編集部注:「要チェック!エンタープライズ系話題5選」は海外エンタープライズ系テクノロジーの話題をまとめた連載。本誌でも執筆中の「インプットをアウトプットするブログ」ブロガーで、B2Bスタートアップ・インキュベーション「archetype」所属の鈴木大貴氏がセレクトしたニュースをお送りします。
大規模施設向けセキュリティサービスのOctopusが250万ドル調達
施設向けにセキュリティサービスを提供するイスラエルのOctopusが250万ドルを調達しました。Octopusは空港、向上、病院、商業用ビルといった比較的大型の施設に設置された監視カメラや防災システム、SNSの情報をリアルタイムに分析し、状態をモニタリングしたり異常を検知した場合には然るべき担当者にアラートを出すセキュリティのソリューションを提供しています。
CEOのTal Bar Or氏は長年イスラエルの安全保障局でキャリアを築いた人物で、Octopusのクライアントとしてコカ・コーラ、カールスバーグ、VISAやいくつかの銀行、そして政府関連施設などがサービスを導入しているとのことです。
参考記事:Cloud-based Physical Security Startup Octopus Raises $2.5M From Singulariteam
営業の見積作成・ワークフローを効率化するPandadocが500万ドルを調達
営業向けワークフロー管理ツールのPandadocがシリーズAで500万ドルを調達しました。特に中小企業ではExcelやPPTで作成した見積をプリントアウトして上長の押印をもらい、顧客の決済が降りれば注文書をまた紙で発行して…といった非常に煩雑な処理を行うことが多いと思いますが、Pandadocはそういったプロセスを効率的に管理することができるツールを開発しています。
Pandadoc上に作成した見積や提案書のテンプレートに情報を入力すると予め定められたルートを通り上長まで行き、承認を貰えるとさらにクライアントにもデータ送信が可能で、サインをもらうことで注文のエビデンスとして保存することまで可能です。Salesforce等のCRMにも連携ができるため、顧客DBと紐付いた書類の管理が可能となります。中小企業中心に5,000社以上にサービスを提供していますが、中にはPanasonicといった大企業もユーザー企業に含まれているようです。
参考記事:PandaDoc Announces $5M Investment For Sales Content Creation Tool
物流のUberことTrucker Pathが2,000万ドル調達
法人向けに物流のオンデマンドサービスを提供するTrucker Pathが中国でSNSを運営するRenrenなどからシリーズAで2,000万ドルを調達しました。Truker Pathは荷物を送りたい事業者と収入を増やしたいトラック運営者をマッチングする、いわゆる”Uber for Truck”のサービスを開発するSan Joseのスタートアップ。
トラックによる輸送市場は700億ドルと言われており、この領域は本家Uberや2015年始めに800万ドルを調達したCargomaticといったスタートアップも狙う市場。今のところエリアや登録ユーザーを限定してサービスを運営しているようですが、トラックドライバーを囲い込むために休憩所、パーキング、洗車サービスといった情報をアプリで提供しています。
参考記事:Trucker Path Raises $20M To Claim The Uber For Truckers Moniker
IoTデバイスとアプリを繋ぐメッセージングサービスPubNubが2,000万ドル調達
事業者向けに組み込み可能なメッセージングツールを提供するPubNubがシリーズCで2,000万ドルを調達しました。高速かつ信頼性の高い双方向データネットワークを1から開発するには一定のコストが発生するため、PubNubはアプリ-アプリ間やアプリ-デバイス間でリアルタイムなメッセージング機能を組み込むことができるSDKを事業者向けに提供しています。
最近のユースケースとしてはホームオートメーションなどIoT機器から出る通知機能の組み込みが増えているようで、現在は2億デバイス、1分間に2,000万ものトランザクションをさばいているとのこと。ちなみにユーザー企業として米YAHOO!、DeNA、SAPといったクライアントがPubNubを利用してじます。
参考記事:PubNub Gets Another $20M To Scale Up Its Low-Latency Messaging Network
急成長するクラウドVPSのDigitalOceanが8,300万ドル調達
開発者向けにクラウド基盤を提供するDigitalOceanがシリーズBでAccess Industriesや既存投資家のAndreessen Horowitzなどから8,300万ドルを調達しました。2011年創業のDigitalOceanですが、これにより借入の調達を合わせ累計で1.73億ドルを調達したことに。
DigitalOceanは開発者が開発環境を構築するための仮想サーバを非常に簡単に、かつ1時間あたり0.015ドル(=約1円)という低価格で利用できるサービスを提供しており、存在を認知している日本国内の開発者が多いイメージのサービス。世界で50万以上の開発者がDigitalOceanを利用しているとのことです。
参考記事:DigitalOcean just raised $83M and you don’t even know what it is. Allow me to explain
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