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MBOは「相当気合を入れてやる」証ーーLayerXが独立、その決断の背景を聞く【福島氏・竹谷氏インタビュー】

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ニュースサマリ:Gunosyは7月12日、連結子会社「LayerX」の一部株式譲渡の合意を公表した。Gunosyが保有する同社株式の5000株の内4500株をGunosy創業者で取締役の福島良典氏に譲渡するもの。1株あたりの価格は3万円で、GunosyによるLayerXの株式保有率は50%から5%に引き下げられる。譲渡契約締結日は2019年8月23日付を予定し、LayerXは2020年5月期から連…

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ニュースサマリ:Gunosyは7月12日、連結子会社「LayerX」の一部株式譲渡の合意を公表した。Gunosyが保有する同社株式の5000株の内4500株をGunosy創業者で取締役の福島良典氏に譲渡するもの。1株あたりの価格は3万円で、GunosyによるLayerXの株式保有率は50%から5%に引き下げられる。譲渡契約締結日は2019年8月23日付を予定し、LayerXは2020年5月期から連結対象外となる。

ブロックチェーン開発・コンサルティングを手がけるLayerXの設立は2018年8月。GunosyとAnyPayによる合弁会社で、両社が50%ずつを出資し福島氏が代表取締役社長に就任していた。今回の譲渡は福島氏によるMBO(マネジメント・バイアウト、経営陣による買収)で残りのAnyPay保有株式についてもLayerX経営陣による買取を予定している。

なお、福島氏は2019年8月に開催予定の定時株主総会でGunosyの取締役を退任し、特別技術顧問に就任する予定。LayerXの2019年3月期決算状況は売上高1億400万円で営業利益100万円、純利益は0円となっている。

話題のポイント:Gunosyという挑戦のストーリーが始まったのは2012年。学生起業、エンジェル投資、人工知能、ニュースキュレーション。2010年以降に勃興した日本におけるスタートアップ・エコシステムそのものを体現してきたような、そんな存在です。

<参考記事>

そのGunosyが上場以降で最も大きく動いたのがLayerXの合弁設立です。ブロックチェーン技術をベースとした「新しい権利と承認」による経済圏づくりは、ビットコインの熱狂と共にこのまま大きく幕開けするかに思われました。

<参考記事>

しかし現実はその逆で、一時200万円以上もの値がついてしまった市場は大きく崩れ、相次ぐ取引所への不正アクセスなど、人々の期待は急速に冷めていくことになります。

本稿ではLayerX代表取締役社長で、今回MBOすることになった福島氏と、Gunosy代表取締役の竹谷祐哉氏にインタビューを実施し、今後のGunosyとの関係やLayerXの展望、MBOとなったその背景などについて伺ってきました(太字の質問は全て筆者)。

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MBOを発表した。まず、合弁で設立したAnyPay側の保有株式の扱いはどのようになる

福島:AnyPayからも株式を買い取る予定ですが、ともに設立したパートナーで、設立時からオフィスや人の派遣、事業のサポートなどお世話になったので大変感謝してます。引き続き提携できる領域や事業があれば、一緒に取り組みたいと考えています(※)。

※記事初出時に福島さんのコメントの一部に記載漏れがありました。修正してお詫び申し上げます。

合弁創業から約1年、早々の独立となった。検討を開始したのは

福島:現経営陣に相談し始めたのは、今年に入ってからくらいです。

合弁創業から相当早い段階で話を開始しているが、改めて独立の背景について聞きたい

福島:昨年8月にGunosyは代表交代をし、私は将来の主力事業になるべくブロックチェーン事業に集中するようになりました。1年間ブロックチェーン事業をやって率直に思った感想は『これは相当時間が掛かるな』というものです。

LayerX社は比較的ビジネスの見込みが立ちやすいコンサルティング業から入った。3月期決算も売上1億円ながら赤字にはしなかった。それでも見通し不良と判断した

福島:(創業)当初はブロックチェーン市場が盛り上がってましたが、この一年間淘汰が進み、簡単には稼げない領域になっています。

一方、Gunosyは本業の再成長のためにしっかりと踏み込み、より大きな会社になろうというチャレンジをしています。そういった状況の中で、周囲の競合企業は大胆なリスクテイクなどの機動的に柔軟な意思決定をして劇的な市場変化へ対応しようとしています。会社として成長させていくためには、LayerXもMBOを通じて機動的に柔軟な意思決定ができる体制にしていくべきだと考えるようになった、というのが経緯です。

昨日開示となったGunosyの決算、手応えについて聞きたい

竹谷:Gunosyのメディア再成長は2019年5月期下期で確認することができた、というのがまずあります。広告宣伝費を積極的に投入したことにより、前年Q4との比較では営業利益は減益となりましたが、通期比較では増収増益を達成することができました。計画に対してもQ4の売上は約2.5億円、営業利益も約2億円の上振れとなります。また、全メディアでのアクティブユーザーも昨年比で30%以上成長するなど、事業として大きな成長を達成している状況です。

要因は

竹谷:Gunosy Adsのアルゴリズム改善、動画等の新規コンテンツ拡充とクーポン訴求のユーザー獲得が奏功したことが一点あります。またグノシーメディアにおけるMAUはQ4で過去最高値を記録し、またGunosy Adsの売上も過去最高値を記録しています。

Gunosy本体としては引き続きメディア中心の成長戦略を続ける

竹谷:そうなります。2020年5月期はさらなる成長に向けた投資フェーズと位置づけ、主力メディアの「グノシー」に積極的に投資を実施し、一時的な減益を見込むものの、2021年5月期で大幅な増収増益を見込んでいます。「ニュースパス」「LUCRA」などの既存メディアも順調に成長していますし、引き続きメディア事業を中心とした成長戦略を続ける予定です。

Gunosyのこういった見通しの中で、LayerXをどのように位置付ける

竹谷:福島も指摘した通り、ブロックチェーン領域の市場環境はわずか1年足らずの間に劇的に変化し、厳しさと不透明さが増しました。ここには時間が必要です。

ブロックチェーン領域とGunosy本業とのシナジーを短期的に見出すのが難しい中で、Gunosyとしても今回のMBOにより、LayerXがブロックチェーン領域のリーディングカンパニーとしての地位を確立することがより中長期的に期待される事業シナジーの実現と、保有する対象会社の株式価値の最大化につながると考えています。

Gunosyは引き続き株を保有し続ける

福島:はい。開示の通り、一部の株についてはGunosyには引き続き保有してもらうことになってますので、将来LayerX社が大きくなった時のために、Gunosyとは引き続き関係性は続いていくことになります。

竹谷:将来的なブロックチェーン領域には可能性を感じているので、引き続きLayerXとの協業の可能性などは福島と模索し続けます。

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お二人は共に時折立場を入れ替えてGunosyの成長を支えてきた。福島さんがGunosyの取締役を降りるのは不透明な先行きの中で、LayerXへの強いコミットが必要になったからという認識だが

福島:実は、現取締役陣からは引き続き取締役として残る形はありえないかという相談を受けていました。私の方でそれも熟慮したのですが、今回は特別技術顧問という形でサポートする形にして欲しいと。

Gunosyは自分でつくった会社ですし、現取締役陣や社員の皆とは苦楽を共にし、大好きな尊敬できる仲間であるという思いは変わりません。Gunosyへの思いは一切薄れていないので何かしら引き続き貢献できる形はないかという相談をしていました。

なるほど

福島:一方、今回のMBOに際して、LayerXの事業自体決して順風満帆というわけではなく、相当気合を入れてやらないといけないのは間違いないと思っています。

中途半端なコミットメントはすべきでない一方で、Gunosyのテクノロジーカンパニーとしての意思決定や文化づくりに関してはまだ役に立てると思う部分もあり、いろいろ悩んだ結果、このような形で関わらせてもらうことになりました。

竹谷:個人としては共に過ごしてきた仲間ですので正直寂しさはあります。ただ、Gunosyとしても福島のチャレンジをこのような形で応援しようと。

ありがとうございました

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Gunosyが1000万MAU越えのゲームメディア「Game8」を子会社化、ウェブとアプリのメディア連携に取り組む

