最近、ジェネレーティブ AI の発表が目白押しではあるものの、中でも金額的に最大級のコミットメントが行われた。世界的なプロフェッショナルサービスとコンサルティング大手 Accenture は13日、今後3年間で AI に30億米ドルを投資し、AI 専門家チームの増強と顧客向けの AI に特化したソリューションの構築を行うと発表した。

Accenture の会長兼 CEO Julie Sweet 氏は次のように述べた。

AI に関するあらゆる分野にかつてないほどの関心が集まっており、当社がデータ＆AIプラクティスに行う多額の投資は、お客様が関心から行動、価値へと、明確なビジネスケースに基づいて責任ある方法で移行できるよう支援します。

今回の発表では、Accenture とその企業顧客が、AI イノベーションを活用するために必要となる新たな戦略、オペレーティングモデル、ビジネスケース、デジタルコアアーキテクチャの開発を支援するための新しい取り組みが多数含まれている。

金のゆくえ

Accenture は、データ＆AI プラクティスのチーム規模を、採用、トレーニング、そして AI に特化したスタートアップにとって重要な買収を組み合わせることで、現在の4万人から8万人に倍増させると発表した。最近の報道によると、Accenture の総従業員数は73万8,000人であり、このチーム増強により、AI 専門家は同社の総従業員の約10％を占めることになる。

Accenture はさらに、クライアントとともに AI のビジネスケースを定義し、責任をもって価値を推進するためのアーキテクチャ/モデルを選択する新しいプラットフォーム「AI Navigator for Enterprise」を発表した。これは業界をリードするクラウド、データ、AI エコシステム全体で新規および既存の関係に投資し、クライアントが既存の AIモデル（おそらく現在数百万人が使用している人気の大規模言語モデル=LLM の一部）、および新しい現実世界の変化に適応できる動的仮想環境を活用できるようにする。

アイルランド・ダブリンに本社を置く同社は、19の業界にデータおよび AI 準備のためのアクセラレータを設置すると発表した。

Accentureは、ジェネレーティブAIの利用を促進するため、クライアントおよび Accenture 内に「Center for Advanced AI」を新たに立ち上げた。このセンターでは、ジェネレーティブAIやその他の新しいAI機能を用いてサービス提供を再構築するための研究開発と投資を行う。

Accenture Technology のグループ最高責任者  Paul Daugherty 氏は次のように述べた。

今後10年間で、AI はメガトレンドとなり、全労働時間の40%をジェネレーティブ AI が変革するように、産業、企業、そして私たちの生活や働き方を変えるでしょう。拡張されたデータ＆AI プラクティスは、Accenture のフルパワーと幅の広さを結集し、お客様が AI の可能性を最大限に活用して戦略、テクノロジー、働き方を再構築し、責任を持ってイノベーションと価値をこれまで以上に迅速に推進できるよう、業界特化型ソリューションを創出します。

投資の泡沫の中のビッグウェーブ

Accenture の AI への巨額投資は、Salesforce、Oracle、ServiceNow といったソフトウェアリーダーから同様に大きな AI 製品の発表があったことを受けてのものだ。実際、12日にニューヨークで行われた Salesforce の AI Cloud 発表イベントでは、Accenture は Salesforce の新しい AI 製品やサービスの恩恵を受けられる Salesforce のトップクライアントの1社として紹介された。

Accenture の新たな巨大な資金投入は、Salesforce のように独自の AI ツールを顧客に提供しようとしている他の企業との関係に何をもたらすのだろうか。一方では、Accenture のパートナーの懐に資金が流れ込む可能性もあるが、他方では、他の Accenture の AI 投資や AI モデルと競合することになるかもしれない。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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