Nurxが「偏頭痛」に特化した遠隔医療プラン、コロナ禍でニーズ急増が背景

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画像出典:Nurx 公式ウェブサイト

ピックアップ:Nurx sets sights on the migraine and headache space

ニュースサマリー:女性向けにデジタルヘルスケアを遠隔で提供するNurxは8月11日、シリーズCにて2,250万ドルの資金調達を実施したと発表している。同ラウンドには、Trustbridge, Comcast Ventures, Wittington Venturesが新規で参加し、既存投資家のUnion Square Ventures、Kleiner Perkins Digital Growth Fundも同ラウンドに参加している。これにより、同社の総資金調達額は1億1,300万ドルとなった。

重要なポイント:Nurxは9月1日、偏頭痛に特化して遠隔で治療できる新プランの提供を開始した。患者は年会費60ドルで、オンラインでの医療相談やビデオ検査、パーソナライズ化された治療計画と毎日のトラッカー、薬の宅配などのサービスを受けることができる。

詳細な情報:Nurxは2015年創業。女性向けにオンラインでのヘルスケアを提供している。2020年上半期には、COVID-19の影響により遠隔医療のニーズが急増し、避妊薬処方の新規リクエストが75%増加するなど、合計25万件以上の新規患者が同社サービスを利用したという。

  • 今回発表された偏頭痛の新プラン提供背景には、女性はホルモンの影響で男性の3倍の確率で偏頭痛を抱え、実際に米国の2,800万人以上の女性が偏頭痛に悩まされている現状などがある。
  • さらに、偏頭痛を抱えるNurxの患者を対象にした調査によると、2人に1人近くが頭痛の症状を医師に見捨てられたことがあると答え、4人に1人が友人や家族からのサポートを受けられなかった経験があるという。
  • Nurxの臨床アドバイザーで、米国頭痛学会の特別研究員でもあるCharisse Litchman博士は「遠隔医療は、頭痛に苦しみながらも物理的にケアを受けることができない人々や、過去に医療提供者から症状を否定されたと感じている人々に手を差し伸べるための解決策となる」と期待を寄せる。

背景:Migraine Buddyによる2020年4月の調査によると、偏頭痛を抱える人のうち84%が、パンデミックが偏頭痛の症状や治療計画に影響したと回答している。COVID-19の流行の中で、対面での受診が困難であること、薬局で薬を受け取る際の感染リスクへの不安、偏頭痛を誘因するストレスや不安のレベルが高くなっていることが背景にあると考えられる。

執筆:平理沙子(Risako Taira)/編集:増渕大志・岩切絹代

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