自然素材デバイスでシンプルかつ穏やかなスマートホームを実現するmui Lab/KDDI ∞ Labo7月全体会レポ

大木和典さん

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

7月の全体会は、IVSのサイドイベントとして住友不動産との共催。パートナーとして参加いただいている98社の方々と、京都を拠点とするスタートアップ4社が協業や出資などのきっかけを求めて、今年4月にオープンした住友不動産のインキュベーションスペース「GROWTH 京都河原町」に集まりました。

本記事では4社のピッチの模様をお伝えします。

mui Labは「エネルギーマネジメント」をコア技術として、グローバルで50兆円を超える規模になると予測されている「スマートホーム市場」を開拓します。スマートホーム関連技術には、機能の複雑さや操作の難しさ、セキュリティの弱さなど、さまざまな課題が存在しているといいます。

mui Labは、シンプルで安全性の高いスマートホームのクラウドプラットフォームを提供しています。mui Labの主力製品は、木製の「muiボード」です。クラウドに接続された「muiボード」はAmazonの「Alexa」と連携することで、天気の確認やタイマーの使用、アラームのセットなどを、ハンズフリーかつ木製ならではの“穏やかさ”を感じながら行えます。

mui Labの特徴は、Calm(落ち着いた) Technologyと呼ばれる新しいドメインを開拓している点です。たとえば京都の景観条例で派手な看板が規制されているように、家族の”景観”を守るような、心地よい暮らしを感じられるスマートホームを提供しています(大木さん)

Amazonとのスキル連携は、Alexa Startupから直接サポートを受け、「muiボード」と「Alexa」の相互連携における「Works with Alexa」の認証を取得しました。Alexa Startupは生活や仕事の環境の中で、必要なときにそこに在って、必要でないときは背景に消えていく「アンビエント・インテリジェンス(環境知能)」を推進しており、「muiボード」との連携もその一環だったといいます。

またmui LabがBtoBで、不動産や賃貸管理事業者などに提供しているのが、スマートホーム賃貸管理「mui Smart Living」です。muiならではの心地よいスマートホーム体験により、生活者と事業者の穏やかな接点を生み出します。

事業者は入居者に、暮らしに便利な機能を備えたモバイルアプリ「mui Kurashiアプリ」やコミュニケーションデバイス「muiボード」、温湿度などが検知できる「muiセンサー」などを一括で提供できます。入居者はスマートに家電やIoT機器をコントロールしながら、事業者とダイレクトにコミュニケーションをとることも可能です。

さらに事業者は入居者情報を管理できる「mui Kurashiダッシュボード」を利用できます。入居者情報やアプリなどから収集した入居者の生活情報をもとに、カスタマイズした情報やコンテンツ、メッセージを送付することにより、入居者との心地よいコミュニケーションを可能とします。

mui Labでは、スマートホーム市場の成長に合わせて、段階的な事業展開を計画しています。まず市場形成期にプラットフォーム支援を行い、ニーズが固まってきた段階で継続的な価値提供により長期的な収益を得るリカーリングモデルへ移行。最終的には顧客体験の差別化を図るデバイス提供へと展開していく方針です。グローバル展開も見据えて、技術やサービスの開発に取り組んでいきます(大木さん)

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