
Image credit: Flux
SaaS「AutoStream」など、Web メディアや広告主向けに複数のマーテックやセールステックソリューションを開発・提供する FLUX は14日、シリーズ B ラウンドで44億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、DNX Ventures、Archetype Ventures、ジャパン・コインベスト(三井住友トラスト・インベストメントが運営)、あおぞら企業投資、Salesforce Ventures、Sony Innovation Fund、SMBC 日興証券、NTT ドコモ・ベンチャーズ。
調達額には、金融機関からのデットが含まれる。今回のラウンドに参加した投資家のうち、DNX Ventures と Archetype Ventures はシードラウンドとシリーズ A ラウンドに続くフォローオンでの参加。今回のラウンドを受けて、FLUX の累積調達額は56億円に達した。代表取締役 CEO の永井元治氏によれば、今回ラウンドはいずれの投資家からも純投資の色合いが濃いが、今後、各社との話し合いの進捗次第では、事業提携に至るものもある可能性があるとしている。
FLUX は2018年5月、ベイン・アンド・カンパニー出身の永井元治氏(代表取締役 CEO)、カカクコム出身の平田慎乃輔氏(取締役 CBDO)により設立。2019年1月にローンチした AutoStream(旧称:FLUX Header Bidding Solution をはじめ、複数のマーテックおよびセールステック SaaS を提供している。当初、Web メディアのマーケティング効率化から着手したこともあり、日本語の大手メディアを中心に700メディアがサービスを利用しているという。

創業から5年を経た FLUX だが、今回、調達額が大きかったこともあり現在の経営規模を聞いてみたところ、社員全体で140名規模と思っていた以上に成長していた。B2B らしく、社員の多くはアカウントエグゼクティブやセールス担当者が占めるが、エンジニアが50名弱いて、うちデータサイエンティストが15名とテクノロジー主導な会社でもある。CTO の Edwin Li(李然)氏が中国出身ということもあり、人材難がよく言われるデータサイエンティストの多くは、清華大学出身者など中国出身の精鋭らを中心に揃えることに成功した。
FLUX では今回調達した資金を使って、複数あるマーテックやセールステック SaaS の基盤となる AI 技術(同社ではこれを FLUX AI と呼んでいる)の開発強化を図る方針だ。基盤レイヤーの AI の独自開発を進めると共に、アプリケーションやサービスレイヤーの AI ツールについては、他スタートアップの買収や連携も視野に入れるとしている。これまで、サービスを通じて多量に蓄積された日本語 Web メディアのデータを強みに、現状分析だけでなく改善策の提案やその実装自動化で差別化を図るとしている。
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