THE BRIDGE

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小さなストーリーの時代がやってくる

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後数時間で2019年、もっと言うと2010年代が終わります。 今年を振り返り、スタートアップシーンを取材する側として気がついたことのひとつに「ストーリーテリングの力」があります。サービスや商品がコモディティ化し、差別化が難しくなった現代において物語による巻き込みは長らく王道のPR手法です。 それがスタートアップシーンにもやってきた、ということは言い換えれば、このイノベーションの最先端においても差別…

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色々あって幻になったBASE5周年記事のカット

後数時間で2019年、もっと言うと2010年代が終わります。

今年を振り返り、スタートアップシーンを取材する側として気がついたことのひとつに「ストーリーテリングの力」があります。サービスや商品がコモディティ化し、差別化が難しくなった現代において物語による巻き込みは長らく王道のPR手法です。

それがスタートアップシーンにもやってきた、ということは言い換えれば、このイノベーションの最先端においても差別化が難しくなりつつある、ということの裏返しです。もうちょっと言うと差別化だけでなく、あまりにも複雑になったテクノロジーの言語化がさらに困難になっているという側面もあるのです。

当たり前ですが聞こえのよい偽りのストーリーで消費者を欺くということではありません。強い起業家というのは元来、物語を持っているものです。それを言語化し「それの何が世界を変えるのか」を表現する。分かりにくくなりつつある境界線を、共に戦う仲間や消費者に正しく届けることが重要なのです。

<参考記事>

11月にBRIDGEはリニューアルに合わせてPOSTというプロジェクトを立ち上げました。起業家が自分の言葉で世界を物語化し、小さなストーリーを重ねる。一人称でありながら宣伝に終わらず、共感を得られる情報とする。これらの取り組みを通じ、この重要性が来年以降も続くであろうことを確信しました。

来年以降もスタートアップに寄り添った情報の提供のあり方を考えて、コミュニティに貢献していきたいと思います。

と、ここでひとつストーリーに関してお知らせを。2014年の春から36回に渡って連載し、2017年末で休載していた「隠れたキーマンを調べるお」を復活させることにしました。スタートアップにとって組織や経営陣の重要性が高まる中、シーズン2として再開する調べるおにぜひご期待ください。以下はEast Venturesフェローで、連載を担当してもらっている大柴貴紀さんからのメッセージです。

以下、大柴さんのコメント。

「隠れたキーマンを調べるお」の更新が滞って一年が経ってしまっていた2018年末、平野さんから「平成も終わるので、一旦締めましょう」と連絡がありました。たしかに一旦締めるのもアリだなと思い、2回に渡る「完結編」を書いてちょうど一年です。

久しぶりに平野さんから連絡をもらって会った日のこと。

「今年はどんな一年でしたか?」と聞かれて考えたんですが、やはりEast Ventures(以下、EV)加入直後から担当していたBASEの上場が一番大きなトピックだったように思います。

EVに加入してもうすぐで丸6年が経ちます。20代前半のメンバーが試行錯誤してサービスを運営していたBASEは、今や100人を超える社員数を誇り、そして東証マザーズへ上場しました。その成長過程を近くから見ることができたのは、僕にとっても大きな経験になりましたし、とても感謝しています。

2014年春。あの頃はフードデリバリー事業をやっていて、自らも配達員として駆け回っていた堀江(裕介・dely代表取締役)くん、当時EVのインターンで、直後にアメリカに渡り起業した内藤(聡・Anyplace創業者CEO)くん。6年が経ち、みんなとてつもなく成長してるし、成功への第一歩を築きつつあります。

そんな起業家達の日々のストーリーを見ることができるのは楽しいし、彼らがステップアップしていくのは素直に嬉しいです。

しかし、彼らが一番すごいのは「継続する力」だと思ってます。経営は楽しいことや嬉しいことだけではありません。苦しいことや悲しいことの方が多いかもしれない。そんな毎日を粛々と耐え、改善し、成長に繋げていく。その「継続力」に僕は敬意を払っています。

そして同時に、この起業家の「長旅」に寄りそう同伴者は必ずいます。楽しいときも苦しいときも起業家に寄りそい、共に乗り越える同伴者。その同伴者は得てして表に出てきません。やはり僕はその「同伴者」にスポットを当てたいし、それを望む声も地味に多いのです。

平野さんから「また何かやりましょう」と言われた際、いくつかのアイデアは浮かんだんですが、やっぱり「それならば『隠れたキーマン』を再開するのがよい気がします」と伝えました。

ということで、約2年のブランクを経て、2020年『隠れたキーマン』再開します!

2020年もBRIDGEをどうぞよろしくお願いします!

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広報自ら率先して活動、背中で「らしさ」見せた:#スタートアップPR ベスト事例(5)スマイルズ【リレー】

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年末企画としてスタートしたスタートアップのPR事例を称揚する「スタートアップPRベスト」。前回のプレイドで広報を担当されている櫻井友希代さんからご推薦いただいたのは「SoupStock Tokyo」やネクタイ専門店「giraff」などでおなじみのスマイルズさんです。 と、ここで残念なお知らせが。本企画は「外部のリスク資本を受けて積極的に成長を求める」、いわゆるスタートアップが対象だったため、ここで…

年末企画としてスタートしたスタートアップのPR事例を称揚する「スタートアップPRベスト」。前回のプレイドで広報を担当されている櫻井友希代さんからご推薦いただいたのは「SoupStock Tokyo」やネクタイ専門店「giraff」などでおなじみのスマイルズさんです。

