まだ名前が Startup Asia Tokyo だった頃から数えると、今年で3回目を迎える Tech in Asia Tokyo。これまで渋谷ヒカリエで開催されていたが、今回からは規模をさらに拡大し、会場をベルサール渋谷ガーデンに変えて開催される。大企業が挙ってスタートアップ・ハブ開設へと動くなど、渋谷エリアのスタートアップ熱は以前に増して一段と盛り上がりを見せている。 明日から開催される Te…
左から:Tech in Asia 日本代表の播信太郎氏、コンテンツ戦略ディレクターの David Corbin 氏
まだ名前が Startup Asia Tokyo だった頃から数えると、今年で3回目を迎える Tech in Asia Tokyo。これまで渋谷ヒカリエで開催されていたが、今回からは規模をさらに拡大し、会場をベルサール渋谷ガーデンに変えて開催される。大企業が挙ってスタートアップ・ハブ開設へと動くなど、渋谷エリアのスタートアップ熱は以前に増して一段と盛り上がりを見せている。
明日から開催される Tech in Asia Tokyo 2016 を目前に控え、イベント準備に奔走する Tech in Asia 日本代表の播信太郎氏とコンテンツ戦略ディレクターの David Corbin 氏に今回に見どころを聞いた。
参加者からのフィードバックをもとに、毎回コンテンツを調整しているという Tech in Asia のイベントだが、今回はメインステージに加え、フィンテック、マーケティング、デザイン、デベロッパーの4つの専門領域のプレゼンテーションが聞けるステージを開設している。それぞれの領域の実務に関わるエキスパートを日本内外から招聘しており、参加者はその日から使えるティップスが入手できるだろう。
日本内外のベンチャーキャピタリストが会場内に用意された特設ブースに詰め、起業家とのフェイス・トゥ・フェイス・ミーティングを行う「スピード・デイティング」も今年は最大規模。取材段階で既に57のVCがスピード・デイティングへの参加を表明しており、播氏によれば、最終的にその数は60社を超えるだろうとのことだ。Tech in Asia は文字どおりアジア地域の投資家とのネットワークも深く、Next Billion(次なる数十億人市場)を獲得すべく、東南アジアや南アジアへの進出を模索するスタートアップにとっては、逃したくない機会だ。
Tech in Asia Tokyo 2016 には、のべ3,000人ほどの参加が見込まれており、うち約2割は北米から、約3割は東南アジアからの投資家や起業家になるだろうとのことだ。
その他には・・・
Tech in Asia イベントのキーコンテンツである、スタートアップ・ピッチ・コンペテイション「Arena」には、選び抜かれたファイナリスト7社が登壇予定。優勝者には、最大で1,000万円の投資を 500 Startups から受けられる権利が与えられる。「賞金じゃなくて、投資なの?」と疑問に思う読者も思うかもしれないが、100万円程度の現金をもらったとしても、一定のバーンレートがあるスタートアップにおいては「消えてすぐ無くなってしまう」ので、投資機会をもらえた方がうれしいとの起業家からの声を配慮してとのこととか。優勝者側が自らの意思で出資を拒まないかぎりは 500 Startups から出資を受けられるようなので、実質的な副賞と言っていいだろう。
また、国際送金スタートアップの TransferWise や CRM ソフトウェアの HubSpot は、今回の Tech in Asia Tokyo 2016 の機会に日本市場正式上陸を発表する予定。両社それぞれの CEO も登壇する予定なので、彼らの発言にも注目したい。YouTube CM で一世風靡したバイリンガールの吉田ちかさんも登壇し、会社を辞め、YouTuber になるまでの軌跡をシェアしてくれる予定だ。
不肖・筆者は、2日目のメインステージで、躍進を続けるクラウド会計ソフト「Freee」の CEO 佐々木大輔氏にインタビューをする予定。また、1日目・2日目ともにランチタイム直後の時間帯、THE BRIDGE として、スタートアップからのメディア向けピッチを受ける「Meet the Press」ブースにも詰める予定なので、披露したい新サービスやプロダクトをお持ちの起業家は、足を運んでいただけると幸いである。
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CEO の坂西優(さかにし・すぐる)氏は、今回の大手企業との取り組みを通じて最も注力したいことは、「翻訳エンジン最適化(TEO:Translation Engine Optimization)」だと語った。その詳細は明らかにされなかったが、筆者の解釈では、3社との提携を通じて、デジタルテキスト以外のさまざまなフォーマットで翻訳需要を取り込み、翻訳の処理量や分野を圧倒的に拡大することでエンジンが持つ人工知能に磨きをかけ、いずれ人手をほぼかけずに完成度の高い翻訳をアウトプットできるようなしくみを目指しているのではないか、と思われる。