タグ Gunosy(グノシー)

10年起業家:全ては自責から始まる/土屋・福島氏対談

SHARE:

(前回からのつづき)これまで2回に渡り、創業からおよそ10年を迎えた土屋尚史氏と福島良典氏の軌跡を振り返った。最終回となる今回はお二人との対談で、経営者に必要な課題解決、意思決定の変化を語っていいただく。(文中の太字の質問は筆者、敬称は略させていただいてます) 自分と向き合う ーー10年の振り返りありがとうございました。福島さんは2回目の起業になるわけですが、経営における前回からの気付き、学びを改…

土屋尚史氏

(前回からのつづき)これまで2回に渡り、創業からおよそ10年を迎えた土屋尚史氏と福島良典氏の軌跡を振り返った。最終回となる今回はお二人との対談で、経営者に必要な課題解決、意思決定の変化を語っていいただく。(文中の太字の質問は筆者、敬称は略させていただいてます)

自分と向き合う

ーー10年の振り返りありがとうございました。福島さんは2回目の起業になるわけですが、経営における前回からの気付き、学びを改めて

福島:前回から学んだことがひとつあって、僕ら、上場後に一度、完全に組織崩壊を経験してるんです。四半期ごとに数字を追ってそれにプレッシャーを与えるというマネージメントをしていたんですね。土屋さんと同じで、自分たちもまずそれがダメだってことを認めたんです。

その上で、改めてビジョンとかどういう人と働きたいのかとか、どういう世界を作りたいのかとか、そういうことをめちゃくちゃ頑張って社員に伝えたんです。それによって起こった変化で辞めていった人ももちろんいます。今さらそんなこと言われても、と。その時の強烈な経験は本当に今でも凄く覚えています。今振り返るともっとあの時こうしていれば、事前にこうしていればという思いがあって、そういった部分は今のLayerXに生かしたいなと常々思ってます。

ーー土屋さんもまずは自分と向き合うことから始めましたよね

土屋:経営上の課題が起こった時は、先ほどの話の中でもお伝えした通り、一旦、全てはまず、経営者の責任だと認めることからスタートなのかなと。けど、これって難しくてやっぱり認めたくない、認められないというケースは散見されます。

結局、何かが起こった時に社員のせいだとかビジネス環境が悪かったとか、外部環境のせいにしてしまいたくなるんです。でもこれを一旦、外部環境の変化に対応できなかった自分の責任というものを認めることができたらそこが出発点です。

ーー自責して一旦リセットする。その後は

土屋:本当に抽象的な言葉ではあるんですが、泥水を啜るってあるじゃないですか。本当に課題を少しずつ改善し、続けるしかないというか。結局自分たちも組織の問題から解決までに2年半かかったわけです。もしこれをやり方は分からないですが、例えば短期間にバッサリといってその時の社員の感情とかそういうものを殺してまでやる方法もあったかもしれません。

でもね、やっぱり解決って段階的で、問題が何かを見つけるフェーズ、社員の感情が閉ざされていて、それをゆっくりと溶かしていくフェーズ、そしてそこから膝を突き合わせて『やるしかない』って行動するフェーズがあるんです。組織の空気やマーケットの空気をしっかりと読んだ上で、アクセル踏んだり、メッセージを出したりする。

組織に問題を抱えた時、周囲からも随分と心配されました。けれど最終的には諦めさえしなかったら結局、解決はするんです。

ーー組織だけじゃなく、課題との向き合い方でカルチャーの重要性はここ数年、スタートアップの間にも浸透し始めてます

福島:数字の奴隷じゃないですが、売上が全ての傷を癒す、みたいな格言がベンチャー界隈に漂ってるじゃないですか。それは単に経営者が麻痺させてるだけです。大事なのはミッションや行動指針といったカルチャーであり、例えば採用にしてもスキルだけを見るのではなくカルチャーを見ようとか、その辺りは徹底的にやってますね。今のところ大きな失敗は起こっていないと思ってますし、根本的な意味でブレることはないだろうと思ってます。

土屋:数字に神が宿ると言ってた福島さんとは別人だね(笑。

福島:確かに。当時の理想はインスタグラムで、少人数組織のプロダクト・レッド・グロース(製品による自律成長)でしたからね(笑。ただ、数字はファクトベースでの意思決定の上にあるもので、技法とかスキルの話なんです。

それよりも結局お前らの組織どこに向かってんの?っていうのを数字が支えられないのは、数字が独り歩きして暴走した結果なんですよね。でも物事の出発点って定量じゃなくて定性的なものじゃないですか。やっぱりそれをなぜやりたいかというものに対して数値目標を置いたとしても、そこの数字を動かすのは感情の力なんですよ。

ーーところで、福島さんはLayerXとして改めて組織づくりされていますが、これまでの経験を活かして次はどのような組織を目指してますか

福島:そうですね、もう一つ高いレベルでいくと、いい組織ってある人がそのビジネスにおける市場価値を100として、その組織に入ることで150になる、そういう組織なんだと思うんです。だからウチで働く意味があるよね、という。そしてそこで働くことで150の走り方を学び、覚えた後はやはりその人は高い市場価値になるので、どこでも働けるようになる。

こういう育成の部分ってあまりベンチャーは投資してこなかったところだと思うんです。LayerXではあと5年で3、400人を採用するつもりで、おそらくそういう勝負のビジネスなんですが、じゃあそういった人を中途市場で取ってこようとしてもその考え方自体がやはりナンセンスです。この会社には育成の仕組みがありますとかこういう研修が受けられます、ではなく、本当に働いていたら自然と力が身につく、そういうことですね。

サッカーと同じです。下部組織まで作ってあそこでプレーしたらあの人と一緒にやれるとか、あの方法が身につくとか。そういう意識で組織作りについてはもう一段上の世界で挑戦したいと思ってます。

それと僕もGunosyで最大、150人ぐらいまでしか見てないんですよね。4000人の会社を率いたことがないわけで、早くそのフェーズに行きたい。でね、やっぱり失敗するんですよ。多分。手酷い失敗をすると思うんですけど、その時にそれを受け止めて学びたいですね。

プロダクトを当てにいく

福島良典氏

ーところでお二人のお話伺って、やはり課題との向き合いが印象に残りました。よい起業家は課題発見が上手い、と言われますがどのようにして課題を見つけていますか?

福島:今までやってみたことのなかったことを色々試してみましたね。例えばコンサルタント。これまでやったことなかったですけど、色々試す中で、結局、自分が得意じゃないことをちゃんと理解できたというか。それが最近の気付きなんですよね。

インボイスのプロダクトもそうなんですが、明らかにお客さんの反応が違ってたんです。最初は本当に小さいですよ。反応してくれるのは10人とか100人とかなんですけど、明らかに何かが起こっている。起業した当時は気づけなかったことに今は明確に気付くことができる。

土屋:以前福島さんが今のLayerX インボイスがプロダクトにも全然なってなかった時期にグッドパッチの管理部にこういうものを考えているんだけどと持ち込んだんですよね。その時、僕も同席してみてたんだけど正直、あの時点では何が引っかかるのか分からなかった。それでも福島さんが直接やってきてインタビューしてるわけです。

最初の起業のスタートアップであればまだしも、シリアルの起業家が顧客の最前線に立って自分で営業してるっていうのはやはり凄いなと。ただあの時点では、導入するイメージが全く湧いてこなかったし、そもそもこれ、プロダクトになるの?って感じだったんだけど、結局、半年後ぐらいには現場が導入していましたね。

福島:強烈なアハ体験というか、私はやはりこれが理想じゃない?という体験やプロダクトを作ることが起業家として一番得意なんです。だから課題の見つけ方も多分そうなんです。課題って多分、教科書に書いてある課題なんですよ。例えば温室効果ガスが増えるから地球温暖化をなくそう、とか。本当に普通の話です。

ーー普遍的な問題から始める

福島:今の起業家の方ってやはりピッチコンテストとかで、君の会社は何が違うの?とかグーグルがやってきたらどうするの?とかそういう質問を浴びせ続けられてるので、何かトリッキーな課題を見つけないといけないような、そういう錯覚を持っていると思うんです。そんなものより、ごく普通の課題を狙って、決めたら徹底的にユーザーを観察してその背後に何が起こっているのかを見つける。

そうしたら大量にマーケティング施策を打つじゃないですけど、あの感覚をやっぱり私は覚えているので、伸びるんですよね。なんだかそこを見つけることが大事なんじゃないのかなと。その先にあるプロダクトのアハ体験というか、ユーザーが熱狂しているところも、最初はやっぱり10人とか100人の熱狂なわけで。

みなさん凄い数字に慣れちゃってるじゃないですか。フリマアプリの流通額が月間で数百億円超えましたとか、創業数年のスタートアップが数十億円を調達しました、とか。ああいう数字に慣れるとたった10人が熱狂していることに対して『凄いものを見つけました』とか『ウチの会社いけてます』っていう自信を持てないんじゃないかな、と思うわけです。

ーーなるほど、課題そのものよりもそれを抱える人々から解法を導く。土屋さんは?

