副業からCTOへジョブチェンジ、ユーティルの開発が楽しかったワケーーカムスタ!チームワークのお話

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本稿はベンチャーキャピタル、サイバーエージェント・キャピタルが運営するサイトに掲載された記事からの転載。掲載されているユーティルの採用情報はこちらから

カムスタ!「チームワークのお話」は成長しているスタートアップのチームについて、その成り立ちや工夫、日常の何気ない風景をお伝えするインタビューシリーズです。初回の登場はビジネス向けデジタル化支援を手がけるユーティル社に登場いただきます。

ユーティルは2015年創業のスタートアップ。創業者で代表の岩田真さんは元々ジャフコでスタートアップを支援する側の方でした。立ち上げてからしばらくは企業から開発受託を受ける形で支援をしていましたが、2018年に開始した「幹事シリーズ」を軸により幅広い顧客のデジタル化支援を展開することになります。

受託開発からプラットフォーム型のビジネスへ。チームも当然、その変化に対応しなければなりません。今回、インタビューには岩田さんに加え、開発チームを支えるCTOの横道勝信さんにも加わっていただきました。横道さんはユーティルに出会うまでは150名規模のベンチャー企業にて開発の責任者を務めていた方です。

小さな受託開発をしているスタートアップになぜ移籍したのか、またお二人が話す「開発チームの手応え」はどのようにして生まれているのか。受託からサービスへ転換していったチームのお話をぜひお聞きください。(太字の質問は全て編集部。回答者のお名前には敬称を略させていただいています)

創業のきっかけ

岩田さんは元々、投資サイドの方なんですよね

岩田:そうです。2015年までジャフコに在籍してみなさんと同じくスタートアップ投資を手掛けていました。

ユーティルさんは創業当初、現在のウェブサービスではなく受託開発されていたとか

岩田:2015年に創業したんですが、最初の3年間は受託開発やシステム開発を行っていました。中小企業のお客さまで、例えばコピー機が主力商材のような、古くからある会社さん(例えば大塚商会や光通信など)が多かったんです。

ただ、彼らはデジタルツールを使う必要があるのに、実際にはIT技術やリテラシーに課題を抱えているケースもあったんです。市場に出回っているSaaSやクラウドソフトウェアなどをこのような企業さんが扱う場合、求められるものと現状にはズレがあると感じたんですね。こうした背景から2018年の夏に幹事シリーズを立ち上げることになったんです。

最初の開発チームと投資家

受託からヒントを得て開発に進むスタートアップのケース、ということになりますが、問題になるのは開発する方々です。岩田さんは投資家であって開発者ではないですよね?

岩田:そうです。僕は営業部門のディレクターで、プロジェクトマネジメントなどを担当していました。最初はジャフコで働いていた同期の方々にお願いしていました。元同僚の高校の同級生がワークスアプリケーションで働いていたエンジニアだったんです。その方の紹介によってスタートしました。

開発が不慣れな状態でマネジメントには苦労したのでは

岩田:そうなんです。全くの未経験でゼロからスタートしました。マネジメントやシステム、ウェブに関することが全く分からなかったので、まずは会話ができるようになるところから始めました。結構大変でした。受託業務で働いていた当時ですが、正社員の方や業務委託で働いていた方もいたので、六、七人月ぐらいの工数で作業していました。案件が炎上したこともあって、そういう経験を通じて、開発とのコミュニケーションについても学びました。

CACはこの頃に出資しています

岩田:幹事シリーズが2018年からスタートするのですが、CACとの出会いや出資はその後です。このシリーズがリリースされた後、最初のウェブサイトが公開されてお問い合わせも増えてきたタイミングで、竹川さんと再会したんです。私とはジャフコ時代のころからのご縁でした。

その後、現在の受託開発からサービスに切り替える段階で、最初のラウンドを引っ張ってくださった感じです。そこから、サービスの開発チームを作るという話になりました。

ーー受託からサービスへ。ニーズを汲み取ってから勝負を仕掛ける「元投資家」ならではのスタートを切ったユーティル。しかし受託開発とサービス内製の開発チームは少し性質が違います。このスイッチをスムーズに実行したのが二人のCTOの存在でした。

大手から小さなスタートアップへ移ったワケ

受託からサービス運用っていろいろ方向性が異なると思うんですが、そう簡単にスイッチできるものなんですか?

岩田:そうですね。サービス開始当時にやっていたことは何かを作ることではなく「何かを作らない」方向性でした。初代CTOは冷静な人で、今は独立しているのですが、当時はまだスピード重視の方向性で、現在よりも苦労していたという印象があります。例えばサービスのCRM箇所にはSalesforceを使用しWordPressに採用されているエディターモジュールを活用して社内のエディターを作成したりしていました。ただ、これには色々な問題があったため、今後はスケーラブルな土台を作る方向性で、二代目のCTOとして横道が入ってきてくれています。

ではここから横道さんにお話を伺いますが、ユーティルでCTOを務める前はどのようなお仕事されていたんですか?