と、ここで残念なお知らせが。本企画は「外部のリスク資本を受けて積極的に成長を求める」、いわゆるスタートアップが対象だったため、ここでバトンは終了となります。

<参考記事>

ただ櫻井さんの知見でスマイルズさんの素晴らしい活動を知ることは、スタートアップPRでも大いに役立つはずですので、推薦のコメントをこちらに掲載させていただきます。

櫻井友希代さんの推薦理由:バトンが最後なので「番外編」として推薦のコメント掲載させていただきます。

なぜ私がスマイルズさんを推薦したのかというと、コンサルティング事業を含めた社内外の業態開発が活発で次々と事業やブランドが生まれており、スタートアップのいわゆる「第二創業期」にも近い環境ではないかと想像しているからです。

2017年春、自社の複業解禁の気運や流れを“社長も複業の時代!?”というタイトルとともに「プレスリリース先行」で作り出したという話を聞いたのが、スマイルズさんに注目するきっかけでした。プレスリリースを出すことによって働き方文脈での取材や講演会の機会を創出、既成事実化し、社内を巻き込むというのはある種の「力技」で、経営だけでなく各事業部や社員と、日頃の信頼関係があるからこそできる仕事だと思います。

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働き方改革や社員の複業について時流が盛り上がった2017年、たくさんのメディアに露出したスマイルズの新サービス

また、スマイルズさんの今年の動きに関しては、2つ印象に残っています。一つは、創業時からスマイルズを牽引してきた遠山社長というカリスマ性のあるファウンダーに続き、クリエイティブディレクターの野崎亙さんの登壇や出版などの露出が増えたことです。

強いカルチャーを持つ企業では、社長以外の人物を立たせることがなかなか難しかったりもしますが、野崎さんが手がけられた「文喫」や「100本のスプーン」(リブランディング)などのヒットを上手に活用し、露出を増やされています。このように会社の「顔」となる社員を増やす動きは、スタートアップが第二創業期に移行した際の広報としても非常に参考になると思います。

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コドモたちとつくる公園プロジェクト

今年印象に残った2つ目が、「100本のスプーン」というスマイルズ流の「ファミレス」業態があざみ野で行った「コドモたちとつくる公園プロジェクト」でした。

こちらは当初、「公園を作る」という目的に向かって社外の設計事務所とともに事業部内でプロジェクトが動いていたそうですが、概要を聞いた広報チームが「もっと100本のスプーンとしてやる意義を作りにいきたい、プロセス自体にそれを組み込めないだろうか」と考えて現場と議論し、結果的にプロジェクト自体のオーナーシップを広報が持って進めたそうです。

「なんか違う、うちらしくない」と横から口を出すのは簡単です。そして、人も事業も増え企業が成長していく中で、「プレイドらしさ」「スマイルズらしさ」など、その企業やブランド「らしさ」を保ち、企業の振る舞いに浸透させていくのはなかなか難しいことです。

「コドモたちとつくる公園プロジェクト」は、そのアウトプット自体ももちろん素敵でしたが、広報自ら率先して動き、社員に対して背中で「らしさ」見せたというプロセスにも共感し、たくさん学ばせていただきました。

ーーーーー

ということで、広報チームのリーダーシップが印象に残ったスマイルズさんがスタートアップPRのベスト事例「番外編」となりました。

いかがだったでしょうか。

スタートアップPRの重要性は最初の記事で書いた通りです。どの事例もそうですが、一方的なパブリシティ活動の最大化で評価されている企業はひとつもありません。ニュースバリューが弱く、メディアリレーションズ一辺倒の戦略では前進できない点を、さまざまなチャネル、コミュニケーションアイデア、社員協力体制を組んで突破されています。

スタートアップPR活動について悩みを持つ経営者、担当者のみなさんにとって参考になれば幸いです。

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ミッションに紐づいた言語化が「全員PR」を促進:#スタートアップPR ベスト事例(4)プレイド(KARTE)【リレー】

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年末企画としてスタートしたスタートアップのPR事例を称揚する「スタートアップPRベスト」。前回のピースオブケイクでPRを担当されている森本愛さんからご推薦いただいたのは顧客体験プラットフォーム「KARTE」を展開されているプレイドさんです。森本さんはどの活動に心を動かされたのでしょうか? <参考記事> 感情をぶつけた表現が感動に繋がる: #スタートアップPR ベスト事例(1)ミラティブ【リレー】 …

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話題となったissue採用

年末企画としてスタートしたスタートアップのPR事例を称揚する「スタートアップPRベスト」。前回のピースオブケイクでPRを担当されている森本愛さんからご推薦いただいたのは顧客体験プラットフォーム「KARTE」を展開されているプレイドさんです。森本さんはどの活動に心を動かされたのでしょうか?

<参考記事>

森本愛さんの推薦理由:プレスリリースやオウンドメディアでの発信、あらたな採用手法、大型カンファレンス。プレイドは情報発信の量が多いことはもちろんですが、すべてがミッションとひもづけられて当事者の言葉で伝えている点がすばらしいと感じました。

資金調達やオフィスの移転、ロゴの変更といった成長期のスタートアップであれば、かならず通る道も「お知らせ」にとどまるのではなく、自分たちの考え方やこだわりを伝える格好のチャンスにされています。資金調達では代表インタビュー、ロゴ変更ではデザイナー自身の言葉で、丁寧に発信されていました。

<参考記事>

「KARTE」の特徴である「拡張性」も、”完成しない”がコンセプトのオフィス移転やissue採用の取り組みで体現され、かつきちんと言語化されています。いつもネーミングも絶妙だなぁとうなっています。いいネーミングはひとりでに歩きだしてくれるので、大事なポイントですよね。

