然合わないユーザーとかが出てくるんですが、本質的に感じている課題は一緒なのです。とにかくプロダクトを改善するとまた新たな課題に気付ける、そういうフィードバックループみたいなものってあるんですよね。だから実は自分は課題を探しにはいってないんですよ。プロダクトを当てにいってるんです。

お時間になりました。今回は興味深いお話どうもありがとうございました。

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10年起業家:ギアチェンジの時、上場の意味

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(前回からのつづき)シリコンバレーで出会った起業家と学生はやがて2社の上場企業を生み出した。しかし話はそう簡単なものではない。一社はチームに大きな問題を抱え、もう一社はジェットコースターのような日々を過ごすことになる。10年が経過した今、スタートアップが上場する意味とは何かを振り返る。 グッドパッチ、上場を目指す Gunosyを開発した学生3人は連続起業家となった木村新司氏と出会う。サービス立ち上…

Gunosyで知名度を上げたグッドパッチは上場を目指しチームを拡大させる(写真提供:グッドパッチ)

(前回からのつづき)シリコンバレーで出会った起業家と学生はやがて2社の上場企業を生み出した。しかし話はそう簡単なものではない。一社はチームに大きな問題を抱え、もう一社はジェットコースターのような日々を過ごすことになる。10年が経過した今、スタートアップが上場する意味とは何かを振り返る。

グッドパッチ、上場を目指す

Gunosyを開発した学生3人は連続起業家となった木村新司氏と出会う。サービス立ち上げの翌年、法人としてのGunosyが動き出した。一方、そのきっかけを作ることになった土屋尚史氏もまた、プライベートなデザイン会社としてだけでなく、もう少し先の世界を見たいと思うようになる。

「私も全然資金調達とか考えずにグッドパッチを起業したんですが、やはりGunosyが大きくヒットした翌年には、社員を20名近く抱えるようになったんです。そもそもスタートアップ自体が好きで、大企業と一緒に仕事をするというよりも彼らと一緒に仕事をしたかったんですよね。だからどこかで影響を受けていたんでしょう、ワンチャンス、そういう機会があったら挑戦してやろう、という野心的な気持ちは持っていました」(土屋氏)。

グッドパッチが最初に外部の投資家から調達をすることになったのは創業から2年後の2013年12月。DG インキュベーションから1億円の資金調達だった。その後、2016年にシリーズBラウンド(参加した投資家はDG インキュベーション、Salesforce Ventures、SMBC ベンチャーキャピタル、SBI インベストメント、FiNC。調達金は4億円)、その翌年の2017年にはシリーズCラウンドでSBI インベストメントと三井住友海上キャピタルから総額4億円を調達している。

黒字を達成して数十人のチームを擁するまでに成長した、クライアントワーク中心のデザイン会社が上場を目指すというのは珍しいステップだった。外部投資家を入れれば、当然ながら経営はそれまで以上にガバナンスを求められるようになる。1人気ままなオーナー社長ではいられなくなるのだ。それでも土屋氏もまた、社会の公器となる道を選んだ。

「迷いですか?全然ありましたよ(笑。まあそれでももし、やれるチャンスがあるのなら挑戦してやろうと。ただ、最初の起業ですから上手くいかないだろう、正直に言うと、どうしようもなければ会社を売ればいいや、ぐらいに思っていました。それでもそれから会社が成長し、今で言うミッションやビジョンのようなものを考え出した時、社会的な存在意義が見えてきて、自分がこの会社をやり続ける意味がありそうだなと感じたんです。そこからですね。腹が括れたというか。もちろんそういう意味では周囲のスタートアップや起業家の方々の刺激はすごく大きかったと思います」(土屋氏)。

その後、グッドパッチは調達した資金と積み上がる依頼を糧に、急速にチームを大きくする。当時を振り返って土屋氏は、この急成長にあまり恐怖を感じず、その勢いに身を任せていたと語る。自分は本質的には正しい選択をしている、失敗も数多く知っている、だから大丈夫ーー。しかしその先に待ち受けていたのはシリーズBラウンドを前後して経験した組織崩壊だった。

成長痛を経験し、それでもグッドパッチは踏みとどまる。

「組織が成長する中、私はキャッシュというか売上を重要視していたんです。組織が危うい状態になっていた時でも昨年比で45%とかの売上成長があった。もし、あの時、調達した資金を未来への投資だ、などと言って既存事業をおざなりにしていたら今はなかったでしょうね。それともうひとつ。あの時、悪い経営であるということを自分が認めなかったらダメだっただろうなとも思っています。もしも致命傷があったとしたらそれですね」。

成長のジェットコースターに乗ったGunosy

2014年当時の福島氏。目の覚めるようなマーケティング施策は驚きの連続だったようだ(ニュースレコメンドエンジンのGunosyがKDDIと資本業務提携、調達金額は12億円かーーTVCMも開始へ

話を巻き戻そう。Gunosyは2011年10月に産声を上げ、その翌年の12年10月に法人化することになる。事業にすることを考えていなかった福島氏ら3人の学生たちは、木村氏によって大きく人生を変えることになり、それまで二人三脚で立ち上げを支援した土屋氏の元から卒業することになる。

「当時はとにかくGunosyをTwitterで呟いてる人を見つけては『いいね!』して回ったり、一部機能がうまく動いてくれなくて炎上した時の対応を一緒にやったりしてました(笑。ただ、当時彼らは就職すると聞いていたので自分としては起業した方がいいのに、ぐらいに思っていました。彼らは優秀だし、Gunosyの成長と共にグッドパッチにも仕事が舞い込んできましたから。そうこうしてる時、確かアプリを開発する段階だったかな、福島さんから電話があって『起業することになりました』と」(土屋氏)。

数万ユーザーどころじゃない、百万ユーザーが見える位置にいたGunosyであれば欲しいと思う企業はいくらでも出てくるはずだ。学生だけでの起業に不安があるなら売却するという手もある。ーーそんな風に考えていた土屋氏の元に届いた彼らからの報告は意外に映る。そして学生たちが土屋氏と一緒に作っていたGunosyは「株式会社Gunosy」となり、徐々に彼の手を離れることになる。

そこからGunosyの急成長が始まった。本格的なマーケティング施策の開始だ。

アトランティスを創業してグリーに売却した木村氏はアド・テクノロジーのプロだった。スマートフォンシフトが進む当時、企業はいつかやってくる「手のひらの市場」に広告を出稿することになるだろう。そう考えた彼らはまず、Gunosyを一大メディアに成長させる道から歩みを始める。

投下したマーケティング予算は莫大で、赤字は毎月数千万円にも上った。メディア成長のために先行投資して大きく「Jカーブ」を掘る、典型的なスタートアップの戦い方だ。福島氏は冷静に事態を眺めつつ、突然の成長ジェットコースターに乗った気分をこう振り返る。

「自分たちで確かに信じてる理論はあったんですよ。数字がここまで行った時、こういう数字が出てるので理論上こうなるはずだ、とか。でも、周囲からは厳しい意見をものすごく言われてなんだろうこのギャップは、と。走ってる自分たちは爆速でも、何て言うんですかね、飛行機に乗ってても自分が速く動いている感じってしないじゃないですか。あんな感覚でしたね。やれることをやろうと。

明確にこうやれば利益が付いてくるというのは投資を踏んだ時に分かっていたんです。ただ、Facebook広告などに資金を投下していたんですが、その規模が大きすぎて訳が分からないとは思っていました。木村さんは『やるから』と。そういう感じで」(福島氏)。

Gunosyはその後、2013年10月からエンジェルとして参加していた木村氏が正式に共同代表として就任し、徐々に事業としての輪郭を明瞭にしていく。土屋氏はやや寂しさも感じつつ、ギアチェンジを果たした両社はそれぞれ別々の道を歩み出すことになる。

そして上場へ

グッドパッチは2020年にマザーズへ上場する(UI/UXデザイン支援のグッドパッチ、東証マザーズ上場へ、評価額は43億円規模に

木村氏の参加で資本を得たGunosyはその後、大きく踏み込みを続けながら2014年にKDDIとJAFCOを外部株主に迎え、さらに大胆に踏み込みを続けた。結果、ダウンロード数を900万件手前まで伸ばした2015年4月、東証マザーズへ上場を果たすことになる。学生たちが趣味の延長でサービスを立ち上げてから4年弱、ここから一気に二桁億円以上の事業を作ることに成功したのだ。

