「〝TikTok風〟食べログ」のAtmosfy——短尺動画でレストラン探し、展開都市は1万超えに/GB Tech Trend

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1,200万ドルの調達発表した「Atmosfy」
Image Credit: Atmosfy

本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」掲載された記事からの転載

今週の注目テックトレンド

GB Tech Trendでは世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。

短尺動画を通じて地元のお気に入りレストランを探せる「Atmosfy」が、シードラウンドにて1,200万ドルの資金調達を実施したと発表しました。リード投資を務めたのはRedpoint Venturesです。Atmosfyは、ユーザーの近くのスポットの動画コンテンツをハッシュタグ、距離、料理、価格などでフィルタリングして探せるアプリ。ユーザーは自分の体験を短尺動画で撮影、投稿します。食事やナイトライフだけでなく、ホテルやアウトドア体験、ナイトライフなど幅広いコンテンツが共有されているとのことですが、日本のサービスで言えば「“TikTok風”食べログ」と言えそうです。

2021年創業で、すでに150カ国・1万都市以上で動画コンテンツが投稿されているところを見ると、順調にコンテンツ数を伸ばしている印象です。ちょうど日本国外ではパンデミックに対する意識が薄れ始め、外での活動が急速に戻り始めたタイミングでこのニーズを掴んだと推測されます。また、創業者はMetaの機械学習プログラムのマネージャーを務めていた経歴の持ち主で、TikTokが得意とする動画レコメンドシステムに似た機能開発に長けているのではないかと考えられます。

さて、Atmosfyが参入する領域は、マイクロマーケティングと呼ばれる、InstagramやForsquareが発展させた領域です。写真や動画投稿にハッシュタグを付けることで、ユーザーがどの街の、どの区画の、どの店舗に赴いたのかといった、位置情報に紐づいたデータをUGC(User Generated Content)を通じて獲得できるようになったことから、特定の場所を訪れそうなユーザーをターゲティングしたロケーションベースのマーケティング手法が編み出されるようになりました。

Snapchatもマイクロマーケティングを戦略に組み込んで成長したサービスの1つです。同社は初期ユーザー獲得戦略においても、同じ学校にいて、週末遊ぶ場所・距離感が近い友人グループをいくつも囲い、無数のロケーションベースの小規模ユーザーグループが積み重なったソーシャルグラフを形成することで、FacebookやTwitterも手が届かないマイクロマーケティング市場への参入を果たしました。Snapchatが買収した位置情報共有SNSのZenlyも、近場にいる友人をキャッチアップをしてお出かけをするロケーションベースの広告戦略を打ち出せるソーシャルグラフを獲得しており、そうした点がSnapchatとシナジーが高いために事業吸収されました。

また先日ご紹介したAtlyも同じロケーションに基づいたサービスを展開しています。Atlyはユーザーが自分のお気に入りの店舗を登録して、リストを公開できるソーシャルアプリです。ユーザーはお気に入りリストを有料コミュニティユーザーにだけ公開し、収益を得ることもできます。Atlyのアプローチは、ユーザー自身が「マイクロマーケター」として場所の魅力を売り込む役割を持っており、昨今のパッションエコノミーの文脈とも相まって評価を上げています。

Atmosfyもマイクロマーケティング市場を見込んで、ロケーションベースに短尺動画の要素を掛け合わせたアプローチでソーシャルグラフ形成を狙っていると考えられます。Snapchatのように友人同士で動画を楽しみながら出かける参考にしてもらう、という使われ方を想定しているようですが、Atlyのようにユーザーに収益分配がいくクリエイターサービスとしての伸び方も注目されます。

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