Linnell氏は本誌VentureBeatの取材に対し「パンデミックによる労働力不足はロボット工学の世界に多くの注目を集めました。そして、現在では労働力不足に悩む、退屈で汚く危険な仕事にロボットが取り組んでいます」とメールで 次のように回答してくれている。
「Formant はデバイスからのすべての重要なデータ(カメラの映像、位置、ステータスなど)をストリームし、リアルタイムまたは履歴として見ることができる「データの DVR」を実現することで、個々のロボットの行動を顧客に提供します。また何か問題があれば、オペレーターがロボットをリモートで操作できるようにしています。さらに利害関係者はパフォーマンスを分析し、ロボットのパフォーマンスをビジネス目標に関連付けるために、フリートデータのハイレベルな可視化も実現しているのです」。
Formantはまた、インターネット接続があれば、世界のどこからでもロボットを制御することができる。そしてFormantのレポート作成ツールは、分析やトレンド(技術的な不具合、バッテリー寿命、走行距離、センサー温度など)を関係者向けにエクスポート可能な1枚のページにまとめることができる。
成長する市場
Linnell氏によると、200種類以上のロボットをサポートするFormantのプラットフォームは、毎月5万件のライブビデオストリームと50億件のデータポイントを処理しているとのことだ。現在の顧客にはフォーチュン100社や、BP、Canvas、Diligent、Graze、Burroなどの初期段階のロボット工学スタートアップ企業、John Deere子会社のBlue Riverが含まれており、同社では畑で農作業ロボットが生成するデータの取得にFormantを活用している。
BurroのCEO兼創業者のCharlie Andersen氏はプレスリリースで「Formantは私たちのロボット操業を拡大するために非常に重要なものでした。私たちの顧客は5,000台のロボットを自分の畑で走らせ、それを部屋の中でスクリーンで見たいと考えている」とコメントしている。
Formantは、倉庫や工場でロボットを指揮するソフトウェアを提供するSVT Roboticsと競合している。この分野の大手企業であるBrain Corpは、フルフィルメントセンター、空港、小売環境で稼働するロボット向けに同等のオーケストレーション・プラットフォームを提供している。Amazonは最近、AWS IoT RoboRunnerを発表した。これは、Amazon Web Serviceを通じて利用できるロボティクスサービスで、ロボットの一群が共同で作業できるようにするアプリケーションを企業が容易く構築できるように設計されたサービスだ。
Linnell氏によると従業員20人のFormantは、2022年には規模が倍増する勢いだそうだ。この最新の投資ラウンドには、Hillsven、Pelion、Goodyear Ventures、Thursday Ventures、Ericsson、Picus Capital、Holman Strategic Venturesらが参加しており、「増え続ける顧客とパートナーにより良いサービスを提供できるようにする」と彼は最後にこう付け加えた。
「今回の資金調達は主に市場参入チームと、カスタマーサポートおよびサクセスチームの増強に充てられます。製品面ではFormantの拡張性を確保し、顧客が簡単にアプリケーションやワークフローを我々のプラットフォーム内で構築できるよう、統合やAPIに大きな投資を行う予定です」。
Formantの総資本は現在2300万ドルだ。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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