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また、若手起業家が次のステージへと進んだ。 Gunosy(証券コード:6047)は本日、国内有数のゲームに関するウェブメディア「Game8(ゲームエイト)」を運営するゲームエイトの株式の取得について、Labitと合意した。Gunosyはゲームエイトの全株式を取得し、100%子会社化する。 ゲームエイトは、「すごい時間割」を開発していたスタートアップLabitの子会社としてスタート。「すごい時間割」…

ゲームエイト代表取締役の西尾健太郎氏
ゲームエイト代表取締役の西尾健太郎氏

また、若手起業家が次のステージへと進んだ。

Gunosy(証券コード:6047)は本日、国内有数のゲームに関するウェブメディア「Game8(ゲームエイト)」を運営するゲームエイトの株式の取得について、Labitと合意した。Gunosyはゲームエイトの全株式を取得し、100%子会社化する

ゲームエイトは、「すごい時間割」を開発していたスタートアップLabitの子会社としてスタート。「すごい時間割」の事業を譲渡した後、同社の西尾健太郎氏がメディアの運営を開始したところ、数字が成長。人を採用するタイミングになって、ゲームエイトを子会社化し、西尾氏が代表取締役に就任した。

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「Game8」は会社を創業してから、約1年4ヶ月で月間1000万UUを突破するメディアへと成長している。さらに成長スピードを伸ばそうと考えた結果、今回の子会社化へと至った。

西尾氏「資金調達かM&Aで迷いましたが、M&Aを決断しました。その理由は、求めているのは資金ではなく、経営や事業の成長に必要なリソースだったからです」

そう西尾氏は語る。「Game8」はアドネットワーク等を収益源に、すでに単月黒字を達成している。だが、その一方で開発はほぼ西尾氏が一人で担当するなど、開発リソースが不足していた。

子会社化され、開発リソースを活用できるようになることで、開発スピードが向上することに加え、会社のバックオフィス体制の強化、広告商品の共同開発等を行っていく。Gunosyに蓄積されている広告に関する知見を活かしつつ、Gunosy側はゲーム関連の広告クライアントの獲得等を狙いとしている。

Gunosy執行役員マーケティング本部広告事業部部長の長島徹弥氏(左)と西尾健太郎氏(右)
Gunosy執行役員マーケティング本部広告事業部部長の長島徹弥氏(左)と西尾健太郎氏(右)

小会社化に伴い、ゲームエイトにはGunosy CEOの福島 良典氏、同社CFOの伊藤 光茂氏が経営に参画。西尾氏はゲームエイトの代表取締役として引き続きリーダーシップをとりつつ、Gunosyに入社してウェブメディア「gunosy.com」の事業統括も兼任する。

西尾氏「アプリで得られてるデータをウェブメディアにも活かしていけたらと考えています。アプリとウェブの両方で成功できているところはまだありません。今後、データを見ながら、試行錯誤していけたらと考えています。ウェブのグロースチームは統合してもいいのでは、という話も出ていて、ゲームエイトとGunosyでの時間の使い方は半々くらいになっていくと思います」

と西尾氏は語る。Gunosy執行役員マーケティング本部広告事業部部長の長島徹弥氏は、「技術的なノウハウや広告のノウハウも注入できます。単にバナーを貼るのではなく、互いのユーザにとってメリットのある施策を試していきたいと思います」とコメントした。

Gunosyは、今月はじめに韓国のモバイルコンテンツ・プラットフォーム「Pikicast」を運営するPikicast社の株式を取得している。同社は今後も、投資実行を行っていく意思を明らかにしており、「Game8」のようなMAUを持つメディアは投資対象となるという。

ゲームはコンテンツの開発だけではなく、メディアや動画配信、eスポーツといった周辺環境も盛り上がりを見せている。その中で、ゲームエイトは今後どのようにアクションしていくのだろうか。

西尾氏「ゲームは音楽やファッションといった他のエンタメ領域と比較して、社会的地位が低いと考えています。ゲームエイトでは、ゲームの社会的地位を他のエンタメと同位置にまで向上させたい。

そのためには、長い間取り組んでいかなければなりません。現状は、拡大しやすいウェブメディアを運営していますが、将来的にはウェブのメディアの運営以外にも取り組む可能性はありますし、そのためのチームを作っています。ビジョンに向けて変化していけるようにしたいですね」

淡々とメディアを成長させてきた西尾氏。彼が次なるステージへと進んで、どんな成果を見せてくれるのか、楽しみだ。

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日本のニュースキュレーションアプリ戦争に見る3つの戦略【ゲスト寄稿】

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本稿は、グロービス・キャピタル・パートナーズのパートナーで、Chief Strategic Officer の高宮慎一氏が、同社のシニア・アソシエイトである湯浅エムレ秀和氏との共著により、Tech in Asia に寄稿した内容を翻訳したものだ。グロービス・キャピタル・パートナーズは、本稿で言及のある SmartNews や NewsPicks を運営するユーザベースに投資しているが、本稿の執筆に…

img_takamiya_02本稿は、グロービス・キャピタル・パートナーズのパートナーで、Chief Strategic Officer の高宮慎一氏が、同社のシニア・アソシエイトである湯浅エムレ秀和氏との共著により、Tech in Asia に寄稿した内容を翻訳したものだ。グロービス・キャピタル・パートナーズは、本稿で言及のある SmartNews や NewsPicks を運営するユーザベースに投資しているが、本稿の執筆にあたり秘密情報は利用していない。


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ニュースキュレーションは、次のモバイルポータルになる可能性があり、モバイル業界では魅力的な新境地だ。2014年から日本が見舞われているニュースアプリの戦いを見ると、この市場で勝利するには新聞戦略、マガジン戦略、プラットフォーム・フィーダー戦略の3つの方法があることがわかる。

SmartNewsグノシーは新聞戦略をとっている。NewsPicksAntenna はマガジン戦略をとり、ビジネスニュースに興味を持ち、反応に敏感な熱狂者のコミュニティを作り上げることに成功している。一方、LINE NEWS や Yahoo!ニュースは、プラットフォーム・フィーダー戦略をとっていることで有名だ。

日本市場から得られる教訓をもとに、これら3つの戦略、それらのキーとなるバリュープロポジションや主要成功要因について見ていきたいと思う。

ニュースアプリの何が凄いのか?

ニュースは誰もが毎日消費するものであるからユニークだ。したがって、PC 時代の Google や Yahoo! のような、強いモバイルポータルになるという点で、その普遍的な魅力や高いエンゲージメント・レートからニュースアプリは良いポジションにいる。2014 年には、PC よりもモバイルでニュースを読む人の方が多かった

日次ユーザ数を月間ユーザ数で割って得られるエンゲージメント・レートは、モバイルアプリがどの程度アクティブに使われているかを表すが、SmartNewsグノシーでは、その値が50%に近づいており、数百万人のユーザを持つアプリとしては、例外的に高い数値となっている。

多くのユーザと高いエンゲージメント・レートという二つの指標が、マネタイズにつながる強靭なユーザ・トラフィックを生み出している。マネタイズの一つの方法は広告だ。従来からあるバナー広告は、小さなスマートフォン画面では目立たないことが明らかだ。対して、ニュースアプリではネイティブ広告の恩恵に預かっている。ネイティブ広告は、通常コンテンツと見栄えが酷似しているため、アプリの UX に悪影響を及ぼさない。

2014年、SmartNews とグノシーは共に自社アドネットワークをローンチ、ネイティブ広告は今後数年間で年30%の成長が期待されるとして、市場はこの動きを歓迎している。

マネタイズの他の手段としては、他サービスへのトラフィック誘導が挙げられる。グノシーは2014年10月、11のサービスと提携し互いにトラフィックを誘導しあう計画を発表した。グノシーは、さまざまな層へのリーチを試みるサービスプロバイダーと共に、ユーザの興味についての多岐にわたるデータを活用する。

モバイルポータルが戦略的に重要であること、そして、巨大な利益機会が担保されていることこそが、起業家や投資家がマーケットリーダーになろうと必死になる大きな理由だ。これらの企業が同じ目標に向けて、どのような異なる方法をとっているかを見てみることにしよう。

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横軸:ニュースアプリが広分野のニュースを扱ったか、特定分野にフォーカスしたかで、コンテンツの幅を表す
縦軸:ユーザが情報を受動的(読んだり、シェアしたり)または能動的(コメントしたり、まとめしたり、いいねしたりなど)に情報を扱ったかで、エンゲージメントの深さを表す

