Moonlander、ジェネレーティブAI活用で〝テキストから3Dゲーム〟を開発できるプラットフォームをローンチ

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MoonlanderAI は、没入型3Dゲームや体験を構築するための AI 搭載プラットフォームのα版をリリースを発表した。

このプラットフォームは、アップデートされた大規模言語モデル(LLM)、機械学習アルゴリズム、生成拡散モデルを活用して、ゲーム開発パイプラインを効率化する。その目的は、開発者が高品質の没入体験、3D 環境、メカニクス、アニメーションを簡単に設計・生成できるようにすることだ。また、「text-2-game」機能を搭載しており、誰でもテキスト記述に基づいて3D ゲームを開発することができる。

α版ローンチのパートナーには、Azerion、Ready Player Me、Media.Monks、Overwolf が含まれる。

MoonlanderAI は、直感的なインターフェースと強力な機能で、時間とリソースのかかる作業を自動化し、クリエイターは創造、革新、ゲームプレイに集中できるようになるという。これによってゲーム開発者の仕事がなくなると主張する人もいるかもしれないが、同社はツールの使い方を知っている人にとってはゲーム開発が容易になるとしている。

MoonlanderAI の CEO Kasem Challiou 氏は、声明で次のように述べている。

プロシージャル推論とジェネレーティブ AI の連携により、忠実度の高い3D ゲーム制作を簡素化する。我々の技術により、技術的な参入障壁を取り除き、数ヶ月ではなく数分で没入感のある体験を構築することができる。我々は、ユニティが最近発表したAIにも興奮している。我々は、彼らの AI ツールを相乗効果の機会と捉えている。さらに、これらの AI ツールを当社のエコシステムに連携する予定だ。

当社の PRS は、Unity の AI ツールとネイティブに連携され、ゲーム世界の構築のために Unity にフィードされるため、開発時間を最大95%短縮できる。このアプローチは、協業によるエコシステム構築という当社の戦略に完璧にフィットする。

ゲーム開発をより効率的に

MoonlanderAI はゲーム開発を容易にするツールだ。

技術的な参入障壁を取り除くことで、MoonlanderAI は制作時間とコストを大幅に削減し、開発者がビジョンを記録的な速さで実現することを可能にする、と Moonlander は述べている。このプラットフォームは、テキストプロンプト、カスタマイズ、コントロールを備えたジェネレーティブな 3D 世界構築を提供する。

開発者が作品を微調整し、汎用 AI ツール、ゲームエンジン、分析ツール、収益化ツール、開発ツールとシームレスに連携し、スケーラビリティと効率性を高めることができる。

MoonlanderAI の技術は、3D ジェネレーティブ AI のための Unity ソフトウェア開発キット(SDK)の利用を求める開発者から関心を集めている。同社によると、これにより没入感のある体験や魅力的なユースケースの作成が容易になるという。

同社は Unity の AI ツールを同社のエコシステムに連携する計画で、現在の AI 機能を強化し、Unity との双方向連携を可能にする。同プラットフォームの PRS は Unity の AI ツールとネイティブに連携され、3D 世界構築に反映されるため、開発時間を最大95%短縮できると MoonlanderAI は主張した。

同社は、これは小規模な開発者のための競争の場を平準化するのに役立つと主張している。MoonlanderAI の目標は、リアルタイムでアクセス可能な開発プロセスによって参入障壁を取り除くことで、高忠実度の3D ゲームを民主化することだという。

Text to Game〟プラットフォーム

MoonlanderAI の Text-2-Game のバー

このプラットフォームの「Text to Game」機能により、あらゆるレベルの開発者が、テキストプロンプトを利用してゲーム(少なくともゲームコンポーネント)を作成し、迅速な制作時間でダイナミックな体験を構築することができる。MoonlanderAI は、3D ゲーム開発の革新の限界を押し広げることにコミットしており、今後の一般公開に向けて開発者をウェイティングリストに招待している。

Media.Monks の新興技術および研究開発担当副社長 Sander van de Vegte 氏は声明の中で次のように述べている。

MVPを テストした結果、MoonlanderAI はゲーム業界を破壊する可能性を秘めていると考えている。この最新技術は、我々が知っているようなデジタル体験を強化し、新たなレベルの創造性への扉を開くだろう。

MoonlanderAI のローンチは、Apple Vision Pro のローンチに続くもので、すでにMoonlander のツールに対する開発者の需要を喚起している、と同社は述べている。Ready Player Me を含む同プラットフォームのパートナーは、AI を搭載したプラットフォームが開発者のビルドやクリエイションの方法を変え、プロジェクトのクリエイティブな要素により集中できるようになると予測している。

Ready Player Me の CEO Timmu Toke 氏は声明の中で次のように述べている。

我々は常に、没入型体験を構築する開発者たちの競争の場を平準化する最新技術へのアクセスを開発者たちに提供したいと考えている。AI を搭載したプラットフォームは、開発者の構築と創造の方法を変え、プロジェクトの創造的要素により集中できるようにする。

MoonlanderA Iは、6人のゲームベテランと1人のデジタルトランスフォーメーションの専門家からなるチームだ。彼らは、iOS や Android 向けの「Die Wilde Helden」など複数のモバイルタイトルのほか、プレイステーション、PC、Xbox 向け「Transformers」「Bionicle」「Formula 1」などのタイトルに携わってきた。

また、世界でもトップクラスのゲーム大学である、オランダのブレダ応用科学大学とも密接に連絡を取り合っており、研究助手として働いたり、教員として働いたり、現在教育を終えている者もいる。MoonlanderAI の社風は、気概と情熱を持った問題解決型のビルダーを採用することで成り立つ。

同社の資金調達は、ハイブリッド・ブートストラップによるものだ。友人たちからほとんど資金を調達することなく、彼らの参加を得て、さらに製品をここまで育ててきた。これらの投資家および主要アドバイザーの一人が、Framer の創業者兼 CEO Koen Bok 氏である。同社は次のラウンドをリードするため、複数の一流投資家と積極的に話をしている。

競争の激しいゲーム業界では、ゼロから3D ゲームを作るのは非常に難しく、大きな予算は一流のスタジオに集まることに気づくる。また、これらの予算を確保するためには、経験豊富なゲームデザイナーやレベルデザイナー、バックエンドエンジニアなどの信頼性とアクセス性が不可欠であることにも気づいた。

これらのスタジオでは、大手スタジオや AAA タイトルで働いたことのある人材を雇用している。そこで我々は、Unity や Unreal への技術的な参入障壁を取り除きながらも、トリプル A タイトルに迫るような主要ジャンル、設定可能性、忠実度、メカニクス、プレイヤーの進行、設定のすべてを備えたソリューションがあるとしたらどうだろうか、と考えた。(Bok 氏)

MoonlanderAI は、次のように説明した。

我々は、小規模なスタジオやインディーズ開発者が迅速にプロトタイプを作成したり、素早くデモを作成したりできるようにすることを目指していた。我々は、この市場が十分なサービスを受けていないが、非常に大きな市場であることに気づいた。

2021年8月、創業者らはジェネレーティブテクノロジーでプラットフォームを構築することを決意し「ShapeShifter」の中核が誕生した。

MoonlanderAI は次のように回答した。

我々はクリエイターの意思決定を代行するシステムを構築したいと考え、自然と遺伝子技術からインスピレーションを得た。そのため、我々のコア技術である ShapeShifter は、経験豊富なゲームデザイナーや開発者の副操縦士に例えられるような、クリエイターから意思決定の一部を奪う自動化されたプロシージャル推論システムだ。

このモデルの基盤には、アーティスト、著作権、IP に対する強い敬意がある。我々のプロシージャル推論システムは、ライセンスされたデータセットと管理された IP のための我々の戦略と組み合わされ、今日まで著作権と新しい規制を尊重している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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