ワンセンテンスの Web デザインは、もはや夢物語ではない。Wix、Weebly、Webflow のテンプレートを使えば、自分のスタイルで Web サイトを組み立てることができる。

しかし、これはレイアウトに限ったことではなく、Web サイトの構成を考え、各ページの内容も、訪問者を惹きつけるために慎重に設計する必要がある。例えば、「About」ページでは、サービス紹介やビジネスストーリー、将来のビジョンなどを掲載するため、コンテンツの設計に手間がかかる。

この問題を解決するために、デザインスタートアップ Relume は、AI が生成する Web サイトデザインプラットフォーム「Relume Ipsum」を開発した。これにより、数週間から1ヶ月程度かかっていた Web サイトを完成させるまでの作業負荷をわずか数分にまで軽減することができる。このプロダクトはローンチから1ヶ月足らずで5万人以上のユーザを集めた。

コンテンツ生成に GPT、デザインには Figma と Webflow を使用

Relume Ipsum が開発される前、Relume は主に目次、ページレイアウト、フォントなど、ウェブページのデザインに必要な要素の一部を提供していた。

その後、Relume 創業者の Dan Anisse 氏は、コンテンツの計画とページリンクが Web サイトで最も時間のかかる部分であることに気づき、ユーザが与えたページのテーマに関する記述に基づいて、AI が Web ページのコンテンツ、レイアウト、完全な構造を数分で自動生成する Relume Ipsum を開発した。

Relume は、デザイナーの仕事の70％を支援し、残りの30％をデザイナーに任せて、自分たちのスタイルを作ってもらうだけです。（Anisse 氏）

Anisse 氏は、デザイナーは複数のページをデザインするだけでなく、会社紹介、サービス内容、顧客の声など、サイトのコンテンツをいかに短く、訪問者にわかりやすくするかを考える必要があるという。また、企業によっては、LinkedIn や Twitter、YouTube など、自社のサービスや製品を宣伝するプラットフォームがある場合、外部サイトへのリンクが必要になることもある。

AI 機能を組み合わせた Relume Ipsum は、大規模言語モデル（LLM）「GPT-3」と Relume 独自のアルゴリズム技術を使って Web サイトコンテンツを生成するため、デザイナーは Web サイトを完成させるのにかかる時間を節約でき、最大30％の時間をウェブサイトをより魅力的なものにするためのデザインに集中することができる。

Relume Ipsum は、ChatGPT と同様の仕組みで、デザイナーが作成したい Web サイトコンテンツの説明文（ページ内容、見出し、タイポグラフィーなど）をもとに、AI がテキストからサイトマップを素早く生成し、デザイナーがターゲットオーディエンスを惹きつけるページを企画し、企業イメージに沿った Web サイトの位置づけを行うことを支援する。

また、Relume は「Relume Library」を提供しており、デザイナーがより多くの参考資料を持ち、より期待に沿った Web サイトスタイルをデザインすることができる。

Nike をはじめ有名企業が利用、 次世代の Canva を目指している Relume

Relume は現在、7日間の無料トライアルと1回限りの無料版プランを提供しているが、無料版では Web サイトを1回しか作ることができない。長期利用の場合は、3サイトで月額32米ドル、サイト数無制限で月額40米ドルの2つの支払いプランが用意されている。

2023年、Relume は外部からの資金調達なしで約54,000人のユーザを集めており、そのうち10,000人が AI 機能の開始以降に登録した。顧客には、スポーツウェア大手 Nike、AI 生成ツールの Jasper AI、Web サイトページの構築に使用しているブロックチェーンスタートアップの Dapper Labs などが含まれる。これらの有名企業の利用により、Relume は大きな一歩を踏み出し、「オーストラリアの次の Canva」になるという目標に近づいた。

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