上図からは、日本でニュースアプリの戦いに3種類のプレーヤーがいることがわかる。そのうちの2種類は、スタートアップにとって効果的だ。3種類のプレーヤーと、彼らの戦略がどのように機能するのかを見てみよう。

戦略1: 新聞戦略

この戦略をとるアプリのキーとなるバリュープロポジションは、ユーザが非常に簡単かつ手早い方法で、最も人気のあるニュースが得られるという点だ。新聞戦略をとる主要なプレーヤーは、SmartNews とグノシーだ。

これらのアプリは、人気のあるニュース記事を見極めるため、Facebook や Twitter のソーシャルフィードを分析、自然言語処理技術を使ってカテゴリ別(ビジネス、スポーツ、エンタメなど)に分類し、スマートフォンに最適化された UI で表示する。また、メディア企業と提携し、単一のメディアからの記事に特化したページが開設できるようにしている。よりよいUXを実現するため、フォントの自動調整、高速キャッシュ、オフラインモード、整理されたインターフェース、直感的ナビゲーションなどの機能も提供している。

このカテゴリにおける成功要因はスケーラビリティだ。好循環が一度回り始めると、ユーザの規模もメディアパートナーの数も十分に大きなものになるからだ。次に SmartNews がどのようにスケーラビリティを築き上げたかを見てみよう。

  • 技術……SmartNews はメディア企業というより Google に近い。数千万件におよぶ記事を評価し、同社が持つ独自ランキングアルゴリズムにより、リアルタイムで人気の高いニュースを公正に検知しカテゴライズしている。コンテンツを分析し、ビジネス、エンタメ、ライフスタイルなど異なるカテゴリに分類される。
    前述したように、ユーザは整理された UI/UX を楽しむことができる。最終的にユーザの手元に届くプロダクトは、動きの速い、直感的で整理されたインターフェイスの、誰もが使えるニュースアプリだ。この点において、グノシーと SmartNews は互いによく似ている。
  • メディア提携……多岐にわたるコンテンツをユーザに届ける上で、メディア提携は非常に重要だ。SmartNews はメディアパートナーに対して、ユーザの誘導と売上の供給という2つのメリットを提供している。2014年12月現在、10社を超えるパートナーが SmartNews から月間1,000万PV 以上のトラフィックを享受している。
    SmartNews は、広告売上の40%をコンテンツプロバイダーと共有すると発表している。コンテンツプロバイダーは長年にわたり、オンラインでマネタイズすることに苦戦を強いられている。現在では、概ね100社のメディアパートナーが SmartNews と提携している。

SmartNews もグノシーも、ユーザとメディアパートナーの数が成長し続けているため、両社にとって新聞戦略はうまく機能している。投資からは信頼を(これまでに、SmartNews は4,000万ドルを、グノシーは2,400万ドルを調達)、ユーザからは熱意を(月間アクティブユーザ数は、SmartNews が現在400万人、グノシーは報道で2014年11月現在で300万人とされている)獲得している。

この戦略は日本以外でも通用するようだ。SmarNews は、ウォール・ストリート・ジャーナル・オンライン版のクリエイター Rich Jaroslovsky 氏を起用後、2014年10月にアメリカでローンチした。3ヶ月で月間アクティブユーザ数100万人を突破し、30社のメディアパートナーと提携した。どちらの数字も増加しづつけている。

戦略2: マガジン戦略

この戦略をとるアプリのキーとなるバリュープロポジションは、似た興味を持つユーザ同士のコミュニティを形成できる点だ。この戦略のチャンピオン2つは、ビジネスニュースの NewsPicks とライフスタイルニュースの Antenna だ。

いずれのアプリも、ユーザにアカウントを作成させ、他のユーザをフォローさせ、仲間のコミュニティメンバーと対話させることで、パーソナライゼーションを強調している。NewsPicks は、平均ユーザが1日あたり11分間、最もヘビーなユーザで毎日40分間アプリを使っていると発表した

主要な成功要因は、頻度と深度でユーザのエンゲージメント・レベルを高めるられるかどうかだ。NewsPicks と Antenna は、強いコミュニティを維持しユニークなコンテンツを提供することで、ユーザをエンゲージしている。

  • コミュニティ……緊密なコミュニティは、アプリを使い続けようとする動機付けになる。NewsPicks と Antenna は、ユーザにアカウントを作成させ、他のユーザをフォローさせ、好きなニュースを保存させることで、ニュースを読む体験をパーソナライズすることができる。このパーソナリゼーションは、一般の人々の興味と大きな違いがあるときに最も機能するので、両社はニッチな関心に特化しているとも言える。
    NewsPicks のユーザはニュースにコメントでき、このコメントはフォロワーのフィードに表示され、最も多くの「いいね」を得られたコメントは上位に表示される。この投票メカニズムは、ユーザに質の高いコメントを書く動機を与えている。Antenna は、好きなニュースをクリップしてもらうことでコミュニティを形成し、ユーザはそれらのニュースを集めた「クリップブック」をフォロワーと共有することができる。
  • ユニークなコンテンツ……ニュースの幅より深さで競っている両社にとって、ユニークなコンテンツは重要だ。この理由から、NewsPicks はビジネス記事を書く自前の編集部を持ち、有料ユーザに対してのみ月額1,500円で記事を提供している。
    このオリジナルコンテンツには、ビッグニュースの詳細分析、ビジネス界の卓越した人々のインタビュー、主要なビジネスの出来事の振り返りなどが含まれる。NewsPicks のアプリでユーザが書いたコメントは、他では得られないユニークなコンテンツとなっている。

戦略3: プラットフォーム・フィーダー戦略(既存プラットフォーム・プレーヤー向け)

この戦略は、既にヤフーや LINE くらい多くのユーザを抱えていない限り、たいていのスタートアップにとっては適切ではない。この戦略をとるアプリのキーとなるバリュー・プロポジションは、既存サービスの延長線上で、手間をかけずにニュースを配信できることだ。

Yahoo!ニュースも、LINE NEWS も、Yahoo! JAPAN ID や LINEアカウント でログインしてもらうことで、ユーザはニュースを検索したり、読んだり、所属するグループや友人にシェアしたりすることができる。

主要な成功要因は、既存のユーザとブランド価値を生かすために、既存プラットフォームと緊密な連携をすることである。

  • ユーザの獲得……LINE は、ユーザ獲得を実に簡単にやってのけた。5,000万人いるメッセージアプリのユーザに対し、メインメニューに機能を追加して LINE NEWS をダウンロードできるようにしたのだ。この戦略は大きな効果を表し、LINE はテレビ CM を打たずに月間アクティブユーザ数で500万人を獲得した。
    ヤフーもブランド価値と既存ユーザを活用し、月間アクティブユーザ数180万人を獲得した。LINE NEWS は、モバイルに特化していて、非常に高いアクティブ・エンゲージメント・レート(64%)のユーザを多く抱えているため、ヤフーよりも順調な推移を保っている。
  • コミュニティ……Yahoo!ニュース や LINE NEWS は、ユーザが所属するグループや友人と対話するよう促している。PC版の Yahoo!ニュースはユーザコメントの機能で知られるが、この機能はYahoo!ニュースのモバイルアプリにも導入された。
    LINE NEWS はニュースのハイライトを数行の文章で紹介し、LINE のグループや友人と共有しやすくしている。また、LINE は主に、他の人とシェアされすいゴシップ、エンターテイン面tの、ライフスタイルのニュースに特化している。

結論

こうして見てみると、モバイルポータルになれる可能性という観点から、ニュースアプリは戦略が極めて重要ということがわかる。日本におけるニュースアプリ戦争は、この市場を勝ち取る上で新聞戦略かマガジン戦略のいずれかを取るべきだということを教えてくれた。この戦いはまだ終わりを迎えておらず、2015年はさらなる進展が期待される。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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Gunosyが「グノシー」に変わるまで、それと共同創業者「きむしん」が眺めてる未来の話

