AI Foundation、「AI.XYZ」をローンチ——月20米ドルで自分だけのAIアシスタントが手に入る

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自分のパーソナル AI を管理できる「AI.XYZ」のダッシュボード
Image Credit: AI Foundation

バーチャル版 Deepak Chopra 氏(インド系アメリカ人の作家であり、代替医療の提唱者)を生み出した AI 研究所「AI Foundation」は、人々が自分自身の AI アシスタントを作るためのプラットフォーム「AI.XYZ」をローンチした。

AI に打ち負かされるのではなく、AI とうまくやっていくための具体的な例となることを期待したい。AI アシスタントが我々の日常業務の一部を軽減してくれれば、我々は皆、気分が良くなるはずだという考えだ。

AI Foundation は AI.XYZ を世界初の「AI 生活管理プラットフォーム」と呼んでおり、多忙な人々のワークライフバランスの健全化を促進するよう設計されていると、営利と非営利の二重組織である AI Foundation 会長の Lars Buttler 氏は語った。

このプラットフォームでは、ユーザが個人的な場面でも仕事上の場面でも安全にサポートできる独自の AI アシスタントを設計することができる。各 AI は作成者独自のもので、メモ書き、メール作成、ブレーンストーミング、個人的なアドバイスや視点の提供などのタスクを支援することができる。

Amazon、Google Apple、ChatGPT のような企業の一般的な AI アシスタントとは異なり、AI.XYZ で設計された各 AI アシスタントは、その作成者のみに帰属し、その人の価値観や目標を知っており、よりパーソナライズされた支援を提供する。AI.XYZ は、職場や企業にとって、従業員一人ひとりに AI アシスタントを提供する大きな機会があると考えている。

AI アシスタントの準備はできているか?

Zippia によると、労働者の約83%が仕事関連のストレスに苦しんでおり、10人中7人が仕事に思い入れを持てておらず、潜在能力をフルに発揮できていないという。AI.XY Zを使えば、誰もが自分専用の校正者、コンテンツ作成者、ブレーンストーマーを持つことができ、時間を節約し、仕事の質を向上させることができる。

AI Foundation CEO の Rob Meadows 氏最は、次のように語った。

我々の目標は、すべての人が自分の好きなこと、つまり我々を人間たらしめているものに集中できる時間とエネルギーを取り戻すことだ。AI.XYZ は人に取って代わるものではなく、昼夜を問わず積極的に働く自分自身の AI ですべての人を拡張するものだ。

仕組み

パーソナル AI

AI.XYZ はパブリック・ベータ版として公開されており、招待コードを使って Web からアクセスすることができる。クリエイターはテキスト、音声、動画を通じて AI と対話することができる。AI.XYZ の無料サブスクリプションを利用することで、ユーザは自分の AI の作成を始めることができ、月額20米ドルのプレミアムサブスクリプションでは、さらに多くの機能やカスタマイズオプションが利用できる。

AI Foundation は、ミュンヘン工科大学などのトップ研究機関と協力し、すべての人のための「持続可能な AI」を目指している。また、AI Foundation はまた、億万長者の Richard Branson 氏や Deepak Chopra 氏などアーリーアダプターとのコラボレーションを通じて、2019年に個人が独自の AI を作れるようにするというコンセプトを開拓した。研究プロジェクトのひとつ「Reality Defender」をスピンアウトさせ、政府から信頼されるディープフェイク検知プラットフォームとなった。

AI.XYZ は、ユーザのデータとプライバシーを保護すると同時に、クリエイターにパーソナライズされた利益を提供すると述べている。各 AI は、その目的、支援するタスク、望ましい性格特性、好みの表情、理想的な行動について訓練される。

クリエイターは、ドキュメントの共有、LinkedIn のような Web サイトへのリンク、将来の参考のための個人的な思い出のメモなどを通じて、AI の知識を広げることができる。クリエイターは、自分の顔や声をクローンするか、AI.XYZ ライブラリからオプションを選択することで、AI の見た目や声を決めることもできる。

