家電のハイアールが自動車に参入、Luckin Coffeeが白酒入りラテ人気で20億円売上など——中国スタートアップシーン週間振り返り(9月4日~8日)

SHARE:
バイチュウ(白酒)入りラテ
Image credit: Kweichow Moutai(貴州茅台酒), Luckin Coffee(瑞幸珈琲)

本稿は、Technode(動点科技)が、9月4日~9月8日に配信した「News Feed」記事の中から主要ニュースを翻訳したものです。

Tencent(騰訊)、大規模言語モデル(LLM)「Hunyuan(胡言乱語)」を発表(9月8日)

中国のテック大手 Tencent(騰訊)は7日、同社の Global Digital Ecosystem Summit(全球数字生態大会)で、大規模言語モデル(LLM)「Hunyuan(胡言乱語)」を正式に発表した。この動きは、同じ中国のテック大手 Alibaba(阿里巴巴) と Baidu (百度)が独自のAI製品を発表してから数ヶ月後のことである。Tencent の上級副社長 Dowson Tong(湯道生)氏は、1,000億以上のパラメーターを持つフルスタックの自社開発 LLM の Hunyuanは、2兆トークンの事前学習データで学習されると述べた。

この LLM は、中国語の理解、コンテンツの作成、論理的推論、タスクの実行において強力な能力を持っているという。将来的には、Hunyuan は Tencent Cloud(騰訊雲)の MaaS 製品をサポートし、顧客は API を通じて直接 Hunyuan にアクセスし、さまざまな業界のシナリオに対応したアプリケーションを開発するための基礎モデルとして使用できるようになると Tencent は述べている。界面

中国の家電メーカー、Haier(海尔)が自動車産業に参入(9月8日)

中国の家電メーカー Haier Group(海尔集団)が自動車産業への進出を進めていると、中国のニュースメディア「Jiemian(界面)」が7日に報じた。Haier は現在、産業用インターネットを提供する COSMOPlat(卡奥斯)を通じて、産業用プラットフォームを構築するために自動車会社と協力しているという。

この動きは、自動車産業における企業のデジタルトランスフォーメーションを強化することを目的としていると、Haier は Jiemian に語った。さらに Haier は、スマートホーム分野での経験を生かし、自動車会社との提携により、家庭と自動車のコネクティビティのための新たなエコシステムを構築する計画であると付け加えた。界面

テック大手各社、AI のセキュリティ懸念への対応で協力(9月8日)

中国のニュースメディア「Jiemian(界面)」が7日に報じたところによると、中国のテック大手数社は、AI の台頭に関連するセキュリティ上の懸念に共同で取り組む。国際的な業界団体として知られる「雲安全連盟(Cloud Security Alliance=CSA)は7日のフォーラムで、Ant Group(螞蟻集団)、Huawei(華為)、Baidu(百度)、ByteDance(字節跳動)といった中国のテック大手を創設メンバーとする AI セキュリティワーキンググループの設立を発表した。

Jiemian の報道によると、このグループは、AI 技術の急速な発展から生じるセキュリティ上の課題に共同で取り組むことを目的としている。大手企業以外にも、国営企業である China Telecom(中国電信)、National FinTech Evaluation Center(国家金融測評中心)、公立の研究大学であるXidian University(西安電子科技大学)などがグループの発起人に名を連ねている。界面

Baidu(百度)、大規模言語モデル(LLM)の新バージョンをリリースへ(9月6日)

中国の検索大手 Baidu(百度))は6日、ChatGPT のようなサービスを一般に公開する許可を当局から得た1週間後、大規模言語モデル(LLM)の新バージョンを近くリリースすると発表した。Baidu の CEO Robin Lee(李彦宏)氏は、起業家が同社の LLM を使用して AI 時代に「ヒットアプリ」を生み出すことを望んでいると述べた。

Baidu は同日、LLM「ERNIE Bot(文心一言)」とサービス型クラウドプラットフォーム「Qianfan(易観千帆)」をベースにした11の AI ネイティブアプリケーションも発表した。同社によると、毎月1万社以上の企業が Qinfan を利用しているという。動点科技

Kweichow Moutai(貴州茅台酒)と Luckin Coffee(瑞幸珈琲)、バイチュウ(白酒)入りラテを定番メニューに(9月6日)

中国で最も有名なバイチュウ(白酒)ブランド「Moutai(茅台酒)」を製造する Kweichow Moutai(貴州茅台酒)は、Luckin Coffee(瑞幸珈琲)とのコラボレーションによるアルコール入りラテが中国で口コミで爆発的に広がったのを受け、レギュラー商品化するとメディア「CLS(財聯社)」に語った。Kweichow Moutai は、この飲料の販売数が「我々の予想を上回った」と述べるとともに、この飲料が期間限定商品でないことを消費者に再確認させた。

発売初日の4日には、542万杯以上の白酒入りラテが売れ、Luckin Coffee に1億人民元(約20億円)の売上新記録と樹立させた。バイチュウとラテの珍しい組み合わせは、ソーシャルメディアに嵐を巻き起こした。Moutai のボトルは通常アルコール度数53%で、Luckin のラテはアルコール度数0.5%である。財聯社

中国を代表する AI 起業家ら、Alibaba(阿里巴巴)主催の非公開会合に参加

テック系メディア GeekPark(極客公園)の報道によると、中国のテック企業の著名人が8月23日、Alibaba Cloud(阿里雲)と Founder Park が杭州で主催した非公開ミーティングに招集され、Alibaba CEO の Daniel Zhang(張勇)氏も出席した。この報道は、Zhang 氏が議論の間中「メモを書き続けていた」と付け加えた。5時間以上に及んだこの会議には、Mobvoi(出門問問/羽扇智)、Sinovation Ventures(創新工場)、LangBoat(瀾舟科技)の創業者たちが参加し、国内の AI 分野や大型モデルの開発について意見を交わした。

わずか4ヶ月前に新しい AI スタートアップを設立した Kai-Fu Lee(李開復)氏は、限られた GPU を効果的に活用することが、LLM 企業間の競争において極めて重要な要素であると述べたという。会議ではまた、これらの AI モデルの継続的な最適化は、最終的に LLM を業務に連携する企業のさらなる強化に貢献するため、起業家はオープンソースモデルを利用することを恥じるべきではないと強調した。極客公園

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する