
Image Credit: Vonvon
現時点で、1760万人のFacebook上の英語話者が「What are your most used words on Facebook?」というアプリをクリックした(編集部注:原文掲載11月24日)。ほとんどの人は、「ワードクラウド」と呼んでいるが。
このワードクラウドはアプリの英語版がリリースされた先週、Facebookのフィードに登場し始めた。ほとんどの人がためらうことなく自分のFacebookのデータへのアクセス権を尋ねる画面をクリックした一方で、一度立ち止まって、プライバシーリスクについて考えた人もいるだろう。
ブログ「Comparitech」は、アプリが要求する全データについて分析したのち、このアプリを「プライバシーの悪夢」と呼んだ。Engadgetは、このアプリの背後にある「謎の企業」Vonvon.me が何者なのか疑問をもった。
Vonvonが謎めいていたり、実態を隠しているとしたら、実は丸見えの状態で隠れているようだ。こうした問題に興味を持って、私はサイトのアドレスのメールを送ってみたところ、すぐにCEO兼ファウンダーの Jonghwa Kim氏から返事があった。
Kim氏は、今年はじめに設立した同社について、喜んで電話で話してくれた。

これは、Kim氏が設立した3つ目のスタートアップである。最初のスタートアップは旅行ブログサイトのWingbusで、非公開額で2009年に買収された。2010年には、DailypickというソーシャルEコマースサイトを共同設立し、その年の後半に900万ドルで売却した。
そして、また彼はVonvonと共に戻ってきた。Facebookや他のソーシャルメディアプラットフォーム向けにバイラルなコンテンツをつくることにフォーカスしたアプリだ。同社は今年はじめに、メンローパークのAltos Venturesが主導したラウンドにおいて、300万ドルをベンチャーキャピタルより調達した。
プライバシーの方針に対する批判はKim氏の耳に入っている。だが、サイト上の漠然と書かれているプライバシーポリシーに関わらず、ユーザーのプライバシー情報を第三者に売ったり、共有することは決してないと彼は主張した。
Comparitechの記事は、アプリを使うためにはユーザーは年齢や誕生日、友達リスト、全タイムライン、写真、出身地、いいねをしたものといった個人情報を共有しなければならない点を伝えている。しかし、Kim氏は同社がそうした情報を使ってできることはほとんどないと言った。
私たちが人々の情報を第三者に売るために捕らえようとしているのだ、といった真実ではない噂もあります。ユーザーがアプリを使う際、私たちは大きな意義をもつ情報を入手しません。ユーザーが自分のウォール上でシェアする際も、ユーザーに関する情報はほとんどありません。
その代わり、アプリはほとんどリスクのない形で、害のない楽しみをユーザーに提供するのだとKim 氏は話した。
ただ楽しいものとして皆さん見ています。ほとんどの人は、ただそれによって楽しい時間を過ごそうとしているだけなのです。
ある程度、彼の言っていることは正しい。アプリのバイラルな成功は、結局人はプライバシーについて文句を言いながらも、実際にそれに注意を払ったり重視することはほとんどないことを示しているに過ぎない。
間違いなく、私のフィード上の多くの人がアプリの結果を楽しみ、それを嬉しそうにシェアしている。この企業のことを何も知らないにも関わらず、自分の個人情報を引き渡していることに苦笑することさえある。
Kim氏によれば、Vonvonの全体のミッションは「ユーザーがFacebookでシェアできるような楽しい、インタラクティブなコンテンツをつくること」である。当初はクイズからスタートしたが、同社はその状態を越えて、情報の入力にかかる時間をより短くしたいと考えた。
ワードクラウドアプリの英語版は先週リリースされたばかりだが、世界中で既に2000万のユーザーがいる。その数はすぐに5000万に到達し、これまでの同社のアプリの中で一番のヒットではなくとも、かなり大きなヒットになるだろうと彼は期待している。
一番ヒットしたタイトルは「Who is your soul mate?」だ。このアプリはFacebookのAPIを使って、同プラットフォーム上における他人とのやりとりを計算するものだ。1億人以上の人がこのアプリを使ったが、もっとも多くのユーザーはブラジルからだった。
Vonvonは通常、英語版をつくる前に、アジアやラテンアメリカの国でクイズやその他のコンテツをリリースする。同社には、様々なクイズの制作や翻訳を担当する40名の編集者がいる。
では、彼が主張するように、Vonvonがユーザーのデータからお金を儲けていないのだとすれば、どのように収益を生み出しているのだろうか。
アプリにログインする際、広告が表示される。また、韓国では、同社は企業パートナーと共に企業ブランドのクイズの開発が開始された。その他の可能性も模索中であるとKim氏は言った。
とはいえ、今のところこの爆発的な人気と同社を立ち上げてから数ヶ月で少数のヒットが生まれたことに満足している。「今年は非常に運が良いです」と彼は言った。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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