土屋:福島さんと僕は割と経営の感覚というのかな、考え方が近いと思っていて、あるパターンの中から解法を持ってくる、というのはあると思ってます。福島さんって情報のインプット量や見てる範囲が広範囲だし、それなりに深いところまで考えてると思うんです。

結局、この範囲の中にある事象をカテゴリとして考えた時、最終的にはそれを総合的に俯瞰しながらここだ、という決め方をしてるんじゃないかなと。福島さんは勉強熱心だし、インターネット上の情報だけじゃなく生のユーザーの課題もそう、過去の凄い起業家の方々との経験がパターンになっていて、その認知力がズバ抜けてるんですよね。だからパターン化できる。それは特に思ってますね。

ーーちなみに観察ってどの程度までやるんですか

福島:めちゃくちゃ観察しますよ。例えばプロダクトを出すとするじゃないですか?『これいかがですか?』って聞いたら『いいですね』って答えるに決まってるんですよ。じゃなくて、いいって言ったけどあの人本当に翌日にアクセスしてるのかなとか、本当にいいって思ってたらまた使ってくれるはずなんです。おすすめしてくれるはずなんです。じゃあ、今、この瞬間に誰かにおすすめしてくれますか?って聞いて『いや、ちょっと』となれば全然刺さってない。いいですね、今から誰それに紹介しますよとなっていれば多分ヒットしてる。

その最初のところにいかに感度を高く持てるかどうかですね。自信を持てるかどうか。そこがあると回り出す。プロダクトを広げるとどうしても全然合わないユーザーとかが出てくるんですが、本質的に感じている課題は一緒なのです。とにかくプロダクトを改善するとまた新たな課題に気付ける、そういうフィードバックループみたいなものってあるんですよね。だから実は自分は課題を探しにはいってないんですよ。プロダクトを当てにいってるんです。

お時間になりました。今回は興味深いお話どうもありがとうございました。

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


10年起業家:ギアチェンジの時、上場の意味

SHARE:

(前回からのつづき)シリコンバレーで出会った起業家と学生はやがて2社の上場企業を生み出した。しかし話はそう簡単なものではない。一社はチームに大きな問題を抱え、もう一社はジェットコースターのような日々を過ごすことになる。10年が経過した今、スタートアップが上場する意味とは何かを振り返る。 グッドパッチ、上場を目指す Gunosyを開発した学生3人は連続起業家となった木村新司氏と出会う。サービス立ち上…

Gunosyで知名度を上げたグッドパッチは上場を目指しチームを拡大させる(写真提供:グッドパッチ)

(前回からのつづき)シリコンバレーで出会った起業家と学生はやがて2社の上場企業を生み出した。しかし話はそう簡単なものではない。一社はチームに大きな問題を抱え、もう一社はジェットコースターのような日々を過ごすことになる。10年が経過した今、スタートアップが上場する意味とは何かを振り返る。

グッドパッチ、上場を目指す

Gunosyを開発した学生3人は連続起業家となった木村新司氏と出会う。サービス立ち上げの翌年、法人としてのGunosyが動き出した。一方、そのきっかけを作ることになった土屋尚史氏もまた、プライベートなデザイン会社としてだけでなく、もう少し先の世界を見たいと思うようになる。

「私も全然資金調達とか考えずにグッドパッチを起業したんですが、やはりGunosyが大きくヒットした翌年には、社員を20名近く抱えるようになったんです。そもそもスタートアップ自体が好きで、大企業と一緒に仕事をするというよりも彼らと一緒に仕事をしたかったんですよね。だからどこかで影響を受けていたんでしょう、ワンチャンス、そういう機会があったら挑戦してやろう、という野心的な気持ちは持っていました」(土屋氏)。

グッドパッチが最初に外部の投資家から調達をすることになったのは創業から2年後の2013年12月。DG インキュベーションから1億円の資金調達だった。その後、2016年にシリーズBラウンド(参加した投資家はDG インキュベーション、Salesforce Ventures、SMBC ベンチャーキャピタル、SBI インベストメント、FiNC。調達金は4億円)、その翌年の2017年にはシリーズCラウンドでSBI インベストメントと三井住友海上キャピタルから総額4億円を調達している。

黒字を達成して数十人のチームを擁するまでに成長した、クライアントワーク中心のデザイン会社が上場を目指すというのは珍しいステップだった。外部投資家を入れれば、当然ながら経営はそれまで以上にガバナンスを求められるようになる。1人気ままなオーナー社長ではいられなくなるのだ。それでも土屋氏もまた、社会の公器となる道を選んだ。

「迷いですか?全然ありましたよ(笑。まあそれでももし、やれるチャンスがあるのなら挑戦してやろうと。ただ、最初の起業ですから上手くいかないだろう、正直に言うと、どうしようもなければ会社を売ればいいや、ぐらいに思っていました。それでもそれから会社が成長し、今で言うミッションやビジョンのようなものを考え出した時、社会的な存在意義が見えてきて、自分がこの会社をやり続ける意味がありそうだなと感じたんです。そこからですね。腹が括れたというか。もちろんそういう意味では周囲のスタートアップや起業家の方々の刺激はすごく大きかったと思います」(土屋氏)。

その後、グッドパッチは調達した資金と積み上がる依頼を糧に、急速にチームを大きくする。当時を振り返って土屋氏は、この急成長にあまり恐怖を感じず、その勢いに身を任せていたと語る。自分は本質的には正しい選択をしている、失敗も数多く知っている、だから大丈夫ーー。しかしその先に待ち受けていたのはシリーズBラウンドを前後して経験した組織崩壊だった。

成長痛を経験し、それでもグッドパッチは踏みとどまる。

「組織が成長する中、私はキャッシュというか売上を重要視していたんです。組織が危うい状態になっていた時でも昨年比で45%とかの売上成長があった。もし、あの時、調達した資金を未来への投資だ、などと言って既存事業をおざなりにしていたら今はなかったでしょうね。それともうひとつ。あの時、悪い経営であるということを自分が認めなかったらダメだっただろうなとも思っています。もしも致命傷があったとしたらそれですね」。

成長のジェットコースターに乗ったGunosy

2014年当時の福島氏。目の覚めるようなマーケティング施策は驚きの連続だったようだ(ニュースレコメンドエンジンのGunosyがKDDIと資本業務提携、調達金額は12億円かーーTVCMも開始へ

話を巻き戻そう。Gunosyは2011年10月に産声を上げ、その翌年の12年10月に法人化することになる。事業にすることを考えていなかった福島氏ら3人の学生たちは、木村氏によって大きく人生を変えることになり、それまで二人三脚で立ち上げを支援した土屋氏の元から卒業することになる。

「当時はとにかくGunosyをTwitterで呟いてる人を見つけては『いいね!』して回ったり、一部機能がうまく動いてくれなくて炎上した時の対応を一緒にやったりしてました(笑。ただ、当時彼らは就職すると聞いていたので自分としては起業した方がいいのに、ぐらいに思っていました。彼らは優秀だし、Gunosyの成長と共にグッドパッチにも仕事が舞い込んできましたから。そうこうしてる時、確かアプリを開発する段階だったかな、福島さんから電話があって『起業することになりました』と」(土屋氏)。

数万ユーザーどころじゃない、百万ユーザーが見える位置にいたGunosyであれば欲しいと思う企業はいくらでも出てくるはずだ。学生だけでの起業に不安があるなら売却するという手もある。ーーそんな風に考えていた土屋氏の元に届いた彼らからの報告は意外に映る。そして学生たちが土屋氏と一緒に作っていたGunosyは「株式会社Gunosy」となり、徐々に彼の手を離れることになる。

そこからGunosyの急成長が始まった。本格的なマーケティング施策の開始だ。

アトランティスを創業してグリーに売却した木村氏はアド・テクノロジーのプロだった。スマートフォンシフトが進む当時、企業はいつかやってくる「手のひらの市場」に広告を出稿することになるだろう。そう考えた彼らはまず、Gunosyを一大メディアに成長させる道から歩みを始める。

投下したマーケティング予算は莫大で、赤字は毎月数千万円にも上った。メディア成長のために先行投資して大きく「Jカーブ」を掘る、典型的なスタートアップの戦い方だ。福島氏は冷静に事態を眺めつつ、突然の成長ジェットコースターに乗った気分をこう振り返る。

「自分たちで確かに信じてる理論はあったんですよ。数字がここまで行った時、こういう数字が出てるので理論上こうなるはずだ、とか。でも、周囲からは厳しい意見をものすごく言われてなんだろうこのギャップは、と。走ってる自分たちは爆速でも、何て言うんですかね、飛行機に乗ってても自分が速く動いている感じってしないじゃないですか。あんな感覚でしたね。やれることをやろうと。

明確にこうやれば利益が付いてくるというのは投資を踏んだ時に分かっていたんです。ただ、Facebook広告などに資金を投下していたんですが、その規模が大きすぎて訳が分からないとは思っていました。木村さんは『やるから』と。そういう感じで」(福島氏)。

Gunosyはその後、2013年10月からエンジェルとして参加していた木村氏が正式に共同代表として就任し、徐々に事業としての輪郭を明瞭にしていく。土屋氏はやや寂しさも感じつつ、ギアチェンジを果たした両社はそれぞれ別々の道を歩み出すことになる。

そして上場へ

グッドパッチは2020年にマザーズへ上場する(UI/UXデザイン支援のグッドパッチ、東証マザーズ上場へ、評価額は43億円規模に

木村氏の参加で資本を得たGunosyはその後、大きく踏み込みを続けながら2014年にKDDIとJAFCOを外部株主に迎え、さらに大胆に踏み込みを続けた。結果、ダウンロード数を900万件手前まで伸ばした2015年4月、東証マザーズへ上場を果たすことになる。学生たちが趣味の延長でサービスを立ち上げてから4年弱、ここから一気に二桁億円以上の事業を作ることに成功したのだ。

あれから紆余曲折あり今、福島氏はGunosyを離れてLayerX代表取締役として新しい道を歩んでいる。彼は改めて上場の意味をこのように語ってくれた。

「当時と今でまず、大前提として未上場の資金調達マーケットってほぼなく、Gunosyは累計で30億円ぐらいを集めたんですが、それが本当に限界ぐらいでした。だから当時、ニュースアプリでそこまで掘ることはできず、けれどもあるシナリオを考えると60億円ぐらい必要だと試算が出たんです。最悪のケースを考えると上場しか資金を集める方法がない。だから公開しようというのが当時の考え方でしたね。

今は随分と考え方は変わっていて、ある程度の会社がベンチャーから成熟した企業に成長するまでって、やっぱり初期の頃は役員たちがオーナーシップ持ってバシバシ意思決定した方がいいんですけど、あるタイミングからやはり変わると思うんです。

