GPT-4でワークフロー自動化「Promptflow」開発、Carnot(カルノー)が8,500万円をプレシード調達

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「Promptflow」(画像は開発中のもので、予告なく変更されることがあります)
Image credit: Carnot

ジェネレーティブ AI スタートアップの Carnot(カルノー)は12日、プレシードラウンドで8,500万円を調達したと発表した。このラウンドは、HERO Impact Capital がリードし、ANRI、DEEPCORE、エンジェル投資家の池田俊氏(Google US シニアマネージャー)、高岡淳二氏(UsideU 代表取締役)、露木雅氏(Macbee Planet CTO)、濱邉将太氏(ハッカーズバー運営)、彦坂雄一郎氏(Airbus Ventures ストラテジックアドバイザー)、馬渕邦美氏(PwC、元 Facebook Japan 執行役員)らが参加した。

熱機関の理論的基礎を明らかにしたフランスの物理学者 Sadi Carnot(サディ・カルノー)氏の名前にちなんだ同社は、一度熱を与えれば回り続けるエンジンのように、AI の力で知的生産性を向上させ、あらゆるエコシステムの永久機関化を実現を目指している。創業・経営メンバーは、代表取締役の松森匠哉氏を筆頭に、博士号取得者、未踏スーパクリエイター、Kaggle Master、競技プログラミング出身者など、研究者やエンジニアを中心に構成されている

Excel が生まれたことで誰もが使えるようになったように、ジェネレーティブ AI の普及で、特別なコーディングのスキルが無くてもプログラミングができる世界は目前にまで来ている。いわゆる AI の民主化だ。一方、ワークフロー、例えば、フローチャートを作成するツールなどはまだプログラマ向けのものが多く、一般ユーザにとってはまだ使いづらいのが現状だ。同社はこの問題を解決するために、OpenAI の GPT-4 など LLM(大規模言語モデル)を採用したワークフロー自動化ツール「Promptflow」を開発中だ。

Promptflow では、プリセットのプロンプトモジュールを多数用意するなどして、ユーザの障壁を大幅に下げることを目指す。一般的な RPA ツールや iPaaS(SaaS を組み合わせるクラウドサービス)などより、シンプルで容易にワークフローを構築することができるという。また、Slack や Gmail とのデータ連携も可能で、ワークフローの作成・管理やトラブルシューティングなど一連作業は、すべて自然言語によるチャットで完了できるようになる予定だ。

LLM としては GPT-4 は有力な選択肢の一つだが、企業での利用においては、責任ある AI や AI の幻覚の問題などもよく議論に上る。今後は、用途にあわせて最適な LLM を選ぶ時代もやってくるだろう。Carnot では、早期に Promptflow のβ版を公開し、コアユーザらからの意見を聞きながら、用途に合わせ、さまざまな選択肢を提供できるようにしたいと考えている。今回ラウンドに参加したエンジェル投資家には海外へのアクセスを持つ人が多く、世界市場に進出する足がかりにしたいとしている。

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