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朝、7時30分頃。私のメールボックスに今朝もまた一通のメールが届く。 個人ブログやニュース、2ちゃんのまとめ記事。パーソナル「ロボット」Gunosyは毎日、淡々と私が興味のありそうな話題を届けてくれる。私はそれを横目でちらりとチェックしてロボットの精度を評価する。 昨日は当たり、今日は外れ。 Gunosyを最初に知ったのは2012年6月。江口晋太朗くんが書いたこの記事が私と彼らの最初の出会いだった…

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朝、7時30分頃。私のメールボックスに今朝もまた一通のメールが届く。

個人ブログやニュース、2ちゃんのまとめ記事。パーソナル「ロボット」Gunosyは毎日、淡々と私が興味のありそうな話題を届けてくれる。私はそれを横目でちらりとチェックしてロボットの精度を評価する。

昨日は当たり、今日は外れ。

Gunosyを最初に知ったのは2012年6月。江口晋太朗くんが書いたこの記事が私と彼らの最初の出会いだった。人間とコンピューターが追い求めてきた「情報を見つける」手法は、米Yahoo!による人力ディレクトリからGoogleのページ・ランク、Amazonのレコメンド、facebookのソーシャル・グラフと発展し、またその次の一手を模索している。

Gunosyの情報検索の思想は最初から100%ヒットを狙って「いない」のが特徴だ。ソーシャル・グラフからユーザーの興味を読み解き、25本の「近い」情報にまとめる。その情報に触れた人間は、そこに散りばめられているキーワードから起想するクエリを使って次を検索する。ロボットと人間による情報検索のハイブリッド・システムのような印象だった。

でも、このGunosyは後に「グノシー」へと変化する。なぜなら、そうしなければ生き残ることはできなかったからだ。

「きむしん」と大学生の出会い

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木村新司氏を説明するのはすごく難しい。

経歴を追いかけると、東京大学の理学部を卒業後、ドリームインキュベーターにて事業コンサルタント、シリウステクノロジーズを経て、2007年3月にアドテクのアトランティスを立ち上げている。

私が出会ったのはそれから2年後ぐらいで、当時すでにSEO事業から無料のアドサーバー「AdLantis」へと事業をシフトさせており、その後スマートフォンの波に乗ってグリー子会社化へと突き進むことになる。

彼を取材する時、私はいつも以上に準備をしていかない。彼は現実的でありテクノロジストだから、合理的な質問をしても理路整然とした回答しか引き出せない。できるだけ揺らしてやろうと裸で臨むのだがいつも失敗している。

そんな彼のことを周囲の起業家や友人たちは親しみを込めて「きむしん」と呼ぶ。

Gunosyを開発した福島良典氏、吉田宏司氏、関喜史氏と「きむしん」が出会った頃の話を彼に聞いたことがある。ちょっと興奮しながら、初めて出会って食事した時のこと、Gunosyっていう名前はいかがかなと改名を要求したこと、1億円近い資金を投入すると即決したことーー数年前の話を、昨日のことのように振り返る。

冒頭のインタビューにもある通り、福島氏ら学生3人は当初、このサービスを拡大させる気はあまりなかった。

「3人とも現在大学院の修士2年だ。進路も就職の内定が決まっているそうで、現在のところGunosyの法人化などは特に考えていないとのことだった。純粋にデータマイニング研究としてのサービスを考えており、どこまでもユーザ視点でサービスを考えている」(記事より引用)。

参考記事:情報の新しい流れをつくりたい–東大のエンジニア集団が立ち上げた次世代のマガジンサービスGunosy(グノシー)

しかし彼らは出会ってしまった。

そして2012年11月、Gunosyは法人としてこの世に生まれることになった。

アドテクとの融合

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Gunosyとは一体何なのか?ーー私はこのことについてしばしば木村氏と意見を交換していた。確かに便利だ。ニュースを毎朝ロボットが届けてくれる。思いもよらなかったキーワードの「気づき」を与えてくれる。

でも、これがビジネスになるのか?

やはりその答えは木村氏が持っていた。いや、元々そういうアイデアがあったと考える方が正しいだろう。つまり、彼の主戦場であるアドテクだ。少し過去のインタビューを引用する。

「Gunosyはディマンド側(注:広告主側、枠を買う人)とメディア側のちょうど中間点に存在して、メディアの代わりにユーザーの情報を切り分けてディマンド側に教えてあげることができるんです。

DSPもSSPもまだまだ発展途上です。現時点でディマンドサイドは安く効率的な購入が可能になってきました。一方でメディア側は読者の属性データを十分に出せてないため、ただただ効率よく切り取られていくばかりになってしまっている。

(今回のGunosy Adsの高パフォーマンスは)本来はSSPがDSPにもっとしっかりと情報を出せば「安く買われる」ということがなくなるんだ、という証明のようなものだと思ってます。

メディアの提供するニュースから人の興味が理解できる立ち位置ですから、ニュースサイトを持っているメディアに代わって最適な広告表示をしたり、という可能性はありますね」(記事より引用)。

参考記事:Gunosyは単なるニュースアグリゲーターではないーー共同代表の木村氏に聞く「Gunosyの正体」(前半)

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彼はアトランティス時代から常々、アドテクにはメディアの歩み寄りが必要不可欠と考えていた。しかしアドテクは非常に複雑だ。多くの小規模メディア側にしてみたら、高いコストを払って専属の人員を配備するよりも、代理店に任せて言われるままにタグを貼り付ける方が現実的なのだ。結果、広告のマッチング精度は著しく落ちる。

メディア側が広告側にこれないなら、自分から行く。

Gunosyがアドテクを持って且つ、メディアとなる。広告主と媒介するメディア、そして読者というすべての要素をコントロールする姿はそう、王者ヤフージャパンの姿と重なる。彼はスマホ時代のそれを目指したにすぎない。

結果、Gunosyは早々に毎月億単位の売上(※)を作ることに成功する。

※直近の平成26年11月の第二半期の売上高は12億7700万円

Gunosyから「グノシー」への羽化、そしてバトンタッチ

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「まあいいんですよ。形になったんで」。

共同代表の「木村新司」から共同創業者の「きむしん」に戻った顔で、彼は少しだけ寂しそうにこう漏らす。

彼が共同代表を降りることになった理由は明確にはわからない。私が取材で得た幾つかの関係者の話を総合すると、グリーに売却した事業とGunosyでの事業がなんらかのコンフリクトを起こしたことは間違いなさそうだ。事実として彼がグリーに売却したアトランティス(その後社名をGlossomに変更)が提供していたアドテク事業「AdLantis」は3月末日付でバリューコマースに譲渡されている。もう彼の軌跡はグリーには残っていない。

ただ彼が代表を降りた経緯、その後の顛末、当然どれも彼の口から語られることはない。彼は2014年10月からシンガポールに移住して、一人の株主として遠くからGunosyの成長を眺めている。

Gunosyに変化が起こったのはどうだろう、2014年2月のインターフェース変更あたりだろうか。ロゴが武骨なGのフォントから軽やかな飛行機マークに変わり、アプリのコンテンツはどちらかというと読みやすい話題やゴシップ、ネタ的なものが増えていった。サービスの表記にもGunosyからカタカナで「グノシー」が添えられるようになったのもこの頃だ。

初期ビジネスが広告である以上、彼らには幅広いリーチが求められる。テレビCMも開始し、お茶の間に流れるニュースアプリ「グノシー」は2015年2末時点で886万ダウンロードを獲得した。更にリーチを広げるためにニュースだけでない、ポータルの構想も立ち上げた。

もちろん少し寂しさはある。結果、私はアプリの対象ユーザーから外れたし、似たようなアーリー・アダプターたちはその変化を嘆き、ある人は攻撃的になった。あの日のGunosyを返せ、と。

ただ実はGunosyはそのまま動き続けている。冒頭の通り、あの「ロボット」から配信されるおすすめの25本は、今も何も変わっていないのだそうだ。(少なくとも昨年福島氏らに聞いた時はそう答えてくれていた)

こうして学生が発明したレコメンドエンジンとしての「Gunosy」は、一人の起業家の力を加え、スマホポータル・メディアとしての「グノシー」に羽化を果たした。

そして4月28日の今日、彼らは上場した。

きむしんが眺める未来

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「結果的に、なんですけれど一度(共同代表を)離れたことで大きな視野で考えられるようになりましたね」。