組織が一定以上のサイズになると、その決め方だと伸びなくなる。そういう瞬間があって、そこが上場のタイミングなんじゃないかなと考えてます。投資しているファンドは償還などの期限があるので、現実的にはもうちょっと早くなるとかそういう事情はあるかもしれませんが、資金調達のために上場を急ぐことはもうないかなと。

それとまた違った視点で海外投資家からの声というのもあります。海外の機関投資家の方々って君たちのミッションは何かとか、何を成し遂げたいのか、とか日本の産業構造がこうある中で君たちはどこにポジションしているのか、という30年、50年のスパンの話を聞いてくるんです。なぜか未上場の投資の方がロングスパンのように言われることがあるんですが、全く逆で、上場企業の方が投資に関しては長期視点を求められるんです」(福島氏)。

Gunosyの上場を見届け、5年後となる2020年にグッドパッチは同じく東証マザーズに上場する。あれから1年経った今、デザイン会社として株式を公開する意味を土屋氏はこう語ってくれた。

「結果的になんですが、企業って上場してから組織的に崩れることが割と多かったなと思うんです。そう言う意味で自分たちはその前に組織崩壊を経験できたことはよかったかなと考えるようになりました。

なので、上場を後にしてマイナスは本当になく、自分たちはおそらくデザインとデジタル領域のスタートアップと理解されることが多いんですけど、このビッグマーケットでデザインは価値があるがまだまだ認知や信頼が足りないという中、上場してポジションを得られたことはやはり大きかったと思います。会社の認知度もそうですし、そこから得られる信用というものは特にこの領域でチャレンジしようという人たちの採用にかなりプラスとして寄与してくれています。

特に需給のバランスではデザイナーって本当に見つからない状況になっているんです。それまで平均年収400万円とか、デザインが好きだからやってます、みたいなマーケットだったんですが、自分たちがデジタル領域に可能性を拡大できたことで報酬も上がっていく。そういうことを上場によってプロモーションできた価値、意味合いはあっただろうなと思っています」。

次につづく/全ては自責から始まる:土屋・福島氏対談

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


10年起業家:世界を変えた「お節介」のワケ

SHARE:

2010年代を駆け抜けたグッドパッチとGunosy。まだスタートアップという概念もままならない2011年を前後して創業したこの2社は、とあるきっかけで出会い、成長のチャンスを得てそれぞれの存在価値を見出すようになる。学生たちが作ったアプリはやがて情報をつなぐインフラとなり、そのデザインをきっかけに次の扉を開いた起業家は上場を目指すことになった。 起業家の身の上にはその過程で何が起こり、どのように乗…

サービス開始当初のGunosy、グッドパッチはこのデザインを手がけたことで脚光を浴びることになる

2010年代を駆け抜けたグッドパッチとGunosy。まだスタートアップという概念もままならない2011年を前後して創業したこの2社は、とあるきっかけで出会い、成長のチャンスを得てそれぞれの存在価値を見出すようになる。学生たちが作ったアプリはやがて情報をつなぐインフラとなり、そのデザインをきっかけに次の扉を開いた起業家は上場を目指すことになった。

起業家の身の上にはその過程で何が起こり、どのように乗り越えていったのか。

本誌ではグッドパッチ創業者の土屋尚史氏と、Gunosy共同創業者であり、現在はLayerX代表取締役を務める福島良典氏にこれまでの10年を振り返っていただく機会を得た。これから数回にわたりこれまでの道のりをお伝えする。

まずは彼らの出会いと成長から話を始める。

東大生たちとの出会い

Gunosyを立ち上げた頃の関喜史氏、福島良典氏、吉田宏司氏(写真左側、手前から・グッドパッチ提供)

大阪でいくつかの仕事を経て、デザインに自分の仕事を見出しつつあった1人の青年がいた。若かりし頃の土屋氏だ。グッドパッチの創業は2011年9月。次の人生を求めて渡米したこの年から約9年後の2020年6月、デザイン企業として同社は東証マザーズへ上場を果たすことになる。

そのきっかけとなったのがこの渡米で出会った1人の東大生、Gunosy共同創業者の関喜史氏だ。関氏はシリコンバレーで出会ったこの起業家にある一通のメッセージを送る。全てはここから始まった。

「9月に(シリコンバレーから)東京へ戻ってきて、グッドパッチを創業することになるんですけど、創業の1カ月後ですかね。サンフランシスコ滞在時にシリコンバレーを一緒に旅してた関さんからメッセージが届いたんですね。大学の友人たちとサービスを作ったので登録してください、と」(土屋氏)。

2011年当時はスティーブン・ローゼンバウム氏の書籍「キュレーション」が日本語版としても発行され、コンテンツ発見の新たな体験が模索されていた頃だ。それまでオンライン・ニュースの情報収集と言えばRSSリーダーが主流だったが、この年を皮切りに日本でもさまざまなニュース・アプリが登場することになる。

土屋氏のメッセージに届いた「Gunosy」はそのひとつだった。彼は「ここに当時のトップページがあるんですけど」と、学生たちが作ったサイトを見せつつその時の衝撃を語る。

「当時、シリコンバレーにも似たようなニュースキュレーションのサービスがあって、おおって感動したのを覚えてます。ただ、とにかくサイトデザインがヤバかった(笑。関さんにこれ面白そうなんだけどデザイン大丈夫?って聞いて。それで開発した福島さん、吉田(宏司)さん、関さんの三人と話をして、じゃあ自分がやろうかと。さすがに大学生からお金取るわけにいかないからいいよ、タダでって」(土屋氏)。

iPhoneが登場し、スマートフォンシフトがこれから起ころうとする中、デザインが整ったGunosyは瞬く間にユーザーを集め、数万人が利用する人気アプリに成長した。そしてそのデザインを手がけたグッドパッチの元に仕事の依頼が舞い込むようになり、土屋氏は創業からわずか2年で事業を軌道に乗せることに成功する。

世界を変えた「お節介」のワケ

東大生3人が作ったGunosyの最初のサイト。パワーポイントでデザインした

ところで立ち上げの際、Gunosyはあくまで東大生のプロジェクトであり、法人化はもとよりビジネスモデルも何もない、純粋な「興味」で始まっている。福島氏は開発当初をこう振り返る。

「本当に法人化とか考えてなくて、創業者3人とも大学院まで今で言うAIですね、機械学習とかウェブマイニングとかの研究をしていて。3人ともITサービスやアプリが大好きで、何か作りたいよねみたいなノリだったんです。

ただ、それだけで作ってもつまらないから、自分たちが困っていることや研究した内容を使って何かできないかなというのは考えてました。それで共通項として出てきたのが情報収集だったんです。当時から情報は氾濫していて、それを何とかフィルタリングしてニュースを送るサービスにできないだろうかと」(福島氏)。

1万件のタイトルよりもおすすめされた10件の情報の方が価値があるーーそれなら自分が使いたい。そう考えた3人は「最初のユーザー=制作者」という考え方でアルゴリズムの開発に着手する。「今日のニュースどうだった」を繰り返し調整し、サイトは見よう見まね、ツールはパワーポイントで作った。

筆者はふと、土屋氏になぜ事業にするつもりもない学生たちのプロジェクトの手伝いをしようと思ったのか尋ねてみた。

「直感ですね。関さんたちは正直、出会った当時はあまりよく知らなかったんですが、大学院ですごい研究をしているということだけは聞いていました。あと、RSSリーダーで情報収集するということの課題は自分も感じていたんです。日本の東大というトップの学生3人がアルゴリズムを組んでニュースサービスを作っている。その時、直感的に日本からもしかしたらグーグルのような企業が生まれるのかもしれないなと思ったんです。

シリコンバレーに行ってたこともあって、当時のインターネットサービスってスタンフォードの学生が中退してスタートアップした、というストーリーをよく読んでいて、もしかしたら同じような未来が見えるのかもしれないと。だから手弁当でやるよ、と言ったんです」(土屋氏)。

土屋氏の予想はGunosyが法人化したことで半分当たることになる。予想外だったのは学生たちだけでの起業ではなかった、という点だ。

Gunosy、法人化へ

写真中央:木村新司氏

Gunosyは2011年10月に産声を上げ、その翌年の12年10月に法人化することになる。事業にすることを考えていなかった福島氏ら3人の学生に転機が訪れたのは1人の人物、現在、Gunosyの会長を務める木村新司氏との出会いだ。

木村氏もまた福島氏らと同じく東大出身で、2007年にモバイル・アドネットワークの先駆けとなるアトランティスを創業している起業家だった。Gunosyが生まれた2011年に木村氏は同社をグリーに売却し、彼もまた土屋氏と同じく、東大生が作ったこのニュースキュレーション・サービスに新たな可能性を見出そうとしていた。

Gunosyを事業化するにあたっての課題はマネタイズモデルだ。未成熟なスマートフォンアプリの市場でユーザー課金は期待が薄い。しかし木村氏が経験した広告技術を組み合わせれば、勝ち筋が見える。そうして彼らは手を取り合うことになった。

ただ、福島氏は見えない未来にそこはかとない恐怖も感じていたようだ。

「やっぱり最初はビジネスになるなんて全く思ってなかったですよ。当時、映画「ソーシャルネットワーク」ってあったじゃないですか。自分たちがそういう風になっていくなんて想像できなかったですね。まあ一言で言えばビビってたんですよ。

一年ぐらいかな、法人化とか考えずに卒業まで時間あったので、会社にした方がいいとか言われたんですけど、一旦、自分たちにそういう自信がないから社会人になってもサービスを続けられるように改善を続けていこう、という話はしてました。

ただ、思ったよりもユーザーがついてくれた。今思えば大した数字じゃないですよ。けど、当時の学生からするともの凄いインパクトがあった。多分、数万人とかのユーザーがアクティブな状態だったんですが、それが凄いことかどうかもよく分かっていなかったですね」(福島氏)。