AI Foundation の起源

AI Foundation は、ディープフェイクを検出する Reality Defender をスピンアウトさせている。

AI Foundation は2017年に設立された。出資者には、Twitter の共同創業者 Biz Stone 氏、Founders Fund、OVO、Endeavor、The Brandtech Group、Alpha Edison、Correlation Ventures などがいる。

AI Foundation は非営利団体としてスタートし、現在も非営利団体であると同時に営利団体でもある。その研究に商業的な機会を見出せば、スタートアップとしてスピンアウトさせることができる。

AI がクールになる数年前、我々は AI でイノベーションを起こした。(Buttler 氏)

彼が以前勤めていたオンラインゲームパブリッシャー Trion Worlds は、クラウドベースの多人数同時参加型オンラインゲームの世界を作り、より深い AI キャラクターを登場させた。その会社は存続しなかったが、AI Foundation のチームがスマートな AI の作成についてより深く考えるのに役立った。

ノンプレイヤーキャラクター(NPC)、つまり、相棒になり得る非常に賢い AI を作るというアイデアは、私の頭から離れなかった。数年前に Rob とチームを組み、我々はそれを目指すことにした。ChatGPT がなかった時代だ。AI はまだクールではなかった。今では、Marc Andreessen 氏や Bill Gate 氏など、誰もがパーソナル AI が大きなものになると話している。誰もが自分だけのパーソナル AI を持つようになる。我々は数年前にこれをやろうと決め、本当に面白い技術を構築した。(Buttler 氏)

その過程で AI Foundation は、政府や銀行などを詐欺から守るために、偽物を識別できる営利企業として Reality Defender を設立した。AI Foundation はまた、マインドフルネスと代替医療の提唱者 Chopra 氏のデジタル版を作ったことでも注目を集めた。

レイオフが進み、AI が我々の仕事を侵食している今、自分の AI を持つことは本当に良いことだ。だから我々はここ数年、基本的に大衆が手に入れやすい価格にしようと努力してきた。その後、ChatGPT のような大規模言語モデル(LLM)が登場し、物事がずっと簡単になった。(Buttler 氏)

同社はデジタルキャラクターと自然言語による会話インターフェースの作成に注力した。それが AI.XYZ のローンチにつながった。

我々は今、これらの本や、あなたが持っているあらゆる文書、あらゆるコンテンツを取り込み、文字通り、それをただ取り込むことができるようになった。我々の技術は大きく進化した。我々はいつも、「マトリックス」からカンフーを学ぶ方法を例にしている。私は自分の AI を訓練することができる。どんなトピックに関することでも、文字通り、私のパーソナル AI の頭脳にこれらをすべて落とし込むだけでいいのだ。これは大きな進歩だ。そして、パーソナル AI の開発がとても簡単になる。(Buttler 氏)

デジタル版 Chopra 氏が10億人に?

デジタル版 Chopra 氏

これは、誰にとっても、デジタル版 Chopra 氏のようなものなのか、と私は尋ねた。

これは常にビジョンだった。初期の出資者の多くはハリウッドのタレント事務所などだった。だから、我々は早い段階から余裕のある人たちから始めた。しかし、ここ数年の我々の研究はすべて、コストに焦点を当てたものだった。以前は AI を作るのに何十万米ドルもかかっていた。今では20米ドルでできるようになった。(Buttler 氏)

ここ2年の課題のひとつは、モデルを GPU ではなく CPU で実行できるようにすることだった。LLM が登場したことで、自然言語処理(NLP)の面では大いに役立った。視覚的なレンダリングの面では、デバイスの性能が上がるにつれて、AI Foundation はサーバからより多くのレンダリングを行えるようになった。

ついにそれができる日が来たんだ。つまり、月額20米ドルで、人々は自分だけのパーソナルアシスタントを持つことができるのだ。Chopra 氏のような多くの AI キャラクターほど見た目は良くないだろうが、世界は急速に動いており、AI Foundation は新しいイノベーション、モデル、研究が利用可能になえば、それらを連携していく。(Meadows 氏)