少し前、都内で帰国中の木村氏と1時間ほど会って話することがあった。

これでかれこれ6年ほど彼を取材していることになるのだが、その表情は現場の時とあまり変わっていない。ただ、常に緊張感を持ってスタートアップのトップを張ってた時よりはいくばくか柔らかかった。少しふっくらしてたのは気のせいだろうか。

会話は後進起業家の育成の話題から始まった。

「まず、大きな会社を作ってみせる、というのが大切だと思うんです。会社って戦略だけじゃなくて運営力も問われる。2年前は福島たち役員陣も大学卒業したての『お兄ちゃん』だったわけじゃないですか。(そんな彼らでもできる)経営の仕組みを提供すること、それをやったことのある経験あるVCが増えること、これが後進育成に大切なんじゃないかなって。

大きなテーマを与えることも大切。VCは短い期間でファンドをイグジットしないといけない仕組みなので、どうしてもキャッシュフローを見過ぎてしまう。エンジェルが増えて、資金の投下量が増えないと、今はいいですよ、今後、人工知能だったり自動運転車だったり息の長い事業で起業家が無理できない状態になってしまう」。

ずっと抱えている少子高齢化、エネルギーの問題に日本がどう立ち向かうか。起業家という人種はある意味「捨身」で新しい産業を生む原動力になってくれる。彼が福島氏ら学生と出会い、数億円の個人資産を投入したのは、ルールの決まっているファンドや借金といった仕組みでは彼らを開花させることが難しいと考えたからだ、という。

木村氏は彼らを育て、数年で大きなステージに持ってくることはできた。ではこの先に彼は何を見ているのか。

「ニュースのようなユーザーの入り口になる場所はこれからも押さえていきます。けど、本当に重要なのはそこを入り口にする基幹産業なんです。例えばGrabTaxi(アジア圏のUber系サービス)のようにスマートフォンを入り口に別の事業が動きだす。こういう太い事業に投資していく。そうやって既存産業を変えていくのが次の仕事だと思ってます」。

これから先、どうやって仕事を作っていくかというのは本当に大きなテーマだと思う。国内だけでなく、成長著しいアジアの風を実際に移住することで感じている彼は、何を効率化すれば、どういう事業が生まれるのか、どれだけの雇用が生まれるのか、そういう視点を持っていた。

もちろん、その入り口にはスマートフォンとGunosyがある。

彼はネットと既存産業の融合には、より安価で使いやすいインターネット・インフラが更に重要性を持つとも何度も語っていた。それはfacebookが主体となって推進する空からのインターネット配信プロジェクト「Internet.org」に通じる部分もある。

彼にいつまた起業家として現場に復帰するのかと尋ねたところ、ふっと苦笑いしながら「1年後ぐらいかな」と返してくれた。

彼の再始動を楽しみに待ちたいと思う。

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【追記あり】Gunosy、東証マザーズ上場へ

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情報キュレーションサービスのGunosyは東京証券取引所への新規上場申請を実施し、3月24日承認された。上場予定日は4月28日で、証券コードは6047となる。市場区分はマザーズ。350万株を公募し、241万株を売り出す。(オーバアロットメントは88万6500株)。主幹事は野村證券が務める。 価格の仮条件は4月8日に決定し、ブックビルディングの期間は4月20日から4月23日までとなっている。価格決定…

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情報キュレーションサービスのGunosyは東京証券取引所への新規上場申請を実施し、3月24日承認された。上場予定日は4月28日で、証券コードは6047となる。市場区分はマザーズ。350万株を公募し、241万株を売り出す。(オーバアロットメントは88万6500株)。主幹事は野村證券が務める。

価格の仮条件は4月8日に決定し、ブックビルディングの期間は4月20日から4月23日までとなっている。価格決定は4月17日。平成26年5月期の決算は売上高が3億5900万円で、経常損失は13億6500万円。直近の平成26年11月の第二半期の売上高は12億7700万円で経常損失は3億円となっている。

主要株主と所有株式比率は木村新司氏が41%、KDDIが16(16.93)%、ジャフコが10%、B Dash Venturesは4%、East Venturesが0.7%となっている。福島良典氏、吉田宏司氏、関喜史氏ら創業メンバーは共に3(3.53)%となっている。

創業当時の福島良典氏、関喜史氏、吉田宏司氏

Gunosyの設立(サービス開始)は2011年10月。当時東京大学の学生だった福島良典氏、吉田宏司氏、関喜史氏らが開発したニュースキュレーションエンジンがベースとなり、翌年11月に法人設立。2013年1月にiOSアプリ「Gunosy」をリリースし、国内でのニュースキュレーションの先駆けとして同カテゴリを牽引した。

参考記事:情報の新しい流れをつくりたい–東大のエンジニア集団が立ち上げた次世代のマガジンサービスGunosy(グノシー)

2013年10月には当時エンジェル投資家としてGunosyの初期立ち上げを牽引した元アトランティスの木村新司氏が共同代表として参加。木村氏が得意とする広告事業をGunosy上で開始し、上場の足がかりとなるビジネス構築を実質的に指導した。

左から福島氏、木村新司氏、竹谷祐哉氏

参考記事:Gunosyは単なるニュースアグリゲーターではないーー共同代表の木村氏に聞く「Gunosyの正体」(前半)
参考記事:日本にもGoogleのようなテクノロジー企業が必要ーー共同代表の木村氏に聞く「Gunosyの正体」(後半)

2014年3月にはKDDIから、その3カ月後となる6月にもKDDIおよびジャフコからそれぞれ12億円の資金調達を実施し、主にTVCMなどのマーケティング施策で利用者数を伸ばし、2015年2末時点で886万ダウンロードを獲得している。また、昨年末の11月にはポータル構想を発表して次の事業展開を目指すとしている。

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Gunosyの新コンセプトは”5000万人都市構想”、スマホ時代のポータルを目指す新サービス「Gunosy Platform」を12月に提供開始予定

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Gunosyが本日事業戦略発表会を開催した。400人ほどの関係者が参加する中、Gunosyは新たなコンセプト「5000万人都市構想」、として新サービス「Gunosy Platform」と提携モデル「G Development」を発表した。 Gunosyは現在、700万ダウンロード、提携媒体が200以上となっており、提携媒体の中には月間100万PV以上をGunosyから送客できているものも複数存在し…

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Gunosyが本日事業戦略発表会を開催した。400人ほどの関係者が参加する中、Gunosyは新たなコンセプト「5000万人都市構想」、として新サービス「Gunosy Platform」と提携モデル「G Development」を発表した。

Gunosyは現在、700万ダウンロード、提携媒体が200以上となっており、提携媒体の中には月間100万PV以上をGunosyから送客できているものも複数存在している。DAU を MAU で割ったもので算出しているというGunosyのアクティブ率は、現在46%となっているという。

1年ほど前からスタートしている「Gunosy Ads」は、広告主の数が過去3ヶ月で400社以上となっているという。この広告については、Gunosy経由での予約、購買などのコンバージョンが100万回数を超えている、とGunosy 代表取締役の福島良典氏は語る。

5000万人が過ごす「スマホポータル」という都市

Gunosyは新サービス「Gunosy Platform」で、スマホ時代のポータルを目指す。Gunosyは、スマホポータルをただ情報が集まるだけの場所ではなく、スマホ時代における実生活の行動基点として再定義している。

福島氏「スマートフォンの登場により、Uberのように生活に近いサービスが登場するようになりました。その一方で、一人のスマートフォンユーザが一年間にダウンロードするアプリ数は7、8個からだと言われ、一ヶ月に10回以上使うアプリは9個だと言われています。スマートフォンで可能なことは増えている一方で、使いこなせている人は多くありません。

そこで私たちが考えた新しいコンセプトは、「5000万人都市構想」です。都市が様々な企業や店舗を誘致するように、Gunosyをスマホポータルにして、Gunosy上に様々な企業パートナーを誘致し、人々はGunosyに訪れてもらうことで、Gunosy上で様々な魅力的なサービスを体験してもらおうというものです。」

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Gunosyでは、スマホシフトが進む中で、有名な消費行動モデル「AISAS」における「Search」の部分の存在価値が揺らいでいると考えている。消費者がある商品を認知し、関心をもった後、検索画面をスマホで立ち上げて検索しているうちに、当初探していた商品と異なるものに行き着いてしまっていることがあるのでは、と考えているのだ。

