埋め立てゴミからビットコインマイニングのための電力を生み出すNodal Power、1,300万米ドルをシード調達

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Image credit: Nodal Power

話題のポイント:ビットコインのマイニングは多くの電力が必要であることを知っている人はすくなくないと思います。その電力の使用量は、現在、年間約106テラワット時に達していると言います。ケンブリッジ大学のビットコイン電力消費指数(CBECI)によると、これはオランダの消費電力とほぼ同じ水準だそうです。

マイニングに電力が使用されることが自体は問題ではありませんが、マイニングをする視点から見ると、ここが一つの損益の分岐点となっています。この問題に対して、今回紹介するスタートアップは、環境に有毒なガスを電力に変換することでマイニングの経済性だけでなく、環境問題の解決にも取り組むスタートアップです。

それは持続可能なエネルギー解決策に焦点を当てたスタートアップ Nodal Power です。同社は、ビットコインマイニングと再生可能エネルギーの両方で革新的な取り組みを始めました。最近、同社は1,300万米ドル(約14億円)の資金調達に成功し、そのビジョンをさらに拡大しています。

Nodal Power は、ゴミ処分場から排出されるメタンガスを電力に変換することを専門としています。この電力は、地元の電力網に販売されるか、ビットコインマイニングに社内で使用されます。メタンガスは有機物の分解によって発生し、二酸化炭素よりも効果的に地球温暖化に寄与するガスとして知られています

Image credit: Nodal Power

Nodal Power は、このガスを回収し、浄化、圧縮して電力を生み出します。このプロセスによって、以前は無駄にされていた資源が有用なエネルギー源に変わるのです。同社共同創業者兼 COO の Matthew Jones 氏によれば、ビットコインマイニングへの電力利用は、電力網の経済性にメリットがない場合に二次的な手段として活用されると言います。

Nodal Power はアメリカ全土の埋立地に放置されている4,000メガワットの電力量が生み出せる可能性があるゴミを、350万軒以上の家庭に再生可能エネルギーによる電力として供給しようとしています。さらに、3年以内に約83メガワットの容量を達成することで、年間で二酸化炭素437,000トン相当(自動車105,000台分の)の排出量を削減できるそうです

現在、同社はアメリカで2つのマイニングデータセンターを運営しており、2024年初頭に3つ目をオープンする計画です。新たに調達した資金は、この3つ目のデータセンターの設立資金として使用されます。さらに、有害なメタン排出を削減しながら家庭に再生可能エネルギーで作られた電力を供給する企業のビジョンを共有するパートナーを求める予定です。

Nodal Power は、特許出願中の技術と戦略的なパートナーシップを活用して、廃棄物の埋立地ガスを使用した再生可能な発電所を設計、開発、運営しています。この取り組みは、環境問題に対処するだけでなく、仮想通貨と再生可能エネルギーの両方の領域を推し進める可能性があります。ゴミを金にした時、どれほどの経済効果が生まれるのか、結果に注目が集まります。

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