クラウドPBXのDialpad、1.7億米ドルを調達——ダブルユニコーンに

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Dialpad のチームメッセージング機能
Image credit: Dialpad

クラウドコミュニケーションプラットフォーム「Dialpad」は、Iconiq Capital がリードしたラウンドで1億7,000万米ドルを調達し、時価総額は昨年のおよそ2倍の22億米ドルに達した。

Dialpad は、どこからでも働けるリモートワークの世界へと急速に移行する中で、多くの恩恵を受けてきた企業の一つである。Web 会議ビジネス電話システムメッセージングインバウンドコンタクトセンターなど、同社のクラウドベースのコミュニケーションツール群は、企業がより分散した労働力を受け入れざるを得ない中で、同社の成功を支えてきた。

「アプリ過多」現象の回避を支援

Dialpad は、ビジネスコミュニケーションツールは一元化されるべきであるという考え方に徹底して取り組んでいる。この統一プロセスの一環として、従来は独立していたUberConferenceサービスをDialpad Meetingsとして再ブランド化し、コアプラットフォームへ直接統合した。

Dialpad の創業者兼 CEO である Craig Walker 氏は、VentureBeat の取材に対し、次のように語った。

我々は、人々がどこにいてもコミュニケーションとコラボレーションができるようにする。顧客や従業員が複数のプラットフォームやチャネルを利用し、ナビゲートすることを期待することは、もはや企業にとって許されない。Dialpad は、顧客がビジネス・コラボレーションを簡素化し、社内外のコミュニケーションで増大する「アプリ過多」現象を回避するのを支援する。

Image credit: Dialpad

Walker 氏は、デジタル通信の分野で特筆すべき経歴の持ち主だ。 彼は今世紀初頭に Dialpad Communications というインターネット電話会社を設立し、それを Yahooに売却 して Yahoo Voice の構成要素とした。

Walker 氏はYahooを退職し、既存の電話番号とボイスメールボックスを1つのアカウントに統合できるオンラインサービス「GrandCentral Communications」を設立し、その会社を Google に売却して Google Voice の立ち上げを指揮した。Walker 氏は Google を退社後、電話会議サービス「UberConference」をローンチしたが、後に Walker 氏が Yahoo からブランドとドメインを買い戻し、Dialpad に名前を変えた。

AI と音声インテリジェンス

Dialpad はここ数年、AI の試みを強化しており、2018年に TalkIQ という電話会議書き起こしサービスを買収したのを皮切りに、その活動を開始した。この取引は、Voice Intelligenceと名付けられた Dialpad の新技術のバックボーンとして機能し、あらゆる電話からメモを生成し、センチメント分析を行い、自然言語処理を使って会議から実行可能な項目を強調することができる。

Dialpad はここ数カ月の間に、顧客体験技術領域で AI を活用する2つの企業—— KoopidKare Knowledgeware ——を買収し、その AI 能力をさらに高めている。

Dialpad はこれまで約2億3,000万米ドルを調達しており、前回の調達から14ヶ月の間に、Uber、Splunk、Stripe などの顧客リストに加え、GrubHub、Rapid7、New Relic も完全契約した Dialpad のクライアントとしてカウントしている。今回新たに1億7,000万米ドルの資金を得た同社は、自然言語処理(NLP)、機械学習、データエンジニアリングなどの分野で新しい人材の雇用に重点を置き、AI をさらに強化する計画だ。

今回ラウンドには他に、Alphabet 傘下の GV、T-Mobile Ventures、Omers Growth Equity、Amasia、Work-Bench、Section 32 が出資している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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