NOT A HOTEL、The Ritz-Carltonなど海外相互利用可能にーー令和トラベルと連携

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The Ritz-Carlton Maldives(素材提供は令和トラベル)

ニュースサマリー:ホテルブランドの開発・運営を手がけるNOT A HOTELは9月7日、海外ホテルの相互利用「NOT A HOTEL ABROAD」を発表した。NOT A HOTELのオーナーが海外提携ホテルを相互利用できるもので、開始は2024年4月から。利用できるラグジュアリーホテルのラインアップは現時点で「The Ritz-Carlton Maldives」「Six Senses Ibiza」「The St. Regis New York」の3つ。予約は提携する令和トラベルを通じて実施される。

NOT A HOTELはホテルを別荘と切り替えができるサービスで、オーナーは年間10泊(物件の36分の1の権利)から30泊(物件の12分の1の権利)までを選択して分割所有できる。ホテル運用に切り替えた場合はNOT A HOTELが宿泊したい一般のユーザーにホテルとして提供してくれる。また、保有するオーナー同士であれば宿泊する権利を貸し出すことで他の物件を借りることもできる。今回の海外相互利用はこの方法を拡大したものになる。

参考:NOT A HOTELの軌跡

保有オーナーは保有する宿泊権利の日数に応じて、自宅を貸し出した分だけ海外の提携ホテルを利用することができる。上限が決まっており、例えば所有泊数30泊あたり年間最大6泊までの利用が可能。予約したいオーナーは滞在したいホテルと滞在日数をリクエストするだけでコンシェルジュが対応してくれる。また、航空券やレストランなどの予約も同時に依頼ができる。これらは提携するデジタル旅行代理店の令和トラベルが実施する。なお、宿泊するホテルのグレード変更や可能宿泊日数を超える利用も可能だが、その場合は差額が発生することもあるとしている。

話題のポイント:話題のNOT A HOTELから新サービスと海外展開の第一弾が発表されました。もともと、NOT A HOTELでは相互利用という仕組みがあり、自分のお部屋を貸し出せば、その分の権利として他のお部屋を借りることができる、というものがありました。今回はそれを使って自分の権利を海外のホテルと交換できる、というものになります。

具体的にはオーナーが貸し出したホテルの権利を運営するNOT A HOTELで価値換算し、相応する海外ラグジュアリーホテルをNOT A HOTEL側で「仕入れて」貸し出す、という方法になります。間に運営があるからこそできる仕組みですね。予約などの手配はNEWTを展開する令和トラベルがコンシェルジュとして手がけるそうです。ちなみに令和トラベルの代表、篠塚孝哉さんはNOT A HOTELの創業期投資家でもあります。

さて、気になるのは今後の展開です。今回は既存ホテルを借りて貸し出すパターンでしたが、当然ながら海外に物件があればそれを相互利用すればいいだけの話です。同社代表取締役の濱渦伸次さんに伺ったところ、海外からの購入希望も増えてきており、次のステップとして海外富裕層が国内物件を購入しやすいよう、展開を進めるとの話でした。もちろんその先には海外でのNOT A HOTEL立ち上げも想定に入っています。

円安の影響もあり、都市部はもちろん観光地にも海外からの訪問客で溢れるようになりました。不動産購入についても海外富裕層にとってはお買い得な時期が続いています。富裕層ビジネスではない、としつつも、まず立ち上がりの事業を支えるのは紛れもなくこのユーザー層であるので、このタイミングでの海外展開はマーケットを伺うという点でも意味あるものになるのではないでしょうか。

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