中国の配車ビジネス大手 Didi Chuxing(滴滴出行)は、エクイティラウンドで40億米ドル以上を調達したと本日(原文掲載日:12月21日)発表した。同社は今回のラウンドも合わせて総額120億米ドルを保有することになり、評価額は500億米ドル以上、アジア最大のスタートアップの1社となった。
発表によると、今回獲得した資金は AI 開発や国際展開に向けて活用されるほか、NEV(新エネルギー車)サービスネットワークをはじめとする新ビジネスにも充てられる予定。
一方、中国のフードデリバリープラットフォーム大手の Meituan(美団)は、国内主要7都市への配車サービス拡大を計画しており、Didi に対抗する姿勢を見せている。
現地メディアの Caijing(財経)によると、Meituan は今年2月から南京で配車ビジネスを試験的に行っている。その上で、今後は北京、上海、成都、杭州、福州、温州、厦門(アモイ)の7都市において、配車サービスを本格展開する計画だという。この分野で大きくリードする Didi に挑戦状を叩きつけた形だ。
配車ビジネスの熾烈な競争は、Didi が昨年8月に Uber の中国事業を買収して圧倒的な勝者となり、いったんは終結したかに見えた。しかし Meituan の参戦によって、今後Didiの独占的な地位が揺らぐ可能性もある。Meituan は去る10月に Tencent(騰訊)がリードしたシリーズ C ラウンドで40億米ドルを調達し、300億米ドルの評価を受けた。
Didi はまた、Meituan が中核事業の一つにしているフードデリバリーサービスでのローンチに向けて動いているとも伝えられ、こちらも目が離せない。現在 Meituan は、フードデリバリー、共同購入、ホテル予約、映画チケット販売などの多分野で事業を展開中。一方 Didi は、配車サービスを基軸にビジネスを展開している。
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