<参考記事>

PRだけでなく、さまざまな職種の社員が自分ごととして発信している姿から、社内が一丸となっていることがうかがえます。土台がきちんと固まっていないうちに社外への発信だけを増やしても意味がないので、プロダクトのよさ、社内のコミュニケーションを磨き上げることが大切だと改めて教わりました。

ほかにも大型カンファレンスの「CX DIVE」や紙で発刊している「XDマガジン」。いずれも自社の短期的な利益には直結しないものの、長期的にCXの概念を引き上げていく、業界自体の地位を上げていく施策です。これらへの投資は大きなチャレンジだと思いますが、目指しているものが明確だからこそ、すべてのコミュニケーションに一貫性があるのだと感じます。

ーーーーー

ということで、ミッションに紐づいた言語化でPRを促進させたプレイドさんがスタートアップPRのベスト事例、4件目となりました。そして次はなんと最終回。このプレイドさんで広報を担当されている櫻井友希代さんからご推薦をいただいたスマイルズさんにバトンをお渡しいたします。

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企業や個人の想いを届ける新しいPRの選択肢:#スタートアップPR ベスト事例(3)ピースオブケイク(note)【リレー】

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年末企画としてスタートしたスタートアップのPR事例を称揚する「スタートアップPRベスト」。前回のグッドパッチ経営企画室、高野葉子さんからご推薦いただいたのはnoteが好調なピースオブケイクさんです。高野さんはどの活動に心を動かされたのでしょうか? <参考記事> 感情をぶつけた表現が感動に繋がる: #スタートアップPR ベスト事例(1)ミラティブ【リレー】 社内に目を向けた情報発信で強い組織を表現:…

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年末企画としてスタートしたスタートアップのPR事例を称揚する「スタートアップPRベスト」。前回のグッドパッチ経営企画室、高野葉子さんからご推薦いただいたのはnoteが好調なピースオブケイクさんです。高野さんはどの活動に心を動かされたのでしょうか?

<参考記事>

高野葉子さんの推薦理由:スタートアップPRに求められる、戦略性、ビジネスへの貢献、共感性。ピースオブケイクさんはいずれも満たしている数少ない事例だと考え、今回推薦させていただきました。

ピースオブケイクさんの”だれもが創作をはじめ、続けられるようにする。”をミッションを体現するプロダクト「note」を取り巻く2019年のPRは、自社やサービスを誇張することもなく、等身大の姿を適切な温度感で伝え、ステークホルダーとの関係づくりをされていました。

<参考プレスリリース>

「左ききのエレン」のドラマ化決定、UUUMさんやテレビ東京ホールディングスさんとの資本業務提携、土屋鞄製造所さんや幻冬舎さんなどと連携した数々のアワード。「note pro」開始後は、キリンビールさんや文藝春秋さん、三井住友銀行さんなど、領域を超えた企業がブランディング、リクルーティング、販促、ユーザーコミュニケーションなど、様々な目的で利用する企業が500社超にまで増加したそうです。

そうしたPublic Relationsの本質を突いた施策の数々は、心地よい体験を通した関係性の構築だけでなく、企業や個人の想いを届ける新しいPRの選択肢として大きく寄与していたように思います。

また、これ以外にもたくさん丁寧な情報発信をたっぷりされていて、読んでいるだけで楽しいプレスルームも大きな特徴です。

ーーーーー

ということで、社内に目を向けた情報発信で強い組織を表現したピースオブケイクさんがスタートアップPRのベスト事例、3件目となりました。次はこのピースオブケイクさんでPRを担当されている森本愛さんからご推薦をいただいた、プレイドさんにバトンをお渡しいたします。

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2019年「この採用スライドがすごい」11選+1 #スタートアップPR

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今年のスタートアップを「PR」という側面で振り返ると、いよいよ情報戦が激化してきたな、という印象がありました。特に優秀な人材の採用は各社奪い合いの色が濃くなり、入る側も受け入れる側も双方失敗したくない、という思いから、あの手この手でマッチング精度を上げようとされています。 そのひとつのアウトプットが「採用スライド」です。元祖はSmartHRのこちらの採用スライドで、オープン過ぎる情報発信に共感が集…

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Photo by Ylanite Koppens on Pexels.com

今年のスタートアップを「PR」という側面で振り返ると、いよいよ情報戦が激化してきたな、という印象がありました。特に優秀な人材の採用は各社奪い合いの色が濃くなり、入る側も受け入れる側も双方失敗したくない、という思いから、あの手この手でマッチング精度を上げようとされています。

そのひとつのアウトプットが「採用スライド」です。元祖はSmartHRのこちらの採用スライドで、オープン過ぎる情報発信に共感が集まりました。(今日時点でのビューは96万件!)

<参考記事>

これに続いたミラティブはここに「Whyで綴る自語り的要素」を加味し、未来の採用者へのメッセージとして昇華させたのは記憶に新しいところです。(ビューは17万件!)