あれから紆余曲折あり今、福島氏はGunosyを離れてLayerX代表取締役として新しい道を歩んでいる。彼は改めて上場の意味をこのように語ってくれた。

「当時と今でまず、大前提として未上場の資金調達マーケットってほぼなく、Gunosyは累計で30億円ぐらいを集めたんですが、それが本当に限界ぐらいでした。だから当時、ニュースアプリでそこまで掘ることはできず、けれどもあるシナリオを考えると60億円ぐらい必要だと試算が出たんです。最悪のケースを考えると上場しか資金を集める方法がない。だから公開しようというのが当時の考え方でしたね。

今は随分と考え方は変わっていて、ある程度の会社がベンチャーから成熟した企業に成長するまでって、やっぱり初期の頃は役員たちがオーナーシップ持ってバシバシ意思決定した方がいいんですけど、あるタイミングからやはり変わると思うんです。

組織が一定以上のサイズになると、その決め方だと伸びなくなる。そういう瞬間があって、そこが上場のタイミングなんじゃないかなと考えてます。投資しているファンドは償還などの期限があるので、現実的にはもうちょっと早くなるとかそういう事情はあるかもしれませんが、資金調達のために上場を急ぐことはもうないかなと。

それとまた違った視点で海外投資家からの声というのもあります。海外の機関投資家の方々って君たちのミッションは何かとか、何を成し遂げたいのか、とか日本の産業構造がこうある中で君たちはどこにポジションしているのか、という30年、50年のスパンの話を聞いてくるんです。なぜか未上場の投資の方がロングスパンのように言われることがあるんですが、全く逆で、上場企業の方が投資に関しては長期視点を求められるんです」(福島氏)。

Gunosyの上場を見届け、5年後となる2020年にグッドパッチは同じく東証マザーズに上場する。あれから1年経った今、デザイン会社として株式を公開する意味を土屋氏はこう語ってくれた。

「結果的になんですが、企業って上場してから組織的に崩れることが割と多かったなと思うんです。そう言う意味で自分たちはその前に組織崩壊を経験できたことはよかったかなと考えるようになりました。

なので、上場を後にしてマイナスは本当になく、自分たちはおそらくデザインとデジタル領域のスタートアップと理解されることが多いんですけど、このビッグマーケットでデザインは価値があるがまだまだ認知や信頼が足りないという中、上場してポジションを得られたことはやはり大きかったと思います。会社の認知度もそうですし、そこから得られる信用というものは特にこの領域でチャレンジしようという人たちの採用にかなりプラスとして寄与してくれています。

特に需給のバランスではデザイナーって本当に見つからない状況になっているんです。それまで平均年収400万円とか、デザインが好きだからやってます、みたいなマーケットだったんですが、自分たちがデジタル領域に可能性を拡大できたことで報酬も上がっていく。そういうことを上場によってプロモーションできた価値、意味合いはあっただろうなと思っています」。

次につづく/全ては自責から始まる:土屋・福島氏対談

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10年起業家:世界を変えた「お節介」のワケ

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2010年代を駆け抜けたグッドパッチとGunosy。まだスタートアップという概念もままならない2011年を前後して創業したこの2社は、とあるきっかけで出会い、成長のチャンスを得てそれぞれの存在価値を見出すようになる。学生たちが作ったアプリはやがて情報をつなぐインフラとなり、そのデザインをきっかけに次の扉を開いた起業家は上場を目指すことになった。 起業家の身の上にはその過程で何が起こり、どのように乗…

サービス開始当初のGunosy、グッドパッチはこのデザインを手がけたことで脚光を浴びることになる

2010年代を駆け抜けたグッドパッチとGunosy。まだスタートアップという概念もままならない2011年を前後して創業したこの2社は、とあるきっかけで出会い、成長のチャンスを得てそれぞれの存在価値を見出すようになる。学生たちが作ったアプリはやがて情報をつなぐインフラとなり、そのデザインをきっかけに次の扉を開いた起業家は上場を目指すことになった。

起業家の身の上にはその過程で何が起こり、どのように乗り越えていったのか。

本誌ではグッドパッチ創業者の土屋尚史氏と、Gunosy共同創業者であり、現在はLayerX代表取締役を務める福島良典氏にこれまでの10年を振り返っていただく機会を得た。これから数回にわたりこれまでの道のりをお伝えする。

まずは彼らの出会いと成長から話を始める。

東大生たちとの出会い

Gunosyを立ち上げた頃の関喜史氏、福島良典氏、吉田宏司氏(写真左側、手前から・グッドパッチ提供)

大阪でいくつかの仕事を経て、デザインに自分の仕事を見出しつつあった1人の青年がいた。若かりし頃の土屋氏だ。グッドパッチの創業は2011年9月。次の人生を求めて渡米したこの年から約9年後の2020年6月、デザイン企業として同社は東証マザーズへ上場を果たすことになる。

そのきっかけとなったのがこの渡米で出会った1人の東大生、Gunosy共同創業者の関喜史氏だ。関氏はシリコンバレーで出会ったこの起業家にある一通のメッセージを送る。全てはここから始まった。

「9月に(シリコンバレーから)東京へ戻ってきて、グッドパッチを創業することになるんですけど、創業の1カ月後ですかね。サンフランシスコ滞在時にシリコンバレーを一緒に旅してた関さんからメッセージが届いたんですね。大学の友人たちとサービスを作ったので登録してください、と」(土屋氏)。

2011年当時はスティーブン・ローゼンバウム氏の書籍「キュレーション」が日本語版としても発行され、コンテンツ発見の新たな体験が模索されていた頃だ。それまでオンライン・ニュースの情報収集と言えばRSSリーダーが主流だったが、この年を皮切りに日本でもさまざまなニュース・アプリが登場することになる。

土屋氏のメッセージに届いた「Gunosy」はそのひとつだった。彼は「ここに当時のトップページがあるんですけど」と、学生たちが作ったサイトを見せつつその時の衝撃を語る。

「当時、シリコンバレーにも似たようなニュースキュレーションのサービスがあって、おおって感動したのを覚えてます。ただ、とにかくサイトデザインがヤバかった(笑。関さんにこれ面白そうなんだけどデザイン大丈夫?って聞いて。それで開発した福島さん、吉田(宏司)さん、関さんの三人と話をして、じゃあ自分がやろうかと。さすがに大学生からお金取るわけにいかないからいいよ、タダでって」(土屋氏)。

iPhoneが登場し、スマートフォンシフトがこれから起ころうとする中、デザインが整ったGunosyは瞬く間にユーザーを集め、数万人が利用する人気アプリに成長した。そしてそのデザインを手がけたグッドパッチの元に仕事の依頼が舞い込むようになり、土屋氏は創業からわずか2年で事業を軌道に乗せることに成功する。

世界を変えた「お節介」のワケ

東大生3人が作ったGunosyの最初のサイト。パワーポイントでデザインした

ところで立ち上げの際、Gunosyはあくまで東大生のプロジェクトであり、法人化はもとよりビジネスモデルも何もない、純粋な「興味」で始まっている。福島氏は開発当初をこう振り返る。

「本当に法人化とか考えてなくて、創業者3人とも大学院まで今で言うAIですね、機械学習とかウェブマイニングとかの研究をしていて。3人ともITサービスやアプリが大好きで、何か作りたいよねみたいなノリだったんです。

ただ、それだけで作ってもつまらないから、自分たちが困っていることや研究した内容を使って何かできないかなというのは考えてました。それで共通項として出てきたのが情報収集だったんです。当時から情報は氾濫していて、それを何とかフィルタリングしてニュースを送るサービスにできないだろうかと」(福島氏)。

1万件のタイトルよりもおすすめされた10件の情報の方が価値があるーーそれなら自分が使いたい。そう考えた3人は「最初のユーザー=制作者」という考え方でアルゴリズムの開発に着手する。「今日のニュースどうだった」を繰り返し調整し、サイトは見よう見まね、ツールはパワーポイントで作った。

筆者はふと、土屋氏になぜ事業にするつもりもない学生たちのプロジェクトの手伝いをしようと思ったのか尋ねてみた。

「直感ですね。関さんたちは正直、出会った当時はあまりよく知らなかったんですが、大学院ですごい研究をしているということだけは聞いていました。あと、RSSリーダーで情報収集するということの課題は自分も感じていたんです。日本の東大というトップの学生3人がアルゴリズムを組んでニュースサービスを作っている。その時、直感的に日本からもしかしたらグーグルのような企業が生まれるのかもしれないなと思ったんです。

シリコンバレーに行ってたこともあって、当時のインターネットサービスってスタンフォードの学生が中退してスタートアップした、というストーリーをよく読んでいて、もしかしたら同じような未来が見えるのかもしれないと。だから手弁当でやるよ、と言ったんです」(土屋氏)。

