OpenAIがAPIモデル値下げ、さらに新機能も

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ピックアップ:Function calling and other API updates

OpenAIは6月13日、APIモデルをより制御可能にしたものへとアップデートすることを発表しました。具体的には関数呼び出し機能を追加してコンテキストを長くしています。さらに価格を下げることも発表しており、GPT-3.5-turboのオリジナル版と、テキスト埋め込みモデル「text-embedding-ada-002」の価格をそれぞれ25%と75%引き下げました。

開発者は今回のアップデートにより、gpt-4-0613やgpt-3.5-turbo-0613に関数を記述し、モデルがそれらの関数を呼び出すための引数を含むJSONオブジェクトを出力するように選択することができます。これは、GPTの機能を外部ツールやAPIとより確実に連携する新しい方法です。

関数呼び出しにより、開発者はモデルからより確実に構造化されたデータを取得することができます。例えば、開発者は以下のようなことができるようになるそうです。

外部ツールを呼び出して質問に答えるチャットボットを作成する(例:ChatGPTプラグインのようなもの)

  • 「Anyaに来週の金曜日にコーヒーを飲みに行きたいかメールで聞いて」をsend_email(to: string, body: string)のような関数呼び出しに変換する、または「ボストンの天気はどう?」をget_current_weather(location: string, unit: ‘celsius’ | ‘fahrenheit’)に変換する。

自然言語をAPI呼び出しやデータベースクエリに変換する

  • 「今月のトップテンの顧客は誰?」をget_customers_by_revenue(start_date: string, end_date: string, limit: int)のような内部API呼び出しに変換する、または「Acme, Inc.は先月何回注文した?」をsql_query(query: string)を使用したSQLクエリに変換する。

テキストから構造化データを抽出する

  • extract_people_data(people: [{name: string, birthday: string, location: string}])という関数を定義し、Wikipediaの記事で言及されたすべての人物を抽出する。

ChatGPTが持つ情報は2021年9月までのデータのみであることは知っている人も多いかと思いまが、この弱点を解消すべく、すでにOpenAIはプラグインでパートナー企業のナレッジベースやデータへのアクセスを可能にしました。

今回の関数呼び出し機能は、事前にどこからどのようなデータを取得するかを指定している点でプラグインと共通しています。つまり、今回の機能拡大は、これまで有料のChatGPT Plusや、プラグイン開発者向けのα版でしか使えなかった機能を無料化したと言い換えることが出来るのです。

もちろん多少手間はあるものの、これもまたユーザー拡大への一手と言えるでしょう。発表の中で、今後数週間でGPT-4の待機リストを完全に削除する予定だと語られたことも印象的でした。アルトマン氏がまだGPT-4で「やるべきことがたくさんある」と話した通り、快適さ、安心を軸にユーザー体験が向上する施策がこれからも続きそうで楽しみです。

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