<参考記事>

この2社を改めてみると、単なる会社紹介資料とやや違う点が見えてくると思います。スタートアップというのはアップサイドとリスクのバランスが極端な状態の企業です。ここで情報開示に誤りがあると、後々の離職やトラブルにつながります。特にスキルフィットよりもカルチャーフィットの部分で厚めの説明が求められる点は注意が必要かな、と。

この辺りについてはSmartHR、宮田さんの「そんなに甘くない、面接用スライド公開の裏側」も併せて読むと理解が深まるのでオススメです。

11社の採用スライドご紹介

ということで、昨年末から今年に発行されたスタートアップの採用スライドをまとめた企画をお送りいたします。基本的に自薦・他薦両方で、対象となるのは「外部資本を積極的に取り入れる、急成長を目指した企業」です。選定のポイントは次の3点。

  • スライドだけでミスマッチを防げそうか(情報量含)
  • 事業、文化、組織が言語化できているか
  • 情報に対してオープンか

推薦(重複一部あり)は全部で35件いただきましたが、そこから上記をふまえ編集部にて対象となる企業を11社選定させていただました(社名とサービス名が違う場合はカッコ内にサービス名を記載)。

1:カクテルメイク(動画生成ツール「RICHKA」提供)

2014年創業のカクテルメイクさんの採用スライドです。同社ではカルチャーブックと呼んで、採用に興味を持った方全てにチェックしてもらうツールとして活用されているというお話でした。

2:スマートキャンプ(SaaS比較・検索「BOXIL SaaS」提供)

こちらも2014年創業、先日マネーフォワードさんのグループ入りを公表したスマートキャンプさん。スコアリングサービスで組織状態を可視化する、というのもひとつの手ですね。

3:Lang-8(ネイティブスピーカーQ&A「HiNative」提供)

先日1000万MAUを達成したLang-8さんは創業2007年と古株です。スライドの最後にQ&Aを入れているのがらしいなと。

4:AI採用マッチングLAPRAS(ラプラス)

LAPRASさんは組織論にホラクラシーを採用していることでも有名です。オープン度合いを示すエビデンスとしてSlackデータを活用しているのは参考になります。

5:カンム(アプリ発行型プリペイド「VANDLE CARD」提供)

国内フィンテックプレーヤーで成長株のカンムさん。代表の八巻さんは卒業後すぐに起業した学生起業に近い方なんですが、その辺りの雰囲気を感じられるスライドです。最後のページも愛があります。

6:カスタマーサクセスHiCustomer

ここから2点は特化型。HiCustomerさんはまだステージも若く、求めている人材が開発に集中していることから全体の説明ではなく、開発チームに絞って作成しています。リソースが少ないスタートアップならではの手法です。

7:ミラティブ(デザイナー向け採用資料)

逆にミラティブさんは全方位採用になっているので、スライドひとつでは説明しきれず、デザイナーやエンジニア向けの世界観に合わせて情報を分ける、という新たなチャレンジをしています。(27日追記:エンジニア向けも追加されてました

8:クラウドファクタリングOLTA

爆伸び中のクラウドファクタリングOLTAさんはテキスト中心の構成でした。スライド作成にあたってキレイなビジュアルを求めなくてもきちんと説明できる事例として参考になるのでは。

9:ペイミー(給与前払い「Payme」提供)

ペイミーさんは言語化が上手なチームです。採用スライドも「まるわかりBOOK」としてコンテンツ化し、採用イベントと合わせて公開されていました。

10:COUNTERWORKS(POP-UPストアシェア「SHOPCOUNTER」提供)

COUNTERWORKSさんもやってるのですが、スライドの最後のページに検索誘導するという方法はベタですがよいと思います。

11:atamaplus(AI教材「atama+」提供)

こちらも爆伸中のatamaplusさん。カルチャーに非常に力をいれているということで、採用スライドの完成度も高いです。また、組織向け施策の勉強にもなります。

ーーーー

ということで、いかがだったでしょうか。

今回推薦いただいたにも関わらず、選に漏れてしまった方ごめんなさい。ただ、見ていただいて分かる通り、傾向として全体的に理解度や納得感のあるスライドは情報量があり(おおよそ40ページ前後)、かつ、どこを強調するのか各ページ明確です。この辺りは再現性ありそうなので各社のスタイルを参考にしてもよいのではないかなと思いました。

追記:推薦の応募には間に合わなかったのですが、この記事と同じ日に公開されたグッドパッチさんのスライドが大変参考になりましたので「+1」として追加させていただきます。

番外編:グッドパッチ

グッドパッチさんのようなデザインコンサルティング・ファームの場合、サービスにフォーカスした表現はしづらく世界観中心になるのですが、さすが本職ですね。しっかりと形にされてて参考になります。

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社内に目を向けた情報発信で強い組織を表現: #スタートアップPR ベスト事例(2)グッドパッチ【リレー】

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年末企画としてスタートしたスタートアップのPR事例を称揚する「スタートアップPRベスト」。前回のミラティブ広報担当の新嘉喜りんさんから推薦バトンが渡ったのはグッドパッチさんです。新嘉喜さんはどの活動に心動かされたのでしょうか? <参考記事> 感情をぶつけた表現が感動に繋がる: #スタートアップPR ベスト事例(1)ミラティブ【リレー】 新嘉喜りんさんの推薦理由:グッドパッチさんの組織カルチャー再構…

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社内に目を向けた情報発信で強い組織を表現

年末企画としてスタートしたスタートアップのPR事例を称揚する「スタートアップPRベスト」。前回のミラティブ広報担当の新嘉喜りんさんから推薦バトンが渡ったのはグッドパッチさんです。新嘉喜さんはどの活動に心動かされたのでしょうか?

