中国のO2Oを変革するブロックチェーン、暗号通貨はPokémon Goになる

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Image credit: VeChain(唯鏈)

ブロックチェーンと言えば以前は金融の話だったが、今はそうでもない。最近では新しい領域が開拓され、複数の業界をまたぐ企業が誕生しつつある。代表的なところは O2O やマーケティングだが、この分野は中国企業が以前から動きの速いイノベーターであったところだ。

上海、シンガポール、パリに拠点を構えるブロックチェーン企業の VeChain(唯鏈)はこの技術を「トラスト(信頼)マシーン」とみており、各製品に独自の ID を割り当てている。この ID は VeChain のブロックチェーンに登録されており、認証や原産地の追跡が可能となる。中国市場では多くの偽造製品が溢れていることからすると、これは重要な要素だと言える。

VeChain は消費者と製品の間をつないでもいる。同社はファッションブランドの Babyghost と実験的な取り組みを行った。この取り組みでは NFC 対応チップを内蔵させて、アプリ内でスキャンをするとアパレルやアクセサリーの「ストーリー(履歴)」が分かるようになっている。50の限定アイテムにはラッキーナンバーが付けられており、これを入手した顧客はブランドのデザイナーに紹介してもらえる特典を受けられる。

そこでは各製品のユニークな印とデジタル所有権が付けられていて、その顧客がオーナーであることが関係付けられています。ブランド企業は製品を通して顧客と1対1の関わり合いを持つことができるのです。

Image credit: VeChain(唯鏈)

VeChain のブランディング・マネージャーであるKate Liu 氏は  TechNode(動点科技)にそう語った。ファッション以外にも、高級品、食品、ワイン、自動車メーカーと共同で取り組みを行っているという。

中国 eコマース大手 Alibaba(阿里巴巴)と JD(京東)も同様の実験を行っているが、この技術が顧客と製品の関係を変化させているのは認証が全てではない。ブロックチェーンを付加的な要素と捉えている企業もある。

北京を拠点とする LoMoStar は、赤い封筒(中国語では「紅包(ホンバオ)」として知られる)の中に暗号通貨を取り入れることで O2O のエコシステムを構築している。同社の LoMoCoin(LMC)トークンは、実際の価値(法定紙幣、ビットコインその他の暗号通貨など)と交換できるほか、LoMoStar のエコシステム内でマーケティングや広告手段として活用できる、と同社 CEO の Xiong Lijian(熊立健)氏は話している。暗号通貨のギフトカードが付いた Pokémon Go アプリのようなものだ。

Xiong 氏は、TechNode に次のように買った。

このような例が考えられます。あるカフェが LMC の紅包をマップ上にリリースしてユーザの関心を引きます。さらには物理的にカフェの近くに来るよう誘導するのです。それと同時にクーポン、割引カードその他のサービスを配信します。

一方でユーザがアプリを開くと、近隣カフェから発信された紅包を目にします。カフェの方に向かい、紅包に入った LMC を入手します。もしそのカフェ自体やサービスが本当に魅力的なら、ユーザは即座にそういった行動に移すでしょう。

LomoStar の YouTube ビデオから

LoMoStar はソーシャルプラットフォームでもある。ユーザは紅包を受け取ったところからその会社を自動的にフォローするようになるので、企業は顧客にリーチしてコミュニティを作ることができる。広告効果の測定と評価が簡単になる。Xiong 氏は次のように述べている。

これはイーサリアム・エコシステムにおける通貨単位イーサのようなものです。イーサによってユーザはスマートコントラクトを利用できるようになります。一方、LMC はユーザから企業へのトラフィックコンバージョンを促進し、かつ円滑にします。

LoMoStar は同時に、ブロックチェーン技術と IoT を組み合わせる計画だ。その際、ユーザが近づいた時にスマートフォンその他のデバイスが特定の行動を起こすことのできる iPhone により開発された Bluetooth 技術、iBeacon を活用するとしている。ただし、このオプションはまだ初期の開発段階だ。

暗号通貨はメインストリームのツールとは決して言えないため、マーケティングで幅広い採用がされるかはまだ分からない。LoMoCoin は中国で現在30万以上のユーザがいて、数百社がサインアップしているという。

ビットコインと同じように、これは意味のあるソーシャルな実験です。ビットコイン技術は十分に成熟していませんが、多くの業界を変革できると私たちは信じています。そして、規制を遵守する枠組みの下、暗号通貨は多くの業界で採用されるようになるでしょう。

LoMoStar、VeChain ともに国際的な市場での存在感を高めている。VeChain にとっては、それにより外国製品を中国の巨大な市場に提供する機会になっている。LoMoCoin にとっては、中国政府が暗号通貨の取引と ICO を禁止したことで引き起こされている難しい問題を回避することになる。それでも、ブロックチェーンは今でもこの国でホットな技術だ。昨年末には、ブロックチェーン技術の文言が国の「第13次5カ年計画」に直接的に盛り込まれた。LoMoStarは 間もなく戻って来る予定であり、もっと面白いプロジェクトを用意していると Xiong 氏は話している。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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