土屋氏の予想はGunosyが法人化したことで半分当たることになる。予想外だったのは学生たちだけでの起業ではなかった、という点だ。

Gunosy、法人化へ

写真中央:木村新司氏

Gunosyは2011年10月に産声を上げ、その翌年の12年10月に法人化することになる。事業にすることを考えていなかった福島氏ら3人の学生に転機が訪れたのは1人の人物、現在、Gunosyの会長を務める木村新司氏との出会いだ。

木村氏もまた福島氏らと同じく東大出身で、2007年にモバイル・アドネットワークの先駆けとなるアトランティスを創業している起業家だった。Gunosyが生まれた2011年に木村氏は同社をグリーに売却し、彼もまた土屋氏と同じく、東大生が作ったこのニュースキュレーション・サービスに新たな可能性を見出そうとしていた。

Gunosyを事業化するにあたっての課題はマネタイズモデルだ。未成熟なスマートフォンアプリの市場でユーザー課金は期待が薄い。しかし木村氏が経験した広告技術を組み合わせれば、勝ち筋が見える。そうして彼らは手を取り合うことになった。

ただ、福島氏は見えない未来にそこはかとない恐怖も感じていたようだ。

「やっぱり最初はビジネスになるなんて全く思ってなかったですよ。当時、映画「ソーシャルネットワーク」ってあったじゃないですか。自分たちがそういう風になっていくなんて想像できなかったですね。まあ一言で言えばビビってたんですよ。

一年ぐらいかな、法人化とか考えずに卒業まで時間あったので、会社にした方がいいとか言われたんですけど、一旦、自分たちにそういう自信がないから社会人になってもサービスを続けられるように改善を続けていこう、という話はしてました。

ただ、思ったよりもユーザーがついてくれた。今思えば大した数字じゃないですよ。けど、当時の学生からするともの凄いインパクトがあった。多分、数万人とかのユーザーがアクティブな状態だったんですが、それが凄いことかどうかもよく分かっていなかったですね」(福島氏)。

自分たちの困りごとと研究のために作ったアプリが「当たった」。いや、当たったかどうかも分からないまま、彼らは木村氏と出会い、いよいよ自分の将来を真剣に考え出す。当時、就職先が決まっていた福島氏は冷静にスタートアップに飛び込むリスクとメリットを天秤にかけてひとつの答えを導き出す。

「いろいろ考えた時、スタートアップに飛び込んでもリスクがないなって思ったんです。自分たちがやってみた結果、その一年ですごい技術力もつきましたし、普通に働くよりもいろんな意思決定がいっぱいできたんです。世の中では新卒のレールを外れると大企業行けなくなるとか言うんですが、今は明確にそれが嘘だって自信持って言えます。

当時はそこまでの確信はなかったですけど、起業したことで大企業に行けなくなってもいいや、何とかなるだろう、と。逆にここでやらなければ自分が老人になった時、似たようなサービスが日本から出てグーグルみたいな会社ができました、それを自分以外の人間がやっていたとしたらもの凄い後悔するだろうなと」(福島氏)。

その感情に気がついた学生3人は木村氏と共に動き出す。学生プロジェクトではない「社会の公器」としてのGunosyを立ち上げることになった。

次につづく/10年起業家:ギアチェンジの時

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【IPOスタートアップの資本政策解剖】グッドパッチ編〜第3回「Smartround Academia」から

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第3回 Smartround Academia(8月25日開催)で、資本政策を解剖したのはグッドパッチ (東証:7351)だ。2011年9月に創業し、2020年6月30日に東証マザーズに上場。コロナ禍にありながら明るいニュースをもたらした上場としても印象的だった。今回、資本政策を披露してくれたのは、グッドパッチCEOの土屋尚史氏だ。資本政策と共に、グッドパッチが上場するまでの経営について語ってくれ…

第3回 Smartround Academia(8月25日開催)で、資本政策を解剖したのはグッドパッチ (東証:7351)だ。2011年9月に創業し、2020年6月30日に東証マザーズに上場。コロナ禍にありながら明るいニュースをもたらした上場としても印象的だった。今回、資本政策を披露してくれたのは、グッドパッチCEOの土屋尚史氏だ。資本政策と共に、グッドパッチが上場するまでの経営について語ってくれた。

土屋氏は、Webディレクターを経てサンフランシスコに渡り、スタートアップの海外進出支援などを経験した後、2011年にグッドパッチを創業。同社は現在、東京・ベルリン・ミュンヘンに拠点を持つ。「デザインの力でビジネスを前進させるグローバルデザインカンパニー」として、デザインパートナー事業とデザインプラットフォーム事業の2軸で事業展開をしている。

今回の聞き手も、スマートラウンド COO 冨田阿里氏が務めた。

(文:馬本寛子、編集:池田将)

Image credit: Masaru Ikeda

<これまでのグッドパッチ 関連記事(一部)>

<参考文献>

<上場前(2011年9月~2020年6月)>

グッドパッチは、2020年6月に上場を果たした。創業時、土屋氏は上場することを考えていなかったと話す。祖母からの遺産の500万円を資本金として起業し、土屋氏のみでの経営だった。そこから、最初の資金調達を行ったのは、創業から2年後の2013年12月。DG インキュベーションから1億円の資金調達だった。グッドパッチ にとって初めての外部資金調達であったが、同社ではこれをシリーズ A ラウンドとしている。

2016年2月のシリーズ B ラウンドでは DG インキュベーション、Salesforce Ventures、SMBC ベンチャーキャピタル、SBI インベストメント、FiNC から総額4億円を調達した。続けて、2017年4月に実施されたシリーズ C ラウンドでも、SBI インベストメントと三井住友海上キャピタルから総額4億円を調達している。

【資本政策について】

  • 創業時は、上場することなどを一切考えていなかった。一般的な中小企業の資本構成を参考に、1株5万円の100株からスタートした。
  • シリーズ A ラウンドの裏話。元々、会社の計画として資金調達をする予定はなかったが、創業から2年目の時点で1億円ほどの売上が出て、利益が2,000万円ほどに。当時は、プライベートカンパニーだったため、この状態で利益が2,000万円程であれば、税金が払えない可能性があった。そのため、社員にボーナスを多めに出すなど対策を行ったが、ボーナスに対しても税金がかかったため、キャッシュアウトしかける可能性があった。当時は、規模の大きいクライアント1社に売上を依存している状態で、社員は20名、月のバーンレートは1,000万円ほどの状態だった。このことを須田氏(現・監査役)に相談したところ資金調達を勧められたため、シリーズ A ラウンドの資金調達に動いた。
  • 第1回 SO(ストックオプション)発行では、SO についての知識が十分でなかったことから、誤った渡し方をしてしまったかもしれない。最大10%まで配布して良いと言われていたため、計8%ほど渡した。しかし、この頃から上場まで残っていた社員は1名だった。
  • バリュエーションが高かったこともあり、シリーズ B ラウンドでは事業会社を中心に投資を募った。
  • シリーズ C ラウンドについて。当時フィンテックサービスのデザインが重要視されつつあったので、フィンテックに関連するファンドから資金調達を実施。
  • 第4回 SO 発行では、当時(2018年)在籍していた社員全員に SO を発行した。マネージャーなどには少々厚めに渡した。評価に連動しているのではなく、入社順とグレードに合わせて SO を渡した。
  • 2019年の株式移動では、土屋氏が保有する株式10万株の5%となる5,000株を役員・監査役に生株で譲渡した。彼らのコミットメントを強めるという意味合いと、彼らがいたから会社を立て直せたことに対する感謝の意も含めたものだ。
  • 上場するタイミングで、従業員持株会を作った。

【組織と関連する資本政策の動きについて】

  • シリーズ B ラウンドのタイミングから、2年後の上場を目指し、準備を始める。ここでの組織づくりが、会社の経営に大きな影響を与えることになった。シリーズ B ラウンドの直前で CFO を採用し、取締役を4人に増やした。また、執行役員を1人追加し、マネージャーも6人置いた。
  • シリーズ B ラウンドでは事業計画において見積が甘く、1年後の状態が危ういことが問題視され、その責任を明確にするため CFO が退任した。その退任と組織の崩壊に伴い、当時の管理部門にいた社員が全員辞めた。上場を目指すならば、上場経験のある CFO が必要だと思う。
  • 組織の崩壊に伴い、SO 消却が数回にわたって行われた。一方、組織が大崩壊していることを理解しながらも入社し、立て直しに入ってくれた役員や社員に対して新たに SO を発行している(第2回、第3回 SO 発行)

