DeNAの元執行役員が立ち上げ、エンジニアの給与DB「PROJECT COMP」運営が2億円をプレシリーズA調達

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Image credit: Project Comp

エンジニア向け給与データベースサービス「PROJECT COMP(プロジェクトコンプ)」を開発・提供する PROJECT COMP は28日、プレシリーズ A ラウンドで2億円を調達したと発表した。このラウンドのリードインベスターは Spiral Capital で、XTech Ventures と Delight Ventures が参加した。XTech Ventures と Delight Ventures は、同社が昨年実施したシードラウンドにも参加している。今回ラウンドでの調達を受けて、同社の累積調達額は3億2,600万円に達した。

PROJECT COMP は2020年7月、ディー・エヌ・エー(東証:2432)に新卒で入社し HR 本部長や執行役員を歴任した田川啓介氏により創業(創業時の社名は Fieldriver)。DeNA にはエンジニアを含め多数の社員がいて、田川氏はその多くから相談を受ける中で、HR を担当する自分達と社員の間には、情報の非対称性があることに気付いたという。「自分のエンジニアとしての価値や評価は、人材市場全体の中で客観的に見てどうか」——これを正しく認識できている人は、世の中全般的に多くない。

田川啓介氏

人材になるべく長く自社で働き続けてほしい企業は、「社員の耳に、市場の給与相場の情報を入れたくない」と考えることもあるだろう。ただ、人材の流動性が上がってきている中で、「うちは、こんなに素晴らしい先輩がいる」と社員にアピールしても、それだけで、彼らのハートをグリップし続けることは難しい。市場の相場感を反映した評価制度や給与体系を整備できれば、企業は他社との人材獲得競争において有利に立ち回れる可能性が高まる。

そんな背景から、秘匿性の高い給与情報を集め、企業の給与体系を民主化するための手段として利用してもらえるよう、田川氏が立ち上げたのが PROJECT COMP だ。2020年にβローンチしたこのサービスは、約2年間にわたりステルスモードで事業を行ってきたが、これまでに数千人のエンジニアをはじめとするコア人材が登録し、自分の給与情報などを入力・提供している。ユーザは自身の情報を提供する代わりに、他社の給与情報を統計的に閲覧できる仕組みだ。

Image credit: Project Comp

PROJECT COMP のマネタイズだが、まず、収集したデータを元に、10月にも企業向けの評価・査定に特化した SaaS をローンチする予定だ。田川氏によれば、これまでキャリア採用会社が企業に提供してきたコンサルティングに近い要素を、データドリブンなアプローチで提供できるので、相応の売上が見込めるという。この SaaS ではエンジニアだけでなくコア人材の給与情報も扱い、会社まるごとの制度設計を支援する。数年後には、ビズリーチのような、エンジニア版の企業⇄人材マッチング事業を立ち上げる計画だ。

PROJECT COMP は、ディー・エヌ・エーの投資子会社で、デライト・ベンチャーズのベンチャービルダーから輩出された。創業に先立ち、田川氏は当時上司であった南場智子氏(ディー・エヌ・エー代表取締役)に相談、彼女の助言やベンチャービルダーが無かったら、創業には踏み切らなかっただろう、と2年前を振り返る(ちなみに、南場氏は、人材流動性の重要性をしばしば訴えている)。また、「Mobage」や「モバオク」の開発で知られる伝説のエンジニア川崎修平氏が、PROJECT COMP を CTO の立場で支援していることが明らかになっている。

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