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本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」に掲載された記事からの転載
7月の全体会は、IVSのサイドイベントとして住友不動産との共催。パートナーとして参加いただいている98社の方々と、京都を拠点とするスタートアップ4社が協業や出資などのきっかけを求めて、今年4月にオープンした住友不動産のインキュベーションスペース「GROWTH 京都河原町」に集まりました。
本記事では4社のピッチの模様をお伝えします。
HACARUSの染田代表は、製造業、建築・土木、インフラの3つの事業領域でAIを活用した現場DXを推進する取り組みについて発表しました。これらの産業は日本のGDPの20〜30%を占める基幹産業ですが、過去20年間で労働人口が大幅に減少しており、省人化や無人化への要望が高まっています。
一方で、現場から人が完全にいなくなることは考えられず、ESGの観点からも労働環境の改善が重要な課題となっています。HACARUSは、外観検査、設備管理AI、労働安全支援などを通じて、省人化と労働環境の改善を同時に実現することを目指しています。
同社の特徴は、大量のデータや高性能なコンピューティングリソースを必要としない、効率的なAI開発です。昨今注目を集めているLLMや生成AIとは異なり、創業以来10年間、少ないデータと限られたコンピューティングリソースで効果的に機能するAIの開発に取り組んできました。
HACARUSは、効率的なAI技術と現場のニーズを融合させた実用的なアプローチにより、人手不足に悩む製造業や建設業の課題を解決しています。HACARUSの強みは、大規模なデータやリソースを必要としないため、中小企業を含む幅広い顧客層にとって、導入ハードルが低いことです(染田さん)
染田代表は、具体的な事例として3つのソリューションを紹介しました。
1つ目は製造業向けの外観検査AI「HACARUS Checkシリーズ」です。たとえば複雑な形状の自動車部品などに対応可能な、ロボットアームやカメラ、照明とAIを組み合わせた省人化システムを開発しました。従来の画像処理技術では外観検査が困難だった複雑な形状の部品でも、このシステムにより簡単に自動化が可能になりました。
2つ目のソリューションは、建設業界などで行われているKY(危険予知)を支援するアプリ「HACARUS KY」です。作業内容を入力すると、労働災害事例や危険ポイントが提示され、スマートフォン・タブレット・PCでKY活動をすることができます。建設や土木系の顧客を中心に導入が進んでおり、作業員の安全意識向上に貢献しています。
3つ目は、半導体製造装置メーカーの東京エレクトロンと半導体製造工場の労災防止を目的として共同開発を行っている「HACARUS Workplace Safety」です。作業者の防護服や眼鏡の装着状況をチェックし、危険な状況をアラートで知らせます。
半導体製造現場特有の要望に応えるため、データセキュリティを考慮した完全オンプレミス型かつエッジ型のソリューションとなっています。即時に結果を出力できることで、リアルタイムの安全管理が実現可能です。
HACARUSは、各分野のニーズに合わせてカスタマイズする形で、現場作業の効率化や安全性の向上を支援しています。さまざまな企業との協業や共同開発にも積極的に取り組んでいます。個別の企業課題に応じたカスタマイズや新規開発にも、AIを活用した現場DXでサポート可能です。HACARUSは、テクノロジーの進化と人間の労働環境の改善を両立するテクノロジーで社会を変革していきます(染田さん)
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