<上場(2020年6月)>

Image credit: Goodpatch

デザインカンパニーとして、初の上場を果たしたグッドパッチ。コロナ禍での上場となり、スタートアップ界に明るいニュースをもたらしたが、一時は上場延期の可能性も告げられていたそうだ。

創業時、選択肢に全くなかった「上場」を土屋氏が目指したのは、渋谷にオフィスを移転し、会社のビジョンやミッションを策定した2014年だったと話す。

30名ほどの社員数だったものの、メンバーの熱量の高さや優秀さを感じていた。ビジョンやミッションに向き合う中で、グッドパッチは絶対に無くしてはならない会社だと思い、売却という選択肢は無くし、上場のみを目指すようになった。(中略)

本来、デザインはものすごく価値があるものなのに、それが社会に求められていなかった。デザインの力を証明するというミッションは、グッドパッチが諦めたら、他に出てくる会社はないと思った。(土屋氏)

<上場後(2020年6月~)>

グッドパッチ2020年8月通期決算説明資料(クリックして拡大)
Image credit: Goodpatch

グッドパッチが2020年10月に公開した通期決算説明資料(上)によると、32.7%が一般株主となっている。しかし、上場の際には、VC の割合が多いとする意見もあったとされる。

今回の Smartround Academia で共同モデレータを務めた金坂直哉氏(マネーフォワードシンカ 代表取締役社長)は、事業内容や将来性についての機関投資家からの反応がどのようなものだったかと尋ねた。

デザイン会社の上場は初めてであるので、周囲には『わからない』と言われつつも、デザインの重要性は理解してもらえたと感じている。上場時に、かなり多くの機関投資家に入ってもらえたことからも、DX が注目される現在において、デザインの重要性が増していることも理解してもらえたのではないか。(土屋氏)

<その他>

視聴者から組織崩壊時の質問が多数尋ねられた。それらについての回答は以下にまとめる。

Q:組織崩壊時でも事業推進を続けた理由とは?

崩壊中でも売り上げは30%ずつ伸びていたこともあり、組織崩壊に伴い入れ替わるような形で入社した社員が事業推進を積極的に進めていた。事業推進を進められたのは、グッドパッチのブランドバリューが落ちなかったからだと思う。組織崩壊はしても、クオリティが守られていたので、なんとか持ち堪えた。

会社に対して不満を持っていた当時の社員も、仕事と自分の意思を切り離し、仕事に対して熱心に取り組んでくれた。そのようなプロフェッショナリティのある社員が働いていたので、クライアントに対しては、しっかりと価値を提供できていたのだと思う。

Q:組織づくりで一番重要なポイントは何か?

重要なことはありすぎて、一括りにまとめられない。会社として目指す方向性や価値観の軸など、社内の共通言語を明確にすることが非常に重要。(中略)

また、会社は役員とマネージャーのコミットでほぼ決まると思う。だからこそ、これらのポジションにコミットが薄い人を置いてはならない。会社を成長させるためには、バリューやミッションを口すっぱく言い続け、役割を与えられている人は、それらをやり切らねばならない。それほど強くコミットできる人が中心にいなければ組織は崩れると思う。


グッドパッチは今年6月末の上場後 Goodpatch Design Fund を開設した(出資プロジェクトの呼称であり、本社事業会計からの出資。子会社設立やファンドの組成を伴うものではない)。これまでに「お金の健康診断」「オカネコ」運営 400F(フォーハンドレッドエフ)、レシート買取アプリ「ONE」を提供する WED に出資している

グッドパッチはまた、マネーフォワードベンチャーパートナーズ(MFVP)にも出資している。土屋氏は、スタートアップエコシステムの醸成を活性化すべく、今後、スタートアップへの出資を積極化していくとしている。

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二人三脚でやればどんな問題でもなんとかなるーー隠れたキーマンを調べるお・グッドパッチ松岡氏

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編集部注:「隠れたキーマンを調べるお」は、国内スタートアップ界隈を影で支える「知る人ぞ知る」人物をインタビューする不定期連載。毎回おひとりずつ、East Venturesフェローの大柴貴紀氏がみつけた「影の立役者」の素顔に迫ります。シーズン2として2020年に再開 先日(6月30日)東証マザーズに上場を果たしたUI/UXデザイン領域の事業を手がけるグッドパッチ(Goodpatch)。創業から粛々と…

Goodpatch 001
グッドパッチ執行役員の松岡毅氏

編集部注:「隠れたキーマンを調べるお」は、国内スタートアップ界隈を影で支える「知る人ぞ知る」人物をインタビューする不定期連載。毎回おひとりずつ、East Venturesフェローの大柴貴紀氏がみつけた「影の立役者」の素顔に迫ります。シーズン2として2020年に再開

先日(6月30日)東証マザーズに上場を果たしたUI/UXデザイン領域の事業を手がけるグッドパッチ(Goodpatch)。創業から粛々と事業を拡大し、組織も大きくなっていきましたが、その過程で「組織崩壊」を経験し、そこから立て直しての上場ストーリーは多くの人の共感を生んだことでしょう。

今回は同社主力事業の執行役員である松岡毅氏をインタビューしました。松岡氏がグッドパッチに参画したのは「組織崩壊」真っ只中の2017年2月。松岡氏のこれまでのキャリアとともに、 グッドパッチの組織にどう向き合い、どのようにして立て直していったのか等のお話も伺いましたので、ぜひお読みいただければと思います!

「人と違うことがやりたい」、銀行内定を蹴って外資系コンサルへ

大柴:今日はよろしくお願いします。早速ですが、先日は上場、おめでとうございました!

松岡:ありがとうございます。

大柴:春くらいに土屋さん(グッドパッチ代表取締役社長の土屋尚史氏)に「御社の“隠れたキーマン”だれですか?良い人いませんか?」と聞いてたんですよ。「考えてみます!」って言われて数カ月経ちまして(笑。上場直前って知らなくて…それで、ようやく落ち着いたようで連絡もらいました

松岡:ありがとうございます。よろしくお願いします。

大柴:というわけで早速始めたいと思います。松岡さんは1973年生まれですかね?

松岡:そうです。土屋とちょうど10歳違います。

大柴:松岡さんのキャリアとしては、新卒で外資系コンサル企業に入られていますが、当時って「就職氷河期」と呼ばれるくらい就職が難しい時代、そして外資コンサルというのも就職先としてはあまり一般的ではなかったように思いますが

松岡:そうですね、一般的には就職は厳しかったと思います。ただ、自分は体育会で陸上ホッケーをやってまして、陸上ホッケー部のある某銀行の内定をもらっていたんです。でも「このまま就職するのは普通で嫌だな」という迷いもありました。

大柴:「普通」は嫌

松岡:そうです(笑。それで銀行の内定を蹴ってしまって、そこから再度就職活動したんですが、たまたまそこに外資系のコンサルティング会社があったという感じです。当時「コンサル会社」ってあまり知られていなくて、自分もあまり知らなかった。一般的じゃないし、面白そうかもと就職することに決めました。

大柴:「人と一緒は嫌」みたいな気質って小さい頃からだったんですか?

松岡:そうですね、成績は悪くなかったんですが、いわゆる優等生タイプとは違っていたと思います。レールの上を行くのが好きじゃないというか。父親がとても堅い人で「変わったことをやるようなのはダメなやつ」と言っていました。そういう父への反発もあったかもしれません。

大柴:なるほど。それでコンサルに入ったわけですが、どうでしたか?

松岡:それまでの甘い自分を叩き直されたような感じでした(笑。「人と違う」「レールに乗りたくない」なんて考えはどうしようもなく小さいことだったんだなと実感しました。世の中の厳しさを痛感しました。

大柴:一気に学生気分が抜けて、厳しいひとりの社会人になったわけですね

松岡:そうですね。研修も厳しくて。「段階制」なんですよ。研修のカリキュラムが段階制になっていて、一つずつクリアしないと先に進めない。一緒に入社した同期たちがどんどんクリアして先に進んでるのに、自分は全く進めない。国内研修をクリアすると今度はフロリダでの研修があるんですが、自分が渡米したのは9月でした。一番遅かった。

大柴:みんな一緒に研修して、みんな一緒に終わるという日本的なものではなく、いきなり個人の成果主義というか…。ちなみにどんな研修なんですか?

松岡:ロジカルシンキングを徹底的に身につける研修が多かったです。その他にはプログラミング。自分はコンピューターに触ったこともなかったので、それこそタイピングから(笑。あとは企業研究(リサーチ)ももちろんやりましたね。

大柴:それらの国内研修を終えてフロリダですか?英語って話せたんですか?

