SVB経営破綻を受け、シンガポールがスタートアップ資本の〝より安全な避難場所〟になるかも

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東南アジアのスタートアップの多くは、シリコンバレー銀行(SVB)と接触する機会が限られているか全くない。にもかかわらず、東南アジアの VC は、潜在的な影響について慎重な姿勢を保っている。

Image credit: Coolcaesar via Wikimedia Commons
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東南アジアのスタートアップの多くは、シリコンバレー銀行(SVB)と接触する機会が限られているか全くない。にもかかわらず、東南アジアの VC は、潜在的な影響について慎重な姿勢を保っている。

Golden Gate Ventures は、創業パートナーの Vinnie Lauria 氏が LinkedIn の投稿で、「自社を含むアジアの多くの VC がSVBと銀行取引をしている」と述べている。しかし、同社によると、今回の金融危機で影響を受けた資金は1%未満だったという。

一般的に、VC の銀行口座には最小限の資金しかない。むしろ、アジアではスタートアップや他の人たちの方が、経済的な影響を受けることを覚悟しなければならない。

しかし、それでも彼は、この地域のスタートアップの創業者は、自分の会社が被害を受けたかどうかを投資家に伝え、今後の資金調達のために「市場心理を探る」べきだと示唆した。

Insignia Ventures Partners の創業マネージングパートナー Yinglan Tan 氏は、こうした暴落が買収の勢いを増し、特定の企業やファンドの購買力や投資力に影響すると指摘している。

東南アジアのスタートアップはすでにグローバルな魅力に溢れているため、SVB との関係がどのような影響を受けるかによって、グロースステージの資金調達、セカンダリ売却、買収が影響を受けるだろう。

しかし、この状況は、シンガポールが今後数年間、スタートアップに特化した資本と人材のためのより強力な避難所となる機会を与えるかもしれないと、Tan 氏は述べている。

Quest Ventures のパートナー Jeffrey Seah 氏も、一部の資金はシンガポールにあるような、より信頼性が高く資本力のある銀行機関に移動すると予想している。

(一部のテックスタートアップにとって、)これは、ビジネスが成熟し、財務管理におけるメインストリームの考え方を採用するための前向きな加速の旅になる可能性がある。一部の企業にとっては、これ以上早まることはないだろう。

Beenext Capital のマネージングパートナー Hero Choudhary 氏は、東南アジアのスタートアップを含め、スタートアップにとって大きな教訓となるのは、「大手銀行と取引する」ことと、銀行パートナー、ベンダー、サプライヤー、顧客など、他の関係者と関連するリスクを理解することだと述べている。

シンガポール金融管理局(MAS)は13日、シンガポールは SVB に対して影響を受ける資産割合を最小限に抑えていると発表した。しかし、MAS は Enterprise Singapore(シンガポール企業庁)と協力し、アメリカで事業を展開する企業を含むシンガポールのスタートアップへの潜在的な影響を評価している。

最新の動きとしては、HSBC がイギリスにおける SVB の事業体を買収すると発表した。アメリカでは、JP Morgan Chase と PNC Financial Service Group が買い手の候補に挙がっている

【via Tech in Asia】 @Techinasia

【原文】

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