NoSQL DBのCouchbase、DBクラウド上で開発者の生産性を向上させるAIツール「Capella IQ」をローンチ

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データベースベンダの Couchbase は8月30日、DataBase-as-a-Service(DBaaS)クラウドプラットフォーム「Couchbase Capella」上でアプリケーションを構築する際の開発者の生産性を高めることを目的とした新しい AI 搭載ツール「Capella IQ」のローンチを発表した。

Couchbase はもともとオープンソースの NoSQL データベース技術として開発され、近年はリレーショナルデータベース技術によく見られる機能を追加することで成長してきた。2021年、Couchbase は NASDAQ に上場し、現在はティッカコード「BASE」として取引されている。同年、同社は Capella DBaaS プラットフォームを初めてリリースし、Google Cloud を含む複数のクラウドプラットフォームをサポートすることで拡大を続けている。

Couchbase Capellaの目標は、より使いやすく管理しやすいデータベースプラットフォームを開発者に提供することだ。Capella IQ のローンチは、ジェネレーティブ AI の力をプラットフォームにもたらし、開発者のデータベースコード作成を支援する。

Couchbase の CEO Matt Cain 氏は、VentureBeat の取材に対して次のように答えた。

(Capella IQ は)LLM(大規模言語モデル)の基盤モデルを使って開発者の生産性を高める、開発者のためのコパイロットだと考えてください。

開発者の生産性を向上させる「Capella IQ」の仕組み

Matt Cain 氏

Cain 氏によれば新しいツールは、Couchbase の4本柱の AI 戦略に適合しているという。

Couchbase の AI 戦略には、開発者の生産性向上、AI 処理の最適化、どこででも AI ドリブンアプリケーションを実現すること、パートナーシップによる技術の補完などが含まれる。Cain 氏によると、Capella IQ は開発者の生産性に関するというものに取り組むものだという。

Cain 氏は Capella IQ が AI モデルを活用し、コードスニペット、サンプルデータセット、ユニットテストの生成といった面倒な開発作業を自動化すると説明した。開発者は、Capellaの開発者ワークベンチ内で、参入障壁が低く設計された会話型インターフェイスを通じて、これらの機能に直接アクセスできると指摘した。

これは我々のAI戦略の考え方と完全に一致しているが、開発者がカペラで可能な限り生産性を上げ、次世代アプリケーションを実現できるよう支援することに焦点を当てている。(Cain 氏)

Capella IQで、Couchbase はコード生成を支援するために OpenAI のモデルを使用している。Cain氏は、Couchbase は将来的に他の LLM プロバイダも連携する可能性があると指摘した。

また、LLM に接続するだけでなく、IQ 機能を実現するのに役立つ機能が Capella プラットフォームにはいくつかあることも強調した。そのひとつが「Index Advisor」で、データクエリを分析し、レスポンスタイムを高速化するためにデータベースインデックスを改善する最適化提案をユーザに提供することができる既存の組み込み機能である。

Couchbase のロードマップの次は、ベクトル埋め込みのサポート

Couchbase は現在、Capella IQ で AI の時代に飛び込んでいるが、AI アプリケーションを強化するために必要な少なくとも1つの重要な要素が欠けている。「ベクトル埋め込みのサポート」だ。

これは DataStaxGoogle の AlloyDBMongoDB など複数のベンダが2023年のサポートを発表している共通になりつつある機能だ。

ベクトル埋め込みのサポートは、Cain 氏の強い関心事であり、近い将来のロードマップに含まれている。ベクトル埋め込みのサポートは、プラットフォームの拡張機能として将来的に可能になると彼は説明した。

私たちの基礎となるシステムは、マルチモデルキャッシングの JSON ドキュメントデータベースで、運用と分析の両方の機能を実行します。同じようなアーキテクチャで、ベクターにアプローチし、それをプラットフォームのシームレスな側面にすることができます。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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