松岡:いやいや、全然話せません。辞書を片手に必死でした。そこでも3〜4カ月研修して、何とか終了したんですが、そこでなぜか「(ここに残って研修の)講師をやれ」って言われて、そのままアメリカに残ることになったんです。

大柴:え、なんでですかね?

松岡:いや、わからないですけど、世界中からやってくる新入社員の研修講師をやることになって。英語はヒアリングはまぁなんとなくできるようになってきたんですが、話せなくて、受講者とは筆談で会話しました。なんで講師に抜擢されたのかわからないんですよね…。

NAVER創業者から感じた経営者としての凄味

Goodpatch 002

大柴:その後、帰国してコンサル業務に

松岡:帰国後は情報システム部に配属されまして。社内のネットワーク構築とかそういう。「あれ、なんかやりたかったことと違うけど」と思ってしばらく過ごしてたんですが、他の部署の全く面識のない先輩から声がかかって、とあるプロジェクトにアサインされることになりました。今でも覚えてて、木曜日だったんですけど「来週から京都行ける?」って聞かれて、即答で「行けます!」って。

大柴:急なアサインですね(笑。京都ではどんな業務を?

松岡:データベースエンジニアのような業務を任されました。そのうち上流の、今で言う KPI を決めるような業務も行いました。数年がむしゃらに働いて出世もしていったんですが、会社を出ることにしました。「自分のやりたいこと」を考えたときに、ゲームなどのエンタメ業界で働きたいなって思ったんです。ファミコン世代なので、ゲーム業界への憧れがあった気がします。

大柴:僕ら世代、一度はゲーム会社で働きたいと思ったものです

松岡:それでゲーム会社に片っ端から履歴書を送ったんですけど、ことごとくダメで。全く取り合ってくれない。そんな折に唯一、孫泰蔵さんがやっていたゲーム会社の選考に通りまして、そこで働くことになったんです。給料は前職の半分、なんなら新卒の時の給料よりも安かった(笑。

大柴:外資コンサル、給料高そうですからね(笑。そのゲーム会社ではどんなことされてたんですか?

松岡:主に韓国のオンラインゲームを輸入して、日本向けにリリースするような仕事です。当時ウルティマが流行っていて、自分もプレイしてたんですけど、とにかく衝撃がすごかった。これは新しく生まれる産業だぞと。そして「もしかしたらオンラインゲームならば自分もゲームクリエイターになれるんじゃないか」と思ったんです。やはりゲームクリエイターは憧れですからね。

大柴:わかります

松岡:さらにステップアップしてみようと思い、NHN JAPANに転職しました。

大柴:松岡さんが入社されて数年後「LINE」が登場します

松岡:はい。LINEがリリースされてしばらくして森川さん(当時のNHN JAPAN代表取締役社長、現・C Channel代表取締役社長の森川亮氏)に呼ばれて「LINE 向けにゲーム作って」と指示を受けました。社内のクリエイターは長年オンラインゲームを扱ってきたんで、スマホ向けゲームはやりたがらなかったんです。それでやむをえず最近入社した中途採用のクリエイター3人と一緒に作りました。自分としてはスマホゲームやブラウザゲームをやりたかったんで良かったんですけどね。

大柴:一気にスマホ時代に突入する頃ですもんね

松岡:そうなんです。でもこれまで長年に渡ってPCメインのゲームをやってきた会社なんで、メンバーはやはりスマホゲームなどには抵抗感があったんですよ。NHN PlayArtとして再出発するに当たって執行役員になり「スタジオ」の一つを任されることになりました。作りたいゲームを自分の権限で作れるというのは夢でしたので嬉しかったんですが、一方で責任の重さも感じました。

大柴:執行役員になり、自分の「スタジオ」も持ちました。責任もそれに比例して大きく重くなります

松岡:そうですね。「新しいアプリゲームを作れ」というミッションがあったのですが、当時はPCやブラウザゲームしかやってなくて、収益もそこから得ていたんです。チームを存続させるには収益が絶対的に必要。でも会社からは「アプリだけやれ。他はやるな」と指示があって…。収支を保ちながら新規のアプリゲームに専念するというのは難しいオーダーだったんですけど、なんとか知恵を絞って成し遂げました。

大柴:すごい!

松岡:あの状況でアプリだけに絞るってのは、事業を任されてる身としては難しい判断だったんですが、会社として見た場合、その判断は正しかったなと思います。目の前のことより、将来の会社の利益を会社としては考えていて。「新しいことで成し遂げるには、古いものを捨てて、優先度が高い事業に集中しろ」「人と同じ考え方、同じスピードでは成し遂げられない」と教わりました。

大柴:確かに、その通りですね。その他に学んだことで思い出すことはありますか?

松岡:「人が見たこと、経験のないものを好き勝手作るのは簡単にできる。でも事業としてやるには収益が必要。事業として成り立たないものは意味がない」ということも学びましたね。今でも教訓として活かされています。

人生を賭けるものを模索していた時に出会った「デザイン思考」

Goodpatch

大柴:自分のチームを率いて、やりたかった仕事もできて、充実してたんじゃないですか?でもその後、NHNを離れますよね?そのあたりのいきさつを教えてください

松岡:チームの中では「自分が一番すごいゲームが作れる」という独りよがりな部分がありました。コンサル時代に叩き込まれた「ロジカルシンキング」はゲーム作りにも活かされていて、ロジックや数字からゲームを作っていました。それで一定の成功をおさめていた。自分のやり方に自信もあったし、正しいと思っていたんです。

大柴:なるほど

松岡:そんな時、チームにいた凄腕のエンジニア、イラストレーターたち数人がゲームの企画を作って持ってきたんです。正直すごく良くて、衝撃を受けました。それで彼らに「この部分をこれにした理由は?」みたいなことを聞いたんですが、「いや、それが良いかなと思って」という返答で。彼らはロジカルに理由を説明できなかった。でもすごい良いゲームに思えた。もしかしたら昔、自分が憧れていたゲームクリエイターもこうやって感覚で作っていたのかもなと思ったんですよ。これからはクリエイターを大事に、中心に据えたゲーム作りの時代になっていくのかもなと。

大柴:時代の変化を感じた?

松岡:そういう変化も起こるかもな、くらいですかね。でも転職の一つのきっかけにはなったかもしれません。これまで培ってきたゲーム作りの考え方、方程式を別の領域でも試せないのかな?と思って離れることにしました。1年半くらい模索をしてたんですが、そんな時に土屋と出会いました。土屋からグッドパッチが実践している「デザイン思考」についてプレゼンされた時「これだ!」と思ったんです。考え方が欧米のゲームスタジオの考え方と同じだったんです。ずっと探していた「これまでの経験を活かせる別の事業」が見つかった瞬間でした。

大柴:運命の出会い!

松岡:土屋と話しをして、デザインという事業を大きくしたいと思いました。一大産業にしたいと。ゲーム産業も昔は小さなものでした。でも今はとても大きい産業になってる。デザインという領域も同じように大きくなれるんじゃないかと思ったんです。自分はそれに40代を賭けよう、人生を賭けようと決めました。

二人三脚でやればどんな問題でもなんとかなる

Goodpatch 003

大柴:松岡さんがグッドパッチに入社されたのが2017年2月。その頃って「組織崩壊」の時期ですよね

松岡:そうですね。入社前に土屋から「組織が崩壊している」といった話をされました。とても正直に事実を教えてくれました。

大柴:それを聞いてどうでしたか?

松岡:特に何も思わないというか、なんとでもなるなと感じました。入社前に土屋と何度も話をして、とても信頼できる人だなって感じましたし、彼と二人三脚でやればどんな問題でもなんとかなるって自信がありました。

大柴:当時の土屋さんってどんな印象でしたか?難しい問題に直面してたと思うんですが

松岡:そうですね、かなり辛そうに見えました。でも彼は逃げないって決めてたんです。逃げないって決めたので、あとはどういう手をどういう優先順位で打っていこうか。そういう状況だったと思います。辛そうではありましたが、真摯に向き合って、前進していこうという気持ちが見えました。

大柴:なるほど

松岡:入社前に土屋とミーティングした時に、メンバー一人一人の説明を受けたんです。一般的には定量的な評価で伝えると思うんですけど、その時土屋はメンバー一人一人を愛情溢れる言葉で紹介したんです。それぞれのバックグラウンドや「こういう夢を彼は持っている」といったことなどを丁寧に説明してくれました。とても素朴で優しく、正直な人だなって改めて感じました。それに、作り手に寄り添ってくれる人だなって。この説明で会社のことやチームメンバーのことをより深く理解することができました。

大柴:実際に入社した後のお話を聞かせてください。そうは言っても組織は崩壊してたと思うんですが、松岡さんはどうやって立ち直していったのでしょうか?

