食材廃棄ほぼゼロ「テイクアウト家庭料理」新星など7社登壇ーーMonthlyPitch全社ご紹介

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創業期の起業家向けピッチステージ「Monthly Pitch」は6月14日に71回目となるイベントを開催しました。これまでに登壇した企業は530社で、今回は7社が新たにステージに登壇しています。会場とオンラインに集った投資家に向け、起業家たちはサービスのプレゼンテーションを披露しました。

本来は投資家と起業家のみの招待制・非公開イベントですが、本誌BRIDGEではメディアパートナーとして参加しております。本稿では登壇した7社の公開できる情報をお届けいたします。

自分が見ているものをシェアしながら対話できるアプリ「WeCall」by HoloAsh

岸慶紀さん
岸慶紀さん

WeCallは海外、特にアメリカのティーンをターゲットにしたビデオコミュニケーションのためのiPhoneアプリです。アメリカのティーンの43%は毎日、友人らとビデオ通話を楽しんでいることがわかっているそうです。ただ、話をしているときは自分が見ている対象、Webサイト、動画などをシェアしながら話したいもの。しかし、一般的なスクリーン共有では、自分に届いたプッシュ通知なども相手に見えてしまい、プライバシーが守れないなどの問題が生じます。

WeCallではスマートフォンのフロントカメラとバックカメラを同時に起動できるので、自分が見ているものを相手に見せながら、自分の表情も相手に見せることができます。岸さんは、スマートフォンでソーシャルメディアをスクロールするだけでなく、友達を大事にする文化を作りたいと語りました。

実にユーザの2割が友人からの招待でWeCallをダウンロードしており、ネットワーク効果を発揮しています。友達とやりとりしながら作成した録画をTikTokなどでシェアしてもらい、それがグロースに繋がることを期待しているそうです。

研究検査・検査・診断を加速させる画像解析SaaS「IAS」 by Life Analytics

久保田大介さん

IASは、医療・創薬・製品開発などの現場微鏡で撮影された画像の解析に使われるクラウドアプリケーションを開発しています。会社メンバーの多くは、精密機器メーカーや分析機器メーカーの出身者らで構成され、画像解析の分野におけるペインポイントを熟知しています。

顕微鏡はメーカーによって、操作の仕方、データのフォーマット、色のクセなどに違いがあり、運用を統一することが簡単ではありません。IASは、ディープラーニングを使ってキャリブレーション(補正)をかけるなど、異メーカー・異機種間でも標準化が可能です。

IASはAIプラットフォームではありますが、未知の薬効、動体追跡、パターンマッチングなどユースケースに合わせたAIメソッドも開発しており、これらを異メーカー・異機種間でも相互に使えることがIASの最大の強みです。研究・検査用画像解析ソフトの分野はニッチな業界ではあるものの、世界市場は右肩上がりで成長をしており、Life Analytics では世界展開にあたり、北米やヨーロッパでの現地法人設立を経て、2030年のIPOを目指したいとのとでした。

行動データを活用したマイクロファイナンス的な与信プラットフォーム by ビー・インフォマティカ

稲田史子さん

ビー・インフォマティカは、フィンテックにおけるリバースイノベーション、つまり、発展途上国で産んだイノベーションを日本に逆輸入するタイプの事業として、その可能性を見出そうとするスタートアップです。

日本の金融機関での勤務の後、バングラデシュのIT業界で働いていた稲田さんは、現地の農村部で行われていたマイクロファイナンスの実態を見て驚いたと言います。女性たちにお金を貸し付ける時に審査はしないものの、5人1組のグループレンディングの形を取ることで、貸し倒れ率(デフォルト)1%未満を実現しているのでした。

そんな中、稲田さんはマレーシアでGlobal Psytechという会社が開発したPsychometric Testという手法に出会います。返済する意思を示した心理学データに基づいた信用スコアを組成し、それを元に貸付をしている状況を目の当たりにし、新しい信用は創造できると言います。稲田さんらが起業したビー・インフォマティカでは、Psychometric Test を48問の所要時間10分程度の質問にし、日本で十分な金融へのアクセスが提供されていない、フリーランサーや在日外国人向けの金融包摂サービスを提供したい考えです。