<参考記事>

新嘉喜りんさんの推薦理由:グッドパッチさんの組織カルチャー再構築の発信です。採用広報において、組織の透明性が重要だと言われていますが(2019年は透明性を重要視した採用資料も増えましたね)、代表の土屋尚史さんのブログのオープンさには驚きました。詳しい内容は、是非記事を読んでいただきたいのですが、同社のカルチャー再構築にあたっての社内の様子が、時系列で記されているものとなっています。

<参考記事>

「エンゲージメントスコアで高スコアを獲得!」というような、今の状態を切り取った情報発信でなく、スコアの推移、改善の舞台裏までを公開しています。時系列で会社のストーリーになっていると、背景がわかり信憑性が高くなりますし、苦難もあったけどそれを乗り越えた強い組織という印象をいだきました。

点ではなく、線の透明性だと思いました。

また、個人的に印象的だったことは、社員のみなさまが実際に取材対応をされていたり、積極的に発信をしていたことです。チームを支えてきた方々が、登場人物として自分の視点・言葉でお話されることで多角的なストーリーになっています。

<参考記事>

グッドパッチさんのように、点ではなく線の透明性(会社のストーリー)になっていること、また、それが代表やPR/広報担当者だけではなく、社員のみなさんも発信できることで、会社の共感や信頼につながる広報活動になるのだと学びました。社員のみなさんが日頃の業務にプラスして情報発信をすることは楽なことではなく、会社の文化として根付かせていく努力が必要ですし、一人ひとりが会社を理解して言語化できることは、日頃の社内に向けた発信の賜物だと思います。

少しだけ本題からそれますが、ミラティブでの経験もふまえたPR/広報業務的なお話いたしますと、会社のストーリーが日頃から発信されていると、会社のことが伝わるだけではなく、副次的な効果として、メディアのみなさまへのコミュニケーションがスムーズです。記事のURLをお送りするだけで、相手に説明をする/聞いてもらうというプロセスが省かれますので、取材までの話がスピーディに進んだという経験を、2019年は何度もしました。(当たり前のことで、PR/広報担当者のみなさまは私よりお詳しいと思いますが…)

この経験があるのは、弊社代表の赤川も発信を強めてくれているからで、「このタイミングでnoteを書いてほしい」とお願いすると、時間をつくって書いてくれるので大変ありがたいのですが、きっと今回の土屋さんをはじめとしたメンバーのみなさまの発信も、単体でも素晴らしいですが、その後の取材やイベント登壇等、露出でも次につながるものだと勝手に想像しています。

日々、スタートアップの新規事業、資金調達等で上手なPRを目にして、憧れたり羨ましくなってしまうのですが、グッドパッチのお取り組みを目にして、PR/広報担当者として大事なのは、社内に目を向けて、何が起きているか知っていること、そこで知ったことを社内外への発信を積み重ねることで、会社の良さを伝えされるのだと勇気をもらった事例でしたので、挙げさせていただきました!

ーーー

ということで、社内に目を向けた情報発信で強い組織を表現したグッドパッチさんがスタートアップPRのベスト事例、2件目となりました。次はこのグッドパッチ経営企画室、高野葉子さんからご推薦いただいた「note」が好調、ピースオブケイクさんにバトンをお渡しいたします。

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感情をぶつけた表現が感動に繋がる: #スタートアップPR ベスト事例(1)ミラティブ【リレー】

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近年スタートアップの傾向に「PR/広報力による差別化」があります。 スタートアップというのはアップサイドとリスクのバランスが非常に難しい企業体です。収益がしっかりと上がっている経営陣は株主、顧客、従業員、それぞれに対して利益を還元し、それぞれの生活・人生を支える基盤になります。一方、スタートアップはそれがおぼつかない環境なので、経営者はできるだけ隠し事なく関係者に説明する責任があるのですね。 ここ…

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ミラティブウェブサイト

近年スタートアップの傾向に「PR/広報力による差別化」があります。

スタートアップというのはアップサイドとリスクのバランスが非常に難しい企業体です。収益がしっかりと上がっている経営陣は株主、顧客、従業員、それぞれに対して利益を還元し、それぞれの生活・人生を支える基盤になります。一方、スタートアップはそれがおぼつかない環境なので、経営者はできるだけ隠し事なく関係者に説明する責任があるのですね。

ここで重要なポイントが企業の広報活動です。ここが弱いスタートアップはやはり説明コストをすごく高く支払う傾向にあります。投資家や社員に毎回同じような説明を繰り返したり、匿名ブログで社員に告発されたりといった事案に遭遇してしまうわけです。

さておき、ではどのようにすればよいか。3点あります。

  • (1)とにかく説明コストを下げる方法を探す
  • (2)ファンを増やす
  • (3)経営者によりそう戦略的なPRパーソンをみつける

PR/広報活動はファッションによく似ています。まるっきりのコピーファッションではやはり、自社らしさは表現できません。どちらかというと自分に似合うファッションを探してくれるコーディネーターを探す方が得策です。

このコーディネーター的な役割を果たしているのが素敵なPRパーソンたちです。彼・彼女たちの語る企業ストーリーはプレスリリースの固いファクトだけではなく、物語として伝える側の頭に入ってきますし、そのスタートアップのファンになりたいと思わせて行動を促します。

ではどういう人が素敵なPRパーソンなのか。これはPRパーソンに聞くのが最短です。

前置きが大変長くなりましたが、そういう意図で年末にこのリレー企画を実施することにしました。ルールは簡単でPRパーソンが推薦する「今年素敵なPR活動をしたチーム」をつなぐ、というものです。実はバトンは全て渡っておりまして、今回5社の広報/PRチームをご紹介する予定です。

感情表現で人に動きを作ったミラティブ

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スタートアップの重要課題はチームづくり

トップバッターはスマホゲーム実況「Mirrativ」で話題になったミラティブさん。推薦者は最初ということで筆者(プラスα)でございます。

推薦理由:採用やユーザー、顧客企業(広告主となるゲームパブリッシャなど)に対して適切な媒体に適切なストーリーを配信する、プレス向けリリースやコーポレートサイト、オウンドメディアなど豊富な情報量といった基本はしっかり押さえた上で、とにかく感情的な表現が多様されているのが特徴的でした。