自分たちの困りごとと研究のために作ったアプリが「当たった」。いや、当たったかどうかも分からないまま、彼らは木村氏と出会い、いよいよ自分の将来を真剣に考え出す。当時、就職先が決まっていた福島氏は冷静にスタートアップに飛び込むリスクとメリットを天秤にかけてひとつの答えを導き出す。

「いろいろ考えた時、スタートアップに飛び込んでもリスクがないなって思ったんです。自分たちがやってみた結果、その一年ですごい技術力もつきましたし、普通に働くよりもいろんな意思決定がいっぱいできたんです。世の中では新卒のレールを外れると大企業行けなくなるとか言うんですが、今は明確にそれが嘘だって自信持って言えます。

当時はそこまでの確信はなかったですけど、起業したことで大企業に行けなくなってもいいや、何とかなるだろう、と。逆にここでやらなければ自分が老人になった時、似たようなサービスが日本から出てグーグルみたいな会社ができました、それを自分以外の人間がやっていたとしたらもの凄い後悔するだろうなと」(福島氏)。

その感情に気がついた学生3人は木村氏と共に動き出す。学生プロジェクトではない「社会の公器」としてのGunosyを立ち上げることになった。

次につづく/10年起業家:ギアチェンジの時

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


MBOは「相当気合を入れてやる」証ーーLayerXが独立、その決断の背景を聞く【福島氏・竹谷氏インタビュー】

SHARE:

ニュースサマリ:Gunosyは7月12日、連結子会社「LayerX」の一部株式譲渡の合意を公表した。Gunosyが保有する同社株式の5000株の内4500株をGunosy創業者で取締役の福島良典氏に譲渡するもの。1株あたりの価格は3万円で、GunosyによるLayerXの株式保有率は50%から5%に引き下げられる。譲渡契約締結日は2019年8月23日付を予定し、LayerXは2020年5月期から連…

91B959BE-B23B-49E1-829F-7D71ED56C0C1

ニュースサマリ:Gunosyは7月12日、連結子会社「LayerX」の一部株式譲渡の合意を公表した。Gunosyが保有する同社株式の5000株の内4500株をGunosy創業者で取締役の福島良典氏に譲渡するもの。1株あたりの価格は3万円で、GunosyによるLayerXの株式保有率は50%から5%に引き下げられる。譲渡契約締結日は2019年8月23日付を予定し、LayerXは2020年5月期から連結対象外となる。

ブロックチェーン開発・コンサルティングを手がけるLayerXの設立は2018年8月。GunosyとAnyPayによる合弁会社で、両社が50%ずつを出資し福島氏が代表取締役社長に就任していた。今回の譲渡は福島氏によるMBO(マネジメント・バイアウト、経営陣による買収)で残りのAnyPay保有株式についてもLayerX経営陣による買取を予定している。

なお、福島氏は2019年8月に開催予定の定時株主総会でGunosyの取締役を退任し、特別技術顧問に就任する予定。LayerXの2019年3月期決算状況は売上高1億400万円で営業利益100万円、純利益は0円となっている。

話題のポイント:Gunosyという挑戦のストーリーが始まったのは2012年。学生起業、エンジェル投資、人工知能、ニュースキュレーション。2010年以降に勃興した日本におけるスタートアップ・エコシステムそのものを体現してきたような、そんな存在です。

<参考記事>

そのGunosyが上場以降で最も大きく動いたのがLayerXの合弁設立です。ブロックチェーン技術をベースとした「新しい権利と承認」による経済圏づくりは、ビットコインの熱狂と共にこのまま大きく幕開けするかに思われました。

<参考記事>

しかし現実はその逆で、一時200万円以上もの値がついてしまった市場は大きく崩れ、相次ぐ取引所への不正アクセスなど、人々の期待は急速に冷めていくことになります。

本稿ではLayerX代表取締役社長で、今回MBOすることになった福島氏と、Gunosy代表取締役の竹谷祐哉氏にインタビューを実施し、今後のGunosyとの関係やLayerXの展望、MBOとなったその背景などについて伺ってきました(太字の質問は全て筆者)。

4032E660-2FAB-4A2C-96FF-E5C984F12607

MBOを発表した。まず、合弁で設立したAnyPay側の保有株式の扱いはどのようになる

福島:AnyPayからも株式を買い取る予定ですが、ともに設立したパートナーで、設立時からオフィスや人の派遣、事業のサポートなどお世話になったので大変感謝してます。引き続き提携できる領域や事業があれば、一緒に取り組みたいと考えています(※)。

※記事初出時に福島さんのコメントの一部に記載漏れがありました。修正してお詫び申し上げます。

合弁創業から約1年、早々の独立となった。検討を開始したのは

福島:現経営陣に相談し始めたのは、今年に入ってからくらいです。

合弁創業から相当早い段階で話を開始しているが、改めて独立の背景について聞きたい

福島:昨年8月にGunosyは代表交代をし、私は将来の主力事業になるべくブロックチェーン事業に集中するようになりました。1年間ブロックチェーン事業をやって率直に思った感想は『これは相当時間が掛かるな』というものです。

LayerX社は比較的ビジネスの見込みが立ちやすいコンサルティング業から入った。3月期決算も売上1億円ながら赤字にはしなかった。それでも見通し不良と判断した

福島:(創業)当初はブロックチェーン市場が盛り上がってましたが、この一年間淘汰が進み、簡単には稼げない領域になっています。

一方、Gunosyは本業の再成長のためにしっかりと踏み込み、より大きな会社になろうというチャレンジをしています。そういった状況の中で、周囲の競合企業は大胆なリスクテイクなどの機動的に柔軟な意思決定をして劇的な市場変化へ対応しようとしています。会社として成長させていくためには、LayerXもMBOを通じて機動的に柔軟な意思決定ができる体制にしていくべきだと考えるようになった、というのが経緯です。

昨日開示となったGunosyの決算、手応えについて聞きたい

竹谷:Gunosyのメディア再成長は2019年5月期下期で確認することができた、というのがまずあります。広告宣伝費を積極的に投入したことにより、前年Q4との比較では営業利益は減益となりましたが、通期比較では増収増益を達成することができました。計画に対してもQ4の売上は約2.5億円、営業利益も約2億円の上振れとなります。また、全メディアでのアクティブユーザーも昨年比で30%以上成長するなど、事業として大きな成長を達成している状況です。

要因は

竹谷:Gunosy Adsのアルゴリズム改善、動画等の新規コンテンツ拡充とクーポン訴求のユーザー獲得が奏功したことが一点あります。またグノシーメディアにおけるMAUはQ4で過去最高値を記録し、またGunosy Adsの売上も過去最高値を記録しています。

Gunosy本体としては引き続きメディア中心の成長戦略を続ける

竹谷:そうなります。2020年5月期はさらなる成長に向けた投資フェーズと位置づけ、主力メディアの「グノシー」に積極的に投資を実施し、一時的な減益を見込むものの、2021年5月期で大幅な増収増益を見込んでいます。「ニュースパス」「LUCRA」などの既存メディアも順調に成長していますし、引き続きメディア事業を中心とした成長戦略を続ける予定です。

Gunosyのこういった見通しの中で、LayerXをどのように位置付ける

竹谷:福島も指摘した通り、ブロックチェーン領域の市場環境はわずか1年足らずの間に劇的に変化し、厳しさと不透明さが増しました。ここには時間が必要です。

ブロックチェーン領域とGunosy本業とのシナジーを短期的に見出すのが難しい中で、Gunosyとしても今回のMBOにより、LayerXがブロックチェーン領域のリーディングカンパニーとしての地位を確立することがより中長期的に期待される事業シナジーの実現と、保有する対象会社の株式価値の最大化につながると考えています。

Gunosyは引き続き株を保有し続ける

福島:はい。開示の通り、一部の株についてはGunosyには引き続き保有してもらうことになってますので、将来LayerX社が大きくなった時のために、Gunosyとは引き続き関係性は続いていくことになります。

竹谷:将来的なブロックチェーン領域には可能性を感じているので、引き続きLayerXとの協業の可能性などは福島と模索し続けます。

EFA85D9B-6BB0-4B7D-B2F4-D5C3B0D82AFF

お二人は共に時折立場を入れ替えてGunosyの成長を支えてきた。福島さんがGunosyの取締役を降りるのは不透明な先行きの中で、LayerXへの強いコミットが必要になったからという認識だが

福島:実は、現取締役陣からは引き続き取締役として残る形はありえないかという相談を受けていました。私の方でそれも熟慮したのですが、今回は特別技術顧問という形でサポートする形にして欲しいと。

Gunosyは自分でつくった会社ですし、現取締役陣や社員の皆とは苦楽を共にし、大好きな尊敬できる仲間であるという思いは変わりません。Gunosyへの思いは一切薄れていないので何かしら引き続き貢献できる形はないかという相談をしていました。

なるほど

福島:一方、今回のMBOに際して、LayerXの事業自体決して順風満帆というわけではなく、相当気合を入れてやらないといけないのは間違いないと思っています。

中途半端なコミットメントはすべきでない一方で、Gunosyのテクノロジーカンパニーとしての意思決定や文化づくりに関してはまだ役に立てると思う部分もあり、いろいろ悩んだ結果、このような形で関わらせてもらうことになりました。

竹谷:個人としては共に過ごしてきた仲間ですので正直寂しさはあります。ただ、Gunosyとしても福島のチャレンジをこのような形で応援しようと。

ありがとうございました

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


Gunosyが1000万MAU越えのゲームメディア「Game8」を子会社化、ウェブとアプリのメディア連携に取り組む

SHARE:

また、若手起業家が次のステージへと進んだ。 Gunosy(証券コード:6047)は本日、国内有数のゲームに関するウェブメディア「Game8(ゲームエイト)」を運営するゲームエイトの株式の取得について、Labitと合意した。Gunosyはゲームエイトの全株式を取得し、100%子会社化する。 ゲームエイトは、「すごい時間割」を開発していたスタートアップLabitの子会社としてスタート。「すごい時間割」…

ゲームエイト代表取締役の西尾健太郎氏
ゲームエイト代表取締役の西尾健太郎氏

また、若手起業家が次のステージへと進んだ。

Gunosy(証券コード:6047)は本日、国内有数のゲームに関するウェブメディア「Game8(ゲームエイト)」を運営するゲームエイトの株式の取得について、Labitと合意した。Gunosyはゲームエイトの全株式を取得し、100%子会社化する

ゲームエイトは、「すごい時間割」を開発していたスタートアップLabitの子会社としてスタート。「すごい時間割」の事業を譲渡した後、同社の西尾健太郎氏がメディアの運営を開始したところ、数字が成長。人を採用するタイミングになって、ゲームエイトを子会社化し、西尾氏が代表取締役に就任した。

Game8

「Game8」は会社を創業してから、約1年4ヶ月で月間1000万UUを突破するメディアへと成長している。さらに成長スピードを伸ばそうと考えた結果、今回の子会社化へと至った。

西尾氏「資金調達かM&Aで迷いましたが、M&Aを決断しました。その理由は、求めているのは資金ではなく、経営や事業の成長に必要なリソースだったからです」

そう西尾氏は語る。「Game8」はアドネットワーク等を収益源に、すでに単月黒字を達成している。だが、その一方で開発はほぼ西尾氏が一人で担当するなど、開発リソースが不足していた。

子会社化され、開発リソースを活用できるようになることで、開発スピードが向上することに加え、会社のバックオフィス体制の強化、広告商品の共同開発等を行っていく。Gunosyに蓄積されている広告に関する知見を活かしつつ、Gunosy側はゲーム関連の広告クライアントの獲得等を狙いとしている。

Gunosy執行役員マーケティング本部広告事業部部長の長島徹弥氏(左)と西尾健太郎氏(右)
Gunosy執行役員マーケティング本部広告事業部部長の長島徹弥氏(左)と西尾健太郎氏(右)

小会社化に伴い、ゲームエイトにはGunosy CEOの福島 良典氏、同社CFOの伊藤 光茂氏が経営に参画。西尾氏はゲームエイトの代表取締役として引き続きリーダーシップをとりつつ、Gunosyに入社してウェブメディア「gunosy.com」の事業統括も兼任する。

西尾氏「アプリで得られてるデータをウェブメディアにも活かしていけたらと考えています。アプリとウェブの両方で成功できているところはまだありません。今後、データを見ながら、試行錯誤していけたらと考えています。ウェブのグロースチームは統合してもいいのでは、という話も出ていて、ゲームエイトとGunosyでの時間の使い方は半々くらいになっていくと思います」

と西尾氏は語る。Gunosy執行役員マーケティング本部広告事業部部長の長島徹弥氏は、「技術的なノウハウや広告のノウハウも注入できます。単にバナーを貼るのではなく、互いのユーザにとってメリットのある施策を試していきたいと思います」とコメントした。

Gunosyは、今月はじめに韓国のモバイルコンテンツ・プラットフォーム「Pikicast」を運営するPikicast社の株式を取得している。同社は今後も、投資実行を行っていく意思を明らかにしており、「Game8」のようなMAUを持つメディアは投資対象となるという。

ゲームはコンテンツの開発だけではなく、メディアや動画配信、eスポーツといった周辺環境も盛り上がりを見せている。その中で、ゲームエイトは今後どのようにアクションしていくのだろうか。

西尾氏「ゲームは音楽やファッションといった他のエンタメ領域と比較して、社会的地位が低いと考えています。ゲームエイトでは、ゲームの社会的地位を他のエンタメと同位置にまで向上させたい。

そのためには、長い間取り組んでいかなければなりません。現状は、拡大しやすいウェブメディアを運営していますが、将来的にはウェブのメディアの運営以外にも取り組む可能性はありますし、そのためのチームを作っています。ビジョンに向けて変化していけるようにしたいですね」

淡々とメディアを成長させてきた西尾氏。彼が次なるステージへと進んで、どんな成果を見せてくれるのか、楽しみだ。

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


日本のニュースキュレーションアプリ戦争に見る3つの戦略【ゲスト寄稿】

SHARE:

本稿は、グロービス・キャピタル・パートナーズのパートナーで、Chief Strategic Officer の高宮慎一氏が、同社のシニア・アソシエイトである湯浅エムレ秀和氏との共著により、Tech in Asia に寄稿した内容を翻訳したものだ。グロービス・キャピタル・パートナーズは、本稿で言及のある SmartNews や NewsPicks を運営するユーザベースに投資しているが、本稿の執筆に…

img_takamiya_02本稿は、グロービス・キャピタル・パートナーズのパートナーで、Chief Strategic Officer の高宮慎一氏が、同社のシニア・アソシエイトである湯浅エムレ秀和氏との共著により、Tech in Asia に寄稿した内容を翻訳したものだ。グロービス・キャピタル・パートナーズは、本稿で言及のある SmartNews や NewsPicks を運営するユーザベースに投資しているが、本稿の執筆にあたり秘密情報は利用していない。


newsapps_featuredimage

ニュースキュレーションは、次のモバイルポータルになる可能性があり、モバイル業界では魅力的な新境地だ。2014年から日本が見舞われているニュースアプリの戦いを見ると、この市場で勝利するには新聞戦略、マガジン戦略、プラットフォーム・フィーダー戦略の3つの方法があることがわかる。

SmartNewsグノシーは新聞戦略をとっている。NewsPicksAntenna はマガジン戦略をとり、ビジネスニュースに興味を持ち、反応に敏感な熱狂者のコミュニティを作り上げることに成功している。一方、LINE NEWS や Yahoo!ニュースは、プラットフォーム・フィーダー戦略をとっていることで有名だ。

日本市場から得られる教訓をもとに、これら3つの戦略、それらのキーとなるバリュープロポジションや主要成功要因について見ていきたいと思う。

ニュースアプリの何が凄いのか?

ニュースは誰もが毎日消費するものであるからユニークだ。したがって、PC 時代の Google や Yahoo! のような、強いモバイルポータルになるという点で、その普遍的な魅力や高いエンゲージメント・レートからニュースアプリは良いポジションにいる。2014 年には、PC よりもモバイルでニュースを読む人の方が多かった

日次ユーザ数を月間ユーザ数で割って得られるエンゲージメント・レートは、モバイルアプリがどの程度アクティブに使われているかを表すが、SmartNewsグノシーでは、その値が50%に近づいており、数百万人のユーザを持つアプリとしては、例外的に高い数値となっている。

多くのユーザと高いエンゲージメント・レートという二つの指標が、マネタイズにつながる強靭なユーザ・トラフィックを生み出している。マネタイズの一つの方法は広告だ。従来からあるバナー広告は、小さなスマートフォン画面では目立たないことが明らかだ。対して、ニュースアプリではネイティブ広告の恩恵に預かっている。ネイティブ広告は、通常コンテンツと見栄えが酷似しているため、アプリの UX に悪影響を及ぼさない。

2014年、SmartNews とグノシーは共に自社アドネットワークをローンチ、ネイティブ広告は今後数年間で年30%の成長が期待されるとして、市場はこの動きを歓迎している。

マネタイズの他の手段としては、他サービスへのトラフィック誘導が挙げられる。グノシーは2014年10月、11のサービスと提携し互いにトラフィックを誘導しあう計画を発表した。グノシーは、さまざまな層へのリーチを試みるサービスプロバイダーと共に、ユーザの興味についての多岐にわたるデータを活用する。

モバイルポータルが戦略的に重要であること、そして、巨大な利益機会が担保されていることこそが、起業家や投資家がマーケットリーダーになろうと必死になる大きな理由だ。これらの企業が同じ目標に向けて、どのような異なる方法をとっているかを見てみることにしよう。

globis1
横軸:ニュースアプリが広分野のニュースを扱ったか、特定分野にフォーカスしたかで、コンテンツの幅を表す
縦軸:ユーザが情報を受動的(読んだり、シェアしたり)または能動的(コメントしたり、まとめしたり、いいねしたりなど)に情報を扱ったかで、エンゲージメントの深さを表す

上図からは、日本でニュースアプリの戦いに3種類のプレーヤーがいることがわかる。そのうちの2種類は、スタートアップにとって効果的だ。3種類のプレーヤーと、彼らの戦略がどのように機能するのかを見てみよう。

戦略1: 新聞戦略

この戦略をとるアプリのキーとなるバリュープロポジションは、ユーザが非常に簡単かつ手早い方法で、最も人気のあるニュースが得られるという点だ。新聞戦略をとる主要なプレーヤーは、SmartNews とグノシーだ。

これらのアプリは、人気のあるニュース記事を見極めるため、Facebook や Twitter のソーシャルフィードを分析、自然言語処理技術を使ってカテゴリ別(ビジネス、スポーツ、エンタメなど)に分類し、スマートフォンに最適化された UI で表示する。また、メディア企業と提携し、単一のメディアからの記事に特化したページが開設できるようにしている。よりよいUXを実現するため、フォントの自動調整、高速キャッシュ、オフラインモード、整理されたインターフェース、直感的ナビゲーションなどの機能も提供している。

このカテゴリにおける成功要因はスケーラビリティだ。好循環が一度回り始めると、ユーザの規模もメディアパートナーの数も十分に大きなものになるからだ。次に SmartNews がどのようにスケーラビリティを築き上げたかを見てみよう。