「Gunosy Platform」では、こうした機会の損失をなくしていく。

スマホポータルを目指す「Gunosy Platform」

発表された新サービス「Gunosy Platform」では、ユーザがGunosy内で気になった商品があったとき、そのまま購買や予約といった決済行動をスマホに最適化した形で可能にする。ニュースのキュレーションのみならず、Gunosy上で情報を届け、興味を喚起し、行動を促すところまで実現するサービスを目指す。

「Gunosy Platform」では、1年後のアプリのダウンロード数の目標を2000万としており、メディアに送客するPVは100メディア以上に500万PVを目標としている。新サービスの大事な点である提携企業においては、500会社を目指し、「Gunosy Platform」で行われる取引件数は25万件を目指しているという。

これまでGunosyのチャンネルはニュース記事などRSSを吐き出しているところだけに限定されていた。今回のGunosyのプラットフォーム化により、Gunosy上でアクションが可能になる。「Gunosy Platform」に参加するパートナーとの提携モデルは、「G Development」と名付けられている。第一弾として11企業14サービスの参加が決定しており、チャンネルに参加する。

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ユーザはチャンネルからサービスを選択し、その中で様々なアクションが可能になる。たとえば、DeNAトラベルのチャンネルではGunosy上で旅行の閲覧、検索、予約が可能になったり、RECLOのチャンネルではGunosy上ですぐ商品の購入に移ることができるようになる。将来的には、記事閲覧との融合を目指しているという。

今後は一度ユーザがチャンネルをフォローすると、そのチャンネルからのメッセージを受け取ることが可能になる。Gunosy上でサービスとユーザがコミュニケーションを行うことなども生まれそうだ。

ユーザのボリュームが大きくなってきたからこそ、Gunosyは今回のような新しいコンセプトを打ち出すことが可能になった。スマートフォンの普及と利用はまだまだ進むと考えられる。スマホによって人々の行動がどう変わっていくのかには興味がつきない。Gunosyの新サービスは人々にどのような変化をもたらすのだろうか。

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スマートニュースに集まる人材、メディア関係強化に務めるーー9月に動いたスタートアップ人材たち

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今月も(8月15日から9月16日までのニュース)気になった国内外スタートアップの人の動きをまとめた。少しこの期間とはズレるが、やはり大きな話題になったのはスマートニュースの人材獲得だろう。元ハフィントンポスト日本版の編集長だった松浦茂樹氏が移籍を発表した。 実はこの前にも同社は元米国コンデナスト(関連するが松浦氏も以前、コンデナスト・デジタル、現コンデナスト・ジャパンに在籍していた)事業開発担当の…

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今月も(8月15日から9月16日までのニュース)気になった国内外スタートアップの人の動きをまとめた。少しこの期間とはズレるが、やはり大きな話題になったのはスマートニュースの人材獲得だろう。元ハフィントンポスト日本版の編集長だった松浦茂樹氏が移籍を発表した。

実はこの前にも同社は元米国コンデナスト(関連するが松浦氏も以前、コンデナスト・デジタル、現コンデナスト・ジャパンに在籍していた)事業開発担当の人物がメディアリレーションの役割に就いている。

それ以外の人事に関してもやはりパートナーメディアとの関係強化に関わる担当の強化が目立つ。先日も元グリーの渡部拓也を獲得するなど、まだまだ同社の人材強化はしばらく続きそうだ。一方、本誌では継続取材中のため、記事としては取り上げなかったが、Gunosy(グノシー)の共同代表だった木村新司氏が経営陣から外れたことが報じられていた。本件については改めて時がくればお伝えしたい。

フレッシュな顔ぶれも話題になった。クラウドソーシングで業界を牽引するクラウドワークスを創業期から牽引したひとり、成田修造氏が執行役員から正式に取締役に就任した。学生起業家でもあった成田氏が歩んだ道のりは濃厚で、早い時期に起業を志す人材がどのような経験を必要とするのか、大変参考になる。

ベテランのタレント勢ももちろん元気だ。特に頓智ドットの人材は7月にマナボへ参加した近藤純司氏に引き続き、元COOだった佐藤僚氏が成長株のスタートアップへ参加した。ここでもまたベテランと若手のコンビが生まれたことになる。こういうチームバランスは他のスタートアップでも散見されるので、今後の躍進に期待がかかる。

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そして世界的にも驚きが大きかったのが元Angry Birds、Rovio Entertainment日本カントリーマネージャーだったAntti Sonninen氏のBeatrobo参加だろう。この記事(※英語版)は海外からのアクセスも多く、「Plan BCD」運営のKAIZEN PlatformがCOOにグローバル人材を据えたのと同様、企業の要に世界展開を可能にする人事を実施したBeatroboの海外戦略を明確に内外に示した形となった。

不安定な起業だからこそ参画までに「慣れる」仕組みが必要

スタートアップに創業メンバー以外で参加するというのは想像以上にリスクが高い。報酬やストックオプションなどの条件もさることながら、不安定な精神状況で模索し続ける精神的な苦痛は、打開できた際の喜びが大きい分、ゴールが見えなくなった時の失望感は筆舌に尽くし難い。

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このギャップを埋める方法がいわゆるインターンなどの「ならし運転」だ。Wantedlyなどのように入り口の敷居を低くしたものは増えたが、リクルートのサンカクのように「就職しながら経営参加」という明示は珍しい。類似サービスにスタートアップのCombinatorがあるが、サンカクに比較するとややメッセージが不鮮明だったかもしれない。

9月のスタートアップ・テクノロジー人材まとめの話題の最後はこの一本で締めさせていただこう。新体制になっても、社名が変わっても、出身者がどんどんスタートアップに流出していったとしても、このアイデンティティはオリジナルのまま永遠に持ち続けて欲しいと願う。

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「スマホでGunosy(グノシー)」を当たり前にしたいーー隠れたキーマンを調べるお・Gunosy吉田氏

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編集部注:「隠れたキーマンを調べるお」は、国内スタートアップ界隈を影で支える「知る人ぞ知る」人物をインタビューする不定期連載。毎回おひとりずつ、East Venturesフェローの大柴貴紀氏がみつけた「影の立役者」の素顔に迫ります。 400万DLを誇り、国内屈指のニュースアプリに成長したGunosy。現在は共同代表取締役の福島良典氏、木村新司氏中心に運営されているGunosyですが、そもそもの開発…

編集部注:「隠れたキーマンを調べるお」は、国内スタートアップ界隈を影で支える「知る人ぞ知る」人物をインタビューする不定期連載。毎回おひとりずつ、East Venturesフェローの大柴貴紀氏がみつけた「影の立役者」の素顔に迫ります。

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400万DLを誇り、国内屈指のニュースアプリに成長したGunosy。現在は共同代表取締役の福島良典氏、木村新司氏中心に運営されているGunosyですが、そもそもの開発が始まったのは今から3年前の2011年8月。

当時東大大学院に在籍していた福島氏と関喜史氏、そして吉田宏司氏の3人によって生み出されたのが始まりです。そこで今回はその生みの親のひとり、Gunosy開発のキーマンである吉田宏司氏にインタビューしてみました。

大柴:本日はよろしくお願いします。

吉田:お願いします。

大柴:かつてはメディアのインタビューなどに3人(福島氏、関氏、吉田氏)で対応されている事が多かった気がするのですが、福島さん、関さんだったり、最近では福島さん一人のケースも多く、吉田さんの露出が減ってるような気がするのですが、何か理由とかあるんですか?

