ユニークなイラストデジタルマップでイベント運営や地域開発、インバウンド戦略などに貢献するStroly/KDDI ∞ Labo7月全体会レポ

難波宏太さん

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

7月の全体会は、IVSのサイドイベントとして住友不動産との共催。パートナーとして参加いただいている98社の方々と、京都を拠点とするスタートアップ4社が協業や出資などのきっかけを求めて、今年4月にオープンした住友不動産のインキュベーションスペース「GROWTH 京都河原町」に集まりました。

本記事では4社のピッチの模様をお伝えします。

Strolyの難波COOは、同社が提供するユニークなイラストデジタルマップのプラットフォーム「Stroly」を紹介しました。Strolyは既に1万以上のマップを登録しており、独自の特許技術により、個性的なイラストマップに正確な位置情報を付与できます。

Strolyのサービスは、当初想定していた観光事業者、自治体などの顧客層を超えて、幅広い分野で活用されています。特筆すべきは、最近増加しているBtoBでの利用です。

Strolyのマップの特徴は、単なる地図ではなく、ユーザーの行動を変え、新たな価値を創造するプラットフォームとして機能している点です。GoogleやAppleのマップでは表現できない地域の雰囲気や感情に訴えかける情報を提供できます。さらに、ユーザーの行動データ分析が可能な点も導入企業から高い評価を得ています(難波さん)

具体的なBtoB事業者における導入事例としてはホテル事業者向けのセルフガイド促進による案内業務削減や、不動産開発業者向けのエリア価値向上なども可能で、マップの固定概念を覆す使われ方が増加しています。ユニークな事例として、工事現場で日々変化する搬入口やトイレ、弁当配布場所などの情報共有での活用なども挙げられました。ビジネス面での貢献も大きいと考えられています。

さらに具体的な活用例として、ベトナムのビンズン省での未来の街並み表現が紹介されました。この事例では、未来の街の姿を描くことで、マンションや商業施設の早期販売促進、テナント誘致に役立てています。

また、人気アーティストとのコラボレーションによる広島の観光促進キャンペーンでは、Strolyのマップ上でスタンプラリーを実施し、限定ボイスを聞ける仕掛けを作りました。これにより、従来のGoogleマップでは実現できなかった世界観の表現と、ファンの回遊促進を同時に達成しています。

ユーザーの行動データを詳細に分析した活用事例としては、祇園祭での来場者の動きを時間帯別に把握し、警備配置の最適化や観光案内所の効率化につなげているといいます。イベント運営の効率化や経費削減、言語別の利用状況も分析できるため、インバウンド戦略の立案にも貢献しているそうです。

Strolyのマップは、スマートフォンのブラウザで利用可能で、QRコードを読み取るだけで簡単にアクセスできます。また、iframeを使用してウェブサイトに埋め込むこともでき、顧客の既存システムとの連携が容易です。これらの特徴を活かし、今後はインバウンド対応や不動産開発分野での活用に注力していくことで、デジタル時代における地図の新たな可能性を切り開いていきたいと思います(難波さん)

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