松岡:特に変わったことをしたわけじゃなく、「なるべく一緒に現場仕事をする」というのをしました。自分のチームだけでなく、隣のチームなどにも関わったりもしました。関わる人を増やし、一緒に働き、汗を流し、みんなのことを理解する。そこから始めました。一緒に現場仕事をするにしても、上から物を言うのではなく、聞かれたら答えるくらい。でも問題が起きてしまった案件は率先して自分が後の対応をしましたし、何があっても責任は自分が取る。そういう行動がチームの状況を上向かせたような気がしています。

大柴:なるほどです。ちょっと話が変わってしまうかもしれませんが、 Goodpatch Blog で「Design Div. ではマネージャーのみが予算達成の責任を負っている。デザイナーは売上や稼働率で評価しない」と書かれているのを読んだのですが

松岡:そうですね、はい。

大柴:僕もかつてデザイナーの評価に苦慮したことがあって、どうしても定量評価したいので、なんらかの数値(売上やユーザー数など)から定量目標を決めて評価してたんです。でもあまり上手くいかなかった思い出があって。グッドパッチではデザイナーにそういった定量目標を置いてないということなので、では何を軸に評価してるのか気になったんです

松岡:定量化できないものを定量化するのはナンセンスだなと昔から考えていて、普段からコミュニケーションが正しく行われていたら定量目標がなくても適切な評価はできると思っています。評価者と被評価者の 1 on 1で評価者は適切なフィードバックをする。 1 on 1で二人が信頼関係を築き、正しいコミュニケーションが取れていれば、最終的な評価の段階でもお互いに納得ある評価を出せると思います。普段から被評価者には「伝える力をつけろ」と、評価者には「見る力を養え」と伝えています。

大柴:なるほど。では、理想的な状態というのは、例えば評価が4だったとしたら、評価面談の際にお互いが何も言わなくても「4だよね」ってなる感じですかね

松岡:そうです。でもまだ理想には遠いので今後精度を上げていければと思っています。

上場、偉大なチーム

大柴:すみません、長くなってしまいました…。最後にバラバラと質問したいと思います。「偉大なプロダクトは偉大なチームから生まれる」とWebサイトにもありますが「ここが偉大なチームだな」って思うとこはどこですか?

松岡:そうですね、ビジョン、ミッションへの共感の高さですかね。すごいと思います。一人一人が語れると思います。

大柴:チームの課題ってありますか?

松岡:自分のチーム( Design Div. )であげると、このままいくと成功体験に固執して抜け出せない危険性があるなと強く感じています。やはり常に我々は変化し続けなければいけないので、過去の成功に固執しててはダメです。その辺が課題だと思います。

大柴:土屋さんについてもお聞きしたいと思います。最初に会った頃は「素朴、正直、素直」という印象だったと思いますが、上場に向けて、また上場して変化した部分ありますか?

松岡:基本的な部分は全く変わらず、昔も今も愛を持ってみんなと接し、苦しいことにも向き合い続ける人です。経営者としてはやっぱり成長してるなと感じます。自分が言うのもアレですが(笑。

大柴:ありがとうございます(笑。最後に、松岡さんにとって上場をどのように捉えていますか?

松岡:デザインを一大産業にしたい、メジャーな産業にしたいと思っているので、上場はマストであり、通過点だと考えています。この領域のトップランナーであり続けるためには上場して社会的責任を持っていかないといけないと思っています。誰もがデザイン、UI / UX と言えば真っ先にグッドパッチを想起するような存在になりたいですし、グッドパッチがいるからこそデザイン産業というのもがメジャーなものになった。そういう存在になりたいです。デザインの力を証明するために今後も突き進んでいきたいですね。

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UI/UXデザイン支援のグッドパッチ、東証マザーズ上場へ、評価額は43億円規模に

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UI/UXデザイン領域の事業を手掛けるグッドパッチは5月27日、東京証券取引所への新規上場申請を実施し承認されたことを発表した。市場区分はマザーズで証券コードは7351。30万8900株を公募し、35万900株を売り出す。なお、オーバーアロットメントは9万8900株。主幹事は大和証券が務め、上場予定日は2020年6月30日。公募分を含めた総株数は2745万7440株。想定発行価格の610円から算出…

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UI/UXデザイン領域の事業を手掛けるグッドパッチは5月27日、東京証券取引所への新規上場申請を実施し承認されたことを発表した。市場区分はマザーズで証券コードは7351。30万8900株を公募し、35万900株を売り出す。なお、オーバーアロットメントは9万8900株。主幹事は大和証券が務め、上場予定日は2020年6月30日。公募分を含めた総株数は2745万7440株。想定発行価格の610円から算出した評価額は約167億円。

訂正:記事初出時に総株数を2745万7440株としましたが、これは発行可能株数で、発行済み株数は686万4360株(公募分を含むと717万3260株)でした。想定発行価格の610円から算出した評価額は約43億円です。訂正してお詫びいたします。

価格の仮条件は6月11日に決定し、ブックビルディング期間は6月15日から19日を通して実施される。最終的な公開価格決定日は6月22日。同社公開の有価証券届出書によれば、2019年8月期(第8期)の通期売上高は14億100万円で経常利益は9300万円、純利益が6800万円。足下の第9期第2四半期の売上高は累計で11億2100万円、経常利益が1億6000万円、純利益が1億7000万円となっている。

グッドパッチの創業は2011年9月。企業のUI/UXデザイン支援を手掛け、2014年にはプロトタイピングツールの「Prott」を開始。2015年にはベルリンに子会社を設立し、積極的な市場拡大を狙った。人材事業にも力をいれており、2018年にはデザイナー特化型のキャリア支援「ReDesigner」や、働く場所を問わないリモートワークのデザインチーム「Goodpatch Anywhere」を立ち上げている。主力事業であるデザインパートナー事業では、月平均の稼働プロジェクト数(カッコ内は月額平均単価)を指標としており、2017年8月期で17件(340万円)、翌年が20.7件(450万円)、2019年8月期が22件(520万円)、足下の2020年は26件(490万円)と伸ばしている。同セグメントの2019年8月期売上は13億2300万円で営業利益は1億3300万円となっている。

主要な株主は創業者で代表取締役の土屋尚史氏が42.43%、デジタルガレージグループ(DG Lab、DGベンチャーズ)が21.4%、ブルーローズが8.24%、SBIインベストメントが7.93%、セールスフォースベンチャーズが3.08%と続く。

情報開示:グッドパッチ社の社外取締役を務める山口拓己氏は、BRIDGEの運営会社であるPR TIMESの代表取締役も務めています。

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リアルタイム共同編集可、クラウドワークスペース「Strap」がβ版登録を開始

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UI/UXデザインを手がける「グッドパッチ」は4月23日、クラウドワークスペース「Strap」のβ版の利用登録を開始したと発表した。 Strapとは、チームでプロジェクトを進める全ての人向けのクラウドワークスペース。リアルタイムで図解やテキスト情報の共同編集が可能となり、作業・コミュニケーションの効率化を実現するツールだ。テレワークが加速し、同じ場所にいる制約を飛び越えながらプロジェクトを推進する…

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UI/UXデザインを手がける「グッドパッチ」は4月23日、クラウドワークスペース「Strap」のβ版の利用登録を開始したと発表した。

Strapとは、チームでプロジェクトを進める全ての人向けのクラウドワークスペース。リアルタイムで図解やテキスト情報の共同編集が可能となり、作業・コミュニケーションの効率化を実現するツールだ。テレワークが加速し、同じ場所にいる制約を飛び越えながらプロジェクトを推進することがどの企業でも必要になったというニーズに応える。

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機能は大きく3つある。1つは同時編集機能で、チームメンバーのカーソルの動きや思考過程が確認できるためチーム全員がアイディアを理解しやすくなる機能だ。テレワーク環境下ではリモート会議ツールと併用し、付箋を貼る、図を書くといったオンラインホワイトボードとしても活用できる。

2つ目は、テンプレート機能。事業立ち上げから運用に至る過程で役立つビジネスフレームワークなどのテンプレートを使い、人に伝わる図を簡単に作成できる。3つ目はコメント機能(追加予定)。チームメンバーからフィードバックを手軽にもらうことができる。

via PR TIMES

 

 

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完全リモートで120名チーム設立、リモートワークと組織変革への向き合い方