吉田:福島は代表なので、まぁ出るとして、関はしゃべりが上手い。自分はあまりしゃべらないので、「自分が出なくてもいいかな」って思って(笑)。

大柴:なるほど、それで最近はあまり出てないんですね。いや、今日はありがとうございます。さて、本題ですが、吉田さんは福島さん、関さんとともにGunosyを開発した一人ですが、作り始めたきっかけみたいのを簡単にお聞かせください。

吉田:福島と学部、専攻が同じだったんです。自分はWebとか好きだったのですが、あまり周囲にWebに興味のある人がいなかったんです。その中で福島はWebに詳しいという事は知っていました。でも特に仲良いわけでもなく、顔見知り程度といった感じで。

大柴:ほうほう。

吉田:修士1年の夏休み、福島からサービスのアイデアを聞いて、一緒に作ろうという事になりました。夏休みにやる事がなかったので、作る事に。

大柴:そして2011年10月にGunosyをリリースします。

吉田:はい。夏休みにちょっと留学したりしてて、開発が少し遅れましたが、留学先からもリモートで開発したりして、完成しました。

大柴:順調にユーザーも増え、サービスとしての手応えもあったと思います。でも2012年5月のインタビュー記事を見ると「法人化する予定はない」と書いてあります。

吉田:軽いノリで始めたサービスだったし、内定も3人とも貰ってた。でもユーザーは増えてたし、ユーザーさんからも「就職した後のGunosyはどうなるんだ?」といった声もあり「やめるのはもったいないなぁ」と思ってきました。それらをふまえ、考えた結果法人化することに決めました。

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大柴:法人化したのが 2012年11月。その後最初のオフィス移転があり、その頃僕オフィスにお邪魔したんですよ。

吉田:そうなんですか。

大柴:はい。でも吉田さんも福島さんも関さんもいらっしゃらなくて。竹谷(取締役COO)さんに聞いたら「みんな論文とかで忙しくて」と仰ってました。

吉田:あぁ、そうですね。大変でした。

大柴:吉田さんの日々の業務はどのようなものですか?

吉田:エンジニアは現在3つのチームに別れているのですが、そのうちのDAUチームのマネジメントをしています。具体的にはKPIの管理やKPI達成のための施策を企画したり。あとはロジックの開発などもしています。

大柴:DAUチームの他の2つはどんなチームなのですか?

吉田:プロダクトのチームとアドのチームですね。

大柴:なるほど。今全体で役職員ってどのくらいいらっしゃるのですか?

吉田:30〜40人くらいですかね。そのうち十数人がエンジニアです。去年の4月とかはエンジニア6人くらいと竹谷しかいなくて、それぞれがプロジェクトを担当してました。今は一人の力だけでなく、チームの力でプロジェクトを進めています。会社の成長を感じます。

大柴:エンジニア以外の人であったり、経験豊富なメンバーだったり様々なメンバーが集ってきましたね。福島さんと共同代表を務める木村さんなど。吉田さんから見て木村さんってどんな人ですか?

吉田:先の、未来のイメージを考え、見えている人だなぁと。先を考え、事業を作っていくとこが凄いなと思ってます。最初に会った時は「少し怖そうだなぁ」と思いましたが(笑)。

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大柴:一方、福島さんはどんな人ですか?

吉田:福島はGunosyの前に一度起業して失敗した経験があるので、若いスタートアップにありがちな「イケイケ」ではなく慎重。一個一個慎重でとても落ち着いてるんです。それが安定感に繋がってるかもしれません。でも大きなこともたまに言うんです。大きな野望と落ち着きがバランス良く備わってるかも。

大柴:それは最初からですか?

吉田:そうですね。でも社長っぽくなったと思います。月次の締め会で福島がみんなの前で話すんですが、サービス全体を先まで見てるし、話しも上手く、よく話すようになった気がします。福島はエンジニア出身で、ビジネス経験豊富な木村とバランスの良い経営陣だと思います。

大柴:さて、最後に吉田さんのこれからについてお伺いしたいと思うのですが、夢みたいのってありますか?

吉田:サービス、会社としてはとりあえず日本人みんなが使うサービスにGunosyを成長させたいです。スマホでGunosyが当たり前になるようにしていきたいです。社長二人とも大きい夢があります。自分は目の前のことを改善していって、その積み上げで彼らの大きい目標を達成できるように頑張っていければと思っています。これまでもそうだったけど、これからも。

大柴:なるほど。個人的な夢は何かありますか?

吉田:これまではGunosyに必要なスキルを磨いてきたけど、もっと幅広くスキルを上げていきたいですね。ニュース以外のサービスにも興味があるので、いつかそういうサービスも作ってみたいと思ってます。あとは、田舎に行きたいですね。できれば国外。

大柴:いいですね!ぜひともこれからも頑張ってください。今日はありがとうございました。

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手のひらのニュース戦争、4サービスが語る「広告ビジネス」と「未来」 #bdash

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本稿は、B Dash Camp 2014 Summer in Fukuokaの取材の一部。 過熱する手のひらのニュース戦争は大型の資金調達、CM合戦、旧来メディアからの人材の獲得、配信元メディアとの関係構築など、めまぐるしい展開をみせている。 このレースに勝ち残るのはどこになるのだろうか。そして最後に残ったプレーヤーはどのようなサービス、ビジネスモデルに進化しているのだろうか。 こんな問に答えられ…

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本稿は、B Dash Camp 2014 Summer in Fukuokaの取材の一部。

過熱する手のひらのニュース戦争は大型の資金調達CM合戦、旧来メディアからの人材の獲得、配信元メディアとの関係構築など、めまぐるしい展開をみせている。

このレースに勝ち残るのはどこになるのだろうか。そして最後に残ったプレーヤーはどのようなサービス、ビジネスモデルに進化しているのだろうか。

こんな問に答えられるセッションが福岡で開催された。登壇したのはGunosy共同代表取締役の木村新司氏、グライダーアソシエイツ取締役COOの町野建氏、ユーザーベース代表取締役共同経営者の梅田優祐氏の三名に加え、飛び入りで参加となったSmartNews取締役の鈴木健氏の四名。

モデレートはユナイテッド取締役の手嶋浩己氏が務め、話題は各サービスの比較まとめから始まる。

気になる話題はやはり「タダ乗り」に対応したメディアへの還元の話だ。Gunosyは6月24日にメディアに対する収益還元を発表し、その三日後にSmartNewsも同様の還元スキームとなる「SmartFormat」を発表している。

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木村氏は改めて還元配信の仕組みをこう説明する。

「アプリへのニュースコンテンツキャッシュについては全社メディア回って許諾を取ってます。また、広告についてもグノシー側で受注してそれを配信しているので、媒体社側は何もしなくても収益を受けられる仕組みになってます」(木村氏)。

一方、SmartNewsはあくまで媒体社側でのハンドリングが必要で、広告収益そのものには関与しない。

「SmartFormatというフォーマットを媒体社に用意して、それを取り込んで表示してもらう仕組みです。広告も中に表示できるので、スマートモードで表示された広告については100%を還元するというものです」(鈴木氏)。

つまり、似たような還元という表現だが、両者の取組みは違うことがよくわかる。

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これに合わせて月間収益が話題になっているスマートフォンニュースアプリの広告事業についても話題が及んだ。手嶋氏はサイバーZが発表しているスマートフォン広告市場の伸びを示しつつ、各社にスケールなどの考えを聞いた。

まず、独自の路線で広告事業を展開するAntennaは、ネイティブアドのような方法がスケールしやすいとしつつ、コンテンツにマッチさせた広告を独自に作り込む方がクリック率などのパフォーマンスが高いと説明。

この分野では一歩先を進んでいる木村氏は、広告を表示させる場所にスケールの可能性をみているようだった。

「広告の出し方として並べているリスト上に表示させるものと、記事の中に表示させるものの二つがある。前者は高い収益性を証明できてるが、記事が書いてある面での広告表示は再開発が必要と考えている。雑誌や新聞といったメディアからユーザーが移動してくることを考えると、6000億円(新聞広告)、2500億円(雑誌広告)という受け皿を作る必要がある」(木村氏)。

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SmartNewsはワールドカップ中に実施したソニーとナイキの広告テストを通じて、このビジネスの模索をしているようで、現在も各所から届く問い合わせの対処に追われているということだった。

また各社が積極的に取り組んでいるテレビCMの投下効果については見ている指標が興味深い。まず、ダウンロードではなく、認知を高めたのがAntennaだ。

「ターゲットを女性に絞って都心でのブランドイメージを認知率40%以上に設定した結果、それを達成して50%近くになりました。今後はそれを刈り取っていきます」(町野氏)。

オーソドックスなダウンロードを追いかけて効果を上げたのはグノシーだ。木村氏は効果を上げるため3カ月の投下に対してCMクリエイティブを17本も作ったそうだ。

この制作本数についてはモデレーターで元博報堂の広告マンでもあった手嶋氏も「ドン引きですね」と返す。また、まだ配信をしていないSmartNewsの鈴木氏は、いつからTVCMを開始するのかという問いに対して「検討中です」と否定しなかった。

