SLUSH TOKYO 2018のピッチコンテスト優勝は、車搭載のステレオカメラで自動運転用のマップデータを生成するドイツのArtisenseが獲得

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本稿は、SLUSH TOKYO 2018 の取材の一部である。

3月28日〜29日の2日間、東京ビッグサイトで SLUSH TOKYO 2018 が開催された。2日間を通じて行われたノミネート80チームの予選から、ファイナリストには4チームが選出。自動車に搭載したステレオカメラで自動運転用のマップデータを生成するドイツのスタートアップ Artisense が優勝した。

5分間のピッチ、5分間の審査員との Q&A の形式で進行された。ファイナリストの顔ぶれは次の通り。

【優勝】Artisense(ドイツ)

副賞:賞金500万円(リクルートホールディングス提供)

Artiense は、ドイツ・ミュンヘンのコンピュータビジョン(映像分析)研究施設からスピンオフした、自動運転やスマートシティの実現に必要な技術を提供する Deeptech AI スタートアップだ。自動運転には GPS や正確な地図情報などが必要になるが、都市部では高層建築物の遮蔽で衛星からの電波が届きづらく GPS が正確に動作しない場合もあるし、地図情報についても人間が見る以上に正確な情報を十分なペースで更新する必要が生じ手間とコストがかかる。

Artisense では車に搭載したステレオカメラ(レーザーは使っていない)により、独自アルゴリアズムで地図やデータをリアルタイム生成する。これにより、GPS や地図情報に依存しない自動運転が可能になる。先ごろ実施された Plug and Play Japan のアクセラレータプログラム Batch 0 で「Plug and Play Japan Award」を受賞、これまでにシードラウンドで25万ドルを資金調達している。

【エコシステム賞】Arilyn(フィンランド)

副賞:Tech in Asia Singapore 2018、Infinity Venture Summit 2018 Spring in Taipei 参加権

Arilyn は AR アプリを開発しており、iOS  と Android で利用できる。AR コンテンツのオーサリングサービスをはじめ、AR を使ったマーケティングに必要なフルサービスを事業者向けに提供している。

【JAL 賞】UltraCelsius(インドネシア)

副賞:日本航空のマイレージ25万マイル分

UltraCelsius は、特殊な化学剤により6日間にわたり効力を発揮する冷却材を開発するスタートアップだ。用途にあわせて複数の製品を開発しており、身体につけることで冷房に使う電気代を抑えられる「UltraCelsius Regular」、飲料の瓶や缶の冷却に適した「UltraCelsius Curve」、温度の低い状態を手軽に維持できる「UltraCelsius Mini」などがある。

【PR Times 賞】BuyandShip(香港)

副賞:PR サポート1年分

BuyandShip はデータ・ドリブンなアプローチにより、越境 E コマース向けの物流最適化スタートアップだ。ユーザにはバーチャルな海外住所や取りまとめサービスが提供され、より安い費用での荷物の受け取りが可能になる。

現在のところ、香港と日本の消費者向けに、アメリカ、日本、イギリス、韓国、中国、香港のバーチャルな住所が提供可能。香港ユーザの数は12万人、月に3万件の取扱がある。昨年12月、シリーズ A ラウンドで230万ドルを調達している。

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