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です COVID-19の流行が本格化し、リモートワーク導入する企業が増えています。多くの企業がこの世界的な危機に素早く対応し、これ以上流行を広めないように行動しているという事実に心から感動を覚えています。 しかし、実際にリモートワークに取り組んだ結果、様々な問題が発生してしまい、リモートワークに対してうんざりしている方も多いのではないで…

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Photo by fauxels on Pexels.com

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

COVID-19の流行が本格化し、リモートワーク導入する企業が増えています。多くの企業がこの世界的な危機に素早く対応し、これ以上流行を広めないように行動しているという事実に心から感動を覚えています。

しかし、実際にリモートワークに取り組んだ結果、様々な問題が発生してしまい、リモートワークに対してうんざりしている方も多いのではないでしょうか。コミュニケーションやセキュリティの問題、リアルの場でしかできない業務の多さなど、立ち向かう壁があまりにも多く、大変な思いをされているかと思います。

Goodpatch Anywhereのリモートワーク

Goodpatch Anywhereは2018年から、メンバー全員がフルリモートでデザインチームを形成して事業を進めてきました。国内外のデザイナー100名超が所属し、フルリモートという制約の中でより良いチームをどのように作るのか、試行錯誤を繰り返しています。

さらに、私たちは全てのプロジェクトで、クライアントとワンチームになることを目指しています。こうしたクライアントの中には、セキュリティに対して非常に厳格な金融機関や、リモートワークが全くの初めてと言う大企業も含まれています。一部のリテラシーの高い人たちだけが対応できるリモートワークでは意味がないのです。

そんな試行錯誤の結果、多くのクライアントがリモートプロジェクトに適応することができ、コミュニケーション量が圧倒的に増大、ときには「アウトプットの量と質が、今までの制作会社よりも圧倒的に良かった」などの好意的な評価をいただくこともできました。リモートワークへの変革は確かに難しいのですが、リモートワークに必要な環境や手段、マインドセットを適切に運用することで、多くの企業でリモートワークを導入できる手応えを私たちは掴んでいます。

「自分の仕事は高度な仕事だから」「アナログな領域だから」「人間同士の本気のコミュニケーションが大切だから」リモートにできない様々な理由が思い浮かぶと思います。しかし私たちは模造紙やホワイトボード、付箋を駆使し、四六時中チームが密着して議論を行い、アイディアをぶつけ合いながら同じ窯の飯を食い、時に泣き、時に笑いながら、プロダクトやサービスのデザインを進めていく。そんな仕事であってもフルリモートで実行することができるという事実を知って欲しいのです。

リモートワークであらわになる組織の不都合

リモートワークの導入により、コミュニケーション不足によって意思疎通が難しくなったり、顔の見えない社員が時間通り働いているかといったマネジメント上の不安感、その状況で部下や上司をどう評価するかなど、さまざまな問題が起こります。リモートワークをだからうまくいかないと捉えるか、根本となる原因を見つめ、これを機に解決を図るか、リモートワークに戸惑う多くの企業はこの分岐点に立っているのかもしれません。

リモートワークに限らず、今、企業が問われているのは「変化への受容性」に他なりません。「リモートワークを導入しよう」となったとき、一発で完璧な適応ができる企業は存在しないでしょう。完璧な答えが存在しないことを認め、その現実から学び、進化を続けることが重要です。いつだって時代の変化にを敏感に捉え、トライアンドエラーを繰り返しながら変化していく企業が生き残ってきました。この姿勢が、今ますます重要になってくると考えられます。

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フルリモートのデザインチーム「Goodpatch Anywhere」

テクノロジーの力も大いに利用する

幸いなことに、上に挙げた課題の多くは、テクノロジーの力を効果的に使うことで解決できる可能性があります。オンライン会議システム、テキストチャット、リアルタイムホワイトボードなど、オンラインでも様々なチャネルでコミュニケーションをとることができる環境が整いつつあります。特別なツールを開発したわけではなく、既存のツールの組み合わせで十分に対応することができたのです。

私たちGoodpatch Anywhereは、そのテクノロジーを使い、クライアントがリモートワークを初めて導入にするにあたっての様々なサポートをしてきました。テクノロジーはただ使うだけではその効果を最大限に発揮できません。私たちがクライアントにツールを導入する際は、ツールをどうやってチームや組織に浸透させるかを、アプリやWebサービスの初回体験を設計するように慎重にファシリテーションをします。

適切なレクチャーを行い、楽しみやすい雰囲気を作り、意義を効果の出やすい利用法を考え、使いやすい場所に配置します。誰もが無理なくツールを使えるようにするために何をすれば良いのかを本気で考えましょう。その過程できっと、今までの仕事を新たな目線で捉えて改善でき、時にはリモートワークならではの成果や効用を見つけることもできると思います。

組織を構成するメンバーの感情にアプローチする

しかしこのような新しい取り組みをする際、変化に晒されるメンバーには当然、大きな不安やストレスがかかります。組織を構成するメンバーの一人ひとりの不安が集った結果として、変化を拒絶し、組織の変革を阻んでしまいます。100人を変化させようとしたときに、100人分のブレーキが発動するのではなく、100人を推進役にするためにはどうしたら良いかを考える必要があります。

しかし、この状況は熱意ある個人のスキルやモチベーションで解決できるものではありません。組織として、変化や挑戦を歓迎する姿勢を示すことが必要です。例えばリモートワークを導入しようとした時に、勇気を持って環境構築に参加したメンバーが何かしらの失敗と出会ったとします。するとつい「ほらみろ、リモートワークなんて…」と言ってしまうことがあります。

これは「必ず起こる」現象なので、組織として意図的に抑制しなければいけない行動です。リーダーはこうした発言を認めないと宣言しましょう。変化への挑戦が歓迎され、失敗ではなく「このやり方ではうまくいかないという経験を得た」ということであり歓迎されるものだと宣言しましょう。こうして、一人ひとりが少しづつ安心して協力できるようにすることで、新しい変化は坂道を転がるように組織を巻き込んでいくことでしょう。

組織に何か変革をもたらそうという時にはこちらの情報が参考になると思います。人々の意見やムーブメントの伝搬の仕方を理解することで成功確率は大きく変わってくることでしょう。

(参考リンク)

リモートワークを口実に組織変革をするしたたかさを

幸いにも、ここ数ヶ月はリモートワークに関する知見が大量に流れています。これまでリモートでは無理と言われていた業務にリモートでチャレンジする先駆者も、その知見を惜しみなくオープンにしています。ぜひ多くの企業でこの知見を取り込み、この変化を受容する一歩目を踏み出していただけることを期待しています。その中で、私たちの取り組みが、皆様がその変化の一歩目を踏み出す勇気に少しでも寄与できるなら幸いです。

ただでさえ厳しい戦いであることは間違い無いのですが、リモートワークによって表出した企業や組織の課題に蓋をするのではなく、正面から見つめて根本解決ができないかと考えましょう。今、後ろ向きな対応をして変化を嫌い、挑戦を阻害し、メンバーが萎縮して挑戦できなくなった「変化に対するアレルギーを抱えた企業」になるのか、リモートワークをきっかけに変化の動きを押し進めて「変化慣れした企業」になるのかが問われているのです。

さて、いかがだったでしょうか?

私たちの経験が何かのヒントになれば幸いです。

本稿はUI/UXデザインを強みとした新規事業の立ち上げや、デザイン組織構築支援などを行う株式会社グッドパッチが運営するフルリモートデザインチーム「Goodpatch Anywhere」によるもの。Twitterアカウントは@GoodpatchAW。彼らの事業に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい。また、一緒に事業を推進するメンバーも募集している。

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親子リモートワークの悩みと解決のためのTips

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本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です 2018年に組織を立ち上げてから、Goodpatch Anywhereはフルリモート組織として、日本全国、世界各地に散らばる100名を超えるメンバーとともに事業を推進しています。その中には子育てをしながらリモートワークに取り組むメンバーも多く在籍しています。 新型コロナウイルスの流行により、休校措置が長引いている今、どのように在宅…

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Photo by Gustavo Fring on Pexels.com

本稿はスタートアップ自身がストーリーを投稿する「POST」記事です

2018年に組織を立ち上げてから、Goodpatch Anywhereはフルリモート組織として、日本全国、世界各地に散らばる100名を超えるメンバーとともに事業を推進しています。その中には子育てをしながらリモートワークに取り組むメンバーも多く在籍しています。

新型コロナウイルスの流行により、休校措置が長引いている今、どのように在宅勤務を乗り切っているのか、保育園〜小学生のお子さんを持つメンバーを中心に声を集めてみました。