では数年後彼らはどのような姿になっているのだろうか。

グノシーとSmarNewsはやはりポータル的な方向性が似ている。

「ポータルというかニュースだけでは人の時間を埋められません。スマートフォンの可処分時間はまだまだ残っている。そこに対してコンテンツを提供する。最終的には届けられて心地よいもの、それを考えている」(木村氏)。

一方のSmartNewsも「結果的にヤフーに近づくのではないか。でもそれは最低限のレベル。またメディアとして社会的な責任は探求していきたい」とした。

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Antenaは「トヨタよりはアウディ。ニッチだけどリッチというか。ビジネス的には広告のモデルと衝動買いしたくなるECの二本で考えたい」と当初からの雑誌的な方向性を追求するとし、NewsPIcksは「経済の範疇は出ないが、ビジネスパーソンの情報接点は全て押さえたい。やりたいのは動画領域と紙の領域」と新しい経済誌の方向性を模索するとした。

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起業家は肉食系か草食系か。多様化する起業家の形と次世代のビジネスの見据え方 #bdash

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本稿は、B Dash Camp 2014 Summer in Fukuokaの取材の一部。 マーケットを見据えて行動するか、定めた大きな目標に向けてひたすら走り続けるか。それぞれの視点でもってビジネスを見据える起業家たちの話が飛び交った「次世代リーダーになれるか」と題したセッションに、Gunosy代表取締役CEOの木村新司氏、gumi代表取締役社長の國光宏尚氏、フリークアウト取締役COOの佐藤祐介…

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本稿は、B Dash Camp 2014 Summer in Fukuokaの取材の一部。

マーケットを見据えて行動するか、定めた大きな目標に向けてひたすら走り続けるか。それぞれの視点でもってビジネスを見据える起業家たちの話が飛び交った「次世代リーダーになれるか」と題したセッションに、Gunosy代表取締役CEOの木村新司氏、gumi代表取締役社長の國光宏尚氏、フリークアウト取締役COOの佐藤祐介氏、スポットライト代表取締役社長の柴田陽氏、モデレーターにB Dash Ventures代表取締役社長の渡辺洋行氏が登壇した。

スマートフォンの広がりをいち早く掴めるかどうか

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まずはじめに、テレビCMを大々的にうち、3週間で12億もの予算を投入したGunosy木村氏より、Gunosyの今後の展開について話がおよんだ。

「スマートフォンの広がりが見えてきたなかで、いまこそメディアがチェンジするタイミングだと感じ、攻めなくては、と考えた。アトランティス時代のネット広告と違い、100万単位でユーザを獲得するためには、ネットだけでは届かない。大きなメディアを作る覚悟のためには、数百億は投入しないといけない。それを考えると10億は小さい」

スマートフォンの広がりと同時に、スマートフォンの所持時間、閲覧時間も伸びてきている。接触時間において、ニュースという切り口だけでなく、今後は雑誌やテレビなどのさまざまな分野のディスラプトを見据えているという。PC時代において、ヤフーがネットポータルとしての地位を確立したように、スマートフォン時代のメディアポータルの可能性をGunosyに見いだしている。

先日、50億もの資金調達を果たしたgumi。狙いは世界一と常に口にしている國光氏は、国内における調達規模やスピード感に対しての危機感を表した。

「日本で数十億調達したりしている時に、米国では1000億規模の調達をして、未上場企業でアクセル全開で組織を展開している。もはや、国内市場だけを見据えるのではなく、中国や米国の大手と戦わないといけない。そのためには、大きく張っていかないと」

起業のタームが短くなっている。2周目、3周目をどう考えるか

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かたや、20代で数社の売却を行っているスポットライトの柴田氏とフリークアウトやイグニスをIPOする佐藤氏。ともに若手ながらシリアルアントレプレナーとして活躍する二人は、マーケットをどう見据えているか。

柴田氏は木村氏と同じくスマートフォンが浸透してくるなかにおいて、リアルの集客コストとしてのO2Oの可能性を考え、誰よりも早くO2O市場に参入。市場選択と早期参入、グロースのイメージとタイミングを意識し、オペレーションやどういったアプリ機能をもつのかを考えることを常に考えているという。

イグニス創業時は100万円を借りてそこからIPOまで成長させてきた佐藤氏。一つの事業に絞ることが難しかったからこそ、組織強化と多くのゲームアプリをひたすら作りこむことによる筋力強化によって、勝てるための組織づくりをイメージしたという。

「フリークアウトと創業する前に、國光氏と話をした。そのときに、「このゲームが当たらなかったらつぶれる」と言っていた。その原体験から、お金は大事だと思った。お金の使い方は使わないとわからない。フリークアウトとイグニスでわかってきた。二周目三周目の起業では、経験を活かした経営をしていきたい」

「2周目、3周目はキーワード」と語る柴田氏。かつては起業してから10年20年というプロダクトタームを必要とし、一人の起業家の人生をかけて会社を成長させていたものから、時代のスピード感、ネットの流通などによる情報共有の速度から、プロダクトタームが次第に短くなり、起業家が2周目3周目となることができるのが今の時代だと語る。

「次あれば、今と同じサイズではなく、もっと大きなマーケットを選んでいきたい。ゆくゆくは1000億規模の会社を作っていきたい」

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こうした若手起業家に対して、國光氏は「視点が低い」と指摘。「草食系エリート」と評し「今の若者は視線が下がっている。ゆとり教育が日本をダメにしている。視線をもっと高くするための後ろ姿を見せるのが起業家としてあるべき姿だ」と語る。

こうした若手二人の考えは、國光氏が語る時価総額8兆円の話か、その時その時代のマーケットにあったプロダクトをつくり事業を展開していくといった、多様な起業家のあり方を示している。肉食系と草食系とも分けられる起業のあり方へと議論が続いた。

コネクティビティの先をどう見据えるか

話は、3年後、5年後といった未来をどのようにそれぞれ見据えているか。 スマートフォンの利用が広がり、IoTなどすべてのモノがネットにつながることで、人とモノがつながる時代となってくると予想。これまでネットがつながっていなかった人たちがつながることによって、これまでサービスが提供できていなかった人たち、スマートフォンによって既存ユーザ以外の人たちになにをどう届けるかが大事だと木村氏は語る。

「Ctocの成長は大きい。Uberなどのように、リアルビジネスの広がりも起きている。マーケットサイズ、競合の少なさから、可能性も大きい。ユーザとつなぐ新しい形があるのでは」

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柴田氏佐藤氏も、常時接続は大きなキーワードだと語る。あらゆる産業のポテンシャルサプライヤーがスマートフォンによって最適化されてくる。「コネクティビティ」の先にある可能性は、まだまだ広がりがあるのではと語る。

國光氏は、家、車、テレビ、健康という既存産業のディスラプティブこそ、大きな市場だと語る。gumiとしては、ゲームの次は映像との連携によるテレビのディスラプト。その次はおもちゃ市場といったエンタメに特化していくという。「本格的にディズニーと戦う準備ができてくる」と語る國光氏。IPO準備と報道されている中、世界を見据え、日本からのエコシステムを作っていきたいと語る。

「今のエコシステムは、GoogleやFacebookなど。スピード感があるからこそエコシステムが起きている。日本はまだまだM&Aが起きていない。いろんな企業を買収しまくって、回転率を5倍にしていく。上場したらガンガン回していく」

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20代の若手起業家は今後をどう見据えているか。スマホの浸透により、5秒10秒のスキマ時間をどうするかマルチタスクにこそ重要な要素があると語る佐藤氏。

「自分の領域である広告も、これからリアクティブメディアになってる。検索より前にその人の需要にあったコンテンツがやってくる時代。広告やマーケティングのあり方にも、大きなシフトが起きている」

「30年は起業家でありたい」と語る柴田氏。生活必需品の定義が変わっている現代において、生きていく上で必要なプロダクトと、人の感動や体験などを届けるエンタメ要素の二極化が起きてくると語る。

「人々の生活のあり方が変化してきている。日々の過ごし方を考え、社会に最もインパクトを与える規模の勝負を仕掛けていきたい。國光氏とは年も10離れている。あと10年後には、國光氏を超える起業家になりたい」

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