
タイの不動産マーケットプレイス「Hipflat」は、日本のオンライン価格分析比較プラットフォームのオークファン(東証:3674)から、戦略的出資を受けていたことを明らかにした。調達金額は開示されていない。
Hipflat は、調達した資金を急成長する不動産市場の透明性向上を目指した新しいプロダクトを紹介するために使うとしている。
Hipflat のポータルは、複数の情報源から不動産情報を収集する。同社のサイトには現在26万件の不動産物件が掲載されており、購入や賃貸を検討する顧客から毎月3万件以上の問い合わせを受けているそうだ。不動産事業者は物件を無料を掲載できるが、購入や賃貸を検討する顧客から問い合わせがあった場合にのみ料金を徴収される。
東南アジアのオンライン不動産ポータル業界は混み合っており、PropertyGuru、99.co、iProperty など少数の大手がマーケットシェアの獲得に向け競い合っている。Hipflat が特に差別化しているのは、数百もの構造化されていない情報源から不動産価格データを取得し処理できる、自然言語処理とマシンラーニング技術を使った独自のデータマイニングソリューションだ。
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この方法は、不動産取引の公式記録が不完全だったり、見当たらなかったり、公開されていないことがよくある新興市場では、重要な価値をもたらす可能性がある。これこそが、オークファンの関心を引き出したものだと考えられる。
価格情報を収集・整理・分析・提示するのに用いる両社の技術は似ているので、両社間のシナジーが考えられると Hipflat の創業者で CEO の Denis Nemtsev 氏は語った。
私が特に興味を持っていることの一つは、オークファンがデータをパッケージ化し、有料プロダクトとして提供している経験です。将来、有料サブスクリプション形式で、我々も高度なデータ分析の提供を計画しています。この種のソリューションには、多くの関心が寄せられています。タイのような、透明性が不十分で断片化された市場では特に価値があります。
Nemtsev 氏は2013年のローンチ以降、同年9月にエンジェル投資で33.5万ドルを調達したのをはじめ、合計約130万米ドルを調達している。オークファンは、Hipflat にとって最初の日本からの投資家ではない。不動産ポータルのスタートアップ数社に出資する VC の OPT SEA や REAPRA も、Hipflat にかつて出資している。その他、Hipflat に対する著名な投資家には、500 Durians や Xplorer Capital などがいる。
【via Tech in Asia】 @techinasia
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