K-Global Demo Day の入賞者は、VR アイトラッキング(視線追跡)スタートアップの Visual Camp、会話AIのスタートアップ MrS.ai、そしてブロックチェーン送金のスタートアップ Moin の3社となった。K-Global Demo Day は韓国と中国のスタートアップ間の交流を促進しようという韓国政府の取り組みの一環である。 12月12日、中国のスタートアップ5社と韓…
上海 K-Pitch デモデイの様子 Image credit: TechNode(動点科技)
K-Global Demo Day の入賞者は、VR アイトラッキング(視線追跡)スタートアップの Visual Camp、会話AIのスタートアップ MrS.ai、そしてブロックチェーン送金のスタートアップ Moin の3社となった。K-Global Demo Day は韓国と中国のスタートアップ間の交流を促進しようという韓国政府の取り組みの一環である。
12月12日、中国のスタートアップ5社と韓国のスタートアップ10社が上海の Jin Jiang Hotel(錦江飯店)のステージに上り、Strikingly の CEO である David Chen(陳海沙)氏や NIO Capital(蔚来資本)のパートナーである Junyi Zhang(張君毅)氏、Sky9 Capital(雲九資本)のバイスプレジデントである Fred Yang(楊飛)氏、そして教授であり International BU のアドバイザーでもあるIII. C. Jimmy Shih氏を含む5名の審査員にピッチを行った。このイベントは K-ICT Born2Global Centre の主催、そして上海を拠点とするスタートアップアクセラレータ XNODE(創極無限)の企画で行われた。K-ICT Born2Global Centre は韓国の科学技術情報通信部(MSIT)に運営されるスタートアップインキュベータである。
教授であり International BU のアドバイザーでもある III. C. Jimmy Shih 氏はイベントの入賞者を発表しつつそれぞれの企業にコメントを添えた。
Sky9 Capital のバイスプレジデント Fred Yang 氏はそうコメントした。Sky9 Capitalは中国で米ドルによるファンドを行っており、アーリーステージにあるインターネット企業や、消費者と技術セクターにおける革新的な企業をターゲットとしている。また同社は北京、上海、深圳、シリコンバレーに事務所を構えている。
AI についてですが、標準中国語は非常に複雑な言語のため AI で扱うのは困難です。そのため MrS.ai にはユニークな競争力があり、マーケットで成功する可能性を持っています。中国のスタートアップにとって AI マーケットは広大で、多くの企業やブランドが AI サービスを必要としています。
以下にトップ3の企業の概要を述べる。
VisualCamp
ゲームやeコマース、コンテンツ、そしてソーシャルメディアのような仮想現実(VR)と拡張現実(AR)の技術を基にしたバーティカルマーケットの鍵を握るのがアイトラッキングである。アメリカのアイトラッキングのプレイヤーであった Eye Tribe は Facebook に買収、Eyefluence は2016年に Google に買収、そしてSMI は2017年に Apple に買収された。韓国のスタートアップである VisualCamp は VR アイトラッキング技術を提供しており、現在その技術は Samsung Electronics のオールインワンタイプの Exynos VR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)に搭載されている。VR HMD が PC 接続からモバイル接続、そしてオールインワンのデバイスへと移り変わっていく中で、CPU占有率を低く保つことが重要となる。Exynos 8890 では彼らの技術の CPU 占有率は4%に満たない。同分野の競合他社に比べ、彼らのソリューションはデスクトップ、モバイル、オールインワンタイプの3つの HMD 上で動き、そしてAndoroid、Windows、Linux、Linux Arm、Mac OS の5つの OS 上で動くことができる。眼球と視線のデータに基づき、ソウルを拠点とするこの企業はユーザの意図も分析している。
今、Siri や Cortana のような会話 AI はブランドや企業にとってトレンドとなっている。こういった企業は将来的にサービス提供は顧客にとってインタラクティブでパーソナライズされたものになるべきであると考えており、サービスの品質への本当の理解と緻密な AI 技術を備えローカライズされた専門的なソリューションを活発に探し求めている。それによって次世代のサービス体験へのイノベーションを起こそうとしているのだ。
MrS.ai はサービス業へ向けたソリューションとして会話 AI を開発している。多国籍企業向けにバーチャル AI エージェントを設計し、中国語を通じてプロフェッショナルレベルのサービスを提供している。このバーチャルエージェントはサービス部門に特化したSLUのような技術や専門的知識のダイナミックな表現、そしてマルチタスクマネジメントなどを用いて緻密なパーソナライゼーションを行い、中国語を話す消費者の込み入った要望にも応えることができる。これによって現在のサービス業におけるAIの使用にディスラプションを起こそうとしているのだ。Visa China は MrS.aiとの協力によって2018年1月に新たな AI をベースにしたコンシェルジェサービスを始める予定。同時に、中国発の AI 企業である同社は明確なビジネスニーズとサービス業に特化した技術を持って、国際航空会社や有名なホテルグループ、ホスピタリティやモビリティの高級ブランドとも提携し、会話ベースのサービスを提供している。
クラウドリアルティ創業者 兼 CEO 鬼頭武嗣氏 Image credit: Masaru Ikeda
今回の資金調達の意味について、クラウドリアルティ創業者で CEO の鬼頭武嗣氏は THE BRIDGE の取材に対し、REIT(不動産投資信託、不動産証券化)になぞらえて説明してくれた。REIT では不動産物件(発行体)が資金調達しようとしたとき、投資銀行が介在してマーケット(投資家)へのアクセスを提供している。不動産クラウドファンディングにおいては、クラウドリアルティがプラットフォームとなり、不動産物件とマーケット(投資家)が取引できる環境の形成を目指すのだという。
Google の親会社 Alphabet が、バルーンを使って僻地にインターネットアクセスを提供する野心的計画を発表してから4年以上が経った。そして今、Google のさらなるサービス拡張によって数百万単位のユーザに新たなアクセスをもたらす次なる段階のプロジェクトを発表した。 高高度の空域に配置されたバルーンは、FSOC(Free Space Optical Communications:光無線通…
FSOC の初期テストを行う Alphabet X チーム
Google の親会社 Alphabet が、バルーンを使って僻地にインターネットアクセスを提供する野心的計画を発表してから4年以上が経った。そして今、Google のさらなるサービス拡張によって数百万単位のユーザに新たなアクセスをもたらす次なる段階のプロジェクトを発表した。
高高度の空域に配置されたバルーンは、FSOC(Free Space Optical Communications:光無線通信)と呼ばれる技術を使用し、光のビームを使った高速接続を実現。長距離データ通信の効率の良い手段であることを実証した。しかし、成層圏のバルーンを恒久的に維持することは困難な作業だ。そのため、Alphabet の研究開発部門である X(エックス)では、このバルーン技術を転用し、地上ベースでのソリューションを開発中だ。
X は、インドのアンドラ・プラデシュ州政府が所有するテレコム事業体 AP State Fibernet と連携し、数千個の FSOC ボックスを同州全体に導入している。