「休養の日」を前に、ENDROLLと集英社がアプリを使った〝眠タメ体験〟を東京・両国で開催中

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「よひつじの森」を紹介する ENDROLL 代表取締役の前元健志氏

今週は何かと睡眠関連の話題が多い。事の発端は、9月8日が「休養の日(9・8=キューヨー)」だからだそうだ。一昨日には、日本睡眠協会という団体も発足した。諸説あるが、睡眠に何らかの問題を抱えている人の割合は、人口の6割とも8割とも言われ、世界的に統計を取ってみても、日本人の睡眠時間は短い方から数えてワースト5位に入るようだ。健康維持の面からも、労働生産性の面からも、睡眠不足は百害あって一利なし。スリープテックの隆盛は、そんな社会にニーズを反映したものと言えるだろう。

AR スタートアップの ENDROLL と集英社が手を組み、共同開発した睡眠エンタメ(=眠タメ)アプリ「よひつじの森」を使ったリラックス体験イベント「睡眠図書館」を、東京・両国の眠れるシアター施設「Theater Zzz(シアターズィー)」で、9月6日〜8日の3日間開催している。テントに囲まれた薄暗い空間の中で、思い思いにアプリを楽しむことができる。入場には事前予約が必要だが費用は特に必要なく、アプリに登場するキャラクタの名前を冠したリラックスティー(プーアール茶やジャスミン茶)も提供される。

「よひつじの森」

よひつじの森は、エンタメ要素を取り入れた睡眠習慣記録用スマホアプリだ。ENDROLL がディレクション、集英社がプロデュース、言い換えれば、作家と編集者の立場でプロジェクトに取り組んでいる。集英社は日々生まれる新しい作者や作品に読者と接点を持ってもらおうとしているが、これは意外とハードルが高いことがわかったという。誰もが毎日経験すること(=睡眠)にエンターテイメントを組み合わせれば、読者が触れ合える物語やキャラクターを作れるのではないか、という逆転の発想が協業の背景にある。

よひつじの森は昨年4月に iOS 版をローンチしていて、これまでに20万件がダウンロードされている。今年5月には無料版がリリースされたほか、9月中には Android 版がリリースされる見込みだ。こうした本格ローンチを前に、今回のイベントでは、睡眠に適した環境に身を投じることでアプリの世界観を体験してみようという試みのようだ。イベント開催中は、午後に1時間のプログラムが2回編成されており、事前予約で先着15名が参加できる。昼下がりの1時間なので、疲れた起業家のパワーナップにいいかもしれない。

Theater Zzz の「睡眠図書館」体験エリア

ENDROLL は、AIESEC in Japan 事務局、VR スタートアップ LIFE STYLE 出身の前元健志氏により2017年12月に創業。これまでに、インキュベイトファンド、ファクトリアル、複数の個人投資家から資金を調達している。ENDROLL では今後、よひつじの森について、新たなエピソードの追加、関連商品の充実(よひつじキャラクターを使った T シャツなどの販売)、コミカライズ(漫画化)などメディアミックスを拡大するとしている。

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