業務デジタル化に必須の「プロセスマイニングツール」をリードするCelonis、Best Enterprise Software Startup受賞

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ピックアップ:Celonis Named Best Enterprise Software Startup by Constellation Research

ニュースサマリ:ドイツのCelonisが、米国のリサーチ企業Constellation Researchの発表するBest Enterprise Software Startupに選ばれた。過去の受賞企業にOutreachやWorkato、Zoomなどがあるこちらの賞だが、同社はグローバル2,000社に対してプロセスマイニングを活用したExcecution Management Systemを提供しビジネスパフォーマンスを向上させたことが評価されての受賞だ。

重要なポイント:プロセスマイニングとは、実際の業務プロセスを自動的に可視化して最適なプロセスを分析して導き出すことができ、これまで人間主体でやってきたRPAにおけるプロセスマッピングの手間を大幅に削減する仕組みのことを指す。プロセスマイニング業界ではExcecution Management Systemという実行の管理まで行うシステムは初めてのものであり、変化のスピードが速い昨今で競合他社に対して優位に立ち大きなビジネスインパクトを起こすための有効なツールを提供する企業として先駆者的立ちになっている。

詳細情報:同社によると、導入した企業で例えばサプライチェーンにおける平均的な納期順守率の43%を大幅に超える95%以上を実現したり、平均的なスコアが32程度のネットプロモータースコアが常に70を維持していたりと、実際に効果が見えてきているとしている。

  • 過去の同社の顧客事例としては、欧州最大手のファッションECのZalandでの購買の過去のデータを学習させて工数を削減した事例や、Uberのドライバーの採用やサポートのオペレーション関連でプロセスマイニングを採用することで2,000万ドルのコストを削減した事例などが代表的なものとして公開されている。
  • 日本国内では、PwC JapanやクニエといったコンサルティングファームがCelonisのツールに自社のサービス付加価値を付けた形でプロセスマイニングサービス展開を行うような動きや、日立システムズのようなITベンダーがCelonisとリセラー契約を締結するような動きがある。
  • Celonis自体は、既にグローバルでは2,000社を超える企業で導入されるプロセスマイニング業界においてリーダー企業であるが、2019年9月に日本法人を設立して、国内だけでも既に50企業が顧客になっており、国内でも上記の動きをはじめとしてマーケティング活動を推進している。
  • その他の直近の動きとしては、2020年11月にプロセスマイニングツールであるmyInvenioの販売・保守を行うハートコアとAI自動翻訳事業を行うロゼッタの業務提携が行われるなど、DXの推進という文脈の中でプロセスマイニングからRPAまでを含めたトータルソリューションの提供を目的とする動きも見られる。
  • 上記のように国内外問わずプロセスマイニングツールをメインに扱う企業がマーケットの中心にいるのが特徴だが、2020年12月にクラウドベンダーのMicrosoftからProcess Advisorというプロセスマイニング機能が公開されたようにこれまでと異なる動きも見え始めている。

背景:日本国内でもプロセスマイニングに関する動向が徐々に活発になってきているが、そのいずれもドイツのCelonisやイタリアのCognitive Technologyといったベンダーの開発したツールの販売代理店としての動きがメインであり、国内での自社開発を行う代表的なベンダーが出ていないのが現状である。

執筆:國生啓佑/編集:岩切絹代

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