ベールを脱いだContextual AI——Meta AIとHugging FaceのOBが設立、次世代LLM開発で2,000万米ドルをシード調達

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Contextual AI 創業者の2人。左から:Amanpreet Singh 氏とDouwe Kiela 氏
Image credit: Contextual AI

Facebook AI Research(FAIR)とHugging Face の OB がパロアルトで設立したエンタープライズ向けの新しい AI(人工知能)スタートアップ Contextual AI は7日、ステルスから抜け出した。Bain Capital Ventures(BCV)がリードし、Lightspeed、Greycroft、その他多くのエンジェル投資家が参加するシードラウンドで2,000万米ドルを 調達したと発表した

同社はユニークな取り組みを行っている。共同創業者の Douwe Kiela 氏と Amanpreet Singh 氏は、ブログの中で「特別 AI(ASI=Artificial Specialized Intelligence)」と呼ぶものを開発していると語っている。

シェイクスピアや量子物理学を知っているモデルが本当にすべきことは、あなたの会社の問題を解決することなのに、なぜパラメータ、お金、レイテンシー、計算を無駄にするのか?

彼らはそう書き、これまで最も人気があり広く使われてきた大規模言語モデル(LLM)—— OpenAI 「ChatGPT」を公然と攻撃した。

Contextual AI が見るチャンス

この2人は、AI と LLM の分野で注目された経験を持つ。2人とも以前は Meta Platforms の FAIR で、ミームのヘイトスピーチや Facebook での不正商品の販売を検出するシステムの開発に携わっていた。HuggingFace では、LLM の開発に取り組んでいた。

現在、Contextual AI を立ち上げ、そのスキルを他のエンジニア(現在のところチーム総勢12名)と共に、現在の LLM を活用しようとする企業が直面する6つの問題を解決することを目指している。

Contextual AI が対象としている問題は以下の通りだ。

  • データプライバシー
  • カスタマイズ性
  • 幻覚
  • コンプライアンス
  • Staleness …… Contextual AI の創業者たちがブログ記事で、主要な AI モデルに含まれる情報が比較的古くなっていると表現するものだ。ChatGPT は2021年9月以降に起こったことを知らないしし、HuggingFace のハブで最もダウンロードされているモデルは BERT で、大統領がまだオバマ氏だと思っている。
  • レイテンシーとコスト

オープンソースの AI にコミット

Contextual AI のチームメンバー
Image credit: Contextual AI

 

また、創業者たちは、今回の資金調達の発表で、急成長するオープンソース AI コミュニティへのコミットメントを誓った。このコミュニティは先週、アメリカの法律家たちによって改めて精査されている(特にMeta Platformsの LLM「LLaMA」の漏洩をターゲットとしている)。

彼らはブログにこう書いている。

LLM のように重要で破壊的な技術では、より多くのプレイヤーが必要で、この技術が少数の既存大企業の手中にあることは非常に危険だと考えています。私たちのアプローチは、オープンソースをサポートし、オープンソースによってサポートされるものです。私たちは、できる限りオープンソースソフトウェアを活用し、その見返りとしてコミュニティに恩返しをするつもりです。

BCV は、Contextual AI の目標と野心を支持し、エンタープライズグレードの AI の市場に大きな可能性を見出していると述べた。

BCV のプリンシパル Rak Garg 氏とパートナーの Aaref Hilaly 氏は、ブログの中でこうコメントした。

私たちの見解では、AI は安全で、深く統合され、最も重要なことは、従業員のワークフローに応じた方法で、企業のあらゆる業務に浸透するようになると考えています。Douwe 氏と Aman 氏と一緒に過ごすと、2人とも直感的なレベルでそれを理解していることがよくわかります。私たちは、言語モデルの力を職場にもたらすために、2人と一緒に仕事ができることをうれしく思っています。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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