実は私、この「エモい」という表現が苦手なのです。というのも、作られた感動ほど肩透かしなものはなく、これは本当に自分自身が感動してなければできない表現だからです。

ミラティブさんはそういう意味で、赤川準一さんという体全身から感動のオーラが出ているような(取材で体験済)創業者と、Mirrativの世界観、PR/広報チームが一体となってメッセージを作り込んだことが伝わる活動だったと記憶しています。

<参考情報>

もちろんノー根拠で「一緒に天下取ろうぜ!」的なメッセージはややアレですが、採用スライドにあったような、ロジックを踏まえた上でのこういうエモーショナルな表現はやはり心を動かされます。

<参考記事>

SOや業績がどうとかダウンサイドでこういうリスクがあるとか、根拠だけだと冷たい印象ですが、そこに感情が入ることで、なんというか、空気みたいなものを情報から感じることができるのではないでしょうか。この仕事やってなかったら面接行きたかったです。

感情表現をうまく取り込んだ好例ということで、ミラティブさんを今年のスタートアップPRベスト事例のトップバッターに推薦させていただきました。次はミラティブでPR/広報を担当されている新嘉喜りんさんが推薦された「グッドパッチ」さんにバトンをお渡しいたします。

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ポイントは読者の想像力にありーースタートアップの「オウンドメディアしんどい問題」を解決する方法(後編)

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本稿はスタートアップのPRを考える「POST」からの転載記事です 前半からの続き。コーポレート系のオウンドメディアを疲れずに続ける方法について。 特定の対象に期待する行動をしてもらう 社内広聴のフローが上手にできたら次にやるのが「最重要ターゲットに向けた情報提供」です。やり方は同じ、自分たちが最も動かしたい対象(顧客や行政など)を巻き込んでコンテンツを作る方法です。ビジネス向けだったら事例インタビ…

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本稿はスタートアップのPRを考える「POST」からの転載記事です

前半からの続き。コーポレート系のオウンドメディアを疲れずに続ける方法について。

特定の対象に期待する行動をしてもらう

社内広聴のフローが上手にできたら次にやるのが「最重要ターゲットに向けた情報提供」です。やり方は同じ、自分たちが最も動かしたい対象(顧客や行政など)を巻き込んでコンテンツを作る方法です。ビジネス向けだったら事例インタビューや、消費者向けだったらユーザーイベントのレポートなどがわかりやすいですね。

企業サイトに出た人たちというのは(露出慣れしてない限り)それなりに嬉しくなってシェアしてくれたりします。理屈は社内と同じです。要は顔の見える範囲にファンを作る、そのためのコミュニケーションツールとしてオウンドメディアを使う方法です。

メディア向けもあります。

ちょっとテクニックとしては高等かもですが、こちらでもお伝えしたFABRIC TOKYOさんのノウハウ資料はいい例です。元々は社内・関係会社向けに作った資料を一般に向けて出すわけですが、事前に寄稿という形で相談がありました。そう簡単に作れる情報ではありませんから専業系の関係あるメディアであれば寄稿等の相談はしやすいです。(結果的にはニュースで出しましたが)

わかりやすいプールに読者を貯める

立ち上げ期のKPIについては誰もが納得感を持ちやすい、目に見える行動を設定することが大切です。しかし、採用を目的にコンテンツを発信しても例えば採用のフォームに誰一人としてやってこない、などの結果を続けると疲れてしまいます。

そこで試してみて欲しいのが「プール」作りです。前述の期待行動とセットなんですが、いくつかプールする方法があります。

  • 特定テーマを設定して勉強会を開催し、顧客候補20人集まってもらう
  • メディア向けの勉強会を開催して10名の記者に参加してもらう
  • ユーザーミートアップを開催して採用候補にFBグループ登録してもらう

などです。例えばあるテーマでまとまったノウハウの情報を配信したとします。それと同時に勉強会やオンラインのグループ、場合によってメーリングリストなど蓄積できるわかりやすいプールを用意するわけです。

先日、おやつサブスクのsnaq.meさんでエンジニア向けのミートアップを開催されて20名ほどの方々が集まったそうです。その際、THE BRIDGEでも寄稿という形でコンテンツを配信させてもらいました。

<参考記事>

プールの維持については現在POSTでもテスト的に実施しているグループの運用ノウハウが溜まってきてるのでまた別稿でまとめます。

THE BRIDGEでの経験

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2011年に開催していたStartupDatingのミートアップ風景。毎月実施して関係づくりをしていました

元々、THE BRIDGEは「StartupDating」というミートアップのお知らせブログから始まりました。記事を書いても誰も読みません。10年前ですら情報に溢れていましたから全くリーチしないわけです。なので、イベントに参加してくれる人は特に影響力のある投資家や起業家に直接声をかけて、その際の説明コストを下げるツールとして使っていました。つまり、URLひとつ送ってこういうのをやるので来てください、という方法です。

そしてイベントに参加してもらったら、登壇してくれた内容などをさらにコンテンツにして配信する、ということを繰り返したわけです。参加してもらった人たちはある範囲に影響力のある方々を中心に声かけをしていたので、徐々に輪が広がり、数百人ぐらいの規模でミートアップができるようになります。

ブログが単体で読まれるようになったのはこのタイミングぐらいからです。要は、知ってる人たちがコンテンツをシェアしてくれるようになったからで、この辺りはソーシャルのネットワークが成長した今であればもっと早いと思います。

ニュースメディアっぽい印象の私たちですが、立ち上がりは企業のオウンドメディアとなんら変わりありません。逆に言えばみなさんも実施できる、ということです。

ということで前後編でオウンドメディアの立ち上げでしんどくならない「内向きに作る」方法についてまとめてみました。参考になれば幸いです。

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スタートアップの「オウンドメディアしんどい問題」を解決する方法(前編)

