
Image Credit: Facebook
Facebookの研究チームは人工知能の探求に懸命に取り組んでいるが、今回、偽物の写真のように見えない画像サンプルを生成する方法を開発した。
実際に、コンピュータが生成したサンプル(飛行機、車、鳥などを映した光景)をボランティアで参加した人に見せたところ、40%の確率で本物に見えたと、昨日ウェブ上に投稿された新しい研究論文に掲載されている。Facebookは近日モントリオールで開催されるNeural Information Processing Systems(NIPS)カンファレンスに向けて、検討材料としてこの論文を提出した。
この研究は、Facebookを含む多くの企業やスタートアップが広範囲にわたる目的で利用している、教師あり学習の範疇を超えるものだ。
従来の教師ありディープラーニングとは、ラベル付けした大量のデータ(例えばガチョウの写真100枚)を使って人工ニューラルネットワークの訓練を行い、次いで新たなデータ、例えばダチョウの画像を与えて、その新しい画像にガチョウが描かれているかどうかの根拠に基づいた推測を受け取るものである。
教師なし学習では、学習するのにラベル付き画像を必要としない。人間がモノを認識するようになるのと同様だ。皆さんが1~2個の携帯電話を見たらすぐにそれらを識別できるだろう。
Facebookは教師なし学習を追求しており、画像認識、動画認識、自然言語処理、音声認識など、教師あり学習が既に適用可能な処理の一部で、より大きな効果を発揮すると推定している。さらに先を見れば、全く新しい可能性の夢が広がっている。
現段階では、Facebookはただ「純粋な研究」を行っているだけである、と同社リサーチ科学者のRob Fergus氏はVentureBeatのインタビューで述べた。
そして「純粋な研究」は非常に魅力的である。Googleは今週彼らのニューラルネットワークが非常に幻覚的な画像表現を生成できることを実演した(編集部注:原文掲載6月19日)。Fergus氏は「とてもクールな画像です」と評するが、根本的なところで「教師なし学習の問題を解くという点では何も前進していません」とも語っている。本物にも見えサイケデリックでもある画像を生成するのはもっと難しいことなのです、と同氏は述べる。
このため、Facebookでは1つではなく2つの訓練済みニューラルネットワークを使っている。1つは生成を担い、もう1つは判断を担う。生成担当に確率ベクトルを投入し、画像を生成する。2番目の方は出力された画像が本物に見えるかを判断する。
その結果(Facebookの)システムでは64×64ピクセルとごく小さい画像を生成できる。
「この解像度は画面を細かく描写するのに十分です」とFergus氏は述べる。「かなり多くの緻密さをもって忠実に表現しています。」
当然ながら、時が経つにつれFacebookの研究グループはシステムがより大きな画像を扱えるようにトレーニングを進めていくようだ。
本研究の詳細についてはこちらの論文(PDF)をチェックしてほしい。Facebookは、本件の新しいコードをオープンソースライセンスでおそらく来週末までにリリース予定だとスポークスマンは述べている。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】
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