  • 技術……SmartNews はメディア企業というより Google に近い。数千万件におよぶ記事を評価し、同社が持つ独自ランキングアルゴリズムにより、リアルタイムで人気の高いニュースを公正に検知しカテゴライズしている。コンテンツを分析し、ビジネス、エンタメ、ライフスタイルなど異なるカテゴリに分類される。
    前述したように、ユーザは整理された UI/UX を楽しむことができる。最終的にユーザの手元に届くプロダクトは、動きの速い、直感的で整理されたインターフェイスの、誰もが使えるニュースアプリだ。この点において、グノシーと SmartNews は互いによく似ている。
  • メディア提携……多岐にわたるコンテンツをユーザに届ける上で、メディア提携は非常に重要だ。SmartNews はメディアパートナーに対して、ユーザの誘導と売上の供給という2つのメリットを提供している。2014年12月現在、10社を超えるパートナーが SmartNews から月間1,000万PV 以上のトラフィックを享受している。
    SmartNews は、広告売上の40%をコンテンツプロバイダーと共有すると発表している。コンテンツプロバイダーは長年にわたり、オンラインでマネタイズすることに苦戦を強いられている。現在では、概ね100社のメディアパートナーが SmartNews と提携している。

SmartNews もグノシーも、ユーザとメディアパートナーの数が成長し続けているため、両社にとって新聞戦略はうまく機能している。投資からは信頼を(これまでに、SmartNews は4,000万ドルを、グノシーは2,400万ドルを調達)、ユーザからは熱意を(月間アクティブユーザ数は、SmartNews が現在400万人、グノシーは報道で2014年11月現在で300万人とされている)獲得している。

この戦略は日本以外でも通用するようだ。SmarNews は、ウォール・ストリート・ジャーナル・オンライン版のクリエイター Rich Jaroslovsky 氏を起用後、2014年10月にアメリカでローンチした。3ヶ月で月間アクティブユーザ数100万人を突破し、30社のメディアパートナーと提携した。どちらの数字も増加しづつけている。

戦略2: マガジン戦略

この戦略をとるアプリのキーとなるバリュープロポジションは、似た興味を持つユーザ同士のコミュニティを形成できる点だ。この戦略のチャンピオン2つは、ビジネスニュースの NewsPicks とライフスタイルニュースの Antenna だ。

いずれのアプリも、ユーザにアカウントを作成させ、他のユーザをフォローさせ、仲間のコミュニティメンバーと対話させることで、パーソナライゼーションを強調している。NewsPicks は、平均ユーザが1日あたり11分間、最もヘビーなユーザで毎日40分間アプリを使っていると発表した

主要な成功要因は、頻度と深度でユーザのエンゲージメント・レベルを高めるられるかどうかだ。NewsPicks と Antenna は、強いコミュニティを維持しユニークなコンテンツを提供することで、ユーザをエンゲージしている。

  • コミュニティ……緊密なコミュニティは、アプリを使い続けようとする動機付けになる。NewsPicks と Antenna は、ユーザにアカウントを作成させ、他のユーザをフォローさせ、好きなニュースを保存させることで、ニュースを読む体験をパーソナライズすることができる。このパーソナリゼーションは、一般の人々の興味と大きな違いがあるときに最も機能するので、両社はニッチな関心に特化しているとも言える。
    NewsPicks のユーザはニュースにコメントでき、このコメントはフォロワーのフィードに表示され、最も多くの「いいね」を得られたコメントは上位に表示される。この投票メカニズムは、ユーザに質の高いコメントを書く動機を与えている。Antenna は、好きなニュースをクリップしてもらうことでコミュニティを形成し、ユーザはそれらのニュースを集めた「クリップブック」をフォロワーと共有することができる。
  • ユニークなコンテンツ……ニュースの幅より深さで競っている両社にとって、ユニークなコンテンツは重要だ。この理由から、NewsPicks はビジネス記事を書く自前の編集部を持ち、有料ユーザに対してのみ月額1,500円で記事を提供している。
    このオリジナルコンテンツには、ビッグニュースの詳細分析、ビジネス界の卓越した人々のインタビュー、主要なビジネスの出来事の振り返りなどが含まれる。NewsPicks のアプリでユーザが書いたコメントは、他では得られないユニークなコンテンツとなっている。

戦略3: プラットフォーム・フィーダー戦略(既存プラットフォーム・プレーヤー向け)

この戦略は、既にヤフーや LINE くらい多くのユーザを抱えていない限り、たいていのスタートアップにとっては適切ではない。この戦略をとるアプリのキーとなるバリュー・プロポジションは、既存サービスの延長線上で、手間をかけずにニュースを配信できることだ。

Yahoo!ニュースも、LINE NEWS も、Yahoo! JAPAN ID や LINEアカウント でログインしてもらうことで、ユーザはニュースを検索したり、読んだり、所属するグループや友人にシェアしたりすることができる。

主要な成功要因は、既存のユーザとブランド価値を生かすために、既存プラットフォームと緊密な連携をすることである。

  • ユーザの獲得……LINE は、ユーザ獲得を実に簡単にやってのけた。5,000万人いるメッセージアプリのユーザに対し、メインメニューに機能を追加して LINE NEWS をダウンロードできるようにしたのだ。この戦略は大きな効果を表し、LINE はテレビ CM を打たずに月間アクティブユーザ数で500万人を獲得した。
    ヤフーもブランド価値と既存ユーザを活用し、月間アクティブユーザ数180万人を獲得した。LINE NEWS は、モバイルに特化していて、非常に高いアクティブ・エンゲージメント・レート(64%)のユーザを多く抱えているため、ヤフーよりも順調な推移を保っている。
  • コミュニティ……Yahoo!ニュース や LINE NEWS は、ユーザが所属するグループや友人と対話するよう促している。PC版の Yahoo!ニュースはユーザコメントの機能で知られるが、この機能はYahoo!ニュースのモバイルアプリにも導入された。
    LINE NEWS はニュースのハイライトを数行の文章で紹介し、LINE のグループや友人と共有しやすくしている。また、LINE は主に、他の人とシェアされすいゴシップ、エンターテイン面tの、ライフスタイルのニュースに特化している。

結論

こうして見てみると、モバイルポータルになれる可能性という観点から、ニュースアプリは戦略が極めて重要ということがわかる。日本におけるニュースアプリ戦争は、この市場を勝ち取る上で新聞戦略かマガジン戦略のいずれかを取るべきだということを教えてくれた。この戦いはまだ終わりを迎えておらず、2015年はさらなる進展が期待される。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


Gunosyが「グノシー」に変わるまで、それと共同創業者「きむしん」が眺めてる未来の話

SHARE:

朝、7時30分頃。私のメールボックスに今朝もまた一通のメールが届く。 個人ブログやニュース、2ちゃんのまとめ記事。パーソナル「ロボット」Gunosyは毎日、淡々と私が興味のありそうな話題を届けてくれる。私はそれを横目でちらりとチェックしてロボットの精度を評価する。 昨日は当たり、今日は外れ。 Gunosyを最初に知ったのは2012年6月。江口晋太朗くんが書いたこの記事が私と彼らの最初の出会いだった…

gunosy_featuredimage

朝、7時30分頃。私のメールボックスに今朝もまた一通のメールが届く。

個人ブログやニュース、2ちゃんのまとめ記事。パーソナル「ロボット」Gunosyは毎日、淡々と私が興味のありそうな話題を届けてくれる。私はそれを横目でちらりとチェックしてロボットの精度を評価する。

昨日は当たり、今日は外れ。

Gunosyを最初に知ったのは2012年6月。江口晋太朗くんが書いたこの記事が私と彼らの最初の出会いだった。人間とコンピューターが追い求めてきた「情報を見つける」手法は、米Yahoo!による人力ディレクトリからGoogleのページ・ランク、Amazonのレコメンド、facebookのソーシャル・グラフと発展し、またその次の一手を模索している。

Gunosyの情報検索の思想は最初から100%ヒットを狙って「いない」のが特徴だ。ソーシャル・グラフからユーザーの興味を読み解き、25本の「近い」情報にまとめる。その情報に触れた人間は、そこに散りばめられているキーワードから起想するクエリを使って次を検索する。ロボットと人間による情報検索のハイブリッド・システムのような印象だった。

でも、このGunosyは後に「グノシー」へと変化する。なぜなら、そうしなければ生き残ることはできなかったからだ。

「きむしん」と大学生の出会い

IMGP8674

木村新司氏を説明するのはすごく難しい。

経歴を追いかけると、東京大学の理学部を卒業後、ドリームインキュベーターにて事業コンサルタント、シリウステクノロジーズを経て、2007年3月にアドテクのアトランティスを立ち上げている。

私が出会ったのはそれから2年後ぐらいで、当時すでにSEO事業から無料のアドサーバー「AdLantis」へと事業をシフトさせており、その後スマートフォンの波に乗ってグリー子会社化へと突き進むことになる。

彼を取材する時、私はいつも以上に準備をしていかない。彼は現実的でありテクノロジストだから、合理的な質問をしても理路整然とした回答しか引き出せない。できるだけ揺らしてやろうと裸で臨むのだがいつも失敗している。

そんな彼のことを周囲の起業家や友人たちは親しみを込めて「きむしん」と呼ぶ。

Gunosyを開発した福島良典氏、吉田宏司氏、関喜史氏と「きむしん」が出会った頃の話を彼に聞いたことがある。ちょっと興奮しながら、初めて出会って食事した時のこと、Gunosyっていう名前はいかがかなと改名を要求したこと、1億円近い資金を投入すると即決したことーー数年前の話を、昨日のことのように振り返る。

冒頭のインタビューにもある通り、福島氏ら学生3人は当初、このサービスを拡大させる気はあまりなかった。

「3人とも現在大学院の修士2年だ。進路も就職の内定が決まっているそうで、現在のところGunosyの法人化などは特に考えていないとのことだった。純粋にデータマイニング研究としてのサービスを考えており、どこまでもユーザ視点でサービスを考えている」(記事より引用)。

参考記事:情報の新しい流れをつくりたい–東大のエンジニア集団が立ち上げた次世代のマガジンサービスGunosy(グノシー)

しかし彼らは出会ってしまった。

そして2012年11月、Gunosyは法人としてこの世に生まれることになった。

アドテクとの融合

IMGP0692

Gunosyとは一体何なのか?ーー私はこのことについてしばしば木村氏と意見を交換していた。確かに便利だ。ニュースを毎朝ロボットが届けてくれる。思いもよらなかったキーワードの「気づき」を与えてくれる。

でも、これがビジネスになるのか?