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本稿はスタートアップのPRを考える「POST」からの転載記事です しばらくぶりのポストです。4月後半からスタートアップPRの勉強会を実施して約3カ月、14団体(ほとんどVCさんでした)約400名の起業家・PR/広報担当の方々にこちらのフレームワークをお話させてもらいました。特にリクエストの多かった「どうすればいいの」的な部分については、シンプルな戦略に経験者・未経験者ともに好評いただけたかなと。 …

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本稿はスタートアップのPRを考える「POST」からの転載記事です

しばらくぶりのポストです。4月後半からスタートアップPRの勉強会を実施して約3カ月、14団体(ほとんどVCさんでした)約400名の起業家・PR/広報担当の方々にこちらのフレームワークをお話させてもらいました。特にリクエストの多かった「どうすればいいの」的な部分については、シンプルな戦略に経験者・未経験者ともに好評いただけたかなと。

一方、さらに深い話を聞いていくと別の課題も浮かび上がってきます。特にあるあるなのが「コーポレート系のオウンドメディアしんどい」問題です。周りもなんとなくやってるから立ち上げたけどネタがない、更新する時間ない、やったはいいけど読まれない、というアレです。※コンテンツマーケティングなど目的の明確なメディアは除きます。あくまでコーポレート向けのオウンドメディアです。

これの新しい解決方法というかコツみたいな考え方に「内向きに作る」というものがあります。ちょっと長いですが、THE BRIDGEでの経験含めて詳しく共有します。

オウンドメディアあるあると運営の現実

  • 読まれない。1000PVが多いのか少ないのかわからない
  • 評価はっきりしないから予算がない。外部ライター使えない
  • 社内インタビューで面倒がられた。ネタが続かない

挙げればキリはないです。私も過去にサポートしたプロジェクトで最終的に「これ結局なんだったの?」みたいな案件に当たったことがあります。大概はメディアってなんかよさそう、とかPRやらないといけないよね、みたいな経営者(もしくは決裁権者)の思いつきで進んだものの末路に多い印象です。

そもそもなぜこういう状況が生まれたかというと、ひとえにインターネット時代に入って情報受発信のコストが劇的に下がり、一気に情報メディアというものがコモディディ化したからにほかなりません。

安くなったんだからじゃあやろうよ!という隣の芝は青い理論で広がった結果、とりあえず立ち上げた◉◉アカウントが大量に放置される、という事態になっているのはご存知の通りです。

しかし、本当に読まれる「メディア」として運営するためには極めて属人的な中心人物・チームと、それなりの予算(年間で数千万円)、そして何より毎日お目々を皿にして取材・更新を続ける根性、熱意がなければ無理です。コーポレート系のものとは性質は異なりますが、実際10年近くメディア運営をやってみた感想としてまあ、中途半端に手を出すものじゃないな、というのだけはお伝えできます。

では、どうしたらいいのか。それが「内向きに作る」考え方です。3段階で方法を整理してみます。

1:社内広聴の仕組みづくりと結果としてのアウトプット

「内向きに作る」とはどういうことでしょうか。

  • 社内広聴重視。情報収集の結果としてのアウトプット
  • 特定の対象に対し、期待行動を考えて情報を届ける
  • わかりやすいプールに読者を貯める

ソーシャルの時代になって有名な人にリツィートやフォローされるという状況が可視化されるようになりました。一方、古代から続く「PV(ページビュー)」の世界ではボットも芸能人も「1PV」です。大規模なサイトは別ですが、そもそも顔が見える段階の小さなコミュニティでこの指標を使うことの無意味さ、危険性がよくわかると思います。

創業間もなく話題に乏しいスタートアップが突然このPVみたいなリーチ指標でコーポレート系のメディアを作ろうとしても「もっと話題を!」みたいなチキンレースが急に始まって心臓に悪いです。そもそも読まれる・読まれないという判断が曖昧。

そこでまずオススメするのが「最低限の範囲から始める」ということです。つまり、一緒に働いてるみなさんに読んでもらう。これが最低限のスタートです。逆に言えば、社内のみなさんが興味ない・読んでないものを外の人たちが読みたいと思う方がやや間違ってるかもしれません。

キーワードとして広報/PRの人たちの基本的な活動、いわゆる社内広聴があります。つまり、オウンドメディアをきっかけに社内の方々とコミュニケーションし、情報収集するというフローを作るのです。実際、メルカリのオウンドメディア「メルカン」は当時増えてきた社内のみなさんとお話するきっかけツールとしての役割もあったよ、と伺ったことがあります。

ファーストステップとして、社内の情報収集のきっかけとその結果としてのアウトプットはいわゆる社員インタビューみたいな話題でもいいでしょう。会社名検索で導線が作れれば一挙両得です。呼びかけの方法も社内広聴の仕組みを作りたい、会社のサイト導線を強化したい、手伝って!みたいな感じがいいんじゃないでしょうか。ちょっと長くなったので残りは後半に

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透明性のないスタートアップは大きくなれない #スタートアップPR

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先日、グローバルで躍進が続く語学プラットフォームのLang-8がサービスのグロースや採用に関する情報を開示していました。SmartHRやミラティブ同様、Speaker Deckでの公開です。LAPRAS(旧Scouty)さんのブログでも紹介されていますが、透明性高く社内の情報を共有する事例がぽつぽつと増えてきています。 短期的な目的は採用なんですが、もう少し大きな視点で見ると、この「透明性」という…