ノーコードで会員制動画サイトが作れる「One Stream」by ルートチーム

澤居宏紀さん

OneStreamは、NetFlix、AbemaTV、AmazonPrime のような会員制動画サイト(OTT)を、誰もが簡単に構築できるプラットフォームです。一般的に企業では、社内研修、セミナー、マニュアルなどを動画コンテンツとして生み出せる可能性がありますが、社内向けコンテンツであるため秘匿性が高い情報が含まれており、それをそのまま一般公開することは困難を伴います。WordPressなどで専用サイトを構築しなくても、OneSteam を使えば、管理画面から動画をアップロードするだけで1分ほどで会員制の動画サイトが構築できます。

OneStreamでは、OTTのように動画を一般公開する機能も備えており、視聴分析、CRM、グループ配信、サブスク、アンケート、公開範囲の指定などもワンパッケージで提供されます。ユースケースを絞った、中規模の限定配信に特化したことで、大規模なインフラを構築しないで済むため、ユーザは従量制ではない、無制限の配信が可能です。

動画配信の市場規模はコロナの前と後で2倍に成長しており、2027年には7,000億円にまで達する見込みのこと。ルートチームでは、OneStreramを動画におけるShopifyにすることを目指します。

家庭料理のテイクアウトステーション「マチルダ」 by Matilda

丸山由佳さん

マチルダは、LINEでオーダーでき、3品1セットの夜のメニューを街角のテイクアウトステーションで受け取れるハイパーローカルサービスです。現在、東京都内を中心に6カ所のステーションを展開しています。仕事や子育てに忙しい家庭をターゲットにしており、注文者である主婦だけでなく、家族に訴求できるメニューやユーザ体験に重きを置きました。この戦略が功を奏し、ユーザの半数以上が6カ月以上も継続的に利用しているそうです。

中食惣菜市場は巨大成長市場にもかかわらず利益率が低いとされますが、マチルダではサブスクの事前注文、突発的なキャンセルを別の当日注文として受け取れるようにしたり、ステーションでおまけとしてつけたりするなどして、食材廃棄率ほぼゼロを達成しています。

街角にステーションを開設するため出退店コストがかからず、進出・撤退を繰り返しながら、最適な場所へのステーション展開がやりやすいのもメリットです。保育園からの誘致や東京メトロとの協業も実現していて、2027年までに265ステーションの展開を目指します。

クルマを移動だけでなく滞在空間として提案する「Carstay」by Carstay

宮下晃樹さん

「VANLIFE」という言葉をご存知でしょうか。クルマを移動手段だけでなく滞在空間として使うライフスタイルのことです。Carstay は、キャンピングカーの Airbnb 的なシェアリングサービス(使っていない人と使いたい人のマッチング)と、今年、横浜に開設したガッレージを拠点に、キャンピングカーの製造やカスタムメイドなど提供しており、それらを通じて VANLIFE のカルチャーを日本中に広めることを目指しています。若者の車離れが指摘される中、VANLIFEを楽しむ人は増えているそうです。

最近では、自動車メーカーなどの大企業や自治体とも連携し、新サービスの開発や提供を進めています。コロナ後はインバウンド客の利用も増えていて、国内ユーザのキャンピングカー利用が2泊3日程度であるのに対し、インバウンド客は1カ月とか、長い人では3カ月とか利用する人もいるそうです。そうしたユーザの体験から集まったデータを元に、パーソナライズした移動空間を設計できることがCarstayの最大の強みだということでした。Carstay はモビリティの可能性を広げることで、さらなる事業拡大を目指します。

メタバースカラオケ配信アプリ「トピア」by アンビリアル

前原幸美さん

アンビリアルでは、アバターを使ってカラオケをライブ配信できるアプリ「トピア」を展開しています。ユーザはアプリ上に用意されたパーツを選び、それを組み合わせることで自分のアバターを作成、それをユーザの動きにあわせ、フェイストラッキングで動かす仕組みです。

一連の操作は全てスマートフォンで行え、アバターを使っているので、容姿に自信の無い人でもライブ配信ができます。知名度の高さ、自分の楽曲の有無によらず、誰でもスターになれて、ファンを集められ、マネタイズできる世界観がトピアでは実現できています。

一般的なライブ配信プラットフォームでは、一部のライバー(配信者)に対し多くのオーディエンス(聴衆)が集まるという構図ですが、トピアでは配信のハードルが低いことから、全ユーザの約半数がライバー活動をするのだそうです。

結果として、推しに贈った投げ銭が換金されることなくプラットフォーム内で循環するため、プラットフォームの利益率の高さに貢献しています。現在、スマートフォンだけで3Dのバーチャルライブができる機能も開発中で、今後は、IP ホルダーとのコラボレーション企画も増やしていく計画です。

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