菌ケアサービスのKINS、事業会社各社から5億円を調達——「ポリアミン産生乳酸菌」商業化とB2B事業を加速へ

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Image credit: KINS

総合的な菌ケアサービスを展開する KINS は2日、直近のラウンドで5億円を調達したと発表した。ラウンドは不明。このラウンドに参加したのは、鈴与、NX グローバルイノベーションファンド(NIPPON EXPRESS ホールディングスの CVC、SBI と運用)、パナソニックくらしビジョナリーファンド(パナソニックホールディングスの CVC、SBI と運用)、楽天キャピタル、静岡キャピタルが参加した。

これは KINS にとって、2023年10月に明らかにしたシリーズ B ラウンド(2回目)に続くものだ。今回の調達を受けて、KINS の累積調達額は約35億円に達した。KINS は調達した資金を、B2B 市場でのソリューション提供を強化するための人員拡充と組織体制の強化、ポリアミン産生乳酸菌の商品化に向けた体制構築の加速、マイクロバイオーム創薬研究の本格化に向けた、研究開発能力の強化を行う。

KINS は、これまでに累計数十万人のユーザを持つコンシューマープロダクト事業を展開し、皮膚・腸内・口腔内などのマイクロバイオームに関わる20以上のプロダクトを提供している。また、日本で2院の動物病院、シンガポールで1院のヒト向けクリニックを運営するなど、実践的な臨床経験も蓄積している。

特筆すべきは、約2万検体にも及ぶヒト皮膚常在菌を郵送で回収・解析する独自の菌バンクプラットフォームだ。このシステムにより、KINS は疾患・症状への効果が期待される複数の独自菌の獲得に成功している。中でも注目を集めているのが、ポリアミン産生乳酸菌の開発だ。ポリアミンは細胞機能の調節に重要な役割を果たす物質で、非臨床試験では寿命延長、記憶力増強、認知力向上、心臓機能の改善などの効果が報告されている。

KINSは、このポリアミンを高効率で産生する特殊な乳酸菌を複数入手しており、これらを活用したアンチエイジング製品の開発や、原料としての販売準備を進めている。これまで KINS は B2C 事業を通じて菌ケアの重要性を広めてきたが、今回出資した企業などと協力し、B2B 事業の展開も加速させる。

具体的には、鈴与や静岡キャピタルとはポリアミン産生乳酸菌の販路開拓、パナソニックホールディングスとはマイクロバイオームに着目した商品の共同開発・販売、NIPPON EXPRESS ホールディングスとは菌検体の国際輸送や独自菌のバックアップ保管・輸送など、各社の強みを活かしたシナジー効果を追求していく方針だ。

via PR TIMES    Summarized by ChatGPT

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