親子リモートワークの悩みを聞いてみました

ミーティング中に子どもが割り込んでくる
解決Tips:一人になれる場所を確保しておく

大事な会議や、クライアントとの打ち合わせ中に、大声でおしゃべりをしたり、「パソコンに向かって自分もお話しする!」と訴えてきたり。リモートワークが開始してすぐは微笑ましい家族の風景でも、それが続くとなると相手への迷惑などを考えてしまいストレスもたまります。

しかし、子どもに「静かにしてね」と伝えても無理な時は無理。大事な会議や打ち合わせの時には思い切って一人になれる場所に逃げ込んでしまいましょう。Anywhereメンバーは、寝室や洗面所などに避難するケースが多いようです。

子どもが長時間一人になってしまう
解決Tips:ネタの数で勝負する

当然のことながら、在宅勤務=休みではありません。日中やるべき仕事がある中で、どうしてもお子さんを一人にしておかなければならない状況が生まれることは必至です。

勉強や遊びなど様々なネタを事前に準備し、お子さんが一人の時間をもてあそばない工夫が必要となります。本屋さんで欲しい本をたっぷり買ってきたり、レゴブロックといった知育系の玩具を準備したり、「勉強は?」「読書は?」「レゴは?」と、いつでも声がかけられるようにネタを仕込んでおきましょう。

子どもが気になり集中できない
解決Tips:時間割を作って、子どもが自立的に過ごせるように

いろんなネタを準備していても、やはり「何をしているのかな?」とお子さんの行動は気になるもの。そんな時は、時間割を学校と同じにして生活することも一つの案として有効です。

ドリル等の勉強だけだと飽きてしまうので、体育の時間には部屋でけん玉やヨーヨー、YouTubeをみながらのストレッチ、図工の時間には廃材を使っての物づくりなど、気持ちが切り替わる工夫を親子ですると良いのだとか。

「この時間はママ・パパもお仕事だから一緒に集中しようね」と、親子で集中タイムを合わせるアイデアも。

家事も仕事も子育てもで手一杯になる
解決Tips:スケジュールの共有や、家事の協力体制を構築する

親子リモートワークをしているメンバー全員から上がったのが、家族との協力体制。自分ひとりで仕事も家のことも、と抱え込むと必ずパンクしてしまいます。

家族全員で協力し合える環境を作ることが、親子リモートワークの基本。

事前にミーティングの枠をカレンダーでパートナーと共有し、子どもの面倒を見られるようにしたり、子どもたちにも毎日ひとつずつお手伝いをしてもらい、それがそのままお小遣いとして反映されるシステムを作ったり、家族全員で取り組めるルールを設定しているメンバーが多くいました。

仕事で子どもをほったらかしにすることに罪悪感がある
解決Tips:子どもと一緒にできることを増やして、気持ちのケアも

休校中はどうしても一人の時間が増えてしまいます。お父さんやお母さんが近くにいるのに、かまってもらえないことで寂しさを感じたり、通常とは異なる状況で子どもたちのストレスも溜まってしまいます。

休日や夜など、時間が取れる時には一緒に屋内でできる運動をしたり、プログラミングを学べるサイトで親子で遊んだり、お子さんの気持ちをケアをしながら長期戦を乗り切りましょう。(子どもの手前、三日坊主にはなれないので、運動が続く!という別の効果もあるみたいですよ。)

親子リモートワークは自分の仕事を話す良い機会

大変なことの多い親子リモートワークですが、自宅で仕事をするのをきっかけに自分の仕事を子どもに伝える機会にしているというメンバーの声もありました。

なぜ仕事をする必要があるか、どういう仕事をしているかなどを話す時間を設けることで、お子さんの仕事に対しての理解が深まり、「邪魔しないようにしよう」というマインドも生まれてきたそう。

会社で勤務しているとなかなか見せられない仕事中の姿を見せることは、お子さんにとっても良い学びの機会なのではないでしょうか。これは親子だけでなくパートナー同士にも当てはまることかもしれません。

様々な制約が生じる家族でのリモートワークですが、これをきっかけに普段話すことができないことを話し合い、より家族同士の理解を深めるきっかけになるのではないでしょうか。

本稿はUI/UXデザインを強みとした新規事業の立ち上げや、デザイン組織構築支援などを行う株式会社グッドパッチが運営するフルリモートデザインチーム「Goodpatch Anywhere」によるもの。Twitterアカウントは@GoodpatchAW。彼らの事業に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい。また、一緒に事業を推進するメンバーも募集している。

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社内に目を向けた情報発信で強い組織を表現: #スタートアップPR ベスト事例(2)グッドパッチ【リレー】

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年末企画としてスタートしたスタートアップのPR事例を称揚する「スタートアップPRベスト」。前回のミラティブ広報担当の新嘉喜りんさんから推薦バトンが渡ったのはグッドパッチさんです。新嘉喜さんはどの活動に心動かされたのでしょうか? <参考記事> 感情をぶつけた表現が感動に繋がる: #スタートアップPR ベスト事例(1)ミラティブ【リレー】 新嘉喜りんさんの推薦理由:グッドパッチさんの組織カルチャー再構…

Screenshot 2019-12-19 at 3.11.09 PM (1).png
社内に目を向けた情報発信で強い組織を表現

年末企画としてスタートしたスタートアップのPR事例を称揚する「スタートアップPRベスト」。前回のミラティブ広報担当の新嘉喜りんさんから推薦バトンが渡ったのはグッドパッチさんです。新嘉喜さんはどの活動に心動かされたのでしょうか?

<参考記事>

新嘉喜りんさんの推薦理由:グッドパッチさんの組織カルチャー再構築の発信です。採用広報において、組織の透明性が重要だと言われていますが(2019年は透明性を重要視した採用資料も増えましたね)、代表の土屋尚史さんのブログのオープンさには驚きました。詳しい内容は、是非記事を読んでいただきたいのですが、同社のカルチャー再構築にあたっての社内の様子が、時系列で記されているものとなっています。

<参考記事>

「エンゲージメントスコアで高スコアを獲得!」というような、今の状態を切り取った情報発信でなく、スコアの推移、改善の舞台裏までを公開しています。時系列で会社のストーリーになっていると、背景がわかり信憑性が高くなりますし、苦難もあったけどそれを乗り越えた強い組織という印象をいだきました。

点ではなく、線の透明性だと思いました。

また、個人的に印象的だったことは、社員のみなさまが実際に取材対応をされていたり、積極的に発信をしていたことです。チームを支えてきた方々が、登場人物として自分の視点・言葉でお話されることで多角的なストーリーになっています。

<参考記事>

グッドパッチさんのように、点ではなく線の透明性(会社のストーリー)になっていること、また、それが代表やPR/広報担当者だけではなく、社員のみなさんも発信できることで、会社の共感や信頼につながる広報活動になるのだと学びました。社員のみなさんが日頃の業務にプラスして情報発信をすることは楽なことではなく、会社の文化として根付かせていく努力が必要ですし、一人ひとりが会社を理解して言語化できることは、日頃の社内に向けた発信の賜物だと思います。

少しだけ本題からそれますが、ミラティブでの経験もふまえたPR/広報業務的なお話いたしますと、会社のストーリーが日頃から発信されていると、会社のことが伝わるだけではなく、副次的な効果として、メディアのみなさまへのコミュニケーションがスムーズです。記事のURLをお送りするだけで、相手に説明をする/聞いてもらうというプロセスが省かれますので、取材までの話がスピーディに進んだという経験を、2019年は何度もしました。(当たり前のことで、PR/広報担当者のみなさまは私よりお詳しいと思いますが…)

この経験があるのは、弊社代表の赤川も発信を強めてくれているからで、「このタイミングでnoteを書いてほしい」とお願いすると、時間をつくって書いてくれるので大変ありがたいのですが、きっと今回の土屋さんをはじめとしたメンバーのみなさまの発信も、単体でも素晴らしいですが、その後の取材やイベント登壇等、露出でも次につながるものだと勝手に想像しています。

日々、スタートアップの新規事業、資金調達等で上手なPRを目にして、憧れたり羨ましくなってしまうのですが、グッドパッチのお取り組みを目にして、PR/広報担当者として大事なのは、社内に目を向けて、何が起きているか知っていること、そこで知ったことを社内外への発信を積み重ねることで、会社の良さを伝えされるのだと勇気をもらった事例でしたので、挙げさせていただきました!

ーーー

ということで、社内に目を向けた情報発信で強い組織を表現したグッドパッチさんがスタートアップPRのベスト事例、2件目となりました。次はこのグッドパッチ経営企画室、高野葉子さんからご推薦いただいた「note」が好調、ピースオブケイクさんにバトンをお渡しいたします。

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