やはりその答えは木村氏が持っていた。いや、元々そういうアイデアがあったと考える方が正しいだろう。つまり、彼の主戦場であるアドテクだ。少し過去のインタビューを引用する。

「Gunosyはディマンド側(注:広告主側、枠を買う人)とメディア側のちょうど中間点に存在して、メディアの代わりにユーザーの情報を切り分けてディマンド側に教えてあげることができるんです。

DSPもSSPもまだまだ発展途上です。現時点でディマンドサイドは安く効率的な購入が可能になってきました。一方でメディア側は読者の属性データを十分に出せてないため、ただただ効率よく切り取られていくばかりになってしまっている。

(今回のGunosy Adsの高パフォーマンスは)本来はSSPがDSPにもっとしっかりと情報を出せば「安く買われる」ということがなくなるんだ、という証明のようなものだと思ってます。

メディアの提供するニュースから人の興味が理解できる立ち位置ですから、ニュースサイトを持っているメディアに代わって最適な広告表示をしたり、という可能性はありますね」(記事より引用)。

参考記事:Gunosyは単なるニュースアグリゲーターではないーー共同代表の木村氏に聞く「Gunosyの正体」(前半)

gunosy.co_.jp_downloads_salessheet.pdf-2

彼はアトランティス時代から常々、アドテクにはメディアの歩み寄りが必要不可欠と考えていた。しかしアドテクは非常に複雑だ。多くの小規模メディア側にしてみたら、高いコストを払って専属の人員を配備するよりも、代理店に任せて言われるままにタグを貼り付ける方が現実的なのだ。結果、広告のマッチング精度は著しく落ちる。

メディア側が広告側にこれないなら、自分から行く。

Gunosyがアドテクを持って且つ、メディアとなる。広告主と媒介するメディア、そして読者というすべての要素をコントロールする姿はそう、王者ヤフージャパンの姿と重なる。彼はスマホ時代のそれを目指したにすぎない。

結果、Gunosyは早々に毎月億単位の売上(※)を作ることに成功する。

※直近の平成26年11月の第二半期の売上高は12億7700万円

Gunosyから「グノシー」への羽化、そしてバトンタッチ

15576841609_731d7a4d4a_z

「まあいいんですよ。形になったんで」。

共同代表の「木村新司」から共同創業者の「きむしん」に戻った顔で、彼は少しだけ寂しそうにこう漏らす。

彼が共同代表を降りることになった理由は明確にはわからない。私が取材で得た幾つかの関係者の話を総合すると、グリーに売却した事業とGunosyでの事業がなんらかのコンフリクトを起こしたことは間違いなさそうだ。事実として彼がグリーに売却したアトランティス(その後社名をGlossomに変更)が提供していたアドテク事業「AdLantis」は3月末日付でバリューコマースに譲渡されている。もう彼の軌跡はグリーには残っていない。

ただ彼が代表を降りた経緯、その後の顛末、当然どれも彼の口から語られることはない。彼は2014年10月からシンガポールに移住して、一人の株主として遠くからGunosyの成長を眺めている。

Gunosyに変化が起こったのはどうだろう、2014年2月のインターフェース変更あたりだろうか。ロゴが武骨なGのフォントから軽やかな飛行機マークに変わり、アプリのコンテンツはどちらかというと読みやすい話題やゴシップ、ネタ的なものが増えていった。サービスの表記にもGunosyからカタカナで「グノシー」が添えられるようになったのもこの頃だ。

初期ビジネスが広告である以上、彼らには幅広いリーチが求められる。テレビCMも開始し、お茶の間に流れるニュースアプリ「グノシー」は2015年2末時点で886万ダウンロードを獲得した。更にリーチを広げるためにニュースだけでない、ポータルの構想も立ち上げた。

もちろん少し寂しさはある。結果、私はアプリの対象ユーザーから外れたし、似たようなアーリー・アダプターたちはその変化を嘆き、ある人は攻撃的になった。あの日のGunosyを返せ、と。

ただ実はGunosyはそのまま動き続けている。冒頭の通り、あの「ロボット」から配信されるおすすめの25本は、今も何も変わっていないのだそうだ。(少なくとも昨年福島氏らに聞いた時はそう答えてくれていた)

こうして学生が発明したレコメンドエンジンとしての「Gunosy」は、一人の起業家の力を加え、スマホポータル・メディアとしての「グノシー」に羽化を果たした。

そして4月28日の今日、彼らは上場した。

きむしんが眺める未来

IMGP2858

「結果的に、なんですけれど一度(共同代表を)離れたことで大きな視野で考えられるようになりましたね」。

少し前、都内で帰国中の木村氏と1時間ほど会って話することがあった。

これでかれこれ6年ほど彼を取材していることになるのだが、その表情は現場の時とあまり変わっていない。ただ、常に緊張感を持ってスタートアップのトップを張ってた時よりはいくばくか柔らかかった。少しふっくらしてたのは気のせいだろうか。

会話は後進起業家の育成の話題から始まった。

「まず、大きな会社を作ってみせる、というのが大切だと思うんです。会社って戦略だけじゃなくて運営力も問われる。2年前は福島たち役員陣も大学卒業したての『お兄ちゃん』だったわけじゃないですか。(そんな彼らでもできる)経営の仕組みを提供すること、それをやったことのある経験あるVCが増えること、これが後進育成に大切なんじゃないかなって。

大きなテーマを与えることも大切。VCは短い期間でファンドをイグジットしないといけない仕組みなので、どうしてもキャッシュフローを見過ぎてしまう。エンジェルが増えて、資金の投下量が増えないと、今はいいですよ、今後、人工知能だったり自動運転車だったり息の長い事業で起業家が無理できない状態になってしまう」。

ずっと抱えている少子高齢化、エネルギーの問題に日本がどう立ち向かうか。起業家という人種はある意味「捨身」で新しい産業を生む原動力になってくれる。彼が福島氏ら学生と出会い、数億円の個人資産を投入したのは、ルールの決まっているファンドや借金といった仕組みでは彼らを開花させることが難しいと考えたからだ、という。

木村氏は彼らを育て、数年で大きなステージに持ってくることはできた。ではこの先に彼は何を見ているのか。

「ニュースのようなユーザーの入り口になる場所はこれからも押さえていきます。けど、本当に重要なのはそこを入り口にする基幹産業なんです。例えばGrabTaxi(アジア圏のUber系サービス)のようにスマートフォンを入り口に別の事業が動きだす。こういう太い事業に投資していく。そうやって既存産業を変えていくのが次の仕事だと思ってます」。

これから先、どうやって仕事を作っていくかというのは本当に大きなテーマだと思う。国内だけでなく、成長著しいアジアの風を実際に移住することで感じている彼は、何を効率化すれば、どういう事業が生まれるのか、どれだけの雇用が生まれるのか、そういう視点を持っていた。

もちろん、その入り口にはスマートフォンとGunosyがある。

彼はネットと既存産業の融合には、より安価で使いやすいインターネット・インフラが更に重要性を持つとも何度も語っていた。それはfacebookが主体となって推進する空からのインターネット配信プロジェクト「Internet.org」に通じる部分もある。

彼にいつまた起業家として現場に復帰するのかと尋ねたところ、ふっと苦笑いしながら「1年後ぐらいかな」と返してくれた。

彼の再始動を楽しみに待ちたいと思う。

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


【追記あり】Gunosy、東証マザーズ上場へ

SHARE:

情報キュレーションサービスのGunosyは東京証券取引所への新規上場申請を実施し、3月24日承認された。上場予定日は4月28日で、証券コードは6047となる。市場区分はマザーズ。350万株を公募し、241万株を売り出す。(オーバアロットメントは88万6500株)。主幹事は野村證券が務める。 価格の仮条件は4月8日に決定し、ブックビルディングの期間は4月20日から4月23日までとなっている。価格決定…

gunosy_featuredimage

情報キュレーションサービスのGunosyは東京証券取引所への新規上場申請を実施し、3月24日承認された。上場予定日は4月28日で、証券コードは6047となる。市場区分はマザーズ。350万株を公募し、241万株を売り出す。(オーバアロットメントは88万6500株)。主幹事は野村證券が務める。

価格の仮条件は4月8日に決定し、ブックビルディングの期間は4月20日から4月23日までとなっている。価格決定は4月17日。平成26年5月期の決算は売上高が3億5900万円で、経常損失は13億6500万円。直近の平成26年11月の第二半期の売上高は12億7700万円で経常損失は3億円となっている。

主要株主と所有株式比率は木村新司氏が41%、KDDIが16(16.93)%、ジャフコが10%、B Dash Venturesは4%、East Venturesが0.7%となっている。福島良典氏、吉田宏司氏、関喜史氏ら創業メンバーは共に3(3.53)%となっている。

創業当時の福島良典氏、関喜史氏、吉田宏司氏

Gunosyの設立(サービス開始)は2011年10月。当時東京大学の学生だった福島良典氏、吉田宏司氏、関喜史氏らが開発したニュースキュレーションエンジンがベースとなり、翌年11月に法人設立。2013年1月にiOSアプリ「Gunosy」をリリースし、国内でのニュースキュレーションの先駆けとして同カテゴリを牽引した。

参考記事:情報の新しい流れをつくりたい–東大のエンジニア集団が立ち上げた次世代のマガジンサービスGunosy(グノシー)

2013年10月には当時エンジェル投資家としてGunosyの初期立ち上げを牽引した元アトランティスの木村新司氏が共同代表として参加。木村氏が得意とする広告事業をGunosy上で開始し、上場の足がかりとなるビジネス構築を実質的に指導した。

左から福島氏、木村新司氏、竹谷祐哉氏

参考記事:Gunosyは単なるニュースアグリゲーターではないーー共同代表の木村氏に聞く「Gunosyの正体」(前半)
参考記事:日本にもGoogleのようなテクノロジー企業が必要ーー共同代表の木村氏に聞く「Gunosyの正体」(後半)

2014年3月にはKDDIから、その3カ月後となる6月にもKDDIおよびジャフコからそれぞれ12億円の資金調達を実施し、主にTVCMなどのマーケティング施策で利用者数を伸ばし、2015年2末時点で886万ダウンロードを獲得している。また、昨年末の11月にはポータル構想を発表して次の事業展開を目指すとしている。

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


Gunosyの新コンセプトは”5000万人都市構想”、スマホ時代のポータルを目指す新サービス「Gunosy Platform」を12月に提供開始予定

SHARE:

Gunosyが本日事業戦略発表会を開催した。400人ほどの関係者が参加する中、Gunosyは新たなコンセプト「5000万人都市構想」、として新サービス「Gunosy Platform」と提携モデル「G Development」を発表した。 Gunosyは現在、700万ダウンロード、提携媒体が200以上となっており、提携媒体の中には月間100万PV以上をGunosyから送客できているものも複数存在し…

gunosy 1

Gunosyが本日事業戦略発表会を開催した。400人ほどの関係者が参加する中、Gunosyは新たなコンセプト「5000万人都市構想」、として新サービス「Gunosy Platform」と提携モデル「G Development」を発表した。

Gunosyは現在、700万ダウンロード、提携媒体が200以上となっており、提携媒体の中には月間100万PV以上をGunosyから送客できているものも複数存在している。DAU を MAU で割ったもので算出しているというGunosyのアクティブ率は、現在46%となっているという。

1年ほど前からスタートしている「Gunosy Ads」は、広告主の数が過去3ヶ月で400社以上となっているという。この広告については、Gunosy経由での予約、購買などのコンバージョンが100万回数を超えている、とGunosy 代表取締役の福島良典氏は語る。

5000万人が過ごす「スマホポータル」という都市

Gunosyは新サービス「Gunosy Platform」で、スマホ時代のポータルを目指す。Gunosyは、スマホポータルをただ情報が集まるだけの場所ではなく、スマホ時代における実生活の行動基点として再定義している。

福島氏「スマートフォンの登場により、Uberのように生活に近いサービスが登場するようになりました。その一方で、一人のスマートフォンユーザが一年間にダウンロードするアプリ数は7、8個からだと言われ、一ヶ月に10回以上使うアプリは9個だと言われています。スマートフォンで可能なことは増えている一方で、使いこなせている人は多くありません。

そこで私たちが考えた新しいコンセプトは、「5000万人都市構想」です。都市が様々な企業や店舗を誘致するように、Gunosyをスマホポータルにして、Gunosy上に様々な企業パートナーを誘致し、人々はGunosyに訪れてもらうことで、Gunosy上で様々な魅力的なサービスを体験してもらおうというものです。」

gunosy 2

Gunosyでは、スマホシフトが進む中で、有名な消費行動モデル「AISAS」における「Search」の部分の存在価値が揺らいでいると考えている。消費者がある商品を認知し、関心をもった後、検索画面をスマホで立ち上げて検索しているうちに、当初探していた商品と異なるものに行き着いてしまっていることがあるのでは、と考えているのだ。

「Gunosy Platform」では、こうした機会の損失をなくしていく。

スマホポータルを目指す「Gunosy Platform」

発表された新サービス「Gunosy Platform」では、ユーザがGunosy内で気になった商品があったとき、そのまま購買や予約といった決済行動をスマホに最適化した形で可能にする。ニュースのキュレーションのみならず、Gunosy上で情報を届け、興味を喚起し、行動を促すところまで実現するサービスを目指す。

「Gunosy Platform」では、1年後のアプリのダウンロード数の目標を2000万としており、メディアに送客するPVは100メディア以上に500万PVを目標としている。新サービスの大事な点である提携企業においては、500会社を目指し、「Gunosy Platform」で行われる取引件数は25万件を目指しているという。

これまでGunosyのチャンネルはニュース記事などRSSを吐き出しているところだけに限定されていた。今回のGunosyのプラットフォーム化により、Gunosy上でアクションが可能になる。「Gunosy Platform」に参加するパートナーとの提携モデルは、「G Development」と名付けられている。第一弾として11企業14サービスの参加が決定しており、チャンネルに参加する。

g development

ユーザはチャンネルからサービスを選択し、その中で様々なアクションが可能になる。たとえば、DeNAトラベルのチャンネルではGunosy上で旅行の閲覧、検索、予約が可能になったり、RECLOのチャンネルではGunosy上ですぐ商品の購入に移ることができるようになる。将来的には、記事閲覧との融合を目指しているという。

今後は一度ユーザがチャンネルをフォローすると、そのチャンネルからのメッセージを受け取ることが可能になる。Gunosy上でサービスとユーザがコミュニケーションを行うことなども生まれそうだ。

ユーザのボリュームが大きくなってきたからこそ、Gunosyは今回のような新しいコンセプトを打ち出すことが可能になった。スマートフォンの普及と利用はまだまだ進むと考えられる。スマホによって人々の行動がどう変わっていくのかには興味がつきない。Gunosyの新サービスは人々にどのような変化をもたらすのだろうか。

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録


スマートニュースに集まる人材、メディア関係強化に務めるーー9月に動いたスタートアップ人材たち

SHARE:

今月も(8月15日から9月16日までのニュース)気になった国内外スタートアップの人の動きをまとめた。少しこの期間とはズレるが、やはり大きな話題になったのはスマートニュースの人材獲得だろう。元ハフィントンポスト日本版の編集長だった松浦茂樹氏が移籍を発表した。 実はこの前にも同社は元米国コンデナスト(関連するが松浦氏も以前、コンデナスト・デジタル、現コンデナスト・ジャパンに在籍していた)事業開発担当の…

smartnews_2

今月も(8月15日から9月16日までのニュース)気になった国内外スタートアップの人の動きをまとめた。少しこの期間とはズレるが、やはり大きな話題になったのはスマートニュースの人材獲得だろう。元ハフィントンポスト日本版の編集長だった松浦茂樹氏が移籍を発表した。

実はこの前にも同社は元米国コンデナスト(関連するが松浦氏も以前、コンデナスト・デジタル、現コンデナスト・ジャパンに在籍していた)事業開発担当の人物がメディアリレーションの役割に就いている。

それ以外の人事に関してもやはりパートナーメディアとの関係強化に関わる担当の強化が目立つ。先日も元グリーの渡部拓也を獲得するなど、まだまだ同社の人材強化はしばらく続きそうだ。一方、本誌では継続取材中のため、記事としては取り上げなかったが、Gunosy(グノシー)の共同代表だった木村新司氏が経営陣から外れたことが報じられていた。本件については改めて時がくればお伝えしたい。

フレッシュな顔ぶれも話題になった。クラウドソーシングで業界を牽引するクラウドワークスを創業期から牽引したひとり、成田修造氏が執行役員から正式に取締役に就任した。学生起業家でもあった成田氏が歩んだ道のりは濃厚で、早い時期に起業を志す人材がどのような経験を必要とするのか、大変参考になる。

ベテランのタレント勢ももちろん元気だ。特に頓智ドットの人材は7月にマナボへ参加した近藤純司氏に引き続き、元COOだった佐藤僚氏が成長株のスタートアップへ参加した。ここでもまたベテランと若手のコンビが生まれたことになる。こういうチームバランスは他のスタートアップでも散見されるので、今後の躍進に期待がかかる。

beatrobo

そして世界的にも驚きが大きかったのが元Angry Birds、Rovio Entertainment日本カントリーマネージャーだったAntti Sonninen氏のBeatrobo参加だろう。この記事(※英語版)は海外からのアクセスも多く、「Plan BCD」運営のKAIZEN PlatformがCOOにグローバル人材を据えたのと同様、企業の要に世界展開を可能にする人事を実施したBeatroboの海外戦略を明確に内外に示した形となった。

不安定な起業だからこそ参画までに「慣れる」仕組みが必要

スタートアップに創業メンバー以外で参加するというのは想像以上にリスクが高い。報酬やストックオプションなどの条件もさることながら、不安定な精神状況で模索し続ける精神的な苦痛は、打開できた際の喜びが大きい分、ゴールが見えなくなった時の失望感は筆舌に尽くし難い。

sankaku

このギャップを埋める方法がいわゆるインターンなどの「ならし運転」だ。Wantedlyなどのように入り口の敷居を低くしたものは増えたが、リクルートのサンカクのように「就職しながら経営参加」という明示は珍しい。類似サービスにスタートアップのCombinatorがあるが、サンカクに比較するとややメッセージが不鮮明だったかもしれない。

9月のスタートアップ・テクノロジー人材まとめの話題の最後はこの一本で締めさせていただこう。新体制になっても、社名が変わっても、出身者がどんどんスタートアップに流出していったとしても、このアイデンティティはオリジナルのまま永遠に持ち続けて欲しいと願う。

BRIDGE Members

BRIDGEが運営するメンバー向けイベント「Tokyo Meetup」では新サービスの紹介やノウハウ共有などを通じて、スタートアップと読者のみなさんが繋がる場所を提供いたします。メンバー登録は無料です。
  • BRIDGE Canvasの購読
  • メンバー向けDiscordご招待
  • BRIDGE Tokyoなどイベントご招待
無料メンバー登録