中小部品メーカー向け見積支援システム「匠フォース」が正式ローンチ、6,000万円をシード調達

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左から:井坂星南氏(取締役 CTO)、前田将太氏(代表取締役 CEO)、原崇文氏(取締役 VPoE)
Image credit: LeadX

中小部品メーカー向け見積支援システム「匠フォース」を開発・提供する LeadX は6日、シードラウンドで6,000万円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、ジェネシア・ベンチャーズ、東京大学協創プラットフォーム開発(東大 IPC)と、個人投資家として八田新大氏(Prime Partner 創業者兼代表取締役)。同社では調達した資金を使ってメンバーの採用を加速させ、開発力を強化する。

LeadX は2020年2月、前田将太氏(代表取締役 CEO)、井坂星南氏(取締役 CTO)、原崇文氏(取締役 VPoE)の3名により創業。3人は共に東京大学ラクロス部の出身だ。法人化前の2019年8月に、東京大学アントレプレナーシップチャレンジで優秀賞を獲得、その後、観光や教育系事業、コロナ禍においてはサブスク型のランチやモバイルオーダーサービスを立ち上げるもピボット。2021年4月に、現在の匠フォースの事業に行き着いた。2021年7月にはこの事業で、東大 IPC の「1st Round」に採択されている。

寝食を共に、新事業開拓に勤しんでいた創業当初。
Image credit: LeadX

匠フォースがターゲットとするのは、多品種少量生産の金属部品加工メーカー、いわゆる町工場だ。この業界では、CAD/CAM の導入をはじめ、加工工程については機械化や自動化が進んでいる一方、見積工程は依然として、経営者や熟練のノウハウを持つ一部の社員に依存していることが多い。こうしたメーカーの7割が赤字経営とされる中、材料費や人件費でコスト圧縮に血の滲むような努力をしても、値決めを1%間違うだけで利益は吹っ飛んでしまう。

前田氏らは関東を中心に120社ほどのメーカーを回る中で、部品製造の見積工程にデジタルトランスフォーメーション(DX)の大きなニーズがあることを確信し、匠フォースの開発に着手した。このプラットフォームでは、過去の案件を参考にしたり、原価・利益率・受注率などをもとに積算したりすることで、見積金額を効率的に弾き出せる。この分野には製造業受発注プラットフォーム「CADDi」なども存在するが、匠フォースは見積の自動化よりも、見積側と発注側に価格の根拠を提示することに重きを置いているという。

「匠フォース」
Image credit: LeadX

多品種少量生産の分野は、多くの情報を製造図面に依存しているのは事実だ。ただ、受注価を決定する上で、この図面だけでは情報が足りない。顧客によって特徴的な仕上がりや製造方法を求めるなど、顧客に紐づいた多くの変数が必要になるからだ。こうした情報を集約し、製造業にフィットした CRM 的なものが作れれば、日本の製造業のお家芸とされた、言語化しにくい、痒いところに手が届く芸当は、属人的ではなくサステナブルなものにできるかもしれない、と、前田氏は匠フォースが目指す将来像を語った。

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