8月28日~9月1日に公開された韓国スタートアップの調達のうち、調達金額を開示したのは10件で、資金総額は1,458億ウォン（約160億円）に達した。

主なスタートアップ投資

• AI 半導体企業 Sapeon（사피온）が600億ウォン（約66億円）を資金調達し、時価総額は5,000億ウォン（約550億円）に達した。SKT からスピンオフした Sapeon は、AI 半導体ベースのハードウェアから AI アルゴリズム、AI ベースのサービスに至るソフトウェアまで、AI フルスタック戦略で AI サービスを提供している。今年下半期には推論用 NPU 発売する予定だ。
• エンターテック企業 Knowmerce（노머스）が250億ウォン（約28億円）を調達し、累積調達額は600億ウォン（約66億円）に達した。ヒップホップアーティストための IP プラットフォーム「Wonderwall（원더월）」と「Fromm（프롬、iOS または Android）」を運営している。コンテンツ、コマース、公演事業などを筆頭に昨年は売上高185億ウォンを記録し、昨年末から黒字転換に成功した。
• DotMill（닷밀）が158億ウォン（約17億円）を調達した。実感メディアベースのエンターテイメント専門企業としてメディアコンテンツ制作、展示・体験空間運営、VR・AR・XR 技術開発などを主力としている。今回の調達により。メディアコンテンツ制作能力の強化と海外進出のための基盤を設ける計画だ。
• 非酸化グラフェンメーカー KB Element（케이비엘러먼트）が80億ウォン（約8.8億円）を調達し、累積調達額は177億ウォン（約19億円）に達した。プラズマ剥離による非酸化グラフェン技術力の保持技術で、製造コストを下げ、環境にやさしいプロセスを通じたグラフェン製造の商用化に成功した。2025年に技術特例 IPO を計画している。

トレンド分析

資金調達の冬にも関わらず、投資を増やした分野とは

政府は最近ペット産業を国家戦略事業として定め、ペットフード、ペットヘルス、ペットサービス、ペットテックを4大主力産業としてカスタマイズされた育成に乗り出すことにした。投資資金の拡大はもちろん、インフラ構築、制度改善、海外進出支援などを通じて関連スタートアップの成長を支援する計画だ。

ペットの分野は、スタートアップ全体の投資が減った状況でも投資家の関心を受けている分野の一つだ。ペットスタートアップは2021年のコロナ禍に大規模な投資が行われ、注目され始めた。分野ではペットフード飼料、スナック、グッズなどを販売する e コマース企業が主を成し、ヘルスケア、葬儀など既存サービスにデジタルを組み込んでより良いペットの管理を支援するスタートアップも資金調達に成功した。2021年には、PetFriends（펫프렌즈）が GS Retail（GS 리테일）に買収され、ペットのスタートアップでは最も成功したイグジット例を作り出した。

2022年の投資悪化の中でも、ペットスタートアップの資金調達額は2021年に比べ42％増加したことが分かった。今年も8月現在、昨年の額に次ぐ518億ウォン（約57億円）が投資され、現在の投資速度が維持されれば今年は昨年より多くの資金が投資される見込みだ。資金調達に成功した分野はヘルスケア・ウェルネスが最も多い割合を占め、ペット製品の販売からヘルスケアまでペットのライフサイクル別サービスを提供する総合プラットフォームが最も多い資金を調達した。

大企業もペットの増加に伴い関連事業に積極的に進出している。市場参入と優位先取りのためのスタートアップ投資や M&A 戦略をとっているが、最近では全体的な投資市場不安で PetFriends 以降、意味のある買収合併や投資事例が出ていない。ペットスタートアップへの投資はほとんどアーリステージに該当し、取引規模も比較的少ないことが限界とされているが、その成長性には肯定的な見方がある。ペットを家族の一員とみなすペットヒューマニゼーションのトレンドが世界中に定着し、ペットのライフサイクルを考慮したすべての製品とサービスが成長すると期待されるからだ。

また、政府は2027年までに国内ペット市場を15兆ウォン（約1.7兆円）に育て、主力輸出産業に成長させるという計画を推進しており、韓国スタートアップにはより多くの機会が開かれる見込みだ。

【via StartupRecipe】 @startuprecipe2

【原文】