レンタルプラットフォーム運営TENT、プレシリーズAで1.1億円を調達——15th Rock、セゾン、JR東などから

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TENT の皆さん。左から2人目が、創業者で代表取締役の松田基臣氏
Image credit: Tent

レンタルプラットフォームを運営する TENT は22日、プレシリーズ A ラウンドで約1.1億円を調達したことを明らかにした。このラウンドのリードインベスターは 15th Rock Ventures が務め、セゾン・ベンチャーズ、JR 東日本スタートアップ、名前非開示の1社が参加した。これは TENT にとって、2018年7月に実施した Framgia Holdings(当時、現在の Sun*)、白砂晃氏(フォトクリエイト 取締役会長)からの数千万円の調達(エンジェルおよびシードラウンド)に続くものだ。

TENT は2017年7月、LPO ツールや ASP サービスの立ち上げに従事してきた松田基臣氏が、趣味だったアウトドアに事業可能性を感じ創業。社名がそうであるように、もともとはテントやアウトドア商品のレンタルサービス「TENTAL」を中心に事業展開してきたが、2019年には、商品カテゴリを増やすべく、他事業者もレンタル事業に参加できるプラットフォーム「カウリル」をローンチした。消費者が購入に先立ち商品を試せる「Rent to Own」機能や、事業者がレンタル商品の運用を任せられるフルフィルメント機能も特徴的だ。

Image credit: Tent

今年4月にはリユース大手のブックオフと提携、スポーツ用品やアウトドア用品を中心に扱う10店舗で、前出の Rent to Own ができるサービス「BOOKOFF レンタル」を開始した。カウリルの仕組みを活用することで、店頭でのマーケティングやプロモーションを兼ねたレンタル需要の醸成、消費者の購入前試し利用ニーズをマッチングさせた新市場の開拓に寄与しているという。また、ゴルフ用品販売大手の有賀園ゴルフとも、ゴルフ用品のレンタルなどで事業提携している。

TENT では調達した資金を使って、RFID を活用したレンタル専用の在庫管理システム「ZAIKA」の開発を強化する。この仕組みを使えば、出庫(レンタル)されたもの、戻ってきたもの、回収率、在庫商品1個当たりの利用回数などを一元的に管理・可視化でき、例えば、レンタル事業の知見が無かったメーカーや小売事業者に対しても、レンタル事業への参入ハードルを下げることができる。最近のサブスクリプションサービスへの期待感の高まりから、TENT ではカウリルへのサブスクリプション機能の実装も進めているとのことだ。

左から:TOUCH TO GO 代表取締役社長 阿久津智紀氏、TENT 代表取締役 松田基臣氏、JR 東日本スタートアップ 代表取締役社長 柴田裕氏
Image credit: JR East Startup

TENT によれば、今回ラウンドに参加した出資者のうち、15th Rock Ventures は、TENT が単なるレンタル事業ではなく、データを活用したプラットフォームビジネスへの成長戦略を描いている点を評価したという。また、セゾン・ベンチャーズは、レンタルやシェアリングビジネスの事業可能性を評価した。JR 東日本スタートアップとは同社の協業プログラムを通じて、TENT が GALA 湯沢でのグランピング社員研修サービスの実証実験に参加しており、今回の出資参加はこれを念頭に置いたもののようだ。

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