仮想通貨取引支援のAerial Partners、2.7億円をシリーズB1調達——SBI、ジェネシアV、double jump.tokyoから

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Image credit: Aerial Partners

仮想通貨取引支援サービスを開発・提供する Aerial Partners は4日、シリーズ B ラウンドの 1st クローズで約2.7億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、SBI インベストメント、ジェネシア・ベンチャーズ、double jump.tokyo。これは Aerial Partners にとって、2019年2月に実施した Z コーポレーションやジェネシア・ベンチャーズからの約1.8億円の調達に続くものだ。同社のこれまでの累積調達額は、明らかになっているものだけで約5億円に達した。

Aerial Partners は2017年の創業。デジタルアセットのデータ管理領域で、仮想通貨や暗号資産に関する税務会計サービスを複数展開している。暗号資産の確定申告サービス「Guardian」、暗号資産の確定申告に必要な損益計算サービス「Gtax」、そして金融免許事業者・上場企業に採用されているデジタルアセットの総合データ管理ソリューション「Aerial Data Management(ADM)」だ。7月には、Web3 事業者向け経理サポートツール「Aerial Web3 Accounting(AWA)」をローンチした。

「Aerial Web3 Accounting(AWA)」
Image credit: Aerial Partners

ADM は、主に、暗号資産交換業者(いわゆる仮想通貨取引所)や第一種金融商品取引業者に向けたデータ管理ソリューションとして提供していたが、その知見をふまえ、Web3 事業者向けのに開発された SaaS が AWA だ。なお、Aerial Partners は8月、AWA をゲーム特化ブロックチェーン「Oasys」に対応させたことを発表している。今後、Web3 事業者のみならず、一般企業(例えばゲーム会社)が AWA を使うことで、 Oasys を採用した Web3 ビジネスを始めやすくなることを期待している。

仮想通貨や暗号資産を支援するサービスはさまざまだ。アグレッシブに投資を促進・効率化できるサービスもあれば、Aerial Partners のように管理をするためのサービスもある。Aerial Partners は今年2月には暗号資産アプリ 「コイン相場」を事業譲受するなど、一見、Web3 分野におけるインフラの総合商社的なポジションを狙っているように思えるが、例えば、ウォレットなどに参入する可能性はないのだろうか。代表取締役の沼澤健人氏に聞いてみた。

沼澤健人氏
Image credit: Aerial Partners

日本にはカストディ規制(他人の資産を保管・管理を行う業務という解釈による規制)があるので、ウォレットを提供するには、(仮想通貨取引所でなくても)仮想通貨交換業のライセンスが必要になる。ここをどうしていくべきかは、まだ解を導ききれていない。

我々はデジタルアセットによって起きる価値革命の力を信じている。Aerial Partners は暗号資産に関わる〝守りのため〟のサービスを作ってきたというよりも、社会課題を解決しようとした結果、今のビジネスになっている。これまでに1,500人の方々の確定申告のお手伝いをしてきた。この経験を強みにとして開発したのが AWA だ。

上場企業が Web3 ビジネスを展開するには、会計監査人に OK を出してもらわないといけない。AWA はそうした局面でお役に立てるインフラになると思う。料金体系は柔軟に設計しているので個人から使えるし、スタートアップから大企業まで幅広に使ってもらえると考えている。

Aerial Partners では今後、コイン相場と連動した個人向け提供サービスにおける連携を行うほか、AWA の利用強化、double jump.tokyo が提供する企業向けウォレット機能を内包した Web3ビジネスソフトウェア「N Suite」との相互連携による業界内事業者の運営体制強化を行うとしている。AWA の対応するブロックチェーン種別についても順次拡大していく計画だ。

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