Automaticのケース
(前回からのつづき)WordPress.comを開発するAutomatticは、2005 年の設立以来、分散型の働き方を実践し、現在では 77カ国にまたがる1,200人以上の従業員に、選択制でどこからでも仕事ができる環境を提供している。過去10年間、同社のグローバル人事部長を務めたLori McLeese氏は、分散型ワークフォースを成功させるためにはリモートワークを会社の構造に組み込む必要があると指摘する。彼女によると、このリモート構造はコミュニケーションと無数の場所で人々をつなぐために企業が使用するすべてのツールにまたがる必要性があると指摘する。
「分散型ワークプレイスの初期のパイオニアの一人として、この種の環境を成功させる要因について多くのことを学びました。私たちには分散型ワークに対する哲学と文化があり、結果的にプロジェクト管理や計画のようなものに対する私たちのアプローチが結果的に異なるものになったのです」。
例えばオフィス以外の場所で働くことを表現するために使用される用語の多くは同じように使用されているが、それらを区別することが重要だ。例えば、「リモートワーク」は必ずしも「在宅ワーク」と同じ意味ではない(もちろん、同じ意味になることもあるが)。今、企業が分散型チームを構築するための支援をする企業が増えている。彼らは世界中の戦略的な採用拠点に共有のワークスペースを作り、そこに採用やオフィスレイアウト、人事などの実務上のあらゆる機能を集めて提供している。
一方で「リモートワーク」と 「在宅ワーク」は、どちらも会社全体の理念というよりは、個人的な実践方法を示す傾向がある。McLeese氏も「結局のところ分散型の働き方は在宅勤務と同等のものではありませんし、パンデミック時の在宅勤務と同じものでもないのです。私たちはこの環境をナビゲートするために、無数のツールやテクニックを使っています」と指摘する。
AutomatticはSlackやZoomといったサードパーティ製品に依存しているが、分散型ワークフォースを念頭に置いた社内ツールも開発している。リモートワークの導入を検討している他の企業のために、AutomatticはHappy Toolsやリモートチーム向けの「P2」などのツールをサブスクリプションとして利用できるようにもしている。
「私たちは社員に柔軟性を持たせるために、非同期のコミュニケーションを大切にしています。また、私たちには経験したことを常に改善するために、起案し反復するという文化があるのです。これは製品開発だけでなく、業務プロセスにも当てはまります」とMcLeese氏は付け加える。(次につづく)
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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