警察にもデジタル化の波、ボディカメラでDXする「Axon」/犯罪を防止するテクノロジー(3)

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Image Credit : Axon / Photo by Pixabay

最後はアリゾナ州スコッツデールに拠点を置くAxonをご紹介したい。法執行機関および刑務所などの施設にボディカメラなどのデバイスを提供する会社だ。

同社の製品の「Axon Body 3」には AI チップが搭載されている通信ビーコンだ。発砲音や落下音などのパターンを検出するカメラが内蔵されており、常にモバイル ネットワークしているためライブストリーミングや正確な位置の把握などが可能。これにより現場警察官のリアルタイムの安全確認と対応、証拠映像の確保を実現できる。

また、Axon Body 3は警察官だけではなく、刑務官が着用した場合でも効果を発揮する。Corrections1によると、ボディカメラの存在は受刑者が規則を破ったり、虚偽の主張、苦情を思いとどまらせることができるという。これは反対に刑務官が必要以上に強く受刑者に当たることを未然に防ぐ手段にもなっている。ケンブリッジ大学の研究によると、ボディカメラの着用によって警察官への市民からの苦情の発生率が93%減少し、警察官と市民の両方の行動に影響を与えることがわかったという。

刑務所の現場におけるボディカメラは苦情の減少に加えて、施設での身体的暴行の数を減らすことで負傷した受刑者を治療するための医療費を軽減し、負傷したスタッフの病欠や労働者の補償請求の減少が促せるそうだ

同社はAxon Body 3とも互換性がある製品「Axon Evidence」を提供している。これはエビデンス管理システムで、デジタル証拠の保管場所をまとめることが可能だ。証拠がどこで収集されたのか、誰かが改ざんしていないかなどのシステムの使用状況を監視し、簡単に証拠を検索できる。また検察官と公選弁護人など頻繁に協力する人とシームレスに証拠を共有できるような証拠データの管理と利活用に特化したシステムとなっている。事件に関連するデータのサイロ化が進んでいる中で、ユーザーに明瞭な洞察を与える武器となっている。

さらに、同社は2022年5月に警察官向けのトレーニングVRの提供を発表。これは現場で警察官が統合失調症を持つ人物など様々なバックグラウンドを持つ人物に対応することを想定し、現場のエスカレートを防ぐためのトレーニングを目的としている。日々精神病や認知障害を抱えた人と接する警察官の対応能力の向上は、コミュニティの安全向上に繋がるという。

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