2度の起業経験から学んだこと:宅配クリーニングの「BASKET」をクロスカンパニーが完全子会社化

by Yukari Mitsuhashi Yukari Mitsuhashi on 2015.4.30

宅配クリーニングの「BASKET」
宅配クリーニングの「BASKET」

宅配クリーニング事業を運営するバスケットが、「earth music&ecology」などの主力ブランドで知られるクロスカンパニーによって完全子会社化されたことを発表しました。また、バスケットの代表である松村映子さんは、クロスカンパニーの執行役員に就任しました。

「インターネットを通じて生活周辺サービスが充実するプラットフォームを作る」ことを掲げて事業展開してきたバスケット。一方のクロスカンパニーは、今年度より事業領域をアパレル事業から「ライフスタイル&テクノロジー」へと拡大しており、両社の事業戦略の親和性の高さから今回の合意に至りました。

バスケットは2度目の起業

バスケットの代表は、松村映子さん。大学を卒業後、ITコンサルティング会社を経て2011年に一度起業し、2014年に創業したバスケットは2度目の起業です。最初に手掛けたサブスクリプションコマース事業では、ピボットを繰り返しました。上手く仕組みに落とすことに苦戦し、それがユーザーや取扱い商品の獲得に歯止めをかけることに。結局、2013年春に撤退を決意し、2014年4月に新規事業を手掛けるためにバスケットを立ち上げました。

最初の事業で上手く実現できなかった「お客様と協力会社、そして私たちの三者全員がハッピーになれる仕組みづくり」を意識して取り組むことを決めたのが、宅配クリーニング事業。盛り上がりを見せるクリーニングのネット受付という分野なら、「クリーニングに出向くのが面倒」という消費者のニーズと、顧客を増やしたいと願うクリーニング会社のニーズが合致していると考えました。

「現在あるECサイトは物販がメインで、物を販売する以外の分野にはまだ浸透していません。でも、今後EC化がさらに加速するに従って、物販以外の分野にも広がりがあると確信しています。クリーニングという昔からある事業にうまくITを取り入れることができれば、サービスECとして一つの正解を作れるのではないかと考えました」

2度の起業と失敗から学んだこと

一度目の起業で得た教訓をもとに二度目の起業に挑戦し、その事業をバイアウトした松村さん。初回の起業から学んだことは数知れず。でも、それらの失敗は学びに繫がり、次に進む糧になったと振り返ります。一度目の起業でそれが出来ず、バスケットを運営するにあたって常に心掛けていることを2つ教えてくれました。

課題解決はチームで行うこと

再挑戦の際に、前の会社でずっと手伝ってくれていたメンバーが正式にCTOとして参画してくれることに。「チームの成長は個人の成長に勝る、チームとして成功を目指そう」と言う励ましの言葉は、今もチームとして活動する上で強固な基盤になっています。バスケット社内だけでなく、協力してくれるクリーニング会社、出資をしてくれた投資家などを含んで一つのチーム。同じチームとして課題を共有し、解決策を検討することを心掛けること。

事業は心底好きだと思えるものにすること

ゼロから新規サービスを検討していく中で、これならスグに出来そう、これなら儲かりそうといった別のサービスアイディアもありました。でも、サービスを自分たちの手で立ち上げて運営していくのには膨大な熱量が必要です。結局、どの事業にするかを決める上では、「それが本当に好きか?ワクワクしてやれるか?」が大切だということ。

起業は、早過ぎるより遅過ぎる方が致命的

バスケットのCEOである松村映子さん
バスケットのCEOである松村映子さん

松村さんが起業することを心に決めたのは、わずか14歳の時。ファッション好きが転じて自分で服を作って売ってみることに挑戦したことがきっかけです。20代で起業することを決意し、それを有言実行して今に至ります。

「若すぎて世間知らずでもダメだけれど、歳を取れば取るほど逃すチャンスも多くなる。IT(特にWeb)においては、早すぎるより遅すぎる方が致命的だと感じていました。だから、20代のうちに起業することを決めていました」

起業したら、失敗するのは当然。失敗を恐れていては何も始まらない。失敗こそが最大の学びであることを、身をもって経験してきました。

「会社を興すこと自体は難しくありません。ただ、事業を作り、それを継続して運営していくというのは、やはり大変の一言に尽きます。知識もスキルも経験も全てあって起業にチャレンジする人なんて滅多にいません。みんな「できるかもしれない」という可能性に賭けてスタートを切ります。大切なのは、失敗しないことではなく、失敗からいかに学び、次の失敗を切り抜けられるかだと思います」

クロスカンパニーの傘下に入った後も、バスケットの主事業である宅配クリーニングサービスは継続していきます。今後はこの事業を起点に、広く生活に密着した新規サービスを手掛けて行く予定。アパレルを強みとするクロスカンパニーと、テクノロジーやWebの知見を持つバスケットがタッグを組むことでどんな生活周辺サービスが生まれて行くのか。期待して見守りたいと思います。

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