先日、グローバルで躍進が続く語学プラットフォームのLang-8がサービスのグロースや採用に関する情報を開示していました。SmartHRやミラティブ同様、Speaker Deckでの公開です。LAPRAS(旧Scouty)さんのブログでも紹介されていますが、透明性高く社内の情報を共有する事例がぽつぽつと増えてきています。

短期的な目的は採用なんですが、もう少し大きな視点で見ると、この「透明性」というキーワードが企業としての組織・カルチャーづくりの考え方、今後の企業成長を占う上で重要なポイントになるように思いましたので少し考察残しておきます。

  • メルカリ前後で変わったコーポレートPRの考え方
  • 社員をリスペクトしない創業者は情報格差を悪用する
  • 何を公開すべきか

メルカリ前後で目につくようになった「コーポレート」

ここ1カ月ほど、「スタートアップPR」というテーマで勉強会をしておりまして、私もこちらに資料を公開しております。で、スタートアップのパブリックリレーションズ活動を振り返ると、一つの小さな転換点に気がつきました。それがメルカリ前後のコーポレートPRの考え方です。

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2010年以降、国内でもアクセラレーションプログラムが開始され、株の持ち方やサービスグロースなど、さまざまな企業成長に関する科学が進み、生存確率、成長確率は格段に上がったように思います。一方でPRについては多くの方が「プロダクトの宣伝(パブリシティ)」が当然と考えている状況でした。いわゆる「サービス出ましたよリリース」です。

しかしメルカリは少し異なるPR戦略でした。ダウンロード数や流通総額を定期的に公開し、2年目からは社内の福利厚生など「組織に入ってくる人」向けの情報公開を進めます。思えばこれは極めてIR的な活動ですし、元々ミクシィでCFO経験のあった小泉文明さんが入って以降、こういうPRスタイルになったことからもその影響は大きかったのだと思います。

例えば彼らのコーポレート戦略で特徴的なアイデアに「バリューの公表」というものがあります。通常、企業としてのMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を公表する場合、ミッションやビジョンを第一に宣伝することが多いです。しかし、彼らは(結果的に、かもしれませんが)社内の行動規範である「バリュー」を全面にすることで、社会に対し「メルカリはこういう行動で仕事をしているんだ」という約束をしたのです。結果、リファラルで多くの優秀な人材がメルカリに流れ込むことになりました。

情報格差を悪用するスタートアップに優秀な人がくるわけない

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透明性のないスタートアップになぜ優秀な人がこないのか、もしくはすぐに辞めるのか。

これはスタートアップ特有の資本構成にあると思います。当たり前ですが、創業者は株式を大量に持っていて企業価値を上げることによる恩恵を受けやすい位置にいます。スタートアップに関する情報が少なかった頃、ストックオプションについての知識もそこまでなく、上場ではなく創業者が企業売却を選択したためにSOが行使できず、損をしたなどという話がありました。

現在は違います。「ストックオプション M&A」で検索すればたちどころに情報は出てきますし、買取なのか放棄して別の代替のインセンティブをもらうのか、いくつものオプションがある上、こういった経験を経た人に相談することもできます。少し努力すれば嘘がつけない状況があるのです。

先日とある起業家の方にこの話をしたところ「優秀な経営者は自分よりも優秀な人に参加してもらいます。情報格差を悪用する人はそもそも優秀な人とみなしていないんでしょうね」とお話されててさすがだなと。取材したグロービス・キャピタル・パートナーズでのインタビューでも同様のことを話されています。

「良いことも悪いことも全部言う。入ってから大混乱の方が問題(今野氏)」と、スタートアップ採用の難しさを垣間見せつつ、ベンチャーキャピタルが企業の透明性を担保する役割を担っているという話が興味深かった。(引用:GCPが360億円ユニコーンファンド、最大50億円出資も可能ーー今野、高宮 両氏に聞く「連続起業家の再現性」について

公開の範囲

こうやって考えると透明性のない企業、特に創業者との利益格差が大きいスタートアップに優秀な人が集まらない、すぐに離職するのは至極当然と思えます。では、どの辺りまで情報を開示すればいいのでしょうか。キーはプロダクトです。

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Lang-8が公開しているHiNativeのグロース

プロダクトの成長を示す数字はC向けであればダウンロード数だったり流通総額があります。B向けであれば顧客数や場合によって年間売上のような数字も必要でしょう。また、ビジネスモデルや株主構成といった企業の資本に関する情報もできるだけ透明性を高めた方がいいでしょう。その企業に株主として、メンバーとして参加する人たちが納得できる情報を提供し、具体的に行動に移してもらわなければ意味がありません。

また、いつから公開すべきかというタイミングも、やはり市場にフィットして確実に「勝てる」という状況下で実施すべきと思います。プロダクトは踏めば勝てる、その傍らでコーポレートを強化して次に備える、という時期です。

逆に公開しない方がよい数字もあります。どうしても人間は本能的に感情の生き物なので、その情報を得ることで無駄な軋轢や噂を生じさせる情報です。特に報酬については扱いが難しいですが、SmartHRさんのようにレンジとして開示することで納得感のある合意形成ができるのではないでしょうか。

透明性のないスタートアップは大きくなれない

安定した企業と異なり、振れ幅の大きい現場がスタートアップです。本当にユニコーンを目指しているのであれば上場は本当に通過点でしかなく、そのタイミングであらゆる情報が開示されます。なのに情報を出さない。それはプロダクトに嘘があるか、実は創業者が自己利益に走っているとみなされてもおかしくありません。

そのスタートアップが実はオーナー中心の中小企業を目指しているかどうか、それは情報の透明性によってわかる時代に入ったと思います。

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