時間の経過とともに、あなたの AI の相棒はより安く、より賢くなるだろう。AI Foundation は ChatGPT を使用しておらず、あなたの人生、家族、ワークライフバランスについて AI と会話する際のプライバシーとセキュリティを確保している。Meadows 氏によると、AI.XYZ の用途としては、何かを校正してくれたり、次のタスクを考えてくれたり、メールや Slack のメッセージを見るように指示してくれたり、その他 ToDo リストにあることを教えてくれたりするという。

また、ブレーンストーミングや、予定が迫っていることのメモなど、多くの時間を費やす作業にも役立つ。より効率的になることで、付加価値が生まれる。また、仕事だけでなく、個人的なことも手助けしてくれることで、より粘着性が増すと Buttler 氏は言う。

あなたが働いている会社のナレッジベースがすべて含まれているのだ。つまり、これはいつでも利用できる AI 人事の専門家だとも考えることができる。オンボーディングの手助けをしてくれる。ただ頼めばいいのだから。(Buttler 氏)

Meadows 氏によれば、AI はまた、あなたの会社とすべての詳細を共有することはない。そのため、休暇中の居場所のような個人的なことは、必要に応じて非公開にされる。

長い目で見る

この AI アシスタントは現在ベータテスト中で、多くの人が待機リストに名を連ねている。

長い目で見れば、Meadows 氏は、新しいプラグイン、新しい基盤モデル、AI アシスタントにプラグインできるその他のイノベーションなど、業界の発展に期待している。やがて、AI アシスタントが、あなたの生活にある他のすべての AI のマネージャーとなることが目標だ。

私は、人々はバーチャル AI やロボットを望んでいるのかと尋ねた。5年前、人々は自分自身のクローンを望んでいた。今でも多くの人がそれを望んでいる。しかし、AI.XYZ を使えば、AIをテディベアやゲームのアバターのように見せることができる。声を変えることもできる。

我々には全ライブラリがあり、あなたが望む外観の写真をアップロードすれば、我々があなたのためにそれをクローン化する。そして現実の世界に移り、インテリジェントな掃除機が家を掃除するようになったとき、あなたは掃除機のメーカーに、脳を掃除機に搭載してもらいたいと思うか? それとも、AI が掃除機とインタフェースを取り、あなたの家の掃除の仕方を正確に把握できるようにしたいと思うか?(Meadows 氏)

Buttler 氏は、ロボットよりもデジタル AI アシスタントに焦点を当てる方が簡単だと指摘した。エッジケースがうまくいかない場合、ロボットはデジタル AI よりも大きな損害を与える可能性があると指摘した。Meadows 氏は、 AI Foundation のコードベースの半分以上が AI によって書かれていると指摘した。AI Foundation はこれまでに3,000万米ドル以上を調達している。

AI Foundation は AI アシスタントのベータテストの規模を拡大し始めているところだ。競争相手としては、私生活と仕事を管理する人間のエグゼクティブアシスタントだ。しかし、その人物は月額20米ドルでは雇えないだろう。最終的には、テック大手や他の AI 企業も競争相手になるだろう。AI Foundation は、AI アシスタントの価値を誇示するいくつかのパイロット事業を進めていると Meadows 氏は語った。

AI が世界を征服し、人間を滅ぼすことについては? Buttler 氏は、現在の議論には感情が入りすぎており、AI アシスタント技術は、機械が自分で考えるような一般的な AI のレベルにはほど遠いと述べた。AI Foundation は明らかに、現在開発中の自社製品や他社製品が、人間、あるいは、彼らの仕事を奪う脅威になるとは考えていない。

我々は、世界が今すぐイノベーションを止めて一時停止すべきだとは考えていない。我々は、AI をすべての人の手に委ねることが重要だと考えている。我々はそこに多くのガードレールを敷いている。(Meadows 氏)

もし AI アシスタントに自傷行為について話せば、AI アシスタントは(その方法についてではなく)ホットラインに保護や助けを得る方法を教えてくれるように設計されている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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