横道:以前の職場でも、ユーティルと似た仕事をしていました。前職では、ウィルゲートという会社で開発部門の責任者を務めていました。プロダクトマネジメントの業務や、開発チームでのエンジニアリングマネージャーのような業務です。現在はWeb幹事を中心にサービスを提供しているため、どのようなものを作成していくかという方向性を決めたり、またスケールできるようなシステム基盤に作り変えるなど、システム面と事業面の両方を担当しています。

ユーティルや岩田さんのことは知っていたんですか?

横道:全く知らなかったです(笑。前任のCTOが退職することがわかったタイミングで、岩田さんが様々なところで探していたところ、声をかけていただいたんです。

でもいきなりCTO、開発の責任者になってと言われても荷が重いですよね

横道:最初は技術顧問として参加しました。その後、1年ほど採用やプロジェクトマネジメントのサポートなどをしていました。徐々に内部を知るようになったため、大変だろうなと思いつつ、組織としては魅力も感じていました。というのも、前職ではかなり組織化されていたため、やりたいことを実現するのは難しかったという状況もあったんです。やりたいことができそうだと感じて移籍することにしました。

副業からCTOへジョブチェンジ

岩田さんは横道さんをどこで見つけたんですか?

岩田:普通に採用媒体、Wantedlyなどを見たり、TwitterやFacebookで検索してDMを送ったりしています。上場企業のCFOなどに声をかけて、食事に行くこともあります。

横道さんはどう声かけられたんですか?CTO探してるっていきなり言われるとちょっと困りますよね

横道:本当に困ってるっぽかったです。副業でもいいのでって感じで。ただ、困ってる状況で自分が行ったら多分、何かの足しにはなるだろうなと思ったのは記憶しています。これまでの経験が活かせるというのも感じていました。

1年間ほど副業でお手伝いしてそこからいよいよ転職

横道:岩田さんからある日メッセージが届いたんです。突然呼び出されたときには契約が切れるのかと思ったのですが、逆にオファーが出されて。そこからですね、真剣に考えるようになりました。

CTOになって取り組んだことは

横道:現在は、サービスの裏側を強固にする計画を立てていまして、機能を残しつつ影響を出さずに、最初のサービスを作り直しています。今年や来年までに綺麗にすることを目標にしています。

ーー受託開発で始まったユーティルは横道さんというメンバーを得て、いよいよ本格的にサービスを提供するスタートアップへと変化を遂げました。現在約40名のチームはリモート・オフィスを使い分け、中小企業のデジタル化支援を展開しています。開発が楽しいとお話する横道さんにそのワケをお聞きしたところ、お客さんとの近さがあると教えてくれました。

スタートアップ開発の楽しいトコロ

スタートアップに移籍して開発は楽しいですか?

横道:スタートアップ事業の面白みって、お客さん側のフィードバックを近くで聞けることなんですよね。開発している人たちにとっても大きなメリットだと思います。

岩田:何事でも「すごい」とか「楽しい」と言っているので、みんな楽しそうですね。和気あいあいとやっているのが楽しいと思います。リモート環境で開発しているので、ほとんどの人が家で仕事をしていて、月に1回しか出社しないのに、コミュニケーション量はすごく多いと思います。

コミュニケーション量を増やす工夫とかって何かされていたりしますか?

横道:Slack上で自分たちの意見を出しやすい場所を作ったり、ミーティングは多くないけど、コミュニケーションの時間をきちんと設けたりしています。働きやすい環境を作るために、時間については柔軟なスケジュール設定も行っています。こうした取り組みの結果、和やかな雰囲気が作れてるのかなと。

岩田:そんなに大きな組織ではないので、彼らが作ってくれるひとつ一つが割とドラスティックに改善につながるというか、ちょっとしたものを作るだけでも営業とかマーケ側からすると、すごく助かるといったフィードバックが届くのがいいみたいです。チーム全体が直接すごいありかたがってくれる環境は多分いいんだろうなっていうのありますね。

横道:やってほしいというリクエストに応えるため、開発向けの目安箱のようなものをSlackに用意しています。投げ込めるようにしているので投稿がある度にチェックしてます。あと、制作会社の方々が会社に来てくれることもあり、その中で使いやすさなどに関するアドバイスをいただくこともあります。こういう距離の近さってやっぱりいいですね。開発のみんなも